エネルギー省、「より良い建造物イニシアチブ」を発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月3日、「より良い建造物、より良い工場サミット(Better Buildings, Better Plants Summit)」で、米経済のあらゆる部門の組織がエネルギーを節約しつつ、費用と排出を削減できるよう支援する新たな「より良い建造物イニシアチブ(Better Building Initiatives)」を複数発表した。そのうちの一つは、「より良い建造物商業建造物ヒートポンプ・アクセラレータ(Better Buildings Commercial Building Heat Pump Accelerator)」で、製造事業者は効率性に優れライフサイクルのコスト効果が高いヒートポンプの屋根上ユニットを製造し、商業組織が次世代のヒートポンプ技術の評価及び導入を行うというもの。アマゾン(Amazon)やイケア(IKEA)などの商業エンドユーザーと共に開発され、AAONなどの製造事業者も含まれている。アクセラレータは、より効率的で手頃な費用の次世代ヒートポンプ屋根上ユニットを、早ければ2027年にも市場化することを目指す。「より良い建造物サミット」では次のような発表も行われた。①40以上の組織が「より良いプロジェクト、より良い慣行と気候金融イノベーター・アワード(Better Project, Better Practice and Climate Finance Innovator award)」を受賞するなど、リーダーシップを示した組織への表彰、②脱炭素化に関する新たな作業部会の発足、③「より良い建造物ソリューション・センター(Better Buildings Solution Center)」の刷新。 Department of Energy “DOE Announces Better Buildings Initiative to Accelerate Heat Pump Manufacturing and Adoption, Reducing Energy Waste and Lowering Energy Bills” (4/3/24)

エネルギー省、配電変圧器のエネルギー効率基準を最終取りまとめ

エネルギー省(Department of Energy)は4月4日、米国の電力グリッドの対応力と効率性を高め、良好賃金で質の高い製造雇用を支援し、手頃な費用で信頼性の高いクリーン電力の普及を加速させることを目的として、議会によって義務付けられた配電変圧器のエネルギー効率基準の最終取りまとめを行った。これらの改定版の基準は、米国のユーティリティと、商業・産業事業体の電力費用を年間8億2,400万ドル節約し、方向性電磁鋼板(grain-oriented electrical steel: GOES)などの中核的マテリアルの需要増につながると期待されている。本基準は、昨年の規則提案後、関係機関との集中的な関与に基づき、最終的な調整が行われ、順守のための期間として5年が設定された。改定版の基準は、配電変圧器に使用される中核的マテリアルの既存の国内供給を保護し、同変圧器のサプライチェーンの対応力を強化しつつ、ペンシルバニア州とオハイオ州における労働組合による鉄鋼製造雇用を維持する。 Department of Energy “DOE Finalizes Energy Efficiency Standards for Distribution Transformers That Protect Domestic Supply Chains and Jobs, Strengthen Grid Reliability, and Deliver Billions in Energy Savings” (4/4/24)

エネルギー省、米国の建造物部門の脱炭素化へ向けた初の連邦計画を発表

エネルギー省は4月2日、「2050年までに米経済を脱炭素化する:建造物部門のための国家計画(Decarbonizing the U.S. Economy by 2050: A National Blueprint for the Buildings Sector)」を発表した。建造物からの温室効果ガス排出について、2035年までに65%、2050年までに90%を削減する包括的計画である。エネルギー省が、住宅都市開発省(Department of Housing and Urban Development: HUD)、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)、その他の連邦機関との共同作業を主導して作成した。建造物は、国内の気候汚染の3分の1以上を占め、年間のエネルギー費用は3,700億ドルとなっている。建造物から温室効果ガスの排出を削減することは、2050年までに正味ゼロ排出を達成するという政権の目標に到達する上で重要である。国家計画は、建造物部門の排出削減目標に達成するため、①建造物のエネルギー効率を高める、②オンサイトでの排出削減を加速させる、③建造物と電力グリッドの相互のやりとりに変革をもたらす、④建造マテリアルの生産、輸送、設置、処分からの排出を最小限にする、という4つの戦略的目標を設定している。 Department of Energy “DOE Releases First Ever Federal Blueprint to Decarbonize America’s Buildings Sector” (4/2/24)

サンディア国立研究所、技術開発を通じて1,400億ドルを米経済に注入

サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)と国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の委託を受けて作成された2つの調査報告書によれば、サンディア国立研究所の活動により、2000年以来、1,400億ドルの経済効果がもたらされている。過去わずか20年間でこれだけの経済効果をもたらしたことは大きな意義がある。調査報告は、1,400億ドルの経済効果の他、722億ドルの新製品販売、225億2,000万ドルの政府向け新製品の販売、141億ドルの新たな税収、60万7,246名の雇用創出を示している。サンディア国立研究所は近年、新規プログラムの創設を通じて、イノベーションを業界へと進ませる努力を加速させている。こうしたプログラムには、エネルギー省ブースト・プラットフォーム(DOE Boost Platform)、C-4パートナリング・モデル(C-4 Partnering Model)、半導体部門S2-EDGE(Semiconductor Sector S2-EDGE)プログラムなどがある。 Sandi National Laboratories “