ポスト量子暗号同盟が発足

現在我々がオンラインで暗号化しているデータ(金融情報や個人特定情報、軍事活動や諜報データなど)は、将来、暗号化に対応する量子コンピュータにアクセスを持つ敵対者によってすぐに解読される可能性がある。このため、ポスト量子暗号(post-quantum cryptography: PQC)と、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)によるPQCアルゴリズムに関する広範な理解と公共の導入へ向けた進展を促すため、技術者や研究者、専門家によるコミュニティがPQC同盟(PQC Coalition)を立ち上げた。創立メンバーには、IBM量子コンピューティング(IBM Quantum)、マイクロソフト(Microsoft)、MITRE、PQシールド(PQShield)、サンドボックスAQ(SandboxAQ)、ウォータールー大学(University of Waterloo)が含まれる。「量子コンピュータはまだ登場していないかもしれないが、その登場は差し迫っており、国家や経済の安全保障に機会と脅威の双方をもたらしている」と、MITREの幹部は述べる。同盟はまず、①PQCへの移行に関連する標準活動を進展させること、②教育や労働力開発を支援する技術マテリアルを作成すること、など4つの活動に焦点を当てる。 MITRE “Post-Quantum Cryptography Coalition Launches” (9/26/23)

GAO、中小企業研究プログラムについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月29日、「中小企業研究プログラム:過半数の連邦機関が申請者にニーズの定義と解決策の提案を認める(Small Business Research Programs: Most Agencies Allow Applicants to Define Needs and Propose Solutions)」と題する報告書を発表した。連邦機関は、グラントや契約、共同契約を通じて、中小企業による技術研究開発資金を援助している。ほとんどの連邦機関が、アワードの一部もしくは全てにおいて、広範なトピック分野内で企業自身が問題を定義し、革新的なソリューションを売り込むことを容認している。対照的に、一部の連邦機関では、問題をあらかじめ定義し、ソリューションのみを募集している。GAOは、「企業が問題を定義することを認めることで、多様な中小企業を引き付け、最良のアイデアを巡る競争を促すことができる。ただしこれはこれらの研究プログラムで参加者の多様性や競争に影響を及ぼし得る単なる一つの要素である」と分析している。 Government Accountability Office ” Small Business Research Programs: Most Agencies Allow Applicants to Define Needs and Propose Solutions” (9/29/23)

NSF、地域イノベーション・エンジン・ビルダー・プラットフォームの受益者を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「エンジン・アクセラレータ(The Engine Accelerator)」に、3年間で950万ドルの投資を行なうと発表した。エンジン・アクセラレータは、パブリック・ベネフィット・コーポレーション(public benefit corporation)(公共利益を重視し、社会貢献などを目的とする法人)で、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)を起源とし、NSF地域イノベーション・エンジン・ビルダー・プラットフォーム(NSF Regional Innovation Engines (NSF Engines) Builder Platform)を開発、始動、運営する。NSFエンジン・ビルダー・プラットフォームは、NSFエンジンの受益機関を対象に、独自に調整した支援ネットワークを開発し、互いを結びつけ、法人/慈善団体/投資家/その他の提携候補機関を対象に厳選された連絡窓口を作成し、イノベーション・エコシステムに関するベスト・プラクティスと知識共有を策定するなどの支援を行う。 National Science Foundation “NSF announces award for its Regional Innovation Engines Builder Platform” (9/29/23)

NSF、スタートアップが成功する可能性を強化するパイロット・プログラムを開始

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、スタートアップが成功する可能性を最大限とするべく支援することを意図した450万ドルのパイロット・プログラム「スタートアップ・アクセラレータ・イグニッション・プログラムの実行可能性調査(Feasibility Study for Startup Accelerator Ignition Program)」を開始すると発表した。プログラムは、ニューヨークにあるスタートアップ・アクセラレータのネクスト・コープス社(NextCorps)が主導し、新規カリキュラムや手法(技術と経済に関する訓練や財務の評価方法など)の支援を提供し、スタートアップを支援する。スタートアップはしばしば商業化に向けて十分な資金を調達することに苦労しており、スタートアップ・アクセラレータはこれらの企業が課題を克服し、実行可能で収益性を得られるよう訓練や支援を提供する。 National Science Foundation “NSF launches pilot program to enhance the potential for success of startups” (9/29/23)

