国土安全保障省、AIの責任ある使用を推進する新たな政策及び措置を発表

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)は9月14日、DHSによる人工知能(AI)の責任ある使用を確実にするための新たな政策を発表した。この政策は、DHS人工知能作業部会(Artificial Intelligence Task Force: AITF)によって開発されたもので、「AIのリスクを管理し、恩恵を育成する」というバイデン政権のコミットメントを基盤としている。DHSはまた、アレハンドロ・マヨルカス長官(Alejandro Mayorkas)が、省の最高情報責任官(Chief Information Officer: CIO)であるエリック・ハイセン氏(Eric Hysen)を、DHSで初となる最高AI責任官(Chief AI Officer)に任命したと発表した。ハイセン氏は、DHS内のAIイノベーションと安全を推進すると共に、AI問題についてマヨルカス長官及び省の上層部に助言する役割を担う。 Department of Homeland Security “DHS Announces New Policies and Measures Promoting Responsible Use of Artificial Intelligence” (9/14/23)

「脱炭素化の未来を実現するには、エネルギー・システムのより良いモデリングが必要」との報告

政策策定者やユーティリティ機関は、世界の電力グリッドを脱炭素化するための最良戦略を判断するため、頑強なエネルギー・システム・モデルを必要としているが、既存のモデルは10年前以上のグリッド運用のために設計されたものである。現在のグリッドは当時とは大きく異なり、ソーラー発電やグリッド・エネルギー貯留といった新たな技術が急速に導入されるなどしている。こうしたことから、エネルギー・システムのモデリングを改良し、重要な変更点について適切に説明できるようにする必要がある。エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)及びその他の機関のモデリング専門家が「ネイチャー・エネルギー(Nature Energy)」に発表した論文「能力拡大モデリングの強化を通じた電力の脱炭素化のためのエネルギー貯留ソリューション(Energy storage solutions to decarbonize electricity through enhanced capacity expansion modeling)」は、エネルギー・システムのより良いモデリングの急務の必要性に注目するよう呼び掛けている。 Argonne National Laboratory “A call for better energy system models to enable a decarbonized future” (9/14/23)

ローレンス・リバモア国立研究所、STEMの多様性と電池研究を推進

ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)は、エネルギー省(Department of Energy)による「加速的かつ包含的研究への資金(Funding for Accelerated, Inclusive Research: FAIR)」イニシアチブの支援を受け、サンフランシスコ州立大学(San Francisco State University: SFSU)と提携し、STEM労働力の多様化向上と、社会的少数派の学生及び研究者への訓練を提供する。FAIRは、エネルギー省の科学局(Office of Science)ポートフォリオにおいて歴史的に少数派となっている機関の研究能力やインフラ、専門性を強化することを目指す。LLNLは、SFSUのポスドク及び学生へのメンタリングを通じて、エネルギー・マテリアル向けに、原子の相転移メソスケール・モデルの開発に取り組む。本件は3年間のプロジェクトである。また、LLNLは別件のプロジェクトで、カリフォルニア州立大学チコ校(California State University-Chico)とサンホゼ州立大学(San Jose State University)という2つの少数派向け大学と提携し、多様なSTEM労働力の訓練を提供し、リチウム硫黄電池用次世代マテリアルの開発に取り組む。 Lawrence Livermore National Laboratory “New Lab projects to promote STEM diversity, accelerate battery research” (9/11/23)

カリフォルニア州、国際的なメタンガス削減イニシアチブを開始

カリフォルニア州は9月20日、メタンガスの軽減及び削減にコミットする地方自治体を世界中からリクルートする新たな気候イニシアチブを発表した。創立メンバーとして、米国のカリフォルニア州、メキシコのケレタロ、南アフリカのハウテン州、ブラジルのエスピリトサント州、ナイジェリアのクロス・リバー州、メキシコのユカタン、インドのデリーの計7地域が署名した。この新しい「地方自治体によるメタンガス行動イニシアチブ(Subnational Methane Action Initiative)」は、気候週間(Climate Week)にあわせてカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(Gavin Newsom)が開始した。同州は、2030年までに2013年の水準と比較してメタンガス排出を40%削減するという目標を掲げており、革新的なソリューションで米国を先導している。 California Air Resources Board “California launches international methane-reduction initiative during Climate Week” (9/20/23)

NSF、気候変動対応力とコミュニティ主導型イノベーションに1,900万ドル

自然災害が発生した時、コミュニティはどのようにして資源とサービスへのアクセスを効果的に導くことができるか―-。全国の市民リーダー及び大学の学者で構成される19チームが、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)から1,900万ドルの資金を得て、こうした課題への対策に共同で取り組む。NSFは、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate)及びエネルギー省(Department of Energy)とのパートナーシップにより、この「市民イノベーション・チャレンジ(Civic Innovation Challenge: CIVIC)」を実施する。19チームは、拡張可能で持続性があり、その他のコミュニティに移行が可能なパイロット・プロジェクトの実施及び評価を目的として選出された。CIVICは、コミュニティと大学の関係を逆転させ、市民リーダーがイノベーションの機が熟した優先事項を特定し、その後大学と提携してコミュニティ主導型のソリューション開発に取り組む。19チームのうち10チームは「トラックA(Track A)」として、変化する気候の下での生活に焦点を当て、9チームは「トラックB(Track B)」として、必須の資源及びサービスとコミュニティのニーズの間の溝を埋めることに焦点を当てる。 National Science Foundation “Civic Innovation Challenge awards $19M for climate change resilience and community-driven innovation” (9/21/23)

