米国、中国等の懸念国からの自動車リスクに対応

バイデン大統領は、米国の自動車メーカー及び自動車工が世界で最良であることを確実にすることにコミットしている。中国の自動車メーカーは、米国及び世界の自動車市場に大きく参入することを模索しており、米国の国家安全保障に新たな脅威を呈しているが、バイデン大統領はそれを生じさせない覚悟である。大統領は2月29日、中国を含む懸念国からのコネクテッド自動車が呈する国家安全保障のリスクから米国民を守るため、これまでにない措置を講じることを発表した。大統領の指示の下、商務省(Department of Commerce)は、懸念国からの技術を取り入れたコネクテッド自動車による国家安全保障のリスクについて調査を行うため、「提案規則に関する事前通知(Advanced Notice of Proposed Rulemaking: ANPRM)」を発表した。商務省は、調査の一環として、業界や一般市民から、こうしたリスクの状況や、それらを軽減するために講じることができる策の可能性について情報を収集する。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Takes Action to Address Risks of Autos from China and Other Countries of Concern” (2/29/24)

PCAST、温室効果ガス排出の効果的な削減の加速について報告

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)は2月20日、全国的な協調努力と拡大した評価及び検証システムを通じて温室効果ガス排出を削減することを狙いとした報告書「温室効果ガスの効果的な削減の加速(Accelerating Effective Reduction of Greenhouse Gas Emissions)」を発表した。報告書の対象にはメタンガスも含まれている。報告書には、バイデン政権による「統合的な米国温室効果ガスの測定と監視と情報システムを進展させる国家戦略(National Strategy to Advance an Integrated U.S. Greenhouse Gas Measurement, Monitoring, and Information System)」を補完及び拡大し、2050年までに正味ゼロ排出経済を達成するという政権の目標を加速させるための勧告が含まれている。勧告の一例は次の通り。①米国の排出の測定/監視/報告/検証に関する全てのデータに共通するデータ・システムを確立すること、②温室効果ガス排出の革新的な測定/監視/報告/検証を目的とした研究とインフラを強化し、2050年までに正味ゼロ排出を達成できるよう、進展を追跡し、加速させる米国の能力を強化する。 White House “PCAST Releases Report on Accelerating Effective Reduction of Greenhouse Gas Emissions” (2/20/24)

ITIF、「米国はバイオ製薬業界でのリードを失うリスクがある」と報告

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は2月29日、「二度とあってはならない:米国がバイオ製薬業界を失うことができない理由(Not Again: Why the United States Can’t Afford to Lose Its Biopharma Industry)」と題する報告書を発表した。米国はここ数十年、新薬生産数から、世界の付加価値生産における割合に至るまで、様々な指標で世界のバイオ製薬業界をリードしてきた。こうした成功は、国内の大規模な市場とバイオ製薬のイノベーションを促進する一連の意図的な政策選択によるものである。しかし米国は現在、これまでに成功した政策選択肢について再考し、業界におけるリーダーシップの位置付けを無視するというリスクを冒している。その一方、中国は、競争的優位の獲得を積極的に目指している。ITIFは、5つの先端業界(通信、機器、半導体、テレビ、ソーラー・パネル、化学)で米国の減退につながった要素を見直し、こうした損失を米国の政策策定者への情報提供として活用することを模索した。そして、「米国がバイオ製薬業界でのリーダーシップを維持するためには、研究開発への頑強な連邦投資を継続し、強力な知的財産環境を復活させ、政府の医薬品価格設定を回避する必要がある」と結論している。 Information Technology & Innovation Foundation “America Risks Losing Its Lead in the Biopharma Industry, New Report Warns; ITIF Holds Capitol Hill Briefing Event on March 5” (2/29/24)

