商務長官がAISIリーダーシップチームを増員

ジーナ・レモンド商務長官(Gina Raimondo)が 国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology: NIST)に設置されているAI安全研究所(AI Safety Institute: AISI)のリーダーシップチームを増員したことを発表した。AISIについては、2月にディレクターのエリザベス・ケリー氏(Elizabeth Kelly)と最高技術責任者(Chief Technology Officer: CTO)のエルハム・タバシ氏(Elham Tabassi)の就任が発表されていたが、これに加え、今回、AI安全性責任者(AI Safety)のポール・クリスチアノ氏(Paul Christiano)、最高ビジョン責任者(Chief Vision Officer)のアダム・ラッセル氏(Adam Russell)、最高執行責任者代理(Acting Chief Operating Officer)兼チーフ・オブ・スタッフ(Chief of Staff)のマラ・キャンベル氏(Mara Campbell)、上級顧問(Senior Advisor)のロブ・ライシュ氏(Rob Reich)、国際協力責任者(International Engagement)のマーク・ラトネロ氏(Mark Latonero)が任命された。発表にあたりレモンド長官は「責任あるAIに関する米国の世界的リーダーシップを守り、AIのリスクを軽減しつつその利点を活用するという使命を果たしていくには米国最高の人材が必要であるため、各分野のトップ人材である彼らを選んだ」と述べた。 NIST “U.S. Commerce Secretary Gina Raimondo Announces Expansion of U.S. AI Safety Institute Leadership Team” (4/16/24)

LANLがAI対応の新スーパーコンピュータを披露

ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)がAIとMLシステムを統合して国家安全保障と基礎科学研究に役立つ応用の進展につなげることを目的とした新しいスーパーコンピュータ、「ベナード(Venado)」を披露した。ベナードには大規模なコンピューティング操作を行えるようにエヌビディア(NVIDIA)のグレースホッパースーパーチップが2,560搭載されている。また、ヒューレットパッカードエンタープライズ(Hewlett Packard Enterprise)がAIコンピュテ―ションのニーズに対応するスリングショット11(Slingshot 11)ネットワークを提供した。LANLによると、べナードは初期のテストでワークフローの効率を優先しながら、材料科学関連の原子論的シミュレーションや天体物理学の高解像度シミュレーションで「重要な結果」を出す能力があることを示した。発表にあたってエネルギー省(Department of Energy)のデイビッド・ターク副長官(David Turk)は「AIのアプローチを組み込む機能により、LANLのベナードシステムが関心分野にどのような新しく有意義な結果をもたらしてくれるのか、楽しみにしている」と述べた。 Nextgov “Los Alamos National Lab unveils new supercomputer primed for AI” (4/15/24)

USPTOがAIを用いた特許申請書類にも既存規則を適用

米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office: USPTO)は特許申請関連書類の作成にAIツールを使用することに関するガイダンスを4月11日付の官報に掲載し、作成や提出などにAIツールを用いた提出物に既存の規則が適用されることを明らかにした。特許の実務に関わる人々に、AIツールの使用に関連する可能性がある既存の規則について念を押し、サイバーセキュリティやデータのプライバシーなど、AIシステムの使用に伴うリスクについて知識を広めることをねらいとしている。AIシステムの不適切な使用によってUSPTOの既存規則に違反した場合、USPTO.gov上のそのユーザのアカウントが無効となる可能性があるほか、刑事、民事上の責任を問われたり、行政処分の対象となる場合もある。ガイダンスの発表にあたり、キャシー・ビダル商務次官(知的財産担当)(Kathi Vidal)はこのガイダンスが「安全で責任あるAIの使用を促すことによってIPとイノベーションエコシステムに資する」ものであると述べた。 Nextgov “USPTO says existing rules apply to AI-crafted submissions” (4/10/24)

