IARPA、生成AIが呈する脅威に対応

情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は、人工知能(AI)や機械学習チャットボットを加速させる大規模言語モデル(large language models: LLMs)が、どのように脅威や偏見に脆弱であるかについて理解したいと考えている。このような中、IARPAは、8月1日、LMsに内在する脅威と脆弱性や、それらがどのように特性化されるか、脅威と脆弱性を軽減するためにどのような戦略を利用できるか、といった点について洞察を得ることを目的として、情報の要請(Request for Information: RFI)を行った。LLMsは、人間の言語に関するデータを収集し、ニューラル・ネットワークを模倣し、テキスト・ベースの返答を生成する助けとなる。しかし、LLMsによる返答は、信頼性があり、巧みな会話に見えるかもしれないが、その実際の知識には限界があり、誤解を招く返答や不正確な返答を生成する可能性がある。IARPAのRFIによれば、IARPAは諜報分析活動にLLMを使用する可能性を調査しているが、本技術の潜在的なエラーや脆弱性を相殺するための枠組みをどのように確立できるか、という点についても模索している。 Nextgov “IARPA grapples with threats posed by generative AI” (8/3/23)

ウェイモ社、次のロボタクシー都市としてテキサス州オースティンを選出

ウェイモ社(Waymo)が、ロボタクシー都市として4番目に選出したのはテキサス州オースティン。この地は、同社にとってある意味では「帰省」ともなる。ウェイモ社は、今年後半に同市内で商業ロボタクシーへ向けた手続きを開始すると発表しており、まず手動による試験を実施し、その後、監督者がいる状況での試験、全面的にオートノマスの運転試験を行い、その後、最終的な乗車サービスとなる。同社は、今年3月から商業的な配車サービスの開始へ向けた下地作りを行っているが、同社と同市の関りは、2015年10月に遡る。当時、ウェイモ社は、自社のプロトタイプ車「ファイヤーフライ(Firefly)」に盲目の男性を乗せて10分間走行した。また、オースティン市には2019年11月までウェイモ社の事務所があった。その他のオートノマス自動車企業もオースティン市での試験と検証に乗り出している。 The Verge “Waymo says Austin, Texas, will be its next robotaxi city” (8/3/23)

NSF、ウクライナ支援に向けた多国間パートナーシップを発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、欧州5カ国の国の資金拠出機関と共に覚書に署名し、新たなパートナーシップ・イニシアチブを発表した。今回発表されたのは、「ウクライナの対応力のある教育及び科学システムのための国際多国間パートナーシップ(International Multilateral Partnerships for Resilient Education and Science System: IPMRESS-U)」と題する研究イニシアチブ。IMPRESS-Uは、NSFが主導し、合同で資金を拠出するプログラムで、①国際的共同作業を通じて科学及び工学研究、教育、イノベーションの卓越性を支援、②ウクライナ人科学者が国際研究コミュニティへ統合することを推進、という2つの主要な目標を掲げている。NSFと共に参加するのは、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ウクライナの資金拠出機関、米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)、米海軍研究局(U.S. Office of Naval Research)および、民間の寄付者や財団。 National Science Foundation “NSF announces International Multilateral Partnerships for Resilient Education and Science System in Ukraine” (8/2/23)

NSFの地域イノベーション・エンジン・プログラム、競争の最終コンペに16チームを選出

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、初の「NSF地域イノベーション・エンジン(NSF Regional Innovation Engines: NSF Engines)」コンペで16のファイナリストを発表した。その範囲は、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)」で強調された広範な主要な技術分野及び社会的、経済的課題に及ぶ。NSFエンジンは、地元と地域のパートナーを結びつけ、イノベーションを全国に拡大し、協調的かつ包含的な技術主導型イノベーション・エコシステムを創出する。NSFは、今冬にNSFエンジンのアワードを発表する見込みである。NSFエンジンでは、最大10年間の間に、新生(nascent)、萌芽(emergent)、成長(growth)という、3つのフェーズを進展させ、技術イノベーション主導の経済活動ハブの創出を目指す。今回選出された決勝進出チームは、先端農業分野(1チーム。以下同)、先端製造/構造物建設(1)、先端マテリアル(1)、航空宇宙(2)、バイオ経済(1)、ブルー経済/循環経済(3)、気候と対応力(1)、健康とウェルネス(1)、マイクロエレクトロニクスと半導体(1)、量子(1)、持続可能なエネルギー(2)、水の持続可能性(1)となっている。 National Science Foundation “NSF Regional Innovation Engines program selects 16 teams for the final round of competition” (8/2/23)

エネルギー省と運輸省の合同局が新たに電気自動車作業部会を発足

エネルギー省(Department of Energy)と運輸省(Department of Transportation)のエネルギー及び輸送合同局(Joint Office of Energy and Transportation)(合同局(Joint Office))は、電気自動車作業部会(Electric Vehicle Working Group: EVWG)のメンバーを発表した。EVWGは、電気自動車(EV)業界の専門家とリーダーで構成され、国内における広範なEV導入をガイドすることを支援する。EVWGは、エネルギー長官と運輸長官に直接勧告を行う。EVWGには、エネルギー省と運輸省、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)、環境品質評議会(Council on Environmental Quality)、一般調達局(General Services Administration)、米国郵政公社(U.S. Postal Service: USPS)のリーダーも含まれる。焦点分野には、低・中所得者及び社会的に不利な立場にあるコミュニティの間のEV導入の促進、車両及びEV電池製造の費用や電池用原材料不足の評価、充電インフラやグリッド能力、EVサイバーセキュリティ・ニーズの特定などが含まれる。合同局は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law: BIL)を通じて、エネルギー省と運輸省の共同作業を促進することを目的として設立された。 Green Car Congress “Joint Office of Energy and Transportation establishes new EV working group” (8/4/23)

