プリンストン大学、量子物理学と情報理論の交差点における博士課程を発表

プリンストン大学(Princeton University)は、新たに「量子科学及び工学における博士課程(Ph. D. program in Quantum Science and Engineering)」を始動する。量子物理学と情報理論の交差点における新興の学問分野で大学院生を対象とした教育訓練を提供する。この新たな量子情報科学分野によって、現在では困難な問題を解決できる新しい種類のコンピュータや、物理の法則によって保証されるセキュアな通信チャンネル、これまでにない感知能力と空間分解能を提供するセンサーなど、根本的に新しい技術が実現する可能性がある。博士課程への申し込み期限は12月15日で、新年度のクラスは2024年秋に開始される。この新たな博士課程は、量子科学及び工学の研究と教育に対するプリンストン大学のコミットメント拡大の一部である。プリンストン大学は、プログラムの増加や、教員、大学院生、ポスドク研究者の継続的な勧誘・採用を行っており、これは量子科学及び技術が今後数十年間に社会にもたらす恩恵の変革的な可能性に対する大学側の認識を反映するものである。 Princeton University “Princeton introduces a Ph.D. program at intersection of quantum physics and information theory” (11/13/23)

エネルギー省、重要クリーンエネルギー技術に最大4,400万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は現在、2024年度の「市場準備のためのコア研究所インフラ(Core Laboratory Infrastructure for Market Readiness: CLIMR)」ラボ・コールへの応募を募集している。2023年度の実績に基づき、今回のラボ・コールで募集している全てのプロジェクトで合計3,770万~4,470万ドルの資金が有用となる見通しである(2024年度の予算とプログラムの方向性による)。エネルギー省傘下の国立研究所、プラント及びサイトのみがこのラボ・コールによる資金提供を受けることができる。それらの適格機関は、非連邦のパートナーと組み、指定された6つのトピック分野(市場ニーズ評価、知的財産のキュレーション、マッチメーキング、技術特化型パートナーシップ、ラボ・プロセスの強化、外部の商業化機関との連携強化)で共同作業プロジェクトを提案するよう奨励されている。 Department of Energy “DOE Announces Up to $44M in Funding for Critical Clean Energy Technologies” (11/14/23)

エネルギー省、国内電池製造の強化に35億ドルを発表

超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)の施行から2年となった11月15日、エネルギー省(Department of Energy)は、先端電池及び電池マテリアルの国内生産を全国的に押し上げるため、同法から最大35億ドルを提供すると発表した。バイデン大統領による「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、電池水準の加工済み重要マテリアルや電池用先行マテリアルなど将来のクリーンエネルギー産業を支援する重要な部材向けの国内施設を、新設、改修、拡大するための資金を提供する。今回の資金提供は、超党派インフラ法から拠出される合計60億ドルの資金の第2段階である。第1段階では、15件のプロジェクトに資金を提供し、50億ドルの官民投資を促進した。今回の第2段階の資金提供は、国内電池製造及びサプライチェーンを押し上げ、クリーンエネルギーへの移行を効果的に支援する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $3.5 Billion to Strengthen Domestic Battery Manufacturing” (11/15/23)

グーグル社、炭素知能コンピューティング・プラットフォームを活用して電力危機の際にグリッドの信頼性を維持

グーグル社(Google)によれば、24時間体制でクリーン・エネルギーを利用しようとする同社の取り組みは、事業活動から排出される炭素を排除するという同社の目標以上の恩恵をもたらしている可能性がある。同社は炭素知能コンピューティング・プラットフォーム(carbon-intelligent computing platform)を使い、オレゴン州、ネブラスカ州、米国南東部におけるユーティリティ機関のパートナーと協力し、これらの地域における異常気象に応答している。同社はまた欧州で、ソフトウェアを使って電力需要を削減し、2022年12月から2023年3月のエネルギー危機の際には午後5時から午後9時までの電力消費を削減することで欧州のエネルギー安全保障を支援した。グーグル社の炭素知能コンピューティング・プラットフォームは2020年に開発されたもので、これによって、再生可能エネルギー資源が広範に利用可能な際は、データ・センターが急務でないコンピューティング業務を行うよう指令を出し、炭素排出を削減することが可能になった。その上、過去1年間に実証されたように、このプラットフォームによって、地元のグリッドの変化に対応することができ、信頼性を維持することができたという。グーグル社は、「需要応答機能は、このプラットフォームの技術的土台を活用して、地元のグリッド・パートナー機関からの要請に基づき、特定のデータ・センターで的を絞ったエネルギー削減を実施する。これは通常、システム全体の最大負荷時に行われる。こうした需要応答は新たな機能と言える」と発表している。 Utility Dive “Google taps ‘carbon-intelligent’ computing platform to help maintain grid reliability in power crises” (11/7/23)

エネルギー省、変革的なエネルギー研究に柔軟で早急な支援を提供するため、1,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は11月7日、現状に挑み、画期的なクリーン・エネルギー・ソリューションを推進する革新的なエネルギー概念を支援するため、最高1,000万ドルを提供する計画を発表した。エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)が管理運営する「エネルギーの研究と知識を早急に進展させるプロジェクトの奨励(Spurring Projects to Advance energy Research and Knowledge Swiftly: SPARKS)」プログラムで、エネルギー技術に新たなパラダイムをもたらし、エネルギー関連の排出削減やエネルギー自立の向上、米国経済及びエネルギー安全保障の強化に大幅な影響をもたらす可能性がある概念を支援する。本プログラムの下で選出されるプロジェクトは、分析や予備的研究といった形態を通じて、焦点先となっている技術プログラムのその後の発展に有益な情報を当局に提供する。または、特定の新技術のための概念実証研究を支援するアワードが授与される可能性もある。応募申請者は、グリッド、輸送、建造物と建設、発電と貯留、炭素の捕獲・隔離・活用、産業効率と脱炭素化、その他のエネルギー技術の7分野の中から主要な技術分野を特定する。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces $10 Million to Provide Flexible, Rapid Support for Transformational Energy Research” (11/7/23)

エネルギー省、次世代のエネルギー・イノベーター支援に1,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は11月9日、エネルギー用途全般において、ディスラプティブで非伝統的なアイデアを影響力の高い新技術へと転換することを模索するキャリア初期のイノベーターを支援する新プログラムに最高1,000万ドルを提供すると発表した。これは、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)が主導する「2024年 エネルギー技術に影響を及ぼす新世代イノベーターの意欲付け(Inspiring Generations of New Innovators to Impact Technologies in Energy 2024: IGNITE 2024)」プログラムで、本プログラムの下、こうした研究活動への資金提供に加え、独自のイベントや会合、メンターシップ活動も実施される。キャリア初期の科学者やエンジニアはしばしば、研究及び技術におけるディスラプティブなイノベーションの源となる。IGNITE2024は、こうしたイノベーターが独立した研究者となり、その創造力を発揮して、米国が直面する急務のエネルギー関連の課題に対処するディスラプティブなエネルギー技術を開発するよう奨励、力添えする。応募申請者は、ARPA-Eの目標の1つ以上に対処するエネルギー技術の研究開発プロジェクトを提案することができる。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces $10 Million to Support Next Generation of Energy Innovators” (11/9/23)

