大統領府、費用便益分析で用いる「生態系サービス」を定義

木材は構造物の骨組みとなり我々の経済を下支えし、花粉媒介者は我々の食物の育成を助けるように、自然は費用がかからずに我々に多くのことをもたらしており、これらの恩恵は「生態系サービス(ecosystem services)」と呼ばれている。米政府は数十年にわたり、規制や投資が米国民の生活に前向きな影響を及ぼしているかどうかチェックする手段として、費用便益分析を使用しているが、この費用便益分析で生態系サービスが常に十分に説明されているとは限らない。こうした中、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)の一部である情報及び規制問題局(Office of Information and Regulatory Affairs: OIRA)は、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)と協力して、費用便益分析における生態系サービスの説明について、連邦政府初のガイダンス(草案)を発表した。草案が最終的にまとまれば、規制や政府投資の分析を進展、強化するガイダンスとなる。また、このガイダンスは、今年初めにOSTPが発表したロードマップ「環境-経済的判断のための統計開発に関する国家戦略(National Strategy To Develop Statistics for Environmental-Economic Decisions)」)を補完するものである。 White House “Accounting for Ecosystem Services in Benefit-Cost Analysis” (8/1/23)

ジェイ・ルイス氏、米国CHIPS研究開発局に参画

ジェイ・ルイス氏(Jay Lewis)が、米国CHIPS研究開発局(CHIPS for America Research and Development Office : CHIPS R&D)に参画し、国家半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC)を支援するCHIPS R&Dのプログラム及び機能的な面で上級リーダーシップを務める。ルイス氏は、マテリアル科学者であり、政府と業界の双方の組織を先導した数十年に及ぶ経験を有している。商務省(Department of Commerce)は、NSTCは、新たに設立される独立した非営利事業体によって運営されるとしている。ルイス氏は、この非営利事業体とCHIPS R&Dとの関係を先導すると共に、政府や業界の代表者の前、諮問委員会、全国及び国際的な会議とフォーラムなどの場で、CHIPS R&Dがスポンサーとなって行なわれるNSTCプログラムについて説明する役割も担う。ルイス氏は以前は、マイクロソフト社(Microsoft)や、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)に務めていた。 National Institute of Standards and Technology “Jay Lewis Joins the CHIPS for America Research and Development Office” (7/21/23)

ジョン・ヒル氏、ブルックヘイブン研究所の科学技術担当副所長に任命

X線散乱研究の世界的第一人者である物理学者、ジョン・ヒル氏(John Hill)が、エネルギー省(Department of Energy)傘下のブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)の副所長(科学技術担当)(deputy director for science and technology: DDST)に、7月1日付けで任命された。現在のDDSTであるロバート・トリブル氏(Robert Tribble)が2022年3月に、同職を8年務めた後、退任する予定を発表した後、世界的な後任探しが行われていた。4月にブルックヘイブン国立研究所の次期所長として任命されたジョアンヌ・ヒューイット氏(JoAnne Hewett)(今夏後半に就任予定)は、「ジョン・ヒル氏には、ビジョンや制度的知識、健全なリーダーシップの経歴がある」と述べる。ヒル氏は長年にわたるブルックヘイブン国立研究所の職員で、1992年にポスドクとして物理学部門(Physics Department)に参画した。その後、キャリアを積み、2015年以来、ブルックヘイブン国立研究所内にある国立シンクロトロン光源II(National Synchrotron Light Source II: NSLS-II)の所長を、2013年以来、副アソシエイト所長(エネルギー及びフォトン科学担当)(deputy associate laboratory director for energy and photon sciences)を務めている。 Brookhaven National Laboratory “John Hill Named Brookhaven Lab’s Deputy Director for Science and Technology” (7/20/23)

