米国科学審議会(NSB)、科学・工学分野でのマイノリティ支援を促進するよう提言

米国科学審議会(National Science Board: NSB)が11月16日に発表した報告書「科学・工学における高等教育(Higher Education in Science and Engineering)」によれば、2012年から2021年の間に、米国の大学の科学・工学における学位授与件数は、全ての学位、アフリカ系及びヒスパニック/ラテン系(こうした学位では歴史的に少数派)の学生の間で増加した。一方、同じように歴史的に少数派となっている米国先住民、アラスカ先住民の学生の間では、2021年に科学・工学の学位を取得した学生数は2012年より少なかった。NSBのメンバーで、テキサス大学エルパソ校(University of Texas at El Paso)の学長であるヘザー・ウィルソン氏(Heather Wilson)は、「科学・工学で学ぶ学生は増えているにもかかわらず、我々が、十分な速度でSTEMにおける『不明の数百万人(Missing Millions)』に手を差し伸べていないことは明白である」と述べる。NSBの「ビジョン2030年(Vision 2030)」は、女性やその他の少数派のグループが、米国の科学・工学事業における存在感を高め、米国のSTEM労働力のニーズに対応する一助とすることで、『不明の数百万人』へ手を差し伸べることが急務であることを強調している。報告書には、科学の学問別、学位別、人口動態別、学術機関別、米国内の留学生、他国の学生別のトレンドが含まれている。 National Science Foundation “New report shows we must do more to include “Missing Millions” in science and engineering” (11/16/23)

国防総省、デジタル・オンデマンドの学習プラットフォームへのアクセス提供を開始

国防総省(Department of Defense)の最高デジタル及び人工知能局(Chief Digital and Artificial Intelligence Office: CDAO)は11月16日、「デジタル・オンデマンド(Digital On-Demand)」の開始を発表した。デジタル・オンデマンドは、国防総省の事業支援を目的として、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の継続学習プラットフォーム「ホライゾン(Horizon)」の学習資源ライブラリへのアクセスを提供することで、人工知能(AI)に関する知識を加速させるイニシアチブである。MITホライゾンの学習プラットフォームは、国防総省の軍事及び非軍事の全ての職員へ提供される。CDAOの高官は、「CDAOは、AIシステムやその他の新興技術に関する基本的理解を育成するため、デジタル・オンデマンドを開始する」と説明する。MITホライゾンのオンライン・プラットフォームは、AI能力やその他の新興技術(「モノのインターネット」や5G、エッジ・コンピューティング、生成AIなど)に関する小口の学習材料で構成されている。 Department of Defense “Chief Digital and Artificial Intelligence Office Launches Access to Digital On-Demand Learning Platform” (11/16/23)

国防総省、「責任あるAI(RAI)ツールキット」を発表

国防総省(Department of Defense)の最高デジタル及び人工知能局(Chief Digital and Artificial Intelligence Office: CDAO)は11月14日、「責任ある人工知能(Responsible Artificial Intelligence: RAI)ツールキット(RAI Toolkit)」を発表した。これは、キャサリーン・ヒックス副国防長官(Kathleen Hicks)が2022年6月に署名した「国防総省RAIに関する戦略及び実践の経路(DOD RAI Strategy & Implementation Pathway)」からの主要な成果物の一つである。RAIツールキットは、AIプロジェクトがRAIのベスト・プラクティス及び国防総省のAI倫理原則(AI Ethical Principles)と整合するよう、AIプロジェクトを特定、追跡、改良しつつ、イノベーションの機会を活用するための任意のプロセスを提示している。更に、ツールキットの直感的なフローは、AI製品のサイクル全体で、カスタマイズ可能なモジュール式評価、ツール、アーティファクトを通じたガイドとなる。RAIツールキットの文書は継続的に強化、更新されていく。 Department of Defense “CDAO Releases Responsible AI (RAI) Toolkit for Ensuring Alignment With RAI Best Practices” (11/14/23)

