エネルギー省、気候変動の軽減やグリッドの対応力などにおけるAIの使用について情報の提供を要請

エネルギー省(Department of Energy)は、3月1日付けの連邦広報(Federal Register)で、「安全でセキュアで信頼できる人工知能の開発と使用に関するエネルギー省の責務に関連する情報の要請通知(Notice of Request for Information (RFI) Related to DOE’s Responsibilities on Safe, Secure, and Trustworthy Development and Use of Artificial Intelligence)」を通達した。先に発令されたAIに関する大統領令(Executive Order)について、民間、官民パートナーシップ、あらゆる政府機関からの様々な情報の提供を模索している。エネルギー省は、大統領令の発令日から180日以内にAIに関する報告書の提出を義務付けられており、それを作成する上で、エネルギー省の助けとなる情報を模索している。RFIの対象となっているのは、ハリケーンや山火事など異常気象に基づく事象の予測、資源レベルで気候がもたらす長期的な影響の予測、気象に関する数値予報モデルの迅速化などが含まれる。また、グリッド・インフラのセキュリティと信頼性、運用、その対応力の向上につながるAIの可能性に関する情報も歓迎している。 FEDSCOOP “DOE seeks information on AI uses for climate change mitigation, grid resilience” (2/29/24)

NSTC、国際的な科学技術協力に関する報告書を提出

大統領府の国家科学技術会議(National Science and Technology Council: NSTC)は今般、「国際的な科学技術協力に関する議会への隔年報告書(Biennial Report to Congress on International Science & Technology Cooperation)」を発表した。国際的な科学技術協力に関する米国の能力改善の取り組みに関する報告書で、前回の隔年報告で提示した16件の勧告の実践について進捗状況を評価している。報告書は、省庁間委員会によって作成されたもので、ロシアの対ウクライナ戦争など、科学的協力に影響を及ぼしている現行の地政学的課題についても議論している他、米経済の未来にとって重要となる新興技術に焦点を当てた外交努力についてもまとめている。報告書は、「第二次世界大戦以来、国際的な科学技術協力は米外交政策の支柱の一つであるが、地政学的な競争環境が高まる中で今まで以上に重要となっている現在、本件は悪化のリスクに直面している」と結論している。 White House “US Capacity for International S&T Collaboration Gets Check Up from White House” (February 2024)

NSF、たんぱく質設計手法の解釈を加速させる4,000万ドルの資金提供機会を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、たんぱく質の設計に関して人工知能(AI)をベースとした手法の解釈を加速させることを意図した新たな資金提供機会(4,000万ドル)を発表した。この取り組みを通じて、米国のバイオ経済にとって重要な新たな応用の実現を目指す。NSFは今後3年間、「使用にヒントを得たたんぱく質設計の加速(Use-Inspired Acceleration of Protein Design: USPRD)」イニシアチブを通じて、酵素の設計に重点を置いた形を中心に、たんぱく質の設計及びその応用を進展させることを模索する。NSFの技術・イノベーション・パートナーシップ総局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)の高官は、「USPRDには、様々な応用分野でAIを活用したたんぱく質設計の利用を加速させる上で問題となる障害を打破できる可能性がある」と述べる。USPRDは、アイデア・ラボ(Ideas Lab)のプロセスを使い、具体的な問題や大きな課題に対する潜在的なソリューションや手法の開発に協調的に取り組むことに関心を持つ約40名の専門家ならびに関係者による双方向的な作業部会を実施する。アイデア・ラボへの参加には、予備的プロポーザルの承認が必要。 National Science Foundation “New $40M funding opportunity accelerates the translation of novel approaches to protein design to bolster the U.S bioeconomy” (2/26/24)

