エネルギー省、信頼性が高く手頃な費用の電力システムを支える東海岸のオフショア風力発電への経路を発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月21日、2年間にわたって行なわれてきた「大西洋オフショア風力送配電調査(Atlantic Offshore Wind Transmission Study)」によるファインディングを発表した。同調査は、米国の大西洋岸沿いにおけるオフショア風力エネルギーの導入を支援するため、送配電の選択肢を評価することを目的として詳細に実施された。直近のプロジェクトは個々のオフショア風力発電を陸上の電力グリッドと結びつけることであるが、調査の結果は、2030年以降はオフショア送配電ネットワークを通じて一部のオフショア風力エネルギー・プロジェクトを戦略的に結びつけることで、海洋生態系への影響を最小限にしつつ、発電費用の低減や、電力グリッドの信頼性強化、化石燃料への依存削減につながることを示している。また、本調査を情報提供源として作成された「大西洋オフショア風力送配電行動計画(Atlantic Offshore Wind Transmission Action Plan)」も同日発表された。本計画は、第一世代となる大西洋オフショア風力発電プロジェクトを電力グリッドに結びつけるために必要な直近の行動や長期的取り組みなどを概説している。 Department of Energy “DOE Reports Chart Path for East Coast Offshore Wind to Support a Reliable, Affordable Electricity System” (3/21/24)

NSF、JASON報告「研究事業活動の保護」について発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は3月21日、独立系科学諮問グループのJASONによる最新報告「研究事業活動の保護(Safeguarding the Research Enterprise)」を発表した。JASONは、2019年に「基礎研究の安全保障(Fundamental Research Security)」と題する報告書を発表しており、NSFはこの発表を基盤とし、また、「2022年CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act of 2022)」で規定された立法上の要件などを満たす形で、今回の新たな調査報告をJASONに委託した。「研究事業活動の保護」報告には、8件のファインディングと6件の勧告が提示されている。ファインディングは、国際協力の価値を強調しつつ、リスクの範囲と、慎重を要する研究とそうでない研究の間に差異を付けることの必要性について認識を示している。また、勧告においては、研究者に真のリスクについて実質的な情報を提供するなどして、科学コミュニティ内に研究の安全保障を認識する文化を育成することの重要性を強調している。NSFは現在、ファインディングを分析中で、国家安全保障上の懸念を対象とした新たな政策レビュー・プロセスの策定と導入に取り組む中、今回提示された勧告の実践について検討する。 National Science Foundation “NSF announcement on JASON report: Safeguarding the Research Enterprise” (3/21/24)

USPTO、イノベーションのより良い商業化の方法について見解を募集

米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)は、3月15日付け連邦広報(Federal Register)で、環境技術や重要・新興技術を中心に、イノベーションの商業化を意欲付けるより良い方法について、一般からの意見を募集する「見解の要請(Request for Comments: RFC)」を通達した。寄せられた見解は、USPTOの現行の取り組みの影響を拡大する可能性についての評価と、イノベーションを市場へ移行させることを支援する新たな方法の模索に活用される。なお、バイデン政権が2023年12月に提案した「介入権(march-in-rights)」や、USPTOが提案した「頑強で信頼性の高い特許(robust and reliable patents)」に関するイニシアチブ、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights: TRIPS)の下での知的財産(IP)権の免除措置について現在進行中の協議といった論争的なトピックは、今回のRFCの対象外となっている。USPTOは、①商業化を合理化する助けとなるIP政策及び慣行の変更点は何か?②商業化において存在する課題は何か?など、具体的な15の質問を提示し、見解を要請している。 IP Watchdog “USPTO Wants Input on How to Better Commercialize Innovation” (3/14//24)

EPA、2032年までに市場で販売されるEVを増加させることを狙いとした新規則

大統領府は3月20日、市場で販売される電気及びハイブリッドの自動車を今後8年間に大幅に増加させることを狙いとした環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の最終取りまとめ規則を発表した。新規則は、自動車業界に、市場で販売される新車の56%を電気自動車に、13%をハイブリッドにするよう求める。規則は、排出の17%を乗用車が占める米国内での排出削減を進めるバイデン政権にとり重要である。「これらの基準は、自動車業界により明確な確実性を提供し、民間投資を促し、良好賃金の労働雇用を創出し、米国自動車業界を強化する」とEPAは発表している。一方、共和党は既にこの規則に反発しており、ピート・リケッツ上院議員(Pete Ricketts、ネブラスカ州選出共和党)とダン・サリバン上院議員(Dan Sullivan、アラスカ州選出共和党)は、これを撤廃することを誓った合同声明を発表している。 UPI ” EPA finalizes new rule to boost EVs on market by 2032″ (3/20/24)

米国のエネルギー貯蔵導入がブーム、前年比90%増

ウッド・マッキンジー社(Wood Mackenzie)が3月20日に発表した「2024年第1四半期 米国エネルギー貯蔵モニター(US energy storage monitor: Q1 2024)」によれば、米国内で電池エネルギー貯蔵の導入トレンドは急速に進んでいる。全ての部門(グリッド規模、住宅部門、コミュニティ/商業/産業部門)でエネルギー貯蔵業界は8.7ギガワット(GW)を導入しており、前年比90%増という過去最高記録を達成した。2023年第4四半期には全国で4.2GWが導入され、カリフォルニア州とテキサス州はその77%を占めた。エネルギー貯蔵ブームの一因は、費用の劇的な低減である。2023年第4四半期には、欧米で電気自動車(EV)の需要が予想より低かったことや電池用リチウム原料の供給過多が原因で、電池価格が大きく低下した。 pv magazine “Booming U.S. energy storage installation grows 90% year-over-year” (3/20/14)

