ソーラー製造事業者、インフレ低減法のエネルギー税クレジットを利用

財務省(Department of Treasury)の報道発表によれば、3月8日現在、500社以上、4万5,500件以上のプロジェクトが、インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)の下、クリーンエネルギー税クレジットの登録を申し込んでいる。申請増加の一因は、内国歳入庁(Internal Revenue Service)によるオンライン・ポータルによって、企業が選択的支払いを受けることや、クリーンエネルギーのクレジットを譲渡することが容易になったことである。「IRAが施行される前は、企業がプロジェクトの資金調達などを目的として税優遇措置へアクセスすることは困難であったが、IRAによって2つの新たな仕組みが盛り込まれ、問題が是正されると共にクレジットを資金調達へ活用することができるようになった」と、財務省の副長官は述べる。今回、クレジットに「譲渡可能性(transferability)」が加わったことで、製造事業者は税クレジットを第三の購入者へ売却することができるようになった。財務省によれば、クリーンエネルギー投資税クレジット(clean energy investment tax credit)(48条)の下で登録申請しているプロジェクトが80%、クリーンエネルギー生産税クレジット(clean energy production tax credit)(45条)の下で申請しているプロジェクトが15%以上である。また、プロジェクトは主として、ソーラー及び風力発電施設に関連するものである。 Utility Dive “How solar manufacturers can leverage IRA clean energy tax credits” (4/4/24)

新たなAIツール、コンステレーション社の原子炉フリートに数百万ドルの節約をもたらす可能性

ブルー・ウェーブAIラボ社(Blue Wave AI Labs)は、コンステレーション社(Constellation)が運用する2つの原子力発電所に機械学習(ML)ツールを導入することに成功した。運用の効率性を高め、高額となる是正措置を防止する一助となる。このプロジェクトは、最新の人工知能(AI)とMLの技術を使って原子力発電所の運用費用を低減することを目的とし、エネルギー省(Department of Energy)の支援を受けた600万ドルの取り組みの一部である。アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)とブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)がこのプロジェクトに寄与した。ブルー・ウェーブ・プロジェクトの技術は国内の32基の沸騰水型原子炉全てに3年以内に導入することが可能で、同期間を通じて原子力業界は約8,000万ドルを節約することができる。 Department of Energy “New AI Tools Could Save Constellation Reactor Fleet Millions” (3/26/24)

米国とポーランド、世界初の地域クリーンエネルギー訓練センターを開始

エネルギー省(Department of Energy)は、ポーランドのワルシャワで、世界初となる地域的なクリーン・エネルギー訓練センター(Clean Energy Training Center)を開始した。ポーランド国内の民生原子力エネルギー・プログラムの活性化を支援する。センターは、ポーランド及び広範な中央ヨーロッパ地域を対象に、原子炉の新設もしくは増設を検討している国々の訓練ハブとして機能し、世界的な原子力エネルギー能力の拡大と気候危機対策に関する従来の国際協定を基盤としている。最初の訓練セッションは、ワルシャワ工科大学(Warsaw Technical University)で、ポーランドの気候環境省(Ministry of Climate and Environment)とオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)の協力で実施された。エネルギー省の専門家やラボ・スタッフ、業界が、センターを通じて、訓練や技術的専門性、能力強化を提供する。今後の展開として、エネルギー省は、こうした地域的なクリーン・エネルギー訓練センターをガーナとアラブ首長国連邦で開始する計画を既に発表している。 Department of Energy “U.S. and Poland Launch World’s First Regional Clean Energy Training Center” (4/3/24)

原子力規制委員会、先端原子炉のライセンシングに関する新たなガイダンスを通達

原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)は、非軽水炉の設計のライセンス・プロセスを促進する新たなガイダンス文書を通達した。ガイダンスは、従来型の原子炉技術の型には適合しない新たな原子炉概念を取り巻く規制上の不確実性を大幅に削減することが期待されている。これは、先端原子炉事業者にとっては大きなニュースであり、その対象には、エネルギー省(Department of Energy)がテラパワー社(TerraPower)とXエネルギー社(E-energy)と行っている2件の実証プロジェクトが含まれる。両社とも、年内にNRCに提出する予定の建設許認可申請にこのガイダンスを適用している。 Department of Energy “NRC Endorses New Guidance for Advanced Reactor Licensing” (3/25/24)

石炭発電所の原子力発電所への置換により、雇用と収入がコミュニティに

エネルギー省(Department of Energy)は4月1日、閉鎖した、または閉鎖予定の石炭発電所を原子力発電所と置換することを検討しているコミュニティを対象にした情報ガイドを発表した。ガイドは、「石炭発電所を原子力発電所に移行することで、発電所ではより賃金の高い雇用が増え、地元では数百件の雇用が追加され、受け入れコミュニティでは数百万ドルの売上と経済活動が促進される」という専門的な調査を基にしている。重要な点として、計画及び訓練への支援があれば、既存の石炭発電所の多くの労働者が置換後の原子力発電所への勤務へ移行することができると考えられている。石炭から原子力へ移行することで、信頼性が高くクリーンな電力のグリッドへの供給が劇的に増加し、2050年までに正味ゼロ排出を目指す米国の目標へ向けて進展することができる。 Department of Energy “DOE Study Finds Replacing Coal Plants with Nuclear Plants Could Bring Hundreds More Local Jobs and Millions in Added Income and Revenue to Energy Communities” (4/1/24)