NSF、バイオ経済成長に向けて無細胞系の導入に4,000万ドルを投入

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、無細胞系の導入を加速させ、本技術の新たな応用を可能にし、米バイオ経済の成長に寄与することを意図した4,000万ドルの資金提供公募を発表した。NSFは、「使用にヒントを得た応用の拡大に向けた無細胞系の進展(Advancing Cell-Free Systems Toward Increased Toward Increased Range of Use-Inspired Applications: CFIRE)」イニシアチブを通じて、今後3年間で無細胞系の費用削減と利用の拡大、そしてそれらの使用の開発と実証に取り組む。CFIREは、アイデア・ラボ(Ideas Lab)のプロセスを用いる。最初に多様な見解で構成される集中的な会合を招集する。このアイデア・ラボ作業部会は、具体的な問題や大きな課題に対する潜在的なソリューションや手法の開発に協調的に取り組むことに関心を持つ約40名の専門家及び関係者による双方的な会合となる。この会合に参加するには、予備的なプロポーザルを承認されることが必要。 National Science Foundation “New $40M funding opportunity seeks to accelerate the adoption of cell-free systems for biochemical applications” (3/4/24)

量子経済開発コンソーシアム、新たな量子標準に関する論文を発表

量子経済開発コンソーシアム(Quantum Economic Development Consortium: QED-C)は先般、「アプリケーション主導型のパフォーマンス基準を使った量子アルゴリズムの模索(Quantum Algorithm Exploration using Application-Oriented Performance Benchmarks)」と題する論文を発表した。標準化の取り組みは新しいものではなく、「効果的な標準化のツールは必要とされており、量子技術の進展とその後の導入の助けとなるものである」と広く認識されている。しかし、それを正しく行うことは様々な理由から容易ではない(現時点では、全ての既存の量子コンピュータは実質的に開発段階であり、急速に変化していることなどが理由)。いわゆる「システム・レベル」で同一条件の指標を構築することは困難な状況であり、アプリケーションのパフォーマンスに基づく標準を作成することは、システム・レベルでの標準化に伴う問題を解決できる。これは、広い意味で、基礎となるシステムとアーキテクチャーの詳細を抽象化し、特定の量子コンピュータがアプリケーション/アルゴリズムを実行する速度と正確さに焦点を当てるからである。 HP Wire “QED-C Issues New Quantum Benchmarking Paper” (2/20/24)

グーグルとXプライズ、500万ドルの量子応用チャレンジを開始

グーグル量子AI(Google Quantum AI)、Xプライズ財団(XPRIZE Foundation)、ジュネーブ・サイエンス・アンド・ディプロマシー・アンティシペーター(Geneva Science and Diplomacy Anticipator: GESDA)財団(GESDA Foundation)は、現実世界の課題を解決する助けとして実践できる量子コンピューティングのアルゴリズム及び応用の開発を競う世界的コンペを開始した。3年かけて行われ、賞金500万ドルが提供される。グーグル社の幹部によれば、「国連の持続可能な開発目標で説明されているような社会的に恩恵をもたらす目標の達成を支援する量子コンピューティング・アルゴリズムの開発を目指す」という。発表されたガイドライン草案によれば、500万ドルの賞金は、①24か月間後、審査員は提出された白書を審査し、最大20件の準決勝進出者に、マイルストーン賞(Milestone Prizes)として賞金100万ドルを均等に配分する。審査員の裁量により、参加チームはグランド賞(Grand Prize)での競争への参加が認められる。マイルストーン賞を受益していない、または同コンペに参加していないチームも、審査員の裁量により、グランド賞のコンペに参加できる。②36か月後、審査員はコンペの勝者を選出し、最大3件のグランド賞受賞者に300万ドルが均等配分され、2~5件の準優勝者に100万ドルが均等配分される。 HPC Wire “Google, XPRIZE Launch $5M Quantum Application Challenge” (3/4/24)