海外からの科学・工学・医療の大学院入学者数は増加

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の発表によれば、2021-2022年に、科学・工学・医療(science, engineering, and health: SHE)分野の大学院入学者数は5%(3万8,378名)増加した。これは主に、短期滞在ビザ保有者でフルタイムの修士号課程に入学した学生の増加(4万2,186名)による。2022年のフルタイムのSEH修士号課程の入学者は31万9,618名で、フルタイムの博士号課程入学者は25万9,683名と、「科学・工学における大学院生及びポスドク調査(Survey of Graduate Students and Postdoctorates in Science and Engineering: GSS)」で過去最高の数値となった。2021-2022年に、学術機関におけるSHEのポスドク被任命者数は、0.9%(578名)僅かに減少した。また、同期間に、米国市民と永住者のポスドク雇用は8.3%(2,466名)減少したのに対し、短期滞在ビザ保有者のポスドク雇用は5.6%(1,888名)増加した。記事では、市民権のステータスによる大学院入学者数のトレンド、修士課程及び博士課程に入学する学生の学問分野のトレンド、ポスドク及び博士号取得者の教員以外の研究雇用のトレンドについて記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Graduate Enrollment in Science, Engineering, and Health Continues to Increase among Foreign Nationals, while Postdoctoral Appointment Trends Vary across Fields” (3/20/14)

エネルギー省、米国がバイオマスを持続可能な形で生産できる方法について概説

エネルギー省(Department of Energy)は3月15日、「2023年10億トン報告(2023 Billion-Ton Report: BT23)」を発表した。米国が年間のバイオマス生産量を持続可能な形で現行の3倍以上となる10億トン以上にできる方法を示したものである。米政府は2005年以来、バイオマス資源の可能性を評価する報告書を発表しており、今回で4度目となる。それによれば、10億トンのバイオマスは米国内で予想される航空機燃料の需要を100%満たすことができ、持続可能な航空燃料(sustainable aviation fuel: SAF)で航空業界を全面的に脱炭素化することができる。報告書のその他のハイライトには、以下のような点が含まれる。①米国は現在、約3億4,200万トンのバイオマスを使用し、米国の年間エネルギー需要のおよそ5%を満たしている、②米国が、バイオマスの生産を3倍にし、温室効果ガスの割合が低い液体燃料を約600億ガロン(試算)の産しつつ、予想される食糧/飼料/ファイバー/従来型の森林製品/輸出の需要も満たすことは可能である。 Department of Energy “DOE Releases Report Outlining How America Can Sustainably Produce More Than One Billion Tons of Biomass Per Year” (3/15/24)

国防総省、デジタル及びAI担当のトップ高官を指名

国防総省(Department of Defense)は4月14日、最高デジタル及び人工知能局(Chief Digital and Artificial Intelligence Office: CDAO)の初代局長であるクレイグ・マーテル氏(Craig Martell)が4月に退任すると発表した。国防総省のロイド・オースティン長官(Lloyd Austin)は声明文の中で、「次期CDAO局長には、国防副次官(調達及び維持担当)(Deputy Undersecretary of Defense for Acquisition and Sustainment)のラドハ・プラム氏(Radha Plumb)が4月8日付けで就任する」と述べた。マーテル氏の退任の理由は明らかにされていない。マーテル氏は、配車企業、リフト社(Lyft)の機械学習担当トップを務めた後、2022年4月に新設されたCDAOのトップに任命された。CDAOは設立以来、国防総省による新興技術の導入の合理化と拡大に取り組んできた。また、連合統合全領域指揮統制(Combined Joint All-Domain Command & Control: CJADC2)イニシアチブの実践においても主要な役割を担ってきた。プラム氏は、2023年4月以来、現職を務めており、それより前には、国防副長官の首席補佐官を務めていた。 Government Executive “Pentagon names new top official for digital and AI” (3/15/24)

国土安全保障省、新たなAIロードマップを発表

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)は3月18日、初となる「2024年人工知能ロードマップ(Artificial Intelligence Roadmap 2024)」を発表すると共に、連邦事業に人工知能(AI)を活用するための一連の新たな取り組みを開始する。ロードマップはDHSによるAI使用のガイドとなるもので、3件のAIパイロット・プログラムが含まれている。それらは次の通り。①米国市民権・移民業務局(United States Citizenship and Immigration Services: USCIS)は大規模言語モデルを使って、難民/亡命/国際活動(Refugee, Asylum, and International Operations)担当官に移民申請者の聞き取りに関する訓練を行う、②連邦緊急管理局(Federal Emergency Management Agency)は、生成AIを使って州政府や地方自治体などによる危険軽減計画努力を補佐する、③国土安全保障捜査(Homeland Security Investigations)でAIソフトウェア及び大規模言語モデルを使い、担当官が該当する事例文書を検索、引き出せるようにする。 Nextgov FCW “DHS unveils new AI roadmap” (3/18/24)

エネルギー省、次世代の地熱電力へ向けたロードマップを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月18日、最新の「商業化発進への経路(Pathways to Commercial Liftoff)」報告を発表した。「商業化発進への経路:次世代地熱電力(Pathways to Commercial Liftoff: Next-Generation Geothermal Power)」と題する報告書で、2023年3月に始まった発進シリーズの9本目となる。報告書は、先端の地熱技術によって米国の地熱エネルギー生産が2050年までに90ギガワット以上に拡大する可能性を示しており、これは、現行の20倍となる。報告書では、その他の主要なファインディングとして、①雇用機会の強化、②持続可能な生産、③持続可能な資源へのアクセス、④低費用、について記述されている。 Department of Energy “DOE Unveils Roadmap for the Next Generation of Geothermal Power” (3/18/24)