NREL、エネルギー転換イニシアティブに参加する遠隔地コミュニティを募集

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー転換イニシアティブパートナーシッププロジェクト(Energy Transitions Initiative Partnership Project: ETIPP)が、今年度の参加コミュニティの募集を開始した。遠隔地、沿岸地域、島しょ地域では、高いエネルギーコストやインフラの老朽化、異常気象や気候変動の影響による停電など、エネルギー回復力に関して同じような課題に直面しているが、各コミュニティがエネルギー回復力の獲得に向けて取る道筋はそれぞれの価値観と優先事項によって決まる。ETIPPはそうしたコミュニティが持続可能で回復力あるエネルギーシステムを得るために必要な様々な選択や判断を助けるプロジェクトで、参加コミュニティは最長2年間にわたってNRELや他の国立研究所、およびその地域に特有のエネルギー問題を理解している地元パートナー組織などから技術的な援助を受けることができる。ETIPPはこれまでに32のコミュニティと提携して戦略的エネルギー計画づくりなどを行ってきた。4年目となる今年は、参加コミュニティへの直接的な資金提供を初めて行う予定である。 NREL “Local Priorities Drive Energy Transitions in Remote, Coastal, and Island Communities” (4/11/24)

NREL、気候変動の影響を反映した再生可能エネルギー資源データのモデルを開発

エネルギー省(Department of Energy)の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、将来的な気候変動の影響を反映した再生可能資源のデータモデル(Super-Resolution for Renewable Energy Resource Data with the Climate Change Impacts: Sup3rCC)を披露した。エネルギーシステムの設計者やオペレータは気候変動が風力、太陽光などによる発電や電力の需要に今後及ぼしていく影響を知るのに役立つ詳しいデータを必要としているが、これまで入手できたデータには気候変動によってエネルギー需要がどの程度高まるかを詳しく定量化したものはほとんど無かった。同研究所のデータサイエンス専門家のチームが開発したSup3rCC(スーパーCC)は生成機械学習を用い最先端のダウンスケール手法によって将来の気候データセットを生成するオープンソースモデルで、無料で一般公開される。NRELの戦略的エネルギー分析センター(Strategic Energy Analysis Center)のディレクターであるダン・ビレロ氏(Dan Bilello)は、エネルギーシステムを調べて計画を立てる方法にSup3rCCが変化をもたらす」と述べている。 NREL “NREL Unveils Groundbreaking Generative Machine Learning Model To Simulate Future Energy-Climate Impacts” (4/10/24)

エネルギー省、長期エネルギー貯蔵アースショットの開発プロジェクトに総額1,500万ドルを支給

エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity: OE)は4月8日、国内のエネルギー貯蔵業界が直面している問題の解決を目指す3つの研究開発プロジェクトにそれぞれ最大500万ドルのアワードを支給すると発表した。今回選ばれたのは、New Lab, LLC、Battery Council International、Clean Tech Strategies LLCの3団体のプロジェクトで、それぞれ技術関連のステークホルダーや研究機関とコンソーシアムを形成して協力し、課題の克服に挑む。現在、エネルギー貯蔵にはリチウム化学に基づく技術が用いられているが、これら3プロジェクトはクリティカルマテリアルへの依存を軽減し、亜鉛、鉛、フロー電池技術を用いたエネルギー貯蔵イノベーションを実現させて、多様で安全なエネルギー貯蔵サプライチェーンの構築に役立てることを目指す。 Department of Energy “DOE Awards $15M to Launch Innovations for Long Duration Energy Storage Earthshot” (4/8/24)