国勢調査局、米国におけるAIの導入について報告

国勢調査局(Census Bureau)は今般、「米国における人工知能の導入:誰が、何を、どこで(AI Adoption in America: Who, What, and Where)」と題する報告書を発表した。2018年に85万社を対象に行われた年間企業調査(Annual Business Survey)を基に、5つの人工知能(AI)関連技術(自動ガイドによる自動車、機械学習、機械ビジョン、自然言語処理、音声認識)についてその早期導入と普及を調査したものである。報告書によれば、何らかのAI関連技術を使用している企業は6%未満となっている。ただし、超大手企業は、少なくともの何らかのAIの使用を報告している。雇用を加重すると、導入率は18%強であった。動的で若手の企業の間では、教育水準が高く、所有者がより若手の場合に、AIの導入率が最も高い。この他、ベンチャー・キャピタルによる資金提供や新しいイノベーションなど、急成長を示唆するスタートアップにおいても、AI導入はより一般的で、一部の「スーパースター都市」及び新興の技術ハブは、スタートアップのAI導入を先導している。早期におけるこうしたAI使用のパターンは、大きな経済的及び社会的影響をもたらす可能性があり、この傾向が続けば「AI格差」が拡大する可能性を秘めている。 United States Census Bureau “AI Adoption in America: Who, What, and Where” (September 2023)

GAO、重要インフラ保護に関する情報共有について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月26日、「重要インフラ保護:国家サイバーセキュリティ戦略は、情報共有パフォーマンスの測定及び手法に対処する必要(Critical Infrastructure Protection: National Cybersecurity Strategy Needs to Address Information Sharing Performance Measures and Methods)」と題する報告書を発表した。重要インフラをサイバー攻撃から守ることは、水や電力と同様に国家的優先事項である。連邦機関や重要インフラの所有者及び運用者は、増大的に複雑になるサイバー脅威への対策として情報を共有する必要がある。国内の16の重要インフラ部門は、電力や通信、金融サービスを提供するため、電力システムに依存しており、国家サイバー局長室(Office of the National Cyber Director: ONCD)や国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)のサイバーセキュリティ及びインフラ・セキュリティ局(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)、連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation: FBI)などは、これらの部門を保護する上で主要な役割を担っている。GAOが調査した14の連邦機関(CISAとFBIを含む)は、重要インフラの所有者及び運用者との間でサイバー脅威の情報交換を促進する上で11の主要を利用している。GAOは、連邦サイバー・イニシアチブの監視と、連邦機関の情報共有手法の評価を行い、サイバーセキュリティ上の課題に対処する一助とすることを勧告している。 Government Accountability Office “Critical Infrastructure Protection: National Cybersecurity Strategy Needs to Address Information Sharing Performance Measures and Methods” …
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「米国は、中国からの輸入が多すぎるのではなく、中国への輸出が少ないことが問題」との報告

米国の対中貿易赤字は年間3,500億ドル以上で、中国は8,000億ドル以上の米国債を保有している。これらの大きな数字は長年継続されている。しかし、アジア及び世界的な観点から見ると、これらの不均衡は、衝撃というよりは予測可能な数値である。米国における中国からの輸入が中国のGDPに占める割合は3.1%(2022年)であるが、対照的に、中国からの輸入が日本のGDPに占める割合は4.5%、ドイツでは4.7%、韓国では7.9%、台湾では13.9%になる。これら5カ国に対する米国の輸出が輸入に大きく後れを取っているが、特に中国への輸出不足は規模が大きい。同様に、GDP比で見ると、日本、台湾、その他の多くの国が保有する米国債の割合は、中国に比べて大幅に大きい。中国による米国債の大規模な保有は、米国の巨大な負債やドルが国際社会で果たす重要な役割、大規模な米国の対中貿易赤字の結果として予測可能である。こうしたことを踏まえ、情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は、「米国が対中輸出を増やす、中国内での売上を増やす、もしくは米国内での中国生産を奨励しなければ、現在の対中赤字への対処方法は中国からの輸入を減らすことであるが、これは間違いなく両国間の緊張を高め、繁栄を抑制するだろう」と提唱している。 Information Technology & Innovation Foundation “America Doesn’t Import Too Much From China; the Real Problem Is U.S. Exports Are Too Low” (10/2/23)