NSF、グラント審査において「社会的恩恵」評価を強化

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の統治組織である米国科学審議会(National Science Board: NSB)は、グラントのプロポーザルの審査方法について18カ月に及ぶ審議を行った後、審査の一環として、プロジェクトが社会にもたらす潜在的な貢献を測定するために長期的に使用されてきた2件の基準のうち、1件の名称を改称することを勧告する計画である。NSFは1997年以来、グラント審査員として採用した外部の科学者に、プロポーザルの「知的メリット」(提案されている研究の新規性と重要性)と、「より広範な影響」(プロジェクトはどのようにして社会的ニーズに対応できるか)の双方について採点を行うよう要請してきた。しかし、多くの審査員が「より広範な影響」の基準に懸念を示したことから、NSBはこれらの基準の見直しを開始した。NSBによって設立されたメリット・レビュー委員会(commission on merit review)の委員長であるステファン・ウィラード氏(Stephen Willard)によれば、委員会は、NSFに対して、「より広範な基準」を「社会的恩恵(societal benefits)」に改称することで、その意図するところを明確にするよう勧告する見通しである。それらの恩恵には、公衆衛生の改善、経済的繁栄、国家安全保障、科学的労働力の多様化、社会的平等と包含性の向上が含まれる。 Science “National Science Foundation grant reviewers urged to think more about ‘societal benefits’” (2/23/24)

PCAST、サイバー・フィジカル対応力の戦略に関する報告書を発表

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)は今般、「サイバー・フィジカル対応力に関する戦略:デジタル世界の我々の重要インフラを強化する(Strategy for Cyber-Physical Resilience: Fortifying Our Critical Infrastructure for a Digital World)」と題する報告書を発表した。これらのシステムは、統合されたデジタル及びインフラの資源であり、電力グリッド、公共の水システム、インターネット及び通信、銀行システム、航空管制など、米国民の日常生活に重要な存在となっている。バイデン大統領は、米国のサイバーセキュリティを強化し、より平等で安全で対応力のある環境を作り出すため、国家サイバーセキュリティ戦略と共に大胆な行動を進展させている。しかし課題はまだ残っており、サイバー・フィジカル対応力に関する更なる行動が急務となっている。今回発表された報告書にはいくつかの勧告が提示されており、それには、国土安全保障省(Department of Homeland Security)のサイバーセキュリティ及びインフラストラクチャー・セキュリティ局(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)の活用や、その他の連邦機関及び民間の関係機関との調整が含まれている。 White House “PCAST Releases Report on Strategy for Cyber-Physical Resilience” (2/27/24)

大統領府、科学機関におけるセクハラポリシーのインベントリを発表

大統領府は2月、所外研究アワードの受益者に関するセクシャル・ハラスメントについて、連邦機関のポリシー、手順、資源のインベントリ(一覧)を発表した。インベントリには、対外的及び対内的な文書が含まれており、「安全で包含的なSTEM環境に関する省庁間作業部会(Interagency Working Group on Safe and Inclusive STEM Environments)」が作成した。この作業部会は、研究におけるハラスメント対策について連邦機関の取り組みを調整するよう求めた2022年CHIPS・科学法(CHIPS and science Act of 2022)への対応として、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)が設立した。同法は、OSTPが90日以内にインベントリを出版するよう指示していたが、その完成が遅れ、下院科学委員会(House Science Committee)や科学組織から懸念を示す書簡が発表されていた。発表されたインベントリは、ハラスメントの特定/報告/削減に関する異なるポリシーや手法は、様々な機関でパッチワーク状態となっていた。全ての機関が内部スタッフを対象としたポリシーを有しているが、全ての機関が所外のグラント受益者を明確に対象としたポリシーを持っているわけではないことをインベントリは示している。 White House “White House Publishes Inventory of Sexual Harassment Policies at Science Agencies” (February 2024)

エネルギー省、トーマス・ジェファーソン国立加速器施設の管理運営事業者を公募

エネルギー省(Department of Energy)は2月13日、トーマス・ジェファーソン国立加速器施設(Thomas Jefferson National Accelerator Facility: TJNAF)の管理及び運営契約のコンペを開始した。TJNAFは、エネルギー省が助成する研究所(Federally Funded Research and Development Center: FFRDC)で、原子物理学における科学技術のブレイクスルーを実現することに焦点を当てたミッションを有している。エネルギー省は、コンペの最初のステップとして、「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表し、コンペに関して認識されている障害にエネルギー省が対処できるよう、関心のある者からの情報を募集している。また、コンペのプロセスについてコミュニティが情報を得られるよう公共のウェブサイトが立ち上げられた。 hoDepartment of Energy “DOE Issues Request for Information and Launches New Website for the Thomas Jefferson National Accelerator Facility Management and Operating Contract Competition” (2/13/24)