メリーランド州TEDCO、2023年に27億ドルの州経済活動を創出

メリーランド州の技術開発公社(Technology Development Corporation: TEDCO)は、研究大学や連邦研究所で生まれた技術の移転及び商業化を促進し、技術ベースのビジネスを創出、成長させる一助となることを目的として、1998年にメリーランド州議会によって創設された。最近発表された報告書「TEDCOの7つの中核プログラムの経済・財政的影響(2023年度)(The Economic and Fiscal Impacts of TEDCO’s Seven Core Programs-FY2023)」によれば、TEDCOは、2023年に州内で約27億ドルの経済活動を創出した。報告書は、ボルチモア大学(University of Baltimore)のジェイコブ・フランス研究所(Jacob France Institute)が作成した。報告書のファインディングとして、次のような点が挙げられている。①2021年に、TEDCOの6つの中核的な研究及び投資手段の支援を受けた442のポートフォリオ企業の直接的な雇用創出は1万433件であった(2013年の4.25倍)、②これらの企業の経済活動の効果は、2021年の23億ドルから2023年は27億ドルに増加した(2013年の約4.8倍)。 SSTi “Study finds TEDCO has created $2.7 billion in statewide economic activity” (2/22/24)

ニューヨーク市、グリーン経済行動計画を始動

暴風雨や洪水、そして気候変動の否定的な影響への経済対策など、気候変動に対する脆弱性を既に感じているニューヨーク市のエリック・アダムス市長(Eric Adams)は2月28日、「グリーン経済行動計画(Green Economy Action Plan)」を発表した。同計画は、イノベーションに満ち溢れ、技術ベースの経済開発を中心としたイニシアチブとなっており、アダムス市長は、5つの主要な目標で63件の具体的な行動の取り組むことにコミットしている。経済開発という観点から見ると、本計画の実践により、2040年までに約40万人の「グリーン・カラー」雇用がニューヨーク市内で創出される(現在同市内で「グリーン雇用」として考えられている雇用は13万3,000件)。行動計画の一部は既に開始されているが、多くは新規かつ大規模なものである。例えば、1億ドルの「気候イノベーション・ハブ(Climate Innovation Hub)」がブルックリン・アーミー・ターミナル(Brooklyn Army Terminal)で創設される。この施設は、気候技術のスタートアップやその他のグリーン経済ビジネスの商業化経路を加速させることを目的としている。 SSTi “NYC Launches Green Energy Action Plan” (2/29/24)

大学における商業化の成功を高める方法

全米経済研究所(National Bureau of Economic Research: NBER)は2024年1月、「思案する学者:大学の商業化における異種性に関する理解(The Wandering Scholars: Understanding the Heterogeneity of University Commercialization)」と題する報告書を発表した。大学における商業化活動の変動性に影響を及ぼす要素について分析したもので、報告書の執筆者は、米国の1,100大学における3万1,000名の学術研究者のキャリアの動きをたどり、研究者を受け入れる大学のそれぞれに異なる状況がどのように研究者の特許出願や起業に影響するかを分析した。報告書は次の3つのファインディングを提示している。①より強力な商業化インフラ(例として技術移転局を有しているなど)のある大学へ移動することで、特許や起業につながる確率は15~25%高まる、②技術クラスター内に存在する大学は、資源や人材、潜在的パートナーなどの恩恵を受ける、③大学内の成功率が様々であることは、特定の学部や研究センターには独自のクラスターや資源があり、商業化の成功に影響を及ぼしている可能性を示している。そうした上で、報告書は、州や大学レベルの政策による介入措置は大学における商業化の成功率を高める可能性があると示唆している。 SSTi “Improving university commercialization success” (2/29/24)

