NASAが宇宙開発技術の優先事項を見直し

航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)の宇宙技術ミッション本部(Space Technology Mission Directorate: STMD)は、技術開発における優先事項の選び方を改善する努力の一環として、将来の宇宙探査と科学研究のために特定した190項目近い宇宙技術のニーズや不足している点について、米国の航空宇宙コミュニティにフィードバックを求めることを明らかにした。将来の月や火星での活動に先駆けて、積層造形、極低温流体管理など、重要な技術の不足に関して広く意見を集め、最も重要でインパクトのある取り組みを理解して優先的に扱うことでリソースを適切に振り分けられるようにする。今後1か月間にわたり、米国の産業界、学界、他の政府機関を含むNASAの技術のステークホルダーがバーチャル会議に参加し、フィードバックや、不足している優先事項についての意見を提出する。NASAは集まったデータを処理して優先度が高い順に最終的なリストを作り、ステークホルダーや一般の人々が入手できるようにする予定である。  NASA “NASA Refines National Space Technology Development Priorities” (4/16/24)

エネルギー省、増加する電力需要を満たす方法に関する報告書を発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月17日、排出を削減しながらも米国で増加する電力需要を満たす方法についてまとめた報告書「将来的な十分な資源の確保(Future of Resource Adequacy)」を発表した。データセンターのような産業の急成長や半導体、電池、電気自動車などの既存製造セクターへの投資が急増する中、今後10年間に電力需要が加速的に増えることが予測されている。エネルギー省はこの報告書の中で、環境を汚す古い技術に依存せずとも、クリーンエネルギーの生産と貯蔵(地熱、ハイブリッド型の再生可能エネルギー貯蔵、長期エネルギー貯蔵など)、送電網の拡大と強化(既存の送電塔への先進導体の取り付けやその他の送電網強化技術など)、需要サイドのリソース(効率化、需要応答管理、仮想発電所など)等のあらゆる技術ソリューションに投資することで、電力需要が増していく時代に十分かつ信頼性の高い安全な電力を供給できるとの見方を示し、バイデン大統領の「アメリカへの投資(Investing in America)」アジェンダのもとに、電力事業者や送電事業者、消費者などによるこうしたソリューションの導入を助けるインセンティブや補助金が用意されていると述べている。 Department of Energy “DOE Releases New Report Outlining Solutions to Meet Growing Electricity Demand” (4/17/24)

エネルギー省、クリーンエネルギーの相互接続加速化ロードマップを発表

エネルギー省(Department of Energy)は国内の送電網へのクリーンエネルギーの接続を加速させ、太陽光発電、風力発電、蓄電池プロジェクトの建設の滞り解消に向けた解決策をまとめた「送電網相互接続ロードマップ(Transmission Interconnection Roadmap)」を発表した。このロードマップは送電事業者、相互接続の顧客、州政府機関、連邦規制当局、送電施設所有者、負荷供給事業体(Load Serving Entities: LSEs)、機器メーカー、消費者擁護団体、公平・エネルギー正義コミュニティ、コンサルタント、研究コミュニティなどのための手引きとなる。同ロードマップは2030年までに相互接続の大幅改善を目指す積極的な目標を設定し、より多くのクリーエネルギープロジェクトを信頼性の高い送電網に接続するプロセスを改善するソリューションとして、既に相互接続待ち状態にあるプロジェクトに関するデータの範囲、アクセシビリティ、標準化などを改善すること、余剰相互接続サービス、発電代替サービス、エネルギー専用相互接続サービスなどの既存のファストトラックオプションを有効活用すること、調和のとれた包括的な相互接続要件や基準を採用して実施することなど、様々な策を挙げている。 Department of Energy “DOE Releases First-Ever Roadmap to Accelerate Connecting More Clean Energy Projects to the Nation’s Electric Grid” (4/17/24)

