NSF-NCSESがAI研究に関する統計を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)が新型コロナウイルス感染症とAIの研究に関する国際協力について統計を発表した。この2分野は米国の優先事項とみなされ、国内外の研究機関が課題の克服に取り組んでいる。2003年から2022年の間に発表されたAIに関する論文の数は、コンピュータサイエンス全般の論文数の増加率に比べて急速に増え、世界全体での同期間の増加率は1,100%であった。AIに関して2022年に最も多数の論文を発表したのは中国(35%)で、インド(18%)と米国(10%)がそれに続いた。また、2017年から2022年までの間に米国で発表されたAIに関する論文のうち37%が国際共同研究の成果をまとめたものであった。英国(61%)とドイツ(40%)の論文に占める国際共同研究の成果は米国のそれを上回った。日本(25%)や中国(17%)、インド(10%)では米国の割合を下回った。また、AIの研究に関しては他の科学技術分野の研究よりも国際共同研究の割合がやや低い傾向が米国、英国、ドイツ、日本、中国、インドともに見られ、中でも中国は国内での共同研究の割合(41)が6カ国中最も高かった。 National Center for Science and Engineering Statistics “International Collaboration in Selected Critical and Emerging Fields: COVID-19 and Artificial Intelligence” (4/11/24)

ITIF、中国の化学品業界がイノベーションでも世界最先端になると予測

インフォメーションテクノロジー&イノベーション財団(Information Technology and Innovation Foundation: ITIF)は最近発表した報告書の中で、中国の化学品業界が量だけでなく質においても近く世界トップレベル入りするとの見方を示した。中国の化学品業界はこれまで長期間にわたり、基本的な化学品の生産量で世界のトップを占めていたが、ITIFの調査結果によると中国は特許、研究開発支出、頻繁に引用される学術論文などの指標においても化学品のイノベーションで急速な進歩を遂げている。中国の化学品企業が西側諸国の先進イノベーターに追いつき、電池、半導体、ソーラーパネルなどの先端産業向けにより複雑で高品質の化学品を供給するようになる日も遠くないという。報告書を作成したITIFのロバート・D・アトキンソン理事(Robert D. Atkinson)は、「中国は過去10年以上にわたって基礎化学品の製造を支配してきた。今後、中国政府はファインケミカルを総生産量の半分に増やすという目標を掲げ、新しい用途のための新たな化学物質にさらに注力する戦略を立てた。米国が化学分野のイノベーションリーダーであり続けるには、政策立案者がさらに研究を奨励する必要がある」と述べている。 Information Technology &Innovation Foundation ” China Is Pushing to Dominate the Global Chemical Industry Through Innovation, Not Just Production, New Study Finds” (4/15/24)

ITIF、大型トラックに走行距離に基づく道路使用料金を課すよう提言

インフォメーションテクノロジー&イノベーション財団(Information Technology and Innovation Foundation: ITIF)が新しい報告書を発表し、その中で大型トラックに対して走行距離に基づく道路使用料金を課すことを連邦議会に提案した。同報告書は、電気自動車への移行が徐々に進む中、道路の維持費用の財源であるガソリン税に代わる、走行距離ベースの料金制度(Mileage-Based User Fee: MBUF)の導入が必要になるのは時間の問題であるとし、まず大型トラックからその新制度を適用するのが妥当であるとの見方を示した。報告書を作成したITIFのロバート・D・アトキンソン理事(Robert D. Atkinson)はMBUFに必要な技術は既にあり、ドライバーのプライバシーが完全に守られる形で実施可能であると指摘した。大型トラックには既にGPSシステムが付いており、MBUFの導入にあたって必要となる技術の更新にかかる費用が少ないため、まず大型トラックを対象とするのが理に適っているとし、また、重量と距離に基づく道路使用税を設けることによって、大型トラックが引き起こす道路の損傷の修理費用を大型トラックから徴収できるようになるとしている。 Information Technology &Innovation Foundation “Congress Should Mandate Mileage-Based User Fees for Heavy Trucks, New Report Concludes” (4/8/24)