NSFがアラスカ州に気候変動対策用の助成金を支給

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は競争的研究促進プログラム(Established Program to Stimulate Competitive Research (EPSCoR)トラック1を通じて2,000万ドルの助成金をアラスカ州に支給したと発表した。5年間にわたって支給され、気候変動から地元コミュニティが受ける影響を調べ、対応策を練り、次世代の研究者を育成するプログラムを創設するのに役立てられる。発表にあたり、NSFのセスラマン・パンチャナサン長官(Sethuraman Panchanathan)はこの助成金が「アラスカ特有の気候変動リスクに対する回復力の構築、住民の教育、インフラの保護などに役立ち、同州の経済を守っていくであろう」と述べた。同州では氷河の後退や永久凍土の融解、海岸流域の変化などに、気候変動の大きな影響が出ている。助成金を受け、インターフェイス・オブ・チェンジ(Interface of Change)というプロジェクトが重要な海洋資源を調べ、気候変動が経済、食料安全保障、アラスカ先住民の自給自足生活に与える影響を探る。また、アラスカ大学(University of Alaska)のフェアバンクス校、アンカレッジ校、サウスイースト校などが地元民参加型の研究と教育を実施する。 National Science Foundation “NSF announces a new EPSCoR Track-1 award to combat climate change in Alaska” (4/10/24)

国防総省、2024年商業宇宙統合戦略を発表

国防総省(Department of Defense)は4月2日、「2024年国防総省商業宇宙統合戦略(2024 DoD Commercial Space Integration Strategy)」を発表した。本戦略は、国家安全保障戦略(National Security Strategy)及び2022年国家防衛戦略(2022 National Defense Strategy)に沿う形で、国防総省の取り組みを調整し、商業宇宙ソリューションを国家安全保障の宇宙アーキテクチャに効果的に統合させることを促進することを目指す。国防総省が、商業宇宙ソリューションの統合による恩恵を最大限にするために追求する上位優先事項として、①衝突の範囲全般において商業ソリューションへのアクセスを確実にする、②危機の前に統合を達成する、③商業宇宙ソリューションを統合するための安全保障条件を確立する、④統合軍が使用する新たな商業宇宙ソリューションの開発を支援する、の4点を挙げている。商業宇宙ソリューションを統合するため、国防総省は商業事業体と共に、必要に応じてリスクの軽減に取り組み、適切な場合はリスクを受け入れる。 Department of Defense “DoD Releases 2024 DoD Commercial Space Integration Strategy” (4/2/24)

ニューヨーク州、電子・イオン衝突型加速器プロジェクトとしてブルックヘイブン国立研究所に1億ドルを投資

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)は4月9日、ブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)での変革的な「電子・イオン衝突型加速器(Electron-Ion Collider: EIC)」プロジェクトに関して、エンパイア・ステート開発局(Empire State Development)が1億ドルのグラント支出契約(Grant Disbursement Agreement)を執行したと発表した。エネルギー省(Department of Energy)との契約に基づくもので、同州のロングアイランドで世界で唯一となる次世代EICの開発へ向けた大きなマイルストーンとなり、これによってエネルギー、科学、技術、医薬のブレイクスルーを支援する取り組みへのニューヨーク州の投資が開始される。エネルギー省は、世界で唯一の次世代偏極電子イオン衝突型加速器(polarized Electron-Ion Collider)の拠点としてブルックヘイブン国立研究所を選出し、エンパイア・ステート開発局とエネルギー省の交渉を経て、2024年2月にニューヨーク州による1億ドルの投資が取りまとめられた。今後4年間にわたり、この資金は、EICプロジェクトの一部として検討されている14棟の建造物のうちの最初の4棟に関する設計、建設、ハードウェア・インフラの導入を支える。 Brookhaven National Laboratory “Governor Hochul Launches $100 Million Investment in Brookhaven National Lab for Transformative Electron-Ion Collider Project” (4/9/24)

NETLエネルギー・データ・エクスチェンジ、米国の潜在的な地下貯蔵密閉層に関するカタログを発表

炭素の地質学的貯蔵プロジェクトの持続的な成長により、プロジェクトの計画や、地質学的特性、リスク分析を支援する包括的なデータ資源の必要性が高まっている。国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)のエネルギー・データ・エクスチェンジ(Energy Data eXchange)は最近、新たなデータ・セット、「米国の潜在的な地下貯蔵密閉層のカタログ(Catalog of U.S. Prospective Subsurface Storage Reservoir Sealing Formations)」を発表した。これは、米国内の陸上及び海盆の双方で潜在的な貯蔵密閉層に関する資源を集約させたものである。NETLの地質学者、ペイジ・モークナー氏(Paige Morkner)は、「カタログは、二酸化炭素の貯蔵を目的とした密閉システムの関連文献およびデータ資源について、ユーザーのためのガイドとなるものである。こうしたシステムは、2050年までにエネルギー部門と経済の正味ゼロ炭素排出を達成するミッションにおいて重要な要素である」と述べる。 National Energy Technology Laboratory “NETL’s Energy Data eXchange Releases Catalog of U.S. Prospective Subsurface Storage Reservoir Sealing Formations” (4/4/24)