国防総省、APFIT助成プロジェクトを発表

国防総省(Department of Defense)の研究工学担当次官室(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering: OUSD(R&E))は4月17日、「革新的技術の調達導入加速(Accelerate the Procurement and Fielding of Innovative Technologies: APFIT)」パイロットプロジェクトの助成対象に選ばれたプロジェクトを発表した。今年2月に4件の助成プロジェクトを発表して以来、2024年度では2回目の発表となる。今回選ばれたのは、通信用モバイルゲートウエイブイ、確実な移動と機動のためのシステムファミリー、グラディウス小型高高度気急展開グライダー、高効率位相調整器、インストレーションレジリエンス作戦指揮統制、マジェスティックアルファ、プロジェクト711コンテナ化された安全ユニット、機密扱いのプロジェクト、ラックマウント型光時計、レドーム運用性能評価、高さを縮小できる砲手保護キット、宇宙ドメイン認識用レジリエントネットワーキング、超長期耐久性などの13のプロジェクトであった。APFITは2024年度に合計最高19件のプロジェクトを選ぶ見込みである。 Department of Defense “DOD Announces Next Round of Projects to Receive Funding From Pilot Program to Accelerate the Procurement and Fielding of Innovative Technologies (APFIT)” (4/17/24)

NSFがコンバージェンスアクセラレータを全米10地域に拡大へ

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、研究とイノベーションを促進する目的で同財団が2019年に設立したNSFコンバージェンスアクセラレータ(NSF Convergence Accelerator)を今後3年間かけて全米10地域に拡大すると発表した。これまでの全国的な単一プログラムから一連の地域プログラムへと拡大することで、州レベル、地域レベル、全国レベルの研究協力を全国的なイノベーションネットワークへと拡げ、地域の成果を共有して全国的な長期的インパクトへとつなげることをねらっている。拡大は3段階にわたって行われる計画で、ステージ1では中西部、南東部、北東部、南西部の4地域、ステージ2では中部大西洋地域、南部中央地域、北西部の3地域、そしてステージ3では中部地域、山岳地域、西部の3地域が対象となる。拡大に先立ち、NSFは各地域で説明会を兼ねたイベントの開催を予定しており、ステージ1の地域は2024年5月から2025年1月にかけて、ステージ2の地域は2025年夏から2026年冬にかけて、そしてステージ3の地域では2026年夏から2027年冬にかけて開催する計画である。 National Science Foundation “NSF expands the NSF Convergence Accelerator to 10 regions nationwide” (4/17/24)

エネルギー省、業務用一体型エアコンとヒートポンプなどのエネルギー効率基準を最終決定

エネルギー省(Department of Energy)は4月16日、業務用一体型エアコンとヒートポンプ(commercial unitary air conditioners and heat pumps)、サーキュラーポンプ(circular pumps)、食器洗い機(dishwashers)、様々な冷蔵製品(miscellaneous refrigeration products、ワイン用冷蔵庫など)の4品目に関するエネルギー効率の最終基準を発表した。同省はこれらの基準がエネルギーの無駄と有害な炭素汚染を大幅に削減しながら米国の家庭と企業の光熱費を年間約19億ドル節約する、広範なステークホルダーの提言を反映した決定であるとしている。同省は連邦議会によって、幅広い電化製品のエネルギー効率基準の発行を義務付けられている。新基準の遵守が義務付けられるのは、業務用一体型エアコンとヒートポンプが2029年1月1日、サーキュラーポンプが2028年、食洗器が2027年、様々な冷蔵製品が2029年1月31日からとなっている。 Department of Energy “DOE Finalizes Four Consensus-based Efficiency Standards to Save Americans Billions on Utility Bills” (4/16/24)

エネルギー省、コスト低下と信頼性向上のためのグリッドソリューションを発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月16日に発表した革新的グリッド展開に関する報告書(Pathways to Commercial Liftoff: Innovative Grid Deployment)の中で、先進導体やエネルギー貯蔵など既に市場に存在するがあまり活用されていないソリューションを組み合わせることにより既存グリッドの容量をコスト効率よく短期間で増やすことができることを示した。報告書は、5年以下で導入でき、安全で信頼性の高い電力をより安価で消費者に提供できるようにする既存ツールとして、先進送電(先進導体など)、グリッド強化技術(ダイナミックラインレーティング、先進パワーフロー制御、エネルギー貯蔵など)、システム自動化と状況認識ソリューション(先進配電管理システム、分散型エネルギー資源管理システムなど)を挙げている。エネルギー省は、必要に迫られている新たなグリッド容量の長期的な構築を続ける間の橋渡し的な対策として、これらのソリューションを用いることができるとしている。 Department of Energy “DOE Releases New Report on Accelerating Deployment of Grid Solutions to Lower Costs and Improve Reliability” (4/16/24)