米国、港湾のサイバーセキュリティを強化するイニシアチブを発表

バイデン政権は2月21日、米国内の港湾の安全保障を強化する大統領令(Executive Order)と、海事サイバーセキュリティの強化、サプライチェーンの強化、米国の産業基盤の強化を目的とする一連の追加措置を発表した。政権はまた、米国の港湾に安全でセキュアなクレーンを提供するため、国内の陸上製造能力を復活させる意向も発表した。これは、「米国への投資(Investing in America)」議題の下で実施される米国港湾インフラへの200億ドル以上の投資のおかげである。政権が発表した措置は次の通り。①バイデン大統領は、国土安全保障省(Department of Homeland Security)が海事サイバー脅威に直接対処する権限を強化する大統領令に署名、②沿岸警備隊(Coast Guard)は、米国の戦略的な商業港湾で、中国製の「船から陸へのクレーン(ship-to-shore cranes)」に関するサイバーリスク管理措置について海事安全保障指令(Maritime Security Directive)を通達、③沿岸警備隊は、海事輸送システムにおけるサイバーセキュリティの規則提案通知(Notice of Proposed Rulemaking on Cybersecurity)を通達、④政権は、信頼できるパートナーと共に港湾クレーンを生産できるよう米国産業能力の再建に取り組む(この結果、三井E&S社(Mitsui E&S Co., Ltd)の米国子会社であるパセコ社(PACECO Corp.)がクレーン生産のための製造能力を米国の陸地に設置することを計画)。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces Initiative to Bolster Cybersecurity of U.S. Ports” (2/21/24)

6G原則を支持する合同声明発表

米国、オーストラリア、カナダ、チェコ共和国、フィンランド、フランス、日本、韓国、スウェーデン、英国は、6G無線通信システムの研究開発に関する共通の原則で意見が一致させ、共に取り組むことで、オープンで自由でグローバルで相互運用性と信頼性と対応力があり、セキュアな接続の支援に努めることになる。共通の原則とは、①信頼できる技術とは国家安全保障を保護するもの、②セキュアで対応力があり、プライバシーを保護、③グローバルな業界主導で包含的な規格標準設定と国際協力、④オープンで相互運用性のあるイノベーションを実現する協力、⑤手頃な費用で持続可能性があり、グローバルな接続性、⑥スペクトルと製造、の6点。 White House “Joint Statement Endorsing Principles for 6G: Secure, Open, and Resilient by Design” (2/26/24)

NSFとエネルギー省、プライバシー研究強化に向けた研究調整ネットワークを確立

人工知能(AI)の進展によって加速しているデータ収集及び分析環境の急速な進化に応答する形で、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)とエネルギー省(Department of Energy)は、プライバシーの研究開発(R&D)や導入、プライバシー強化技術(privacy enhancing technologies: PETs)の進展に特化した研究調整ネットワーク(Research Coordination Network: RCM)を確立した。これは、「安全でセキュアで信頼できる人工知能の開発と使用に関する大統領令(Executive Order on Safe, Secure, and Trustworthy Development and Use of Artificial Intelligence)」で義務付けられた内容を実行し、「プライバシーを保護するデータ共有及び分析を進展させる国家戦略(National Strategy to Advance Privacy-Preserving Data Sharing and Analytics)」内で示された勧告を進展させるものである。RCNは、「未来のプライバシー・フォーラム 教育とイノベーション財団(Future of Privacy Forum Education and Innovation Foundation)」が主導し、学術機関や業界、政府の専門家が結集して、PETの開発、導入、拡張を支援する。 National Science Foundation “NSF and DOE establish a Research Coordination Network dedicated to enhancing privacy …
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ARPA-H、承認済み医薬を別の目的で使用するためのAI主導型プロジェクトを助成