米国の精製所と化学製造事業者が水素の生産と消費を先導

化学と精油を専門とする米国の製造事業者は、伝統的に、水素の消費と生産の双方において最大の割合を占めており、その費用は最少となっている。エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)による「製造エネルギー消費調査(Manufacturing Energy Consumption Survey: MECS)」データは、4年ごとに収集・発表されており、米国内の製造企業を対象としたエネルギー関連の特徴や消費、支出の試算を全国的に示す唯一のデータである(現在、2022年のMECSデータが収集されており、2025年夏から2026年春にかけて発表される予定)。2021年に発表されたMECSデータによれば、製造部門の中で、精油事業者と化学製造事業者は、その他の下部部門に比べると購買力があり、平均すると、化学製造事業者の水素購買価格は$6.18/MMBtuで、石油・石炭製品製造事業者(製油業者が大半を占める)の購買価格は$6.77/MMBtuとなっている。一方、電気設備・器具・コンポーネントを製造する業界(より純度の高い水素を使う)の購買価格は$86.19/MMBtuとなっている。2018年以来、水素の生産を増加させることと、米国内の異なる地域で水素流通ネットワークを拡大させることを目的とした連邦政策が進められており、こうした新たな政策を受け、水素の供給と流通、そして現行及び新たな産業による消費は更に増大していくと予測されている。 Environmental Protection Agency “U.S. refiners and chemical manufacturers lead hydrogen production and consumption” (4/8/24)

環境保護庁、クリーンエネルギーと気候ソリューションのコミュニティ利用を目的として200億ドルを発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は4月4日、総額270億ドルの温室効果ガス排出削減基金(Greenhouse Gas Reduction Fund: GGRF)内で行われた2つのグラント・コンペの下、合計200億ドルのグラント提供を発表した。国家クリーン投資基金(National Clean Investment Fund)(総額140億ドル)の下で3つの組織が、また、クリーン・コミュニティ投資アクセラレータ(Clean Communities Investment Accelerator)(総額60億ドル)の下で5つの組織が選出された。これにより、様々な部門を対象にクリーン・エネルギー及び気候ソリューションのための全国クリーン資金ネットワークが形成され、コミュニティがよりクリーンで持続可能な経済に参加し、その恩恵を得るために必要な資本へのアクセスを得ることを確実にする。選出された組織は、プログラムの目的へ向けて集合的に大幅な影響をもたらすことにコミットしている。これらの組織はこれまでに、数千件の個人、企業、コミュニティ組織が気候及びクリーン・エネルギー・プロジェクトのための資金にアクセスすることを支援しており、今回の受益を受け、更に数万件のプロジェクトを支援する計画である。 Environmental Protection Agency “Biden-Harris Administration Announces $20 Billion in Grants to Mobilize Private Capital and Deliver Clean Energy and Climate Solutions to Communities Across America” (4/4/24)

米国医学アカデミー、健康・医療におけるAI使用に関する行動規範草案を概説

医療や医薬、研究における人工知能(AI)の使用は急速に拡大し、研究と医療に新たな機会と経路をもたらしている。AIは、医療ケアに革命をもたらし、健康のアウトカムを向上させる大きな有望性を持っている一方、大きなリスクがないわけではない。こうした中、米国医学アカデミー(National Academy of Medicine)が4月8日に発表した、「健康、医療、生物医療科学における人工知能:AIの行動規範原則とコミットメントのディスカッション草案(Artificial Intelligence in Health, Health Care, and Biomedical Science: An AI Code of Conduct Principles and Commitments Discussion Draft)」と題する論説は、健康や医療、生物医療科学に変革をもたらすことができる正確で安全で信頼性が高く、倫理的なAIの進展を達成するための枠組み草案を概説している。執筆者は、AIのガイドラインや枠組み、原則に関する既存の文献を包括的に調査した結果に基づき、AIが人間の健康と福利にもたらす恩恵を最大限にしつつ、潜在的なリスクを最小限にするベスト・プラクティスを確実にするための10件の規範原則(Code Principles)と6件の規範コミットメント(Code Commitments)を特定している。 National Academy of Medicine “New Paper Outlines Draft Code of Conduct to Ensure That the Use of AI In Health and Health Care Meets Its Full Potential Reliably and Safely” (4/8/24)