DARPA、戦闘での負傷者のタイムリーなケアの強化に取り組む

戦闘での深刻な負傷は、人命損失を回避するためにできるだけ早く外科治療をすることが求められる。国防総省(Department of Defense)は、重要な最初の60分を「ゴールデン・アワー」と呼んでいる。この時間帯に医療ケアを提供できれば、成功する可能性が最も高いが、現時点では、戦闘での慣行として、このゴールデン・アワーの間外科治療施設でケアを受けるために迅速な避難をすることは難しい。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「ゴールデン・アワー拡大避難(GOLDen hour extended EVACuation: GOLDEVAC)」プログラムは、現場の医療従事者が、負傷地点の近くから避難するプロセス全体を通じて、自動化された蘇生ツールを介して複雑な多発外傷を負った患者を管理できるかどうかを試験することを狙いとしている。具体的には、患者の血管に挿入した一つのチューブを介して、血栓または出血のリスクを伴わずに、最大2日間、患者を蘇生し、酸素を供給することは可能かどうかを判断することを目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “Extending the Golden Hour for Enhanced and Timely Combat Care” (3/21/24)

ARPA-HがDARPAのAIサイバー・チャレンジに協力

医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)が国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)による「人工知能サイバー・チャレンジ(Artificial Intelligence Cyber Challenge: AIxCC)」に協力する。米国の医療ケア・システムに対するサイバー及びランサム攻撃は近年急増しており、患者が医療ケアを受けられなくなったり、個人情報の漏洩という事態がしばしば起きている。ARPA-Hは、DARPAとAIxCCで協力することで、病院や薬局、医療機器をサイバー攻撃から防御するAI主導型技術の開発を促進する。AIxCCは2年にわたり、重要インフラで使用されているソフトウェアの脆弱性を特定、修正できる新規のAIツール及び能力を設計することを競うコンペ。ARP-Hは、医療ケアの専門性を提供し、コンペが医療ケアのエコシステム上で重要な脆弱性に適切に対処していることを確実にする。ARPA-Hはまた、上位優秀者への報奨として2,000万ドルを追加で提供することにコミットしており、そこから生まれた技術が医療機器や病院の情報通信、バイオテクノロジー設備のソフトウェアの脆弱性に対処できるよう移行することを支援する。 Defense Advanced Research Project Agency “ARPA-H Joins DARPA’s AI Cyber Challenge to Safeguard Nation’s Health Care Infrastructure from Cyberattacks” (3/21/24)

DARPA、偽装情報に対する防衛技術の商業化及び移行へ準備

自動操作技術へのアクセス性が高まる中、偽装メディアの脅威は着実に高まっており、ソーシャル・メディアは、ウィルス性のコンテンツを共有するのに適した環境を提供し続けている。大量の偽装情報キャンペーンによる速度や規模、範囲は、コンピュータによる防衛と自動アルゴリズムを用いて、どのコンテンツが真実で、どのコンテンツが操作または合成されたものなのか、その理由や方法について、人々が認識できるようになることが必要であることを示している。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「セマンティック法医学(Semantic Forensics: SemaFor)(Semanticは、「意味論」「正しい意味を知る」といった意)(旧「メディア法医学(Media Forensics)プログラム」)を通じて、通称「偽装情報(deepfakes)」の検知、起因の究明、特性化に研究投資を行ってきた。その結果とした生まれた数百件の分析や手法は、組織や個人が数多くの操作されたメディアから自らを防御する助けとなり得る。SemaForプログラムは最終段階に入り、DARPAは、業界や学術機関を含むより広範なコミュニティに、DARPAのこれまでの投資を活用するよう呼び掛け、2つの取り組みを開始する。一つは、「分析カタログ」の作成で、もう一つは、「AI法医学オープン研究チャレンジ評価(AI Forensics Open Research Challenge Evaluation: AI FORCE)」である。 Defense Advanced Research Project Agency “Deepfake Defense Tech Ready for Commercialization, Transition” (3/14/24)