エネルギー省、卸電力市場の分析に総額1,000万ドル以上を支給

エネルギー省(Department of Energy)は4月11日、グリッドデプロイメント局(Grid Deployment Office: GDO)が統括する卸電力市場調査プログラムを通じて卸電力市場を分析する6つのプロジェクトに総額最大1,060万ドルを提供すると発表した。クリーンエネルギーや再生可能エネルギーなどの供給が増えていく中で、州や地域による、効率的で公正かつ柔軟な卸電力市場づくりを支援し、グリッドの回復力や信頼性の確保に役立てつつ料金を低く抑えることをねらいとしている。今回は、コーネル大学(Cornell University、風力、太陽光、貯蔵などの電力源が高い割合で混合するようになっていくのに対応できる卸電力市場とその価格形成、資源調達政策の分析に200万ドル)、電力研究所(Electric Power Research Institute: EPRI、サウスウエストパワープール(Southwest Power Pool: SPP’s)の現在および予測される市場構成の研究に140万ドル)のほか、全米州エネルギー担当官協会(National Association of State Energy Officials: NASEO、300万ドル)、ペンシルバニア州立大学(Pennsylvania State University、81.6万ドル)、テキサス大学アーリントン校(University of Texas at Arlington、160万ドル)、ウエスタンパワープール(Western Power Pool、180万ドル)の6つのプロジェクトが選ばれた。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces more than $10 Million to Support State Engagement and Analysis in Wholesale Electricity Markets, Reducing Costs for Consumers” (4/11/24)

エネルギー省、エネルギーイノベーションのためのHPCイニシアティブで協業募集

エネルギー省(Department of Energy)は、エネルギーイノベーションのためのハイパフォーマンスコンピューティングイニシアティブ(High Performance Computing for Energy Innovation: HPC4EI)を通じ、製造とマテリアルの両分野の炭素排出量低減化課題の克服に向けて、同省傘下の国立研究所のスーパーコンピュータを用いたモデリング、シミュレーション、データ分析などを行う短期間の協業パートナーを募集すると発表した。製造分野については化学、鉄鋼、セメント・コンクリート、食品・飲料、木材、アルミニウム、ガラスなどエネルギー集約型産業の排出低減、マテリアル分野では産業施設や発電施設からの排出削減に必要な国内の材料サプライチェーン増強のための戦略づくりを目指す。マテリアル分野のプログラムは同省の化石エネルギー炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)、製造分野のプログラムは同省の産業効率脱炭素局(Industrial Efficiency and Decarbonization Office: IEDO)が予算を出す。協業に応募できるのは米国の製造業者、大学、研究機関、非営利団体などで、応募者には様々な大学やコミュニティカレッジ、非営利団体などと提携して応募することが推奨される。 Department of Energy “DOE Announces Opportunity for Industry to Connect to High Performance Computing Resources at National Laboratories” (4/15/24)

エネルギー省、海藻から低炭素バイオ燃料をつくる技術を公募

エネルギー省(Department of Energy)のバイオエネルギー技術局(Bioenergy Technologies Office: BETO)と化石エネルギー炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は、混合藻類変換研究プログラム(Mixed Algae Conversion Research Opportunity: MACRO)の公募内容を公表した。海藻を用いて国内の輸送、産業、コミュニティの炭素低減につながるバイオ燃料やバイオプロダクトを作るための研究に最高1,880万ドルのアワードを支給する。海藻は新たなバイオマス資源として注目されているものの、変動性や特有の化学組成、保存の不安定性などのためにまだ十分に活用されていない。MACROはそうした課題を克服し、藻類のバイオマスサプライチェーンを構築して、究極的には持続可能な航空燃料を増やして米国のバイオエコノミー推進に役立てることを目指している。BETOは海藻を低炭素燃料に変換する技術の研究に対して、24カ月から36カ月のアワードを5-6件提供する計画で、FECMは藻類のバイオマスを低炭素農業バイオ製品に変換する技術の研究に対して最長24カ月のアワードを3-4件提供する計画である。 Department of Energy “DOE Announces $18.8 Million to Advance Mixed Algae Development for Low-Carbon Biofuels and Bioproducts” (4/10/24)

ARPA-H、室内空気質改善システムづくりを目指すBREATHEプログラムを開始

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health: ARPA-H)が、室内空気質のモニタリングと改善のためのプラットフォームづくりを目指す「空気と健康のための回復力ある環境構築プログラム(Building Resilient Environments for Air and Total Health: BREATHE)」の開始を発表した。同プログラムを通じ、室内空気質を継続的に評価、計量して報告し、換気の強化や消毒などの措置をリアルタイムで講じることができる、次世代のスマートビルディング向けの統合システムづくりを促す。同プログラムは近く、(1)空気中の生物学的脅威を迅速に検出するバイオセンサー、(2)健康に影響する可能性を判断する呼吸器系リスク評価ソフトウエア、(3)健康の改善とエネルギーの効率化につながる建物制御の最適化、の3分野について研究公募を実施し、複数のアワードを支給する計画である。 ARPA-H “ARPA-H launches BREATHE to monitor and improve indoor air quality” (4/10/24)