エネルギー省、エネルギーICorpsラボ・コールを発表

エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)は9月20日、エネルギー省傘下の国立研究所とプラント及び拠点を対象として、エネルギー・イノベーション部隊(Energy I-Corps)の2024年春期プロポーザル要請を発表した。EICの目標は、エネルギー省傘下の国立研究所と、プラント及び拠点の研究者に訓練を提供し、技術の商業化へ向けた経路を学んでもらうことである。OTTは、今回のEICラボ・コールで、トピック1~3で最高50万ドルのアワードを予測しているが、プロポーザルの内容に応じて追加資金が有用となる可能性はある。エネルギー省が提示するトピックは、トピック1「EIC人材開発(EIC Pipeline Development)」、トピック2「EICコホート18(EIC Cohort 18)」、トピック3「ポストEIC(Post EIC)」の3つ。 Department of Energy “DOE Announces Energy I-Corps Lab Call” (9/20/2023)

エネルギー省、クリーン水素技術の進展に約4,800万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月20日、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題への支援として、クリーン水素技術の進展に取り組む16件の研究開発実証(RD&D)プロジェクトに4,770万ドルの資金を発表した。プロジェクトの所在地は13州に及ぶ。選出されたプロジェクトは、技術費用の低減、水素インフラの強化、水素燃料電池の性能向上を狙いとし、クリーン水素の費用低減と商業規模の導入の実現を目指すDOEの努力を支援する。これらはまた、「地域クリーン水素ハブ(Regional Clean Hydrogen Hubs)」、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)における税インセンティブ、エネルギー省の水素プログラムにおける継続的なRD&D活動と共に、水素ショット(Hydrogen Shot)の目標達成の一助となる。本件は、エネルギー省の水素・燃料電池技術局(Hydrogen and Fuel Cell Technologies Office: HFTO)が管理する。 Department of Energy “DOE Announces Nearly $48 Million To Advance Clean Hydrogen Technologies” (9/20/23)

DARPA、宇宙優勢に関する革新的概念を模索

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「機密イノベーションを国防及び政府システムへもたらす(Bringing Classified Innovation to Defense and Government Systems: BRIDGES)」イニシアチブの下、2番目のトピックとして、中小企業及び非伝統的な国防契約事業者から、宇宙優勢(Space Superiority)の技術的領域に関する革新的概念を模索している。DARPAは、このトピックを通じて、競争の連続(competition continuum)全般で宇宙システムを保護、防衛するための破壊的な選択肢を兵士に提供することにつながり得る新規の手法及び技法を求める。BRIDGESは、伝統的に米政府と契約することがない中小企業のイノベーションを国防総省(Department of Defense)の機密研究開発の取り組みと結びつけることを狙いとする。 Defense Advanced Research Project Agency “Seeking Innovative Concepts for Space Superiority” (9/18/23)

NIH、下請けに関する同意政策を明確化

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の所外研究局(Office of Extramural Research)は9月15日、研究コミュニティから寄せられたフィードバックに基づき、海外の下請け受益者及びコンソーシアムに関する文書同意政策に関して、NIHの長期的な政策を明確にする最終ガイダンスを発表した。本件は、NIHのグラント政策声明(Grants Policy Statement)の15.2項(海外の下請け受益者(subrecipients)は、進捗報告に記載されている通りの研究成果を支える全てのラボ・ノート、全てのデータ、全ての文書の写しを、6カ月に一度を下回らない頻度で第一受益者に提出することを義務付け)の更新に関するもので、NIHは去る6月に本計画に関するパブコメ募集を行った。今回の最終ガイダンスでは、この要件に修正が行われ、「海外の下請け受益者は、進捗報告に記載されている通りの研究成果を支える全てのラボ・ノート、全てのデータ、全ての文書の写しへのアクセスを、第一受益者に、一年間に一度を下回らない頻度で提供し、研究パフォーマンス進展報告の提出に関する要件のタイミングと揃える」とされた。ここでいう「アクセス」には、電子版も含まれる。 NIH Office of Extramural Research “Further Clarifying NIH’s Foreign Subaward Agreement Policy: Addressing Community Feedback” (9/15/23)

癌ムーンショット、新たな行動とコミットメントを発表

バイデン大統領夫妻は9月13日、癌閣僚(Cancer Cabinet)会合を招集し、ホワイトハウス癌ムーンショット(White House Cancer Moonshot)のミッションを進展させるために連邦機関が講じる新たな措置と、我々が現在知る所の癌を終結するためのミッションにおいて進展を実現するために、非政府組織及び民間部門による新たなコミットメントを発表した。新たに発表した行動の一例は次の通り。①癌の予防、検出、治療、克服のための新たな方法を加速させるため、今年、新たに2億4,000万ドルの追加投資を行う、②癌研究の進展を実現するための新たな「バイオメディカル・データ・ファブリック・ツールボックス」の開発、③社会的に少数派のコミュニティでの癌臨床試験を実現し、研究の進展を加速させることを目的とした、全国的な医療イノベーション・ネットワークの新設。また、非政府組織によるコミットメントとして、①米国癌協会(American Cancer Society: ACS)が、腫瘍学の専門職ナビゲーターを対象とするカリキュラム及び認定プログラムを新設する、②ヘルスウェル財団(HealthWell Foundation)が、保険が十分でない癌患者に2024年に3億ドル以上を提供し、医療費の補助に役立てる、など。 White House “FACT SHEET: As Part of President Biden’s Unity Agenda, White House Cancer Moonshot Announces New Actions and Commitments to End Cancer as We Know It” (9/13/23)