エネルギー省、フェルミ国立加速研究所の管理運営契約競争に関する公募案を発表

エネルギー省(Department of Energy)は7月20日、フェルミ国立加速研究所(Fermi National Accelerator Laboratory: FNAL)の管理運営契約事業者の選出に関する「プロポーザルの要請(Request for Proposal: RFP)」の草案を発表した。RFP草案への一般からのフィードバックを募集する。寄せられたフィードバックは、最終版のRFPへの情報提供となり、最終版のRFPは2024年度の第1四半期に発表される予定である。プロポーザル提出前の会議及び拠点視察は、最終版のRFPが発表されてから約3週間後にFNALで実施される予定である。新たな契約は2024年9月30日までに発表される見込みである。 Department of Energy “Department of Energy Releases Draft Request for Proposals for the Fermi National Accelerator Laboratory Management and Operating Contract Competition” (7/20/23)

大統領府、「パンデミック準備対応政策局」を立ち上げ

米国がパンデミックに対してより準備ができていることを確実にするコミットメントの一環として、政権は、「パンデミック準備対応政策局(Office of Pandemic Preparedness and Response Policy: OPPR)」を立ち上げることを発表した。OPPRは、大統領行政局(Executive Office of the President: EOP)内に設置される恒久的な局で、既知・未知の生物学的脅威もしくはパンデミックや重大な公衆衛生関連の混乱につながる可能性がある病原体への準備、対応に関連する行動の先導と調整と実践を責務とする。また、OPPRは、現行の新型コロナ対応チーム(COVID-19 Response Team)及びエムポックス(サル痘)・チーム(Mpox Team)の責務を引き継ぐ。バイデン大統領は、こうした取り組みを先導する責任者として、ポール・フリードリックス少将(退役)(Major General (ret) Paul Friedrichs)がOPPRの初代局長及び首席アドバイザー(パンデミック準備対応)(Principal Advisor on Pandemic Preparedness and Response)に就任すると発表した。フリードリックス少将は現在、大統領特別補佐官(Special Assistant to the President)及び国家安全保障会議(National Security Council: NSC)で上級所長(世界公衆衛生安全保障及びバイオ防衛)(Senior Director for Global Health Security and Biodefense)を務めている。 White House “FACT SHEET: White House Launches Office of Pandemic Preparedness and Response Policy” (7/21/23)

バイデン大統領、未来産業の「当地で発明、当地で製造」を奨励する大統領令に署名

バイデン大統領は7月28日、米国の労働者、コミュニティ、世界のサプライチェーンの対応力に恩恵をもたらす「当地で発明、当地で製造(invent it here, make it here)」という米国政策を優先付けることを目的とした大統領令(Executive Order)に署名した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)、CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)を通じた連邦研究開発(R&D)の歴史的な「米国への投資(Invest in America)」を通じて、米国は、革新的能力を拡大する大規模な一連のツールと資源を得た。大統領令は、次の4つの中核的目的に取り組む内容となっている。①連邦R&Dプロセスにおける透明性を高め、煩雑な行政手続きを簡素化し、報告要件を合理化することで、国内製造目標へ向けた進展のより良い追跡へとつなげる、②連邦資金を使って開発された発明は米国内で製造されるようインセンティブを強化する、③重要産業の国内製造拡大を奨励しつつ、強力な国際R&Dパートナーシップを確立するための柔軟性を維持する、④国内製造の免除措置プロセスをより明確かつタイムリーにし、一貫性をもたせる。 White House “FACT SHEET: Amidst Manufacturing Boom, President Biden Will Sign an Executive Order on Federal Research and Development in Support of Domestic Manufacturing and United States Jobs to Encourage “Invent it Here, Make it Here” in Industries of …
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バイデン政権、初の癌ムーンショット学者コホートを発表

バイデン癌ムーンショット(Biden Cancer Moonshot)は8月3日、癌ムーンショット学者(Cancer Moonshot Scholars)プログラムの初代コホートを発表した。このプログラムは昨年バイデン大統領が立ち上げたもので、キャリア初期の研究者に援助を提供し、多様な米国をより良く反映した癌研究労働力を構築する助けとする。今回発表された様々な学者は、カリフォルニア州やイリノイ州、ケンタッキー州などの機関で実施されるプロジェクトを追求することで、現在知られている所の癌を終結させる取り組みで進展につなげる。具体的にバイデン政権は、国立癌研究所(National Cancer Institute: NCI)を通じて、11名の癌ムーンショット学者の初代コホートを支援するため、初年度に540万ドルをコミットしている。こうした癌研究及びイノベーションの新しいリーダーは、この資金を使って、社会的少数派の患者の癌の予防と早期発見努力を高め、全ての米国民を対象に新たな癌治療を創出し、治療が困難な癌に対処する専門性を深めるためのプロジェクトに取り組み、現状に変化をもたらす一助となることを目指す。政権は、2025年までに新たに30名の癌ムーンショット学者に資金を提供する意向で、次の応募期限は2024年2月の予定である。 White House “As Part of Unity Agenda, Biden Cancer Moonshot Announces Inaugural Cohort of Cancer Moonshot Scholars and Awards $5.4 Million to Advance Cancer Research and Innovation” (8/3/23)