グリッドの相互接続プロセスを評価した報告書発表

アドバンスト・エネルギー・ユナイテッド社(Advanced Energy United: AEU)が2月26日に発表した「発電機相互接続スコアカード(Generator Interconnection Scorecard)」によれば、米国の地域送配電システム運用事業者の中で、テキサス電力信頼性評議会(Electric Reliability Council of Texas: ERCT)とカリフォルニア州独立系統運用機関(California Independent System Operator: CAISO)による発電機相互接続プロセスが最良と評価された。一方、PJMインターコネクション(PJM Interconnection)の評価は「Dマイナス」、次いで、ISOニューイングランド(ISO-NE)が「Dプラス」となっている。AEUによれば、スコアカードの結果は、米国内で進められている相互接続改革の取り組みを評価する基準として使用することができる。AEUの上級幹部は、「連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission)による最近の積極的な改革の実施は、相互接続プロセスの向上へ向けた重要な最初の一歩であり、また、更なる改革が必要であることは明白である」と述べる。 Utility Dive “ERCOT, CAISO offer best grid interconnection processes; PJM, ISO-NE the worst, report finds” (2/26/24)

NARUC、閉鎖する石炭資産の証券化に関する報告書発表

全国ユーティリティ規制委員協会(National Association of Regulatory Utility Commissioners: NARUC)は2月23日、「停止された資産がユーティリティ顧客へもたらすリスクの軽減:証券化と石炭発電の閉鎖に関する模索(Mitigating Stranded Asset Risks to Utility Customers: An Exploration of Securitization and Retiring Coal Generation)」と題する報告書を発表した。石炭発電所の早期閉鎖によって停止した資産関連の費用の管理において、証券化が果たすことができる役割について議論したものである。過去20年間で、米国内の発電で石炭が占める割合は、51.7%から19.5%に減少した。閉鎖される石炭発電所の多くは、利用可能な寿命が終わる前に閉鎖するため、閉鎖される資産には、未償却の関連費用が残存し、それらは顧客の電気代に引き続き含まれる。本報告書は、こうした石炭発電所の早期閉鎖がユーティリティの顧客にもたらす影響について検討する各州の規制担当官向けに、複数の選択肢を探求している。報告書は、証券化を通じて、顧客が負担する費用の低減に成功したミシガン、インディアナ、ミズーリの各州の事例を調査し、早期閉鎖する石炭発電所の証券化プロセスについて、より明確な構図を提供している。 National Association of Regulatory Utility Commissioners “New Report for State Regulators Explores Securitization for Retiring Coal Assets” (2/23/24)

NARUC、電力分散システム及びDERのためのサイバーセキュリティ・ベースラインを発表

全国ユーティリティ規制委員協会(National Association of Regulatory Utility Commissioners: NARUC)は、エネルギー省(Department of Energy)のサイバーセキュリティ/エネルギー安全保障/緊急応答局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response office: CESER)と共に、2月22日、電力分散システム及びそれらをつなぐ分散型エネルギー資源(distributed energy resources: DER)のためのサイバーセキュリティ・ベースラインを発表した。この合同イニシアチブは、「サイバーセキュリティは電力システムの対応力を支える重要な要素である」との認識の下、過去十年間に州政府が各自の重要インフラにおけるサイバーセキュリティ・リスクへの対処として講じてきた活動に基づくものである。これらのサイバーセキュリティ・ベースラインや、今後発表予定の実践ガイダンスは、州の公共ユーティリティ委員会やユーティリティ、DERの運用者などの資源となることを意図したものである。NARUCとエネルギー省は、サイバーセキュリティ・ベースライン・イニシアチブのフェーズ2として、「実践戦略及び採用ガイドラインの策定」をスタートさせる。 National Association of Regulatory Utility Commissioners “NARUC Releases New Cybersecurity Baselines for Electric Distribution Systems and DER” (2/22/24)

インフレ低減法の下でも、風力発電導入は鈍化

エネルギー・イノベーション(Energy Innovation)、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)、ロジウム・グループ(Rhodium Group)が発表した報告書によれば、ソーラーや実用規模のエネルギー貯蔵、電気自動車の導入は、インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)の下で予想されている37~42%の排出削減を達成するペースで進んでいるが、風力発電の導入は、IRA施行後のシナリオ・モデルから遅れを取っている。エネルギー・イノベーションのエグゼクティブ・ディレクターであるアナンド・ゴパル氏(Anand Gopal)は、「今後、風力発電の導入は自然に伸びてくる可能性はあるが、送配電やサプライチェーンの制約の影響をより深刻に受けるかもしれず、それによって今後の可能性が制限される可能性がある」と言う。IRAの最終版における送配電開発を支える条項は限定的であることから、政府による追加措置によって補完する必要性を指摘している。 Utility Dive “Slowing wind installations threaten emissions progress under the IRA: report” (2/29/24)