DARPA、必要な時に設計及び製造できる柔軟かつ新たなパラダイムの実現を目指す

国防総省(Department of Defense)は、地元で利用可能なマテリアルを使って必要な時に必要な重要構造物を製造できる柔軟性を必要としている。しかし現行の生産手法は、「将来の生産は未加工の原材料が容易に入手できる」という前提の下で進められている。これは、構造物の設計は、固定されたインプットで固定されたアウトプットを生産することに依存していることを意味し、原材料や資源が限定的な場合に将来の生産に必要とされる柔軟性が阻害されている。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「破片からロケット(Rubble to Rockets: R2)」プログラムは、広範かつ様々なインプット・マテリアルに対応できる生産及び設計手法を開発することで、サプライチェーンに依存できない環境での製造の限界を克服することを目指す。研究者は、構造物の製造及びそれに使用される原材料の特性に即した廉価で柔軟で頑強なプラットフォームを創出することに焦点を当てる。そしていずれはこのプラットフォームを適用して観測用ロケットの構造設計を順応的に更新していくことを模索する。 Defense Advanced Research Project Agency “Enabling a New Paradigm for Flexible, Point of Need Design and Manufacturing” (3/11/24)

DARPA、AIサイバー・チャレンジで競争する中小企業を選出

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、AIサイバー・チャレンジ(AI Cyber Challenge: AIxCC)の中小企業トラック・コンペ(Small Business Track Competition)の一環として、中小企業7社に各100万ドルの資金を提供した。各社は、AIに基づくサイバー推論システム(ソフトウェアの脆弱性を大規模に自動的に発見かつ修正する)の開発に取り組む。コンピュータ・システムは依然としてサイバー攻撃に極めて脆弱であり、DARPAは、AIxCCというコンペ形式を用いてセキュリティ及びAIコミュニティのイノベーションを促進することで、ソフトウェアのセキュリティを再定義しようとしている。AIxCCの参加者は、ラスベガスで開催されるDEF Con 32の準決勝イベントで、それぞれのソリューションを開発、試験する。今回選出されたのは、シェルフィッシュ・サポート・シンジケート(Shellphish Support Syndicate)やトレイル・オブ・バイト(Trail of Bites, Inc.)など7社。中小企業トラックで選出されなかったチームは、AixCCのオープン・トラック(Open Track)に自動的に登録される。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Selects Small Businesses to Compete in the AI Cyber Challenge” (3/11/24)

DARPA、付加製造が未来のマイクロシステムにもたらす革命的な可能性を模索

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、学問としてのマテリアル科学の確立において積極的な役割を果たした。新たなマテリアル及び用途のディスラプティブな取り組みの一つである「マイクロシステムの付加製造(Additive Manufacturing of MicrosystEms: AMME)」プログラムは、現在の最先端技術を遥かに超えるマイクロシステム製造を始動させることを目指す。AMMEは、新規かつ複数のマテリアルによるマイクロシステムを目覚ましいスピードと量と精度で生産する上での技術的なブレイクスルーを通じて、マイクロシステムの製造に革命をもたらす。AMMEの目標は、機械的、電気的、生物学的なサブコンポーネントを統合できる新たな形状のマイクロシステムの作成を実現することである。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Explores Additive Manufacturing’s Revolutionary Potential for Futuristic Microsystems” (3/8/24)

米国、クリーンエネルギー促進に向け40億ドルの税クレジットを発表

エネルギー省(Department of Energy)、財務省(Department of Treasury)、内国歳入庁(Internal Revenue Services: IRS)は3月29日、国内のクリーン・エネルギー製造を加速させ、工業施設での温室効果ガス排出を削減することを目的として、35州で行われる100件以上のプロジェクトに40億ドルの税クレジットを発表した。インフレ低減法(Inflation Reduction Act)の資金拠出を受け、「適格の先端エネルギー・プロジェクト税クレジット(Qualifying Advanced Energy Project Tax Credit)」(セクション48Cプログラム(§48C Program))の下で選出されるプロジェクトは、様々な規模の企業や州及び地方自治体に及び、30%の投資税クレジットを受けるために義務付けられている適正賃金と見習い制度を満たしていなくてはならない。エネルギー省の製造及びエネルギー・サプライチェーン局(Office of Manufacturing & Energy Supply Chains: MESC)が、IRSと財務省に代わり、セクション48Cプログラムを管理する。今回発表された40億ドルの税クレジットの内訳は、クリーン・エネルギー製造及びリサイクル(27億ドル)、重要マテリアルのリサイクル/加工/精製(8億ドル)、工業脱炭素化(5億ドル)となっている。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $4 Billion in Tax Credits to Build Clean Energy Supply Chain, Drive Investments, and Lower Costs in Energy Communities” (3/29/24)