ARPA-H、リンパ系医学の革新的な進歩を促すプログラムを開始

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health: ARPA-H)が、リンパ系機能障害の診断に革命をもたらす包括的な診断ツールづくりを目指す、「リンパ画像、ゲノミクス、フェノタイピング技術プログラム(Lymphatic Imaging, Genomics, and pHenotyping Technologies: LIGHT)」を立ち上げたことを発表した。リンパ系機能障害は目に見えず、進行するまで無症状であるため、誤診や不適切な治療、長期の入院、障害、死などにつながることがある。同プログラムは近く、(1)バイオマーカーの発見による診断とモニタリング、(2)全身のリンパ系構造と機能を評価するための画像技術、(3)遺伝学、エピジェネティクス、リンパ機能障害のモデルによる予防、予測、診断の確認、の3分野について研究公募を実施し、複数のアワードを支給する計画である。 ARPA-H “ARPA-H launches program to catalyze transformative advances in lymphatic medicine” (4/11/24)

バイデン政権、TSMCのアリゾナ第3工場建設に最大66億ドルの補助

バイデン政権は4月8日、半導体世界大手の台湾積体電路製造の米国子会社であるTSMCアリゾナコーポレーション(TSMC Arizona Corporation)に最大66億ドルの補助金と約50億ドルの融資を提供する計画を発表した。米国内での半導体製造を支援するCHIPS 法に基づいて支給されるこの補助金は、同社がアリゾナ州フェニックスに建設中の2工場に加え、新たに第3工場を建設するのに役立てられる。第3工場では、顧客の需要により2ナノメートルかそれより更に先進的なプロセス技術など世界最先端の半導体を生産する。これら3工場の建設に同社は総額650億ドル以上を投じる。3つの工場が全面的に稼働するようになれば、5G、6Gのスマートフォンや自律走行車、AIデータセンターサービスなどに使われる何千万もの最先端の半導体を量産できるようになり、約6, 000件の製造関連の直接的な雇用が創出される。ジーナ・レモンド商務長官(Gina Raimondo)は「世界最先端の半導体を米国で製造することがCHIPS法の主な目標のひとつであったが、TSMCがアリゾナ工場への投資を増やしたことで、その目標の実現に向かっている」と述べた。 U.S. Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with TSMC, Expanded Investment from Company to Bring World’s Most Advanced Leading-Edge Technology to the U.S.” (4/8/24)

バイデン政権、サムスン電子のテキサス半導体工場に最大64億ドルの補助

バイデン政権は4月15日、米国内での半導体製造を支援するCHIPS 法に基づいてサムスン電子(Samsung Electronics)に最大64億ドルの補助金を支給すると発表した。サムスン電子は400億ドル以上を投じてテキサス州中部のテイラーに最先端の半導体工場を建設する計画を進めており、それによって今後5年間に17,000件以上の建設関連の雇用と4,500件以上の製造関連の雇用の新規創出が見込まれている。同州オースティンに既に工場を持つ同社は、この新しい投資によって、4ナノメートルと2ナノメートルのロジック半導体の量産を行う2つの最先端工場、研究開発施設、先進パッケージング施設などを含む包括的な半導体生産エコシステムを形成する計画であるほか、補助金の一部をオースティン工場の拡張に充てて、国防総省(Department of Defense)と協力しながら米国の航空宇宙、国防、自動車などの産業を支援する。バイデン大統領はこの補助金の支給によって「サムスンから400億ドルを超える投資を引き出し、最先端半導体エコシステムとしてのテキサス中部の役割が確固たるものになる」と述べている。 U.S. Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with Samsung Electronics to Establish Leading-Edge Semiconductor Ecosystem in Central Texas” (4/15/24)