バイデン政権、国家サイバー労働力及び教育戦略を発表、米国のサイバー人材を促進

バイデン政権は7月31日、「国家サイバー労働力及び教育戦略(National Cyber Workforce and Education Strategy: NCWES)」を発表した。サイバー労働力の直近及び長期的なニーズの双方に対処することを狙いとした包括的な手法を示したものである。米国内で空席となっている数十万人のサイバー雇用を充当することは、国家安全保障上の責務であり、政権は米国がデジタル経済を先導できるよう数世代に及ぶ投資をする。NCWESに概説されている手法は、ミドルクラスの労働者世帯を成長、強化するために政権が行っている継続的な取り組みを補完するもので、これには超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)などが含まれる。NCWESは、「必要とされている大規模な変化に一人で影響を与えることは不可能であり、全ての関係者が本戦略で設定されている方針を実行する必要がある」と強調した上で、①全ての米国民が基本的なサイバースキルを身に付ける、②サイバー教育を変革する、③国家サイバー労働力を拡大、強化する、④連邦のプサイバー労働力を強化する、の4本柱を中心に、共同作業を構築及び強化していくことを模索する。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces National Cyber Workforce and Education Strategy, Unleashing America’s Cyber Talent” (7/31/23)

エネルギー省、気候汚染を持続可能な製品に変革する取り組みに1億ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は7月24日、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題を通じて、炭素排出を転換して生産された製品を購入する州/地方自治体/公共ユーティリティ機関を支援するため、1億ドルを用意すると発表した。先端の炭素管理技術の導入を加速させ、燃料や化学に関する環境的に持続可能な代替のための市場を創出し、産業及び発電施設で捕獲した排出を由来とする製品を構築することが目標である。州や地方自治体、公共ユーティリティ機関は、大量の製品を購入することから、炭素排出由来の製品の購入にインセンティブを提供することは重要な手法である。今回の「炭素活用調達グラント(Carbon Utilization Procurement Grant)」は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出を受け、州や地方自治体、公共ユーティリティ機関が、捕獲された二酸化炭素及び一酸化炭素の転換によって開発された製品を調達、使用するための費用を50%相殺する支援を提供する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $100 Million to Transform Climate Pollution into Sustainable Products” (7/24/23)

主要な先端部門で、中国企業によるR&Dは2034年までに米国を抜く可能性

情報技術・イノベーション財団(Information Technology and Innovation Foundation:ITIF)が7月24日に発表した報告書「イノベーション戦争:中国はどのようにして企業R&Dで米国に追いつきつつあるか(Innovation Wars: How China Is Gaining on the United States in Corporate R&D)」によれば、中国企業による研究開発(R&D)は、先端部門において、急速に米国に追いつきつつある。また、中国企業による投資は、ソフトウェアとコンピュータ・サービスを除き、2034年までに米国企業の投資を上回る見込みである。報告書は、欧州連合(EU)による「R&D2,500スコアボード(R&D 2,500 Scoreboard)」を基に米国と中国を比較しており、中国の先端産業は世界平均を80%下回る状況から30%下回る状況へと成長した。その速度でいくと、中国は2034年までに米国に追いつく見通しである(ソフトウェアを除く)。「米国の議会と州政府が早急に対応しなければ、中国は米国を追い越す」と報告書は警告し、R&D税インセンティブを強化する策を勧告している。 Information Technology and Innovation Foundation “Chinese Corporate R&D Could Surpass US by 2034 in Key Advanced Sectors, ITIF Report Warns” (7/24/23)