国防総省、新たに民間向けサイバー政策局を創設

国防総省(Department of Defense)は3月29日、3月20日付けで国防次官補室(サイバー政策担当)(Office of the Assistant Secretary of Defense for Cyber Policy)を開設したと発表した。同室の開設は、2023年国防政策法で義務付けられたもので、米軍に、より民間寄りのサイバー政策の役割を持たせることを狙いとしている。そのトップには、正式な被指名者が上院に承認されるまでの一時的な役割として、国防副次官補代理(acting deputy assistant secretary)のアシュレー・マニング氏(Ashley Manning)が就任している。バイデン大統領は3月22日、この新たな国防次官補(サイバー政策担当)(Assistant secretary of defense for cyber policy)として、マイケル・サルメイヤー氏(Michael Sulmeyer)を指名した。同氏の就任には上院での承認が必要である。同氏は以前は、国防長官室(Office of the Secretary of Defense)、国家安全保障会議(National Security Council: NSC)、サイバー司令部(Cyber Command)で勤務していた。国防次官補室(サイバー政策担当)は、国防総省のサイバー戦略の調整、軍のサイバー運営予算の監督、サイバー労働力開発、民間部門へのアウトリーチなどを責務とする。        Nextgov “DOD stands up new civilian-facing cyber policy office” (3/29/24)

連邦政府によるAI使用のガバナンス、イノベーション、リスク管理を進展させるOMB方針を発表

ハリス副大統領は3月28日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)が、人工知能(AI)のリスクを軽減し、バイデン大統領によるAIに関する大統領令(Executive Order)で示された中核要素の恩恵の実現を育成することを目的とした方針を通達すると発表した。こうした通達は、連邦政府全体としては初めてである。OMBは、「連邦政府による人工知能の使用のガバナンスとイノベーションとリスク管理の進展(Advancing Governance, Innovation, and Risk Management for Agency Use of Artificial Intelligence)」と題する新たな方針の中で、①AI使用のリスクへの対処、②AI使用の透明性の拡大、③責任あるAIイノベーションの進展、④AI労働力の育成、⑤AIガバナンスの強化、についてそれぞれの行動を指示している。また、連邦機関は、大統領令によって指示された150日間のタスクを全て完了したことを報告した。 White House “FACT SHEET: Vice President Harris Announces OMB Policy to Advance Governance, Innovation, and Risk Management in Federal Agencies’ Use of Artificial Intelligence” (3/28/24)

エネルギー省、鉱山地におけるクリーンエネルギー・ソリューションを支援

バイデン大統領の「米国への投資」(Investing in America)議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は3月21日、現行及び旧鉱山地におけるクリーン・エネルギー導入の加速に取り組む5件のプロジェクト(アリゾナ、ケンタッキー、ネバダ、ペンシルバニア、ウェストバージニアの各州)に最高4億7,500万ドルを提供すると発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)からの資金拠出を受け、地元主導の多様なクリーン・エネルギー・プロジェクトを支援する。それらは国内のその他の現行及び旧鉱山地で再現可能なプロジェクトで、地元や地域の労働力パートナーシップを拡大し、地元に税収増をもたらし、重要な公共サービスを支え、新たな経済機会を促進することが期待されている。また、これらのプロジェクトは、バイデン大統領の「正義40(Justice40)」イニシアチブに沿う形で、エネルギーと環境の正義を進展させ、クリーン・エネルギーへの移行の恩恵が、影響を受けているコミュニティに直接広がることを確実にする助けとなる。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $475 Million Investment to Support Clean Energy Solutions on Current and Former Mine Land” (3/21/24)