エネルギー省、クリーンで信頼性の高い電力グリッドの進展を目的として4,400万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は3月19日、風力及びソーラーエネルギーで稼働するクリーンで信頼性の高い電力グリッドを進展させるためのツールの開発に取り組む11件のプロジェクトに3,400万ドルを提供すると発表した。これらのプロジェクトは、ソーラーエネルギー技術局(Solar Energy Technologies Office)の「インバーター・ベースの資源管理と将来の電力システムの有用性のための運用及び計画ツール(Operation and Planning Tools for Inverter-Based Resource Management and Availability for the Future Power System: OPTIMA)」プログラムの下、選出された。エネルギー省はまた、クリーンエネルギーのグリッドへの接続を合理化することを目的とした資金提供公募(1,000万ドル)「将来の送配電のためのソーラーと風力の相互接続(Solar and Wind Interconnection for Future Transmission: SWIFTR)」も新たに発表した。これらのイニシアチブにより、グリッドの計画立案者や運用者、ユーティリティ企業は、電力グリッド上の再生可能エネルギー及び電池貯蔵資源を最適な形で接続、管理することが可能になり、異常気象関連の停電の削減につながることが期待されている。 Department of Energy “DOE Invests $44 Million to Advance a Clean, Reliable Electric Grid” (3/19/24)

DARPA、「月面鉄道」概念の開発にノースロップ・グラマン社を選出

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)が昨年12月に発表した「10年間の月アーキテクチャ能力研究(10-Year Lunar Architecture (LunA-10) Capability Study)」の下で選出された企業の1社、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)は、「月面鉄道により、月の真剣かつ持続可能な経済開発が可能になる可能性がある。それは19世紀後半の米国西部と似たような状況である」と考えている。同社は、3月19日の報道発表で、「月面鉄道ネットワーク構想は、月面上で、人、供給品、商業活動資源を移動させ、米国や国際パートナーのための宇宙経済に貢献する」との見解を示した。ノースロップ・グラマン社は、LunA-10能力研究プログラムで選出された14社のうちの1社。スペースX(SpaceX)やジェフ・ベゾス氏(Jeff Bezos)のブルー・オリジン(Blue Origin)などの有名企業も選出されたが、こうした企業による具体的な活動内容は発表されていない。ノースロップ・グラマン社では、①月面鉄道ネットワークを構築するためのインターフェースや資源の定義、②予測可能な費用、技術的及び物流的リスクの重要リストの確立、③本格運用される月面鉄道システムの概念設計及びアーキテクチャのプロトタイプの特定、実証、分析、といった研究に取り組む。 SPACE.com “DARPA picks Northrop Grumman to develop ‘lunar raiload’ concept” (3/19/24)

エネルギー省の技術移転局、2024年秋期エネルギー・イノベーション部隊のラボコールを発表

エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)は3月19日、エネルギー・イノベーション部隊(Energy I-Corps: EIC)プログラムの2024年秋期募集を発表した。エネルギー省傘下の国立研究所及びプラントと拠点が応募できる。EICプログラムは、DOEの研究者に商業化に関する訓練を提供し、エネルギー省で開発されたクリーン・エネルギー技術の商業化を支援することが狙いである。EICプログラムは、①EICパイプライン開発、②EICコホート19、③ポストEIC、の3つのトピックで実施され、OTTは今秋、トピック1~3で最高35万ドルのアワードを提供することを見込んでいる。 Department of Energy “OTT Announces Fall 2024 Energy I-Corps Lab Call” (3/19/24)