DARPAの次世代マイクロエレクトロニクス製造プログラムがフェーズ1及び2を開始

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、マイクロチップ及びその将来の用途の新時代へ向けて、「次世代マイクロエレクトロニクス製造(Next-Generation Microelectronics Manufacturing: NGMM)」プログラムを形成する共同作業機関を募集している。DARPAは、NGMMプログラムを通じて、3Dヘテロジニアス・インテグレート(3D heterogeneously integrated: 3DHI)(3D異種集積)を中心とした高性能マイクロエレクトロニクスの製造に、次なる主要な一波をもたらす科学技術の革命的達成を開拓しようとしている。NGMMプログラムは、「3DHI主導で、新規の設計と工学によるブレイクスルーを国家レベルで達成すること」を根幹的目標としている。DARPAは11月3日に、潜在的パートナーを対象に、11月28日に予定されているNGMMのプロポーザー・デー(Proposers Day)に参加するよう招待した。       Defense Advanced Research Project Agency “Next-Generation Microelectronics Manufacturing Opens Phases 1 and 2” (11/17/23)

国土安全保障省、人工知能ロードマップを発表

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)のサイバーセキュリティ及びインフラ・セキュリティ局(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)は11月14日、「人工知能ロードマップ(Roadmap for Artificial Intelligence)」を発表し、人工知能(AI)能力のセキュアな開発及び実践を確実にするためのDHS及び政府全体の取り組みを追加した。バイデン大統領は先月、AIの安全に関する標準の世界的な導入を推進し、米国のネットワーク及び重要インフラを保護し、AIが大量破壊兵器の創出に使用され得るリスクを軽減することなどを各省庁尾に指示した大統領令(Executive Order)を通達した。こうした努力の一環として、CISAのロードマップには、具体的なイニシアチブを促進し、サイバーセキュリティのAIに対する責任ある取り組みを示す5つの戦略的取り組みが概説されている。それらは、①我々のミッションを支える責任あるAIの使用、②AIシステムの評価と確証、③悪意のあるAI使用から重要インフラを保護すること、④省庁間、国際パートナー、一般市民との間でAIの主要な取り組みに関する共同作業及びコミュニケーション、⑤労働力におけるAI専門性の拡大。 Department of Homeland Security “DHS Cybersecurity and Infrastructure Security Agency Releases Roadmap for Artificial Intelligence” (11/14/23)

環境保護庁、国内の製品サプライチェーンの理解向上につながる情報を模索

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は11月14日、連邦の資金援助を受け、「ビルド・アメリカ・バイ・アメリカ法(Build America, Buy America Act: BABA)」の対象となる水インフラ・プロジェクトに使用される製品について、「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。EPAは、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)内の「メイド・イン・アメリカ局(Made in America Office)」やその他の連邦機関と提携し、飲料水や廃水、雨水のプロジェクトで使用される製品の国内供給の現状について理解を深める情報を模索する。具体的には、国内のマテリアル調達、市場の準備態勢、製品供給における検討事項、そして水インフラ・プロジェクトで使用される具体的な製品もしくはその部品は米国内で製造されているか、または製造できるかといった情報を求めている。寄せられた情報は、このRFIに参加する連邦機関内で共有される。 Environmental Protection Agency “Biden-Harris Administration Seeking Information to Improve Understanding of Domestic Supply Chains as President Biden’s Investing in America Agenda Drives U.S. Manufacturing Growth” (11/14/23)

