米国とインドの国防リーダーが初の投資家戦略会合を実施

国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)のダグ・ベック長官(Doug Beck)は、ロイド・オースティン国防長官(Lloyd Austin)(Secretary of Defense)及びアンソニー・ブリンケン国務長官(Antony Blinken)(Secretary of State)と共にインドを訪問し、同国の高官と、両国の軍の相互運用性の拡大と、産業協力に関する継続的な取り組みの強化を目的とした機会について協議を行った。国家安全保障の上級高官とそのチームは、第5次米印2+2閣僚対話(U.S.- India 2+2 Ministerial Dialogue)のためにニューデリーを訪問している。現地でこれらの上級高官は、米国防総省(Department of Defense)及びインド国防省(Ministry of Defense)の高官と共に、「インド=米国国防加速エコシステム(India-U.S. Defense Acceleration Ecosystem: INDUS-X)」の初となる投資家戦略セッションに参加した。DIUの広報官は、「今回の会合は、6月にワシントンDCで、両国の産業基盤の統合を更に強化することを狙いとして開始したINDUS-Xイニシアチブを更に勢いづけるものである」と述べた。ベック長官は現地で、デュアル・ユース技術のエコシステムにおける更なる関与を促進する上で、規制やその他の障害について理解するため、アントレプレナーや投資家、技術者とも話し合いを行った。 Defense Scoop “US and Indian defense leaders hold first-ever investor strategy session in New Delhi” (11/8/23)

アルゴンヌ国立研究所、米国の原子力科学研究目標を実現する上で重要な役割を担う

原子力科学諮問委員会(Nuclear Science Advisory Committee: NSAC)は最近、2023年版「原子力科学長期計画(Long Range Plan for Nuclear Science: LRP)」を発表した。今後十年間の米国における原子力科学研究のプログラムに関する計画を記述したものである。エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory: ANL)は、LRPで示された目標を実現する上で重要な役割を担う位置付けにある。LRPは1979年に初めて発表されて以来、今回で8版目となる。エネルギー省科学局(Office of Science)のユーザー施設でANL内にある「アルゴンヌ・タンデム線形加速器(Argonne Tandem Linac Accelerator System: ATLAS)」は、世界的に高名な原子物理学施設であり、2023年のLRPで概説された目標を実現する中核を担う存在として指摘されている。 Argonne National Laboratory “Argonne National Laboratory set to play pivotal role in realizing U.S. goals for nuclear science research” (11/7/23)

科学のための信頼できる生成AIモデルの創出を目指し、国際コンソーシアム形成

大規模な人工知能(AI)システムの構築と科学的発見のための信頼できるAIを進展させる上で、直面する課題に対処することを目的として、連邦研究所や研究機関、学術機関、業界の科学者で構成されるグローバルなコンソーシアムが形成された。コンソーシアムの名称は「トリリオン・パラメーター・コンソーシアム(Trillion Parameter Consortium: TPC)」。TPCが取り組む課題には、拡張可能なモデル・アーキテクチャ及び訓練戦略の開発、訓練モデルのための科学的データの編成と整理、現行及び将来のエクサスケール・コンピューティング・プラットフォームのためのAIライブラリの最適化などが含まれる。こうした目標へ向けて、TPCは、①最新の大規模生成AIモデルの創出に関心のある研究者のオープン・コミュニティを構築する、②活動の重複を避け、より広範なAI及び科学コミュニティにおけるプロジェクトの影響を最大限にするため、自主的に、プロジェクトを育成、始動、調整する、ことなどに取り組む。 Argonne National Laboratory “New international consortium formed to create trustworthy and reliable generative AI models for science” (11/10/23)