エネルギー省、国内製造能力の強化と中小製造事業者支援を目的として500万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月14日、「産業評価センター実践グラント・プログラム(Industrial Assessment Centers (IAC) Implementation Grants program)」の下、37件の中小規模の製造事業者に約500万ドルを提供すると発表した。それぞれの施設でエネルギー節約と炭素汚染の削減につながる改善策を実施し、気候危機対策に取り組むバイデン政権のコミットメントを進展させる。エネルギー省はまた、より多くの応募者向けにプログラムを再開し、中小製造事業者が来年を通じてグラントに応募できるようにすると共に、新たに9件の評価提供者(適格の顧客はグラントに応募できる)を発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)からの資金拠出を受け、製造及びエネルギー・サプライチェーン局(Manufacturing and Energy Supply Chains Office: MESC)が管理するIAC実践グラント・プログラムを通じて、エネルギー省やその他の適格なエネルギー評価に基づく勧告を実践する製造事業者に、各最大30万ドルが提供される。プロジェクトを通じて、年間約1,700万ポンドの二酸化炭素排出が削減される。今回受益する37件のプロジェクトは、480万ドルのグラントと、業界による590万ドルのマッチング投資を受益する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $5 Million to Strengthen Domestic Manufacturing Capabilities and Support Small-and Medium-Sized Manufacturers” (3/14/24)

トヨタ社によりノースカロライナ州はEV業界投資のリーダーに

環境防衛基金(Environmental Defense Fund: EDF)とのコンサルティング企業のWSP社は2024年3月、昨年8月に発表した報告書「米国電気自動車の投資と雇用:インフレ低減法施行から1年の影響(U.S. Electric Vehicle Manufacturing Investments and Jobs: Characterizing the Impacts of the Inflation Reduction Act after 1 Year)」の更新版を発表した。それによれば、前回の報告以来、ノースカロライナ州は、新たな電気自動車(EV)製造及び電池サプライチェーン投資において米国を先導している。昨年8月以来、ノースカロライナ州のEV部門に89億ドルの新規投資が行われており、同州は同期間におけるトップとなっている。この期間における電池製造部門の成長の大半は、トヨタ社がグリーンズボロ西部のリバティに建設している電池製造工場によるもので、同社は10月、同プロジェクトに80億ドルの追加投資を行うと発表している。 News Observer “With Toyota’s help, NC is US leader in recent electric vehicle industry investments” (3/12/24)

インフレ低減法により、クリーンエネルギーに2,400億ドル注入

一部の政策アナリストの分析によれば、インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)の可決以来、クリーンエネルギー分野への連邦投資1ドルにつき、5.47ドルの民間投資が生まれており、わずか1年で約2,500億ドルがクリーン経済に注入された。ロジウム・グループ(Rhodium Group)とマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)による追跡調査報告「クリーン投資モニター:2023年第4四半期更新版(Clean Investment Monitor: Q4 2023 Update)」によれば、ほぼ全ての部門において、IRAが法制化されて以来、2022年10月から2023年9月までの12か月間に、電池工場からソーラー・ファーム、新興技術に至るまでの全ての部門で合計2,200億ドルが注入された。これには340億ドルの連邦支出(その大半は税クレジット)が含まれる。このようにクリーン経済に巨額の投資が行われているにもかかわらず、複数のエコノミストやアナリストは、「目覚ましい状況ではあるが、追跡報告で示された投資のペースは、依然として、米国の気候目標を達成するには不十分である。IRAに示されている40%削減は可能であろうが、パリ気候協定のコミットメントを果たすために必要な2030年までに50%削減の実現からはまだ遠い」との見解を示している。 Grist “The IRA has injected $240 billion into clean energy. The US still needs more.” (3/12/24)

CSET、ハイブリッド型AIインシデント報告について論文を発表

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「ハイブリッド型AIインシデント報告に関する議論:その他のインシデント報告システムからの教訓(An Argument for Hybrid AI Incident Reporting: Lessons Learned from Other Incident Reporting Systems)」と題する報告書を発表した。過去10年間、人工知能(AI)の急速な進展と共に、AIのインシデントが発生している。しかし、AIインシデントのデータを監視、文書化、総合化し、AI関連の有害性について理解すると共に、これらを安全な政策への情報提供とする協調的な政策努力はない。報告書は、AIインシデント報告に関する既存のイニシアチブを調査及び評価し、その他の部門におけるインシデント報告データベースから教訓を引き出した上で、それらの分析に基づく勧告を提示している。CSETは、報告の慣行を標準化し、データの欠落を防ぐため、①義務的報告と②任意の報告という二つの要素で構成され、一元型で標準化されたハイブリッド報告枠組みを提案している。 Center for Security and Emerging Technology “An Argument for Hybrid AI Incident Reporting” (March 2024)