環境庁、ハイドロフルオロカーボン汚染の削減に1,500万ドルを投資

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は11月17日、気候対策措置としてのハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbons: HFCs)の回収及び破壊に取り組むプロジェクトに、約1,500万ドルのグラント資金が有用であると発表した。HFCsは強力な温室効果ガスで、冷蔵や冷房、エアロゾールなどの製品に使用される。この資金は、バイデン大統領の「インフレ低減法(Inflation Reduction Act)」から拠出されるもので、連邦の指定を受けている部族への150万ドルが含まれる。EPAは、「米国イノベーション及び製造法(American Innovation and Manufacturing (AIM) Act)」の下、プロジェクトを募集する。プロジェクトのプログラム分野には、「その他の方法で使用可能なHFCsの回収を強化する新規または改良技術に関するパイロット・プロジェクト」、「回収を強化する上での障害を低減する革新的戦略のプログラムまたはパイロット・プロジェクト」、「使用不可もしくは不要なHFCsを破壊する革新的技術のパイロット・プログラム」がある。EPAは、4~9件のプロジェクト選出を予定している。 Environmental Protection Agency “Biden-Harris Administration Announces Availability of $15 Million to Tackle the Climate Crisis by Cutting Hydrofluorocarbon Pollution as Part of the Investing in America Agenda” (11/17/23)

SEIA、米国製エネルギー貯留の未来への経路を示す報告書を発表

ソーラー・エネルギー業界協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)は11月16日、「米国の電池貯留製造の活性化(Energizing American Battery Storage Manufacturing)」と題する報告書を発表した。インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)の成立後、国内のエネルギー貯留生産が直面する課題と機会について分析した初めての包括的報告書である。その内容には、費用面の競争力、原材料へのアクセス、技術専門性、大規模かつ多様な労働力のニーズが含まれる。報告書は、「IRAは、米国のエネルギー貯留製造の競争力を強化するものであるが、戦略的措置が実施されなければ、国内生産は引き続き、早ければ2025年にも需要に対応できなくなる見込みである」としている。SEIAの社長兼最高経営責任者であるアビゲイル・ロス・ホッパー氏(Abigail Ross Hopper)は、「米国が世界のクリーンエネルギー移行を主導し、グリッドの信頼性を高める能力は、我々がいかに早く国内生産を拡大し、電池貯留技術を導入できるかにかかっている」と述べる。 Solar Energy Industries Association “New Report Charts the Path to an American-Made Energy Storage Future” (11/16/23)

B2U社、中古のEV電池を使って売電するプロジェクトをカリフォルニア州で開始

中古の電気自動車(EV)用電池の使用に特化したエネルギー貯留開発業者のB2Uストレージ・ソリューションズ社(B2U Storage Solutions)は11月14日、カリフォルニア州サンタ・バーバラ郡にあるグリッド接続型ハイブリッド貯留施設の操業を開始した。こうした施設は同社として2か所目となる。この新たな施設(3メガワット/12メガワット時)は、数百台のホンダの中古EV電池を再利用し、1.5メガワットのソーラー発電から充電する。施設はパシフィック・ガス&エレクトリック社(Pacific Gas & Electric)の送電システムと接続しており、カリフォルニア州独立系統運用機関(California Independent System Operator)へ電力とサービスを売却する。中古のEV電池市場は2033年には70億ドルに到達すると予測されている。多くのEVはリチウムイオン電池を使用しており、ある市場調査会社の報告によれば、8~10年間使用すると、EVで使用することはできなくなるが、残余能力や老朽状態により、定置型エネルギー貯留などに使用することは可能である。 Utility Dive “California project is second in US to employ used EV batteries to sell power to the grid: B2U” (11/14/23)

H2B2エレクトロシス・テクノロジーズ社、バイオマスを使った水素施設を立ち上げ

国際的な垂直統合型のグリーン水素生産事業者、H2B2エレクトロシス・テクノロジーズ社(H2B2 Electrolysis Technologies)は9月、同社初となる環境に優しい水素生成施設をカリフォルニア州に開設した。同社では、一日当たりの生産量を2024年には現在の2倍にし、3万台の市バスの動力源を提供する計画である。同社の最高経営責任者によれば、新生産施設の水素は100%電気分解によって生産され、その動力源としてソーラーとバイオガスが使用されている。そしてH2B2社の発表によれば、カリフォルニア州によるバイオガスへのインセンティブにより、電気分解の動力源としてバイオマスの方がソーラーよりもコスト効果に優れたものになっているという。 Utility Dive “Biogas more cost-effective than solar to power new green hydrogen facility: H2B2” (11/16/23)