バイデン大統領、3名のFERC委員を指名

ホワイトハウスは2月29日、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)の新たな委員として、2名の民主党員と1名の共和党員の計3名を指名した。指名されたのは、ボストンを拠点とするアナリシス・グループ(Analysis Group)の上級幹部で、マサチューセッツ州の元次官(エネルギー及び気候ソリューション担当)であるジュディ・チャン氏(Judy Chang)(民主党)、上院エネルギー及び天然資源委員会(U.S. Senate Energy and Natural Resources Committee)の民主党スタッフのFERCエネルギー業界アナリストであるデイビッド・ロズナー氏(David Rosner)、ウェストバージニア州の法務官(Solicitor General)であるリンゼー・シー氏(Lindsey See)(共和党)の3名。シー氏は、上院少数党院内総務(Senate Minority Leader)であるミッチ・マコーネル氏(Mitch McConnell)(ケンタッキー州選出共和党)の推薦を受けた。上院エネルギー及び天然資源委員会のジョー・マンチン議員(Joe Manchin)(ウェストバージニア州選出民主党)は、「全席が埋まり、超党派のFERCは、長期的で賢明なエネルギー・インフラ政策を進展させる更なる機会を提供するだろう」と述べた。FERCは全5席であるが、現在は2席が空席で、現委員の一人は現行任期で退任することを決めている。 Utility Dive “Biden nominates 3 FERC commissioners” (2/29/24)

ニューヨーク州、エクイノール社とオーステッド社のオフショア風力発電に新契約発注

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)の発表によれば、同州は、11月に開始された入札の迅速化プロセスを経て、エクイノール社(Equinor)とオーステッド社(Ørsted)が現在開発中のオフショア風力ファームに新たな契約を発注した。新たな契約は、平均的な消費者に2%増の費用負担をもたらし、両社には、当初の契約以上の追加の経済開発恩恵を提供することにコミットすることが求められる。オフショア風力業界グループのオーシャンティック・ネットワーク社(Oceantic Network)の幹部によれば、開発業者がオフショア風力契約に再入札できるようにすることで、ニューヨーク州は、これらのプロジェクトが中止されることを阻止できる見込みである。両プロジェクトとも州政府との間に既存の契約があるが、経済的に実行可能な状態を維持するために新たな契約を必要とする風力ファームが入札できるよう意図したニューヨーク州の規則の下、新たに入札することが可能であった。両プロジェクトの現行の契約は破棄され、最終的なアワード交渉を得て、新たな契約に置換される。過去数年間、複数のプロジェクトが中止される中、不振にあえぐ風力ファームが自らの契約に再入札できるようにする仕組みを講じたのは、ニューヨーク州が最初でも唯一の州でもない。こうしたプロセスにより、今回の両社のようなプロジェクトは継続することが可能になる。 Utility Dive “New York awards new contracts for Equinor, Ørsted offshore wind projects” (3/1/24)

グリーン水素電解槽の製造能力、2030年までに需要を上回る可能性

グリーン水素は依然として萌芽期の産業であり、同業界がどれほど早く、どのぐらい大きく成長していくのかは依然として不透明である。クリーン・エネルギー・コンサルティング企業のクリーン・エネルギー協会(Clean Energy Associates)が発表した報告によれば、グリーン水素のための電解槽製造は、世界で2027年までに54ギガワット(GW)に到達するペースで進んでおり、設備の需要を2030年までに2倍回る可能性がある。ただし、同社の上級幹部によれば、現在発表されているこれらの工場が最終的に全て建設されるかどうかは依然として不確定であるという。クリーン水素の生産税クレジットの基準に関する不確実性や、全体的な業界の軌道に関する不確実性があり、電解槽製造事業者のエレクトリック・ハイドロゲン社(Electric Hydrogen: EH2)のグローバル販売担当副社長であるジェイソン・モータイマー氏(Jason Mortimer)によれば、いかなる業界予測も「必然的な曇り」となっている。 Utility Dive “Green hydrogen electrolyzer manufacturing capacity could exceed demand by 2030: report” (2/20/24)