IARPA、超小型宇宙ゴミを追跡する野心的な取り組みを開始

情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は8月1日、極小の宇宙ゴミを検知、追跡、特性化する米国の能力に革命をもたらすことを狙いとしたプログラムを開始した。「宇宙ゴミの特定と追跡(Space Debris Identification and Tracking: SINTRA)」と呼称されるプログラムで、諜報コミュニティとして小型の宇宙ゴミを追跡する初の取り組みである。SINTRAプログラムは、①現行の宇宙ゴミの監視システムにおける溝をふさぐ、②既存のセンサーによる小型のゴミ追跡能力を強化する、というイノベーションの創出を狙いとしている。IARPAは、広範な官庁公示(Broad Agency Announcement: BAA)を通じて、Aテック社(A-Tech, LLC)、アドバンスト・スペース社(Advanced Space, LLC)、SRIインターナショナル(SRI International)、ウェストバージニア大学研究コーポレーション(West Virginia University Research Corporation)に、研究契約を発注した。 Director of National Intelligence Foundation “IARPA LAUNCHES AMBITIOUS EFFORT TO TRACK MICRO SPACE DEBRIS” (8/1/23)

半導体工業会(SIA)が年次報告書を発表

半導体工業会(Semiconductor Industry Association: SIA)は7月27日、年次報告「業界の現状報告(State of the Industry Report)」を発表した。半導体業界が直面している現行の課題と、継続的成長及びイノベーションのための機会について記述している。半導体は重要技術における存在感を更に高め、2023年も、世界における半導体業界の重要性は高まり続けている。2022年には世界で1兆個以上の半導体が販売された。半導体の需要増に伴い、世界中の政府が半導体生産及びイノベーションを国内に誘致するため、政府投資を増加させている。米国政府は昨年、こうした課題に対処するための取り組みを強化し、CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)を成立させて、必要とされている半導体研究投資及び製造投資を提供し、米国の経済、安全保障、サプライチェーンを補強した。半導体業界の未来には大きな有望性がある一方、様々な課題も呈している。例えば、米中間の緊張は、世界のサプライチェーンに影響を及ぼし続け、中国への半導体売上に関する新たな政府規制を招いている。 Semiconductor Industry Association “The State of the Industry Report Highlights Challenges and Opportunities Facing U.S. Chip Industry” (7/27/23)

エネルギー省、地熱塩水からの抽出を通じた国内のリチウム供給の拡大に1,090万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は7月24日、米国内の地熱塩水資源からリチウムを抽出し、電池級のリチウムに転換する革新的技術の進展に取り組む10件のプロジェクト(9州)に1,090万ドルを提供すると発表した。これらの取り組みにより、米国が、コスト効果が高いこの重要マテリアルの国内資源にアクセスできる可能性を高める。現在、米国国内で調達したリチウムを生産及び精製する能力は限定的である。今回選出された10件のプロジェクトは、①地熱塩水から水酸化リチウムを生産することの実地検証、②地熱塩水からの直接的なリチウム抽出のための応用研究開発、の2つのトピック分野から選出された。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $10.9 Million to Expand Domestic Supplies of Lithium through Geothermal Brine Extraction” (7/24/23)

エネルギー省、2023年重要マテリアル評価を発表

エネルギー省(Department of Energy)は、「2023年重要マテリアル評価(2023 Critical Materials Assessment)」を発表した。世界的なクリーンエネルギー技術のサプライチェーンに対するマテリアルの重要性を評価したものである。そして、この評価の結果に基づき、エネルギー省は、「2023年DOE重要マテリアル・リスト(2023 DOE Critical Materials List)」を決定した。このリストは、2035年までを通じて、特にエネルギーにとって重要(critical)及びほぼ重要(near-critical)なマテリアルを示したものである。この重要マテリアル・リストは、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)48C条の下、税クレジットの適格性に関する情報提供ともなる。マテリアル及び技術の市場は世界的なものであることから、重要マテリアル評価は世界的な規模の内容となっており、米国国内の利益をその文脈内で考慮している。エネルギー省は、この評価で特定された各重要マテリアルについて、そのマテリアルごとのリスクに対処する総合的戦略を開発する。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Releases 2023 Critical Materials Assessment to Evaluate Supply Chain Security for Clean Energy Technologies” (7/31/23)

CSET、米国内で高い影響力を持つAI研究者に関する分析を報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「イノベーションの声:米国で高い影響力を持つAI研究者に関する分析(Voices of Innovation: An Analysis of Influential AI Researchers in the United States)」と題する報告書を発表した。人工知能(AI)の論文件数や引用など、3つの測定指標を使って、2010~2021年における米国内で最も高い影響力を持つAI研究者を特定し、その人口動態的プロフィールやキャリア経路、共同研究の割合などについて調査したもの。それによれば、その多くは男性研究者で、キャリアの後期段階におり、10件のエリート大学及び企業に集中している。そして米国のAI研究者のトップの約70%は外国生まれである。 Center for Security and Emerging Technology “Voices of Innovation: An Analysis of Influential AI Researchers in the United States” (July 2023)