スタンフォード大学のHAIが年次報告書を発表

スタンフォード大学(Stanford University)の人間中心のAI研究所(Human-Centered AI: HAI)が2024年版の報告書を発表した。それによると、2014年までは大学を中心に進められてきた機械学習モデルの開発が大学よりも資金力のある民間企業で盛んに行われるようになり、2023年に大学で作られたモデルが15、産学提携によるモデルが21、政府所有モデルが2であったのに対し、民間企業が開発した顕著なモデルは51にのぼった。世界における2023年のAI全般への投資は前年度比7%減り、2年連続して前年比減となったが、生成AI分野に限定すると2023年は前年の9倍、2019年の30倍へと急増した。2023年のAIへの投資の約4分の1を生成AIが占めている。同報告書はまた、AIが科学研究のブレークスルー加速化に役立つツールであることが証明されていること、そしてAI分野の博士号取得者が卒業後の就職先に大学よりも民間企業を選ぶ割合が大幅に高まっており、学界から産業に頭脳が流出する傾向が見られることなどを指摘している。さらに、責任あるAI評価のための基準を求める声が高まっており、業界は責任あるAIのベンチマークを取り決めて迅速に標準化を進める必要があるとしている。 HPC wire “Exciting Updates From Stanford HAI’s Seventh Annual AI Index Report” (4/15/24)

USGBC、エネルギー効率化にとどまらないビルの炭素削減策を提唱

米国グリーンビルディング協会(U.S. Green Building Council: USGBC)は4月に発表した論文の中で、ビルの所有者や運営者がエネルギー効率の改善にとどまらない他の排出削減策を講じれば、より迅速な削減が可能になると指摘した。具体的には(1)ビルを電化し、敷地内での化石燃料の燃焼をやめること、そして(2)ピーク時の冷暖房負荷を削減して送電網の規模縮小につなげること、の2点が大きなステップであるとしている。これらの対策はUSGBCが4月3日にパブリックコメントの募集を開始したクリーンビルディング認証プログラムLEEDのバージョン5(LEEDv5)にも反映されている。LEEDv5は、ビルの運用に使用されるエネルギー、建築や改修に使用される材料の内包二酸化炭素、ビルの運用や改修中に発生する廃棄物、ビルへの往復の輸送に関連する排出量などを減らすよう促す内容となっている。それを実施するための戦略には、冷暖房システムを全て電化することから古い空調システムの冷媒を安全に廃棄することまで、自明の方法とそうではない方法があるとUSGBCは述べている。 Utility Dive “Building decarbonization goes beyond energy efficiency, US Green Building Council says” (4/8/24)

2018年以降のニューヨーク州の蓄電量が1GWに近づく

ニューヨーク州の公共サービス局(New York Department of Public Service)が4月1日に発表した報告書によると、同州が2018 年にエネルギー貯蔵目標値を設定して以来、開発業者は同州で396MWのエネルギー貯蔵容量を導入し、さらに581 MWを発注または契約した。2018年より前に建設された2つの揚水発電施設を除くと、現在までに構築されたエネルギー貯蔵容量の合計は2030年までの当初の目標値であった3GWの約33%で、2025年の中間目標値の65%である。2022年に同州は2030年の目標値を2倍の6GWに増やすことを提案している。2030年の目標値の達成に向けた進捗状況にはむらがあり、2025年の中間目標値の達成は見込めそうにないものの、コストの低下によって建設が加速する可能性があると専門家は指摘している。 Utility Dive “New York energy storage additions since 2018 approach 1 GW: report” (4/9/24)