全米経済研究所(National Bureau of Economic Research: NBER)は2024年1月、「思案する学者:大学の商業化における異種性に関する理解(The Wandering Scholars: Understanding the Heterogeneity of University Commercialization)」と題する報告書を発表した。大学における商業化活動の変動性に影響を及ぼす要素について分析したもので、報告書の執筆者は、米国の1,100大学における3万1,000名の学術研究者のキャリアの動きをたどり、研究者を受け入れる大学のそれぞれに異なる状況がどのように研究者の特許出願や起業に影響するかを分析した。報告書は次の3つのファインディングを提示している。①より強力な商業化インフラ(例として技術移転局を有しているなど)のある大学へ移動することで、特許や起業につながる確率は15~25%高まる、②技術クラスター内に存在する大学は、資源や人材、潜在的パートナーなどの恩恵を受ける、③大学内の成功率が様々であることは、特定の学部や研究センターには独自のクラスターや資源があり、商業化の成功に影響を及ぼしている可能性を示している。そうした上で、報告書は、州や大学レベルの政策による介入措置は大学における商業化の成功率を高める可能性があると示唆している。
SSTi “Improving university commercialization success” (2/29/24)