マサチューセッツ州の委員会、クリーンエネルギー・プロジェクトの許認可期間の短縮を勧告

マサチューセッツ州の「エネルギー・インフラの立地及び許認可委員会(Commission on Energy Infrastructure Siting and Permitting)」は4月1日、モーラ・ヒーリー州知事(Maura Healey)に報告書を提出し、許認可を統合することや、許認可判断までの期限を設定するなどして立地プロセスに変更を実施し、クリーンエネルギーの導入を早めるよう勧告した。報告書は、立法、行政、規制措置を通じて、エネルギー施設立地委員会(Energy Facilities Siting Board: EFSB)の承認プロセスに追加できる変更点に焦点を当てている。報告書が提示している勧告の一例として、EFSBが、一定規模のクリーンエネルギー・インフラ・プロジェクトについて、一つの統合された許認可を交付すること、プロジェクトが許認可の対象として適格かどうかを6~15か月以内に判断することを義務付ける法案を勧告している。 Utility Dive “Massachusetts commission recommends faster approvals of clean energy projects, infrastructure” (4/3/24)

レンセラー工科大学とIBM社、大学キャンパスで初となるIBM量子システム・ワンを立ち上げ

レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute: RPI)は、IBM量子システム・ワン(IBM Quantum System One)を擁する世界で最初の大学となった。RPIとIBM社は、4月5日に大学構内で行われた除幕式でシステムを披露した。除幕式は、RPIとIBM社による長期的パートナーシップにおいて新たなマイルストーンを記した。本共同作業計画は昨年6月に初めて発表され、RPI内及びニューヨーク州内のその他の機関や組織の双方で、量子コンピューティングや労働力開発、教育機会の進展を先導することを狙いとしている。ボーヒース・コンピューティング・センター・チャペル(Voorhees Computing Center Chapel)に所在する量子システムは、127量子ビットのIBM量子イーグル・プロセッサが搭載され、RPIの研究者/学生/パートナーによるネットワークに実用規模の量子コンピューティングへのアクセスを提供する。 HPC Wire “Rensselaer Polytechnic Institute and IBM Inaugurate 1st IBM Quantum System One on a University Campus” (4/5/24)

CHIPSプログラムR&D施設プログラムへの助成計画を撤回

CHIPSプログラム局(CHIPS Program Office)が最近発表したニュースレター内の報道によれば、商務省(Department of Commerce)は、商業半導体の研究開発(R&D)施設の建設、現代化、拡大に関する資金提供機会を発表する計画を停止した。停止は、異なるR&Dプログラムを通じて半導体のR&Dに支出する計画(110億ドル)には影響せず、既に発表されたインセンティブ・プログラムの資金提供機会のアワードにも影響しない。報道によれば、商務省は、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)によって創設された390億ドルの施設インセンティブ・プログラムからの資金提供に対する圧倒的な需要が原因となって今回の判断に至ったという。 SSTi “CHIPS program suspends plans for R&D facilities program; other R&D programs unaffected” (4/4/24)

SKハイニックスがインディアナ州に半導体工場

韓国の大手半導体製造業SKハイニックス(SK Hynix)が38億ドル以上を投じてインディアナ州に半導体パッケージング工場と研究開発センターを建設する計画を発表した。エンジニアやテクニカルサポート、事務、メンテナンスなどの職種で2030年までに最大800件の高給の雇用が創出される見込みである。約43万平方フィートの新工場はパデュー大学(Purdue University)の経済開発インキュベータであるパデューリサーチパーク(Purdue Research Park)に建設され、高帯域幅メモリのチップを製造して米国の半導体需要に応えるほか、次世代の半導体の開発や先進パッケージングの研究開発ラインも設置する。SKハイニックス社の最高経営責任者である郭魯正氏(Kwak Noh-Jung)は「このプロジェクトが中西部を中心とする半導体エコシステム「シリコンハートランド(Silicon Heartland)」誕生の礎となるであろう」と述べている。インディアナ経済開発公社(Indiana Economic Development Corp.)は同社に最大300万ドルのインセンティブベースの研修補助金、最大300万ドルの製造準備補助金、最大8,000万ドルの成果報酬、最大5億5,470万ドルの減税などのインセンティブを提供した。 Associated Press “South Korean computer chipmaker plans $3.87 billion Indiana semiconductor plant and research center” (4/3/24)

日米が1億1,000万ドル規模の産学AIパートナーシップを発表

日米両国の政府は4月9日、AI分野における2つの研究パートナーシップを発表した。岸田文雄首相の訪米の一環として商務省のリサーチライブラリーで行われた調印式には、ジーナ・レモンド商務長官(Gina Raimondo)、ラーム・エマニュエル駐日米国大使(Rahm Emanuel)、盛山正仁文部科学大臣が出席した。対象となるのはワシントン大学(University of Washington)と筑波大学のパートナーシップと、カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)と慶應義塾大学のパートナーシップで、これにエヌビディア(NVIDIA)、アマゾン(Amazon)、アーム(Arm)、ソフトバンクグループ、マイクロソフト(Microsoft)、および9社の日本企業が合計1億1,000万ドルの民間投資を行う。ワシントン大学と筑波大学は、独特の商業エコシステムがあるシアトル市とつくば市の立地を活かしてAI関連研究と人材育成の関係を研究する。カーネギーメロン大学と慶應義塾大学は、マルチモーダル学習、多言語学習、身体性を持つAI、自律型AIと人間の共生、ライフサイエンス、科学的発見のためのAIなどの特定テーマに的を絞った研究に取り組む。 U.S. Embassy & Consulates in Japan “United States and Japan Announce Two New University-Corporate AI Partnerships Worth $110 Million” (4/10/24)