米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の統治組織である米国科学審議会(National Science Board: NSB)は、グラントのプロポーザルの審査方法について18カ月に及ぶ審議を行った後、審査の一環として、プロジェクトが社会にもたらす潜在的な貢献を測定するために長期的に使用されてきた2件の基準のうち、1件の名称を改称することを勧告する計画である。NSFは1997年以来、グラント審査員として採用した外部の科学者に、プロポーザルの「知的メリット」(提案されている研究の新規性と重要性)と、「より広範な影響」(プロジェクトはどのようにして社会的ニーズに対応できるか)の双方について採点を行うよう要請してきた。しかし、多くの審査員が「より広範な影響」の基準に懸念を示したことから、NSBはこれらの基準の見直しを開始した。NSBによって設立されたメリット・レビュー委員会(commission on merit review)の委員長であるステファン・ウィラード氏(Stephen Willard)によれば、委員会は、NSFに対して、「より広範な基準」を「社会的恩恵(societal benefits)」に改称することで、その意図するところを明確にするよう勧告する見通しである。それらの恩恵には、公衆衛生の改善、経済的繁栄、国家安全保障、科学的労働力の多様化、社会的平等と包含性の向上が含まれる。