エネルギー省、2025年度のINCITEプログラムの募集を開始

エネルギー省(Department of Energy)の理論と実験に関する革新的で新しい計算インパクト(Innovative and Novel Computational Impact on Theory and Experiment: INCITE)プログラムは、科学、工学、コンピューター サイエンスなどの幅広い分野における、インパクトが大きい計算集約型の研究プロジェクトの企画募集を開始した。6月14日まで受け付ける。INCITEプログラムはアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory: ANL)のアルゴンヌリーダーシップコンピューティングファシリティ(Argonne Leadership Computing Facility: ALCF)とオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)のオークリッジリーダーシップコンピューティングファシリティ(Oak Ridge Leadership Computing Facility: OLCF)でスーパーコンピュータを一定時間使用し、支援リソースを受け取る特典を研究者に与えることによって科学的発見や技術イノベーションを促進することを目的としている。世界中の産官学機関で科学技術研究に従事する人に応募資格がある。 Argonne National Laboratory “U.S. Department of Energy’s INCITE program seeks proposals for 2025 to advance science and engineering at U.S. leadership computing facilities” (4/10/24)

ANLと理研がAIを用いた科学研究で連携

アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory: ANL)は理化学研究所と提携し、科学データの大規模言語モデルの訓練や大規模AIシステム構築に向けた課題への対応などで協力する覚書を交わしたと発表した。研究者やスタッフ、学生などの交流を深め、講義やセミナー、シンポジウムなどを合同開催し、データセットや科学技術研究資料を共有することなどが計画されている。ANLと理研は科学データの大規模言語モデルを訓練する取り組みであるオーロラGPT(AuroraGPT)プロジェクトを共同で進め、トリリオンパラメーターコンソーシアム(Trillion Parameter Consortium)を通じて科学的発見を助ける信頼性の高い大規模AIシステムの構築においても協力する。この提携の発表にあたり、ANLのポール・カーンズ所長(Paul Kearns)は「我々は極めて重要な発見と革新的な進歩をもたらすパートナーシップを結んだ」と述べた。覚書の締結はオンライン形式で行われ、ANLのカーンズ所長と理研の五神真理事長が署名した。 Argonne National Laboratory “Argonne and RIKEN sign a memorandum of understanding in support of AI for science” (4/12/24)

SCSP、インテリジェンス中間パネル報告書を発表

特別競争力研究プロジェクト(Special Competitive Studies Project: SCSP)が「インテリジェンスイノベーション:将来の技術競争に向けた再配置(Intelligence Innovation: Repositioning for Future Tech Competition)」というインテリジェンス中間パネル報告書を発表した。同報告書は、米国と中国の地政学的競争激化にともなって技術革新とインテリジェンスの優位性の関係も激化しており、大量のデータ、あらゆる情報から洞察を引き出すことができるAIなどの新ツールの急速な進歩、産業界や民間組織が政府よりも優位に立って進化するイノベーションエコシステムなどによって定義される、新時代に突入したと分析。米国のインテリジェンスコミュニティが今後の課題をうまく切り抜け、米国の競争力を維持するためには、この新たな環境に早急に適応しなければならないとしている。そして、そのための優先項目として(1)インテリジェンスサイクル全体における、最先端の生成AIの利用の急速な拡大、(2)国内外のインテリジェンスパートナーシップの再考、(3)インテリジェンスコミュニティによる、オープンなデータや商業的に利用可能なデータの利用加速化(4)戦略的コミュニケーションを可能にするインテリジェンスコミュニティのサポート拡張の4点を挙げた。 Special Competitive Studies Project “SCSP’s Intelligence Panel Releases Interim Panel Report” (4/11/24)

NSF、700万ドルを投じて無線テスト施設を拡充

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は高度無線研究プラットフォーム(Platforms for Advanced Wireless Research: PAWR)に700万ドルの追加資金を提供したと発表した。NSFのテクノロジー・イノベーション・パートナーシップ局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)によるこの追加投資をシード資金として、オープン無線アクセスネットワーク(Open Radio Access Network: O-RAN)システムとサブシステムのテストと検証を行うPAWRテストベッドの能力を強化する。この投資は技術のトランスレーション加速化を求める「2022年のCHIPS法(CHIPS and Science Act of 2022)」にも準じている。PAWRプログラムは大規模無線テストベッドの設計、構築、運用を目的とした1億2,000万ドルの官民パートナーシップであり、NSFが資金の半分を出し、主要無線企業や協会がマッチング資金と現物寄付を提供した。2018年に最初のPAWRテストベッドの資金が提供されて以来、大学、スタートアップ、中小企業、大企業、政府機関などから数百人ものアクティブユーザが新しい無線デバイス、プロトコル、アプリケーション、サービスなどの開発とテストに利用している。 National Science Foundation “NSF invests $7 million to expand advanced wireless testing capabilities, propel O-RAN ecosystem innovation and growth” (4/11/24)