医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は2月28日、希少疾患に直面している人々に希望とアウトカムの向上をもたらすことを目的とした新たなプロジェクトを発表した。プロジェクトの名称は、「機械学習/人工知能の補佐を受けた、治療の別の目的で使用する拡張使用(ML/AI-Aided Therapeutic Repurposing in eXtended uses: MATRIX)」で、現在は治療法のない疾病を治療することを目的として、既存の医薬を迅速かつ正確にとらえ、検証できる機械学習プラットフォームを構築することを意図している。現在、希少疾病として知られている疾病は1万件以上に上り、その中で安全で効果的な治療が確立されているのはわずか数百件である。ARPA-Hは、このプロジェクトの下、オープンソースのプラットフォームと、承認済み医薬品をその他の疾病に使用した場合に予想される有効性を表示した双方向的なヒートマップ(色分け地図)の開発に取り組む非営利組織のエブリ・キュア(Every Cure)に最高4,800万ドルを提供する。更に、臨床試験で最も有望な医薬品と疾病の組み合わせを検証するため、追加の資金が提供される可能性がある。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H awards AI-driven project to repurpose approved medications” (2/28/24)

ARPA-H、女性の医療研究を加速

医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は2月21日、「女性の医療のスプリント(Sprint for Women’s Health)」を開始した。女性の医療に関する変革的な研究開発(R&D)に1億ドルをコミットする。ARPA-Hは、女性の医療のアウトカムの向上につながるインパクトの高いバイオメディカル研究を推進する非従来型の手法及び革新的な新規手段を求めて、「ソリューションの要請(request for solutions: RFS)」(資金提供公募)を発表した。ARPA-H女性の医療のスプリントは、①初期ステージの研究(もしくは「スパーク・ソリューション(Spark solutions)」)と、②後期ステージの開発(もしくは「発射台ソリューション(LaunchPad solutions)」)という、2つの資金提供トラックを利用する。ARPA-Hは、①家庭における女性の医療、②中年期を通じて卵巣の健康を維持し、疾病を予防する、③性差が健康のアウトカムにもたらす影響を調査するための強化モデルを通じた研究の進展(Advancing Research Through Enhanced Models for Investigating the Influence of Sex Differences on Health Outcomes: ARTEMIS)など、6つの医療トピックでプロポーザルを募集している。 Advanced Research Project Agency for Health “Funding opportunity to accelerate women’s health research” (3/1/24)

NIST、サイバーセキュリティ枠組みの2.0版を発表

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は今般、幅広く使用されている「サイバーセキュリティ枠組み(Cybersecurity Framework: CSF)」の更新版(2.0版)を発表した。CSFが初めて発表されたのは2014年で、今回は初めての大型更新となる。2.0版は、当初の対象であった重要インフラ部門だけでなく、あらゆる組織を支援することを狙いとしている。NISTは、あらゆる組織がそれぞれのサイバーセキュリティ目標を達成できるよう、CSFの中核ガイダンスを更新し、一連の資源を作成すると共に、ガバナンス及びサプライチェーンに追加の焦点を当てている。この更新版は、枠組みをより効果的にすることを目的として複数年にわたって行なわれた議論やパブコメの成果である。CSF2.0は、国家サイバーセキュリティ戦略(National Cybersecurity Strategy)の実践を支援する。 National Institute of Standards and Technology “NIST Releases Version 2.0 of Landmark Cybersecurity Framework” (2/26/24)

米国CHIPS、国内半導体パッケージ拡大に向けて公募発表

商務省(Department of Commerce)は2月28日、半導体製造の鍵となる技術である先端パッケージ基盤及び基盤マテリアルの国内製造能力を確立及び加速させる研究開発(R&D)活動にかかわる資金提供機会通知(Notice of Funding Opportunity: NOFO)を発表した。米国CHIPS(CHIPS for America)プログラムでは、半導体をベースとする技術から、ガラス、有機物に至る様々な技術におけるイノベーションに約3億ドルの投資を計画している。今回は、米国CHIPSとしては3回目のNOFOで、R&Dに焦点を当てたものとしては最初のNOFOになる。バイデン大統領が2022年8月9日に署名して法制化した「CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)」の下、商務省は、米国半導体業界の活性化と、米経済及び国家安全保障の強化を目的とした500億ドルの使途を監督する。 Department of Commerce “CHIPS for America Announces Funding Opportunity to Expand U.S. Semiconductor Packaging” (2/28/24)