バイデン政権、貨物トラック用ゼロ排出インフラの導入を加速させるため、初となる国家戦略を発表

バイデン政権は3月12日、「国家ゼロ排出貨物コリドー戦略(National Zero-Emission Freight Corridor Strategy)」を発表した。エネルギー/輸送合同局(Joint Office of Energy and Transportation: Joint Office(合同局))とエネルギー省(Department of Energy)が、運輸省(Department of Transportation: DOT)及び環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)との共同作業で開発したもので、2024-2040年におけるゼロ排出の中型及び大型車両の充電及び水素補給のインフラの導入のガイドとなるものである。米国内の貨物コリドー沿いやインターモーダル輸送施設、使用率の高い港湾で、電気自動車(EV)の充電及び水素補給への偏在的で便利なアクセスを提供することは、「2030年までに、中・大型自動車販売の少なくとも30%をゼロ排出車両とし、2040年までにその割合を100%とすることを推進する」という米国の目標を達成する上で鍵となる。国家ゼロ排出貨物コリドー戦略は、2024-2040年を4段階に分けて主要な貨物コリドーとハブでのインフラを優先付け、順序付け、加速させる。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Releases First-Ever National Strategy to Accelerate Deployment of Zero-Emission Infrastructure for Freight Trucks” (3/12/24)

大統領府、国家バイオ経済委員会を始動

バイデン政権は先般、バイオテクノロジーが米経済にもたらす可能性の実現へ向けた重要な一歩として、「国家バイオ経済委員会(National Bioeconomy Board)」を始動した。同委員会は、官民部門のパートナーと協力し、バイオテクノロジー及びバイオ製造を通じて、社会福祉や国家安全保障、持続可能性、経済生産性、競争力の進展に取り組む。バイオ経済委員会は、バイデン大統領による「米国への投資(Investing in America)」議題の一部である。バイデン大統領が2022年にバイオテクノロジー及びバイオ製造の進展を目的とした大統領令を通達して以来、バイデン=ハリス政権は、「米国への投資」行動を通じて、このビジョンを現実のものにするための取り組みを行っている。国家バイオ経済委員会は、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)、商務省(Department of Commerce: DOC)、国防総省(Department of Defense: DOD)が共同委員長を務め、委員会には、国務省(Department of State)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、国土安全保障省(Department of Homeland Security)など9つの連邦省庁機関の代表が席を置く。 White House “The White House Advances Biotechnology and Biomanufacturing Leadership with the Launch of the National Bioeconomy Board” (3/22/24)

OSTP、「オープン科学年表彰チャレンジ」の受賞者を発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は3月21日、「OSTPオープン科学年表彰チャレンジ(OSTP Year of Open Science Recognition Challenge)」の受賞者を発表した(ホワイトハウスは2023年をオープン科学年(Year of Open Science)に指定した)。このチャレンジは、研究者やコミュニティ科学者、教育者、イノベーター、より広範な一般市民を対象に、科学と社会に恩恵をもたらす研究へのアクセスを拡大する取り組みを浮き彫りにするものである。OSTPと連邦パートナー機関は、「オープン科学の主唱者(Champions of Open Science)」として、オープン科学を通じて個別の問題に対処する活動を提出した5件のチャレンジ・プロジェクトを選出した。受賞チームの活動は、自然との関係修復による気候危機の克服から、米国内のコミュニティでより良い医療のアウトカムを達成するものまで様々で、オープンで公平でセキュアな研究事業によって可能な事案を示している。 White House “White House Office of Science & Technology Policy Announces Year of Open Science Recognition Challenge Winners” (3/21/24)