NSFとノーブルリーチエマージが商用化支援対象プロジェクトを発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)とノーブルリーチエマージ(NobleReach Emerge)が合同で支援するバイオテクノロジー分野の加速的開発プロジェクトを11件選び、発表した。NSFの生物科学局(Directorate for Biological Sciences)から資金を受けて研究を行うチームの中から、市場調査、グラント分析などを通じて商用化に向けたコラボレーションの準備ができているプロジェクトをNSFが選び、その中から更に商用化の可能性があるものをNSFとノーブルリーチエマージが選んだ。これら11のプロジェクトはこれからノーブルリーチエマージの支援を受けて商用化に取り組む。NSFのテクノロジー・イノベーション・パートナーシップス局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)が500万ドルを投じて実施するノーブルリーチエマージとのコラボレーションは、バイオテクノロジー分野の研究成果の加速的商用化を目指すパイロットプログラムであり、NSFはその成果を今後のトランスレーショナルリサーチへの資金提供のあり方を決める際の参考とする。 National Science Foundation “NSF and NobleReach Emerge select 11 projects to speed biotechnology development and translation” (4/10/24)

バイデン政権、運河をソーラーパネルで覆うプロジェクトに1,900万ドルを投資

内務省(Department of the Interior)は4月4日、バイデン大統領の「アメリカへの投資(Investing in America)」アジェンダのもとに1,900万ドルを投じてカリフォルニア州、オレゴン州、ユタ州の灌漑用水路にソーラーパネルを設置する計画を発表した。クリーンエネルギー目標の達成を推進すると同時に、重要な水源から蒸発する水の量を減らすことをねらいとしている。カリフォルニア州のデルタメンドータ運河(Delta-Mendota Canal)の浮体式太陽光発電プロジェクト(1,500万ドル)、オレゴン州のメイン運河(Main Canal)の浮体式太陽光発電プロジェクト(255万ドル)、ユタ州のレイトン運河(Layton Canal)をソーラーパネルで覆うプロジェクト(150万ドル)の3つのプロジェクトが対象で、開墾関連の導水施設をソーラーパネルで覆うプロジェクトの設計、研究、実施のために2,500万ドルの予算を設けているインフレ削減法(Inflation Reduction Act)から資金が出る。また、これら3プロジェクトに先立ち、同省は昨年12月にアリゾナ州のカサブランカ運河(Casa Blanca Canal)をソーラーパネルで覆うプロジェクトにも、565万ドルを投じることを発表している。これらのプロジェクトは、水効率の向上とクリーンエネルギー生産量を調べる取り組みの一環であり、将来的な大規模導入に役立てられる。 Department of the Interior “Biden-Harris Administration Announces $19 Million from Investing in America Agenda for Innovative Solar Panel Installation Over Canals” (4/4/24)

バイデン政権、公有地でのクリーンエネルギー開発で目標値を達成

内務省(Department of the Interior)のデブ・ハーランド長官(Deb Haaland)は4月11日、同省がこれまでに許可した公有地でのクリーンエネルギープロジェクトの規模が、2025年までの達成目標値であった25ギガワットを超えたと発表した。これは1,200万世帯以上に電力を供給できる量のクリーン・エネルギーであり、太陽光発電、風力発電、地熱発電のプロジェクトに加え、連邦政府が所有する公有地と非公有地の双方におけるクリーンな電力プロジェクトを送電網に接続するために不可欠な公有地の送電施設が含まれる。 Department of the Interior “Biden-Harris Administration Delivers Historic Milestones, New Actions for Clean Energy on Public Lands…” (4/11/24)