EPA、法規執行・順守プログラムが気候危機対策の一助となるよう指示

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は9月28日、「気候に関する法規執行・順守に関する戦略(Climate Enforcement and Compliance Strategy)」を発表し、全ての法規執行・順守プログラムに関して、該当する場合は、その管轄におけるあらゆる事案において、気候変動に対処することを指示した。EPAの法規執行・順守確証局(Office of Enforcement and Compliance Assurance)は、EPAによる犯罪/市民/清掃/連邦施設の法規施行措置において、該当する場合は、気候変動の影響を削減/予防/準備するための気候関連のソリューションと措置を取り入れる。気候戦略は、①気候変動を緩和する法規執行・順守措置を優先すること、②該当する場合は、気候適用と対応力の要件を各事例に含めること、③気候関連のソリューションを達成し、EPAのスタッフ及び州や地方自治体のパートナーの間で気候変動の能力強化に取り組むため、技術援助を提供すること、を適用させるよう指示している。 Environmental Protection Agency “New EPA Strategy Directs All EPA Enforcement and Compliance Programs to Help Tackle the Climate Crisis” (9/28/23)

ランド研究所、気候変動が予算にもたらす影響について報告

ランド研究所(Rand Corporation)は今般、「気候変動が予算にもたらす影響と、それが法案にもたらす潜在的な影響(The Budgetary Effects of Climate Change and Their Potential Influence on Legislation)」と題する報告書を発表した。気候変動は深刻かつ頻繁な危険をもたらし、それらは災害給付や医療ケアといった支出の増加を招く。こうした要素の組み合わせは、気候変動を理由とする連邦予算の大幅な純損失につながる。しかしこうした損失は現在、気候政策の費用と恩恵を定量化するために使用する指標で過小評価されている。ランド研究所の報告書は、気候変動及び気候変動軽減政策が連邦予算に影響する方法についてまとめている。その上で、こうした影響のモデリングを改良する方法を勧告し、法案を評価するために使用できる予算モデルの概要を提示している。 Rand Corporation “U.S. Department of Energy Announces $38 Million to Deploy Clean Energy Technology in American Indian and Alaska Native Communities” (October 2023)

NREL、米国における浮体式洋上風力発電について報告

米国のオフショアには、2.8テラワットの風力エネルギーの可能性があり、3億5,000万世帯に電力を供給できる可能性があるが、この貴重なエネルギー資源を確保するソリューションとして、浮体式洋上風力発電がある。2030年前後に西海岸で初の商業規模のプロジェクトの建設を目指す中、米国は、商業規模の浮体式洋上風力発電開発を可能にする港湾を開発する必要がある。国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は今般、「米国西海岸における浮体式洋上風力発電のための港湾ネットワーク開発の影響(The Impacts of Developing a Port Network for Floating Offshore Wind Energy on the West Coast of the United States)」と題する報告書を発表した。港湾システムを開発するために必要な点に焦点を当てたもので、報告書によれば、それは時間と大きな投資を必要とするが、実行する価値はあるという。報告書は、西海岸に港湾ネットワークを開発するための主要焦点分野として、①既存の西海岸の港湾インフラの改良、②共同作業と対話の奨励、③大幅な労働力の構築、④透明性と確実性、⑤船舶フリートの育成、の5点を挙げている。 National Renewable Energy Laboratory “What Will It Take To Unlock U.S. Floating Offshore Wind Energy?” (9/26/23)