米仏の科学機関が電子イオン衝突型加速器に関する共同作業で最初のステップ

米エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)とフランスの原子力・代替エネルギー庁(Alternative Energies and Atomic Energy Commission: CEA)の代表は11月13日、電子イオン衝突型加速器(Electron-Ion Collider: EIC)に関する双方の重要な共同作業の立ち上げとなることを期待して、「関心の声明(Statement of Interest)」に署名した。EICは、エネルギー省傘下のブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)がエネルギー省傘下のトーマス・ジェファソン国立加速器施設(Thomas Jefferson National Accelerator Facility)とのパートナーシップを通じて建設するもので、物質の構成単位と自然における最強の力を探索する固有の施設となる。今回の同意は、米仏政府の間の科学的取り組みにおける長い協力関係を継続するもので、強力な協調的関係を築き、EICに対するフランスの将来的な寄与へ向けた最初の一歩となる。EICプロジェクト(170~280億ドル規模)はブルックヘイブン国立研究所で計画段階に入っており、その基準予算とスケジュールは2025年度に決定される予定で、施設の運用開始は2030年代初頭と見込まれている。 Brookhaven National Laboratory “French and U.S. Science Agencies Take First Step to Collaborate on Electron-Ion Collider (EIC)” (11/13/23)

エネルギー省、13件の強化地熱システムプロジェクトに最高4,400万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は11月14日、ユタ州にある同省の実地研究所、地熱エネルギー研究フロンティア観測所(Frontier Observatory for Research in Geothermal Energy: FORGE)が強化地熱システム(enhanced geothermal systems: EGS)におけるイノベーションを育成するため、13件の研究プロジェクトを選出したと発表した。選出されたプロジェクトは、合計で最大4,400万ドルを受益し、FORGEの既存のEGS活動を強化し、再現可能なソリューション及び技術データの拡散に焦点を当てた研究活動に取り組む。これらのプロジェクトは、「適応型誘発地震活動監視プロトコル(Adaptive Induced Seismicity Monitoring Protocols)」、「代替シミュレーション・スキーム(Alternative Stimulation Schemes)」など5つのトピックに分類される。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces 13 Projects to Receive up to $44 Million for Innovations in Enhanced Geothermal Systems” (11/14/23)

米政府、欧州でのクリーンエネルギー技術の導入加速に向けプロジェクト・フェニックスを始動

国務省(Department of State)とスロバキア経済省(Slovak Ministry of Economy)は、同国の首都ブラスチラバで11月9日、「プロジェクト・フェニックス(Project Phoenix)」の作業部会と始動(Workshop and Launch)イベントを共催する。この始動イベントには、欧州及びユーラシア地域から15カ国以上が参加すると共に、米国、チェコ共和国、ポーランド、スロバキアの間で、石炭火力発電所を安全でセキュアな原子力エネルギーへと転換することに関するフィージビリティ調査が開始される。プロジェクト・フェニックスは、パートナー国がエネルギー安全保障と気候目標に到達しつつ、世界的な核不拡散体制を維持する取り組みを支援する米国のコミットメントを示すものである。プロジェクト・フェニックスは、米国の大統領特別気候大使(Special Presidential Envoy for Climate)のジョン・ケリー氏(John Kerry)が、昨年11月にエジプトで行われた国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で発表した。

報告書「高度に重大な結果をもたらすAI使用事例を特定するための枠組み」

特別競争力研究プロジェクト(Special Competitive Studies Project: SCSP)は11月7日、ジョンズホプキンス応用物理研究所(Johns Hopkins Applied Physics Laboratory: JHUAPL)と協力して作成した報告書「高度に重大な結果をもたらすAI使用事例を特定するための枠組み(Framework for Identifying Highly Consequential AI Use Cases)」を発表した。この枠組みは、大幅な恩恵や有害な影響を社会にもたらすAI使用事例もしくはその使用クラスを特定するためのツールで、規制当局はこの枠組みを使用して、相互に関連する利益及び害で必然的に構成される部門固有の潜在的な成果について全体的な評価を行うことができる。この評価によって、規制当局者は、社会にもたらされる変革的な恩恵の成果を支えつつ、最悪の害を軽減することが可能になる。この枠組みは、規制当局者がAIの新たな用途を予見した時や、AIの新たな用途が開発された時または規制当局へ提示された時、既存のAIシステムが新たな重大な影響を創出した時または重大な影響を新たに発見した時に適用することができる。 Special Competitive Studies Project “Framework for Identifying Highly Consequential AI Use Cases” (11/7/23)