ミシガン州、2040年までに100%のクリーンエネルギーを目指す

ミシガン州議会が可決し、同州のグレッチェン・ホイットマー知事(Gretchen Whitmer)が署名して法制化した野心的な再生可能エネルギー一括法案は、企業向けのクリーン・エネルギーに焦点を当てた州内外の組織から称賛を浴びている。この法案は、「クリーンエネルギー未来計画(Clean Energy Future Plan)」と呼称され、ミシガン州が、2029年までに電力の15%を風力やソーラーなどの再生可能エネルギー資源から調達し、その後も段階的に再生可能資源由来の電力調達の割合を増やすよう義務付けている(2030年までに50%、2035年までに60%、2040年までに100%)。これまでに11州が、同様のスケジュールで100%のクリーンエネルギー正味ゼロ未来に到達することにコミットしており、ミシガン州もその仲間入りをする。同州の新たな法律はまた、ミシガン州公益サービス委員会(Michigan Public Service Commission)に大規模なソーラーや風力、電池貯留プロジェクトを承認できる権限を付与し、州内でのクリーンエネルギー導入を容易にしている。このミシガン州の新たなクリーンエネルギー法は、中西部における再生エネルギー進展に取り組むクリーン・グリッド同盟(Clean Grid Alliance: CGA)などから称賛を受けている。

ASHRAE、脱炭素化におけるグリッドの双方向性の役割に関するガイドを発表

冷暖房・換気・冷蔵の最新科学の進展に取り組むASHREは、「脱炭素化のためのグリッド・インタラクティブ建造物:設計と運用の資源ガイド(Grid-Interactive Buildings for Decarbonization: Design and Operation Resources Guide)」を発表した。脱炭素化プロセスにおいてグリッドの双方向性が果たす重要な役割に焦点を当てた新しいガイドで、建造物と電力グリッドとの間の双方向性(インタラクション)を通じて炭素削減を最大限化する。本ガイドは、ASHRAEの「建造物の脱炭素化タスクフォース(Task Force For Building Decarbonization)」が開発したガイド・シリーズの2つ目となる。ガイドは、グリッド統合に関する3つの主要なバリュー・ストリーム(炭素排出の削減、費用削減、対応力の強化)をターゲットとして、ベストプラクティスや設計上の検討事項、運用ガイドラインを提供している。 ASHRAE “ASHRAE Releases Guide on the Role of Grid Interactivity in Decarbonization” (11/2/23)

ユーティリティ機関、非中核資産の売却を継続する見込み

ムーディーズ・インベスターズ・サービス社(Moody’s Investors Service)が11月8日に発表した所によれば、ユーティリティ機関は、今後エネルギー・インフラに数十億ドルの支出が見込まれる中、株式(equity)の発行を回避するため、自社の非中核資産や株式(share)を売却し続ける可能性が高い。ユーティリティ資産の売却による収入は今年上半期で合計58億ドルに達した。これに対してエクイティ(equity)の発行は22億ドルとなっている。ムーディーズ社の格付けの対象となる28のユーティリティ企業の5年間の資本投資計画は合計7,450億ドルに達している。しかし、州の規制当局は、消費者保護努力の一環として、電気代の上昇を抑制するため、ユーティリティ機関が提案している支出計画を抑制する可能性がある。        Utility Dive “Utilities likely to continue selling non-core assets amid $745B in planned spending: Moody’s” (11/9/23)

テキサス州民、100億ドルのエネルギー基金を承認、そのほとんどが天然ガス火力発電所の建設へ

テキサス州議会上院は4月に、1万メガワットの天然ガス火力発電の新設を通じてグリッドの信頼性を向上させることを狙いとした100億ドルの「エネルギー保険プログラム(energy insurance program)」を承認した。下院では承認を得られなかったが、11月7日に行われた住民投票で、州法を改正してテキサス・エネルギー基金(Texas Energy Fund)を創設することが承認された。天然ガス火力発電所の建設やマイクログリッドの開発、州内の電力グリッドの一部現代化のために、低金利の融資が提供される。基金の支持派は、電力の信頼性を維持し、拡大し続ける州経済を支援するためには新たな発電能力が必要であると述べる。一方、反対派は、テキサス州はエネルギー効率への投資を増やすべき時であるのに、本件は化石燃料発電所の開発事業者への恩恵であると主張する。 Utility Dive “Texas voters approve $10B energy fund, with most going to build gas-fired power plants” (11/8/23)

エネルギー省と英国、核融合加速を目的とした戦略的パートナーシップについて合同声明を発表

米エネルギー省(Department of Energy)のデービッド・ターク副長官(David M. Turk)(Deputy Secretary)と、英国のアンドリュー・ボウイ原子力及びネットワーク長官(Andrew Bowie)(Minister for Nuclear and Networks)は、11月8日、ワシントンDCで会合し、合同声明を発表した。この声明では、エネルギー省と英国及びノーザン・アイルランドのエネルギー安全保障及び正味ゼロ省(Department for Energy Security and Net Zero: DESNZ)は、核融合エネルギーの実証と商業化の加速を目的として、新たな大型戦略パートナーシップを形成することを決定したことが記されている。この新たなパートナーシップは、米国の「商業核融合エネルギーの大胆な十年間ビジョン(Bold Decadal Vision for Commercial Fusion Energy)と、英国の「核融合戦略(Fusion Strategy)」を進展させることに焦点を当てる。パートナーシップを通じて、米英間の産官学における核融合関連の資源と施設の相補性を認識及び開発することを狙いとし、①米英間の既存の協定に基づき、商業的に可能な核融合エネルギーの実現における技術的課題への対処、②核融合の研究開発に必要な新たな主要国家施設の開発と共通のアクセスへの焦点、などに取り組む意向である。 Department of Energy “Joint Statement Between DOE and the UK Department for Energy Security and Net Zero Concerning a Strategic Partnership to Accelerate Fusion” (11/8/23)

エネルギー省のINCITEプログラム、過去最高となる75プロジェクトにスパコン時間を提供

エネルギー省(Department of Energy)の科学局(Office of Science)は、「理論と実験への革新的かつ新規のコンピュテーショナル・インパクト(Innovative and Novel Computational Impact on Theory and Experiment: INCITE)」プログラムを通じて、2024年に、過去最高となる75件のコンピュテーショナル科学プロジェクトにスパコンへアクセスできる時間を割り当てた。エネルギー省は、傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)とオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)のリーダーシップ級のスパコンについて、利用可能な時間の60%を、発見とイノベーションの加速のために割り当てている。INCITEは、アルゴンヌ・リーダーシップ・コンピューティング施設(Argonne Leadership Computing Facility)とオーク・リッジ・リーダーシップ・コンピューティング施設(Oak Ridge Leadership Computing Facility)が合同で管理しており、それぞれの強力なスパコン資源へのアクセスを科学コミュニティへ提供することで、オープン科学の進展というミッションを遂行している。 Oak Ridge National Laboratory “INCITE program awards supercomputing time to 75 high-impact projects” (11/13/23)

エネルギー省とUSGS、大規模ソーラー施設のオンライン公共データベースを公開

米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)とエネルギー省(Department of Energy)傘下のローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)は11月8日、米国内の大規模ソーラー・エネルギー・プロジェクトに関する最大規模かつ最も包括的な最新データベースを発表した。「米国大規模太陽光発電データベース(U.S. Large-Scale Solar Photovoltaic Database: USPVDB)」には、大規模ソーラー・プロジェクトの所在地や規模、その他の特徴が含まれており、研究者は大規模ソーラー開発のトレンドを観測することが可能になる他、今後のプロジェクトの拠点選びや計画への情報提供ともなる。エネルギー省のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)の高官は、「データベースには約4,000件のソーラー・システムがマップ化されており、研究者やエネルギー計画者、政府、ソーラー業界にとって重要な新たな資産となる」と述べる。 Department of Energy “U.S. Department of Energy and U.S. Geological Survey Release Online Public Database of Large-Scale Solar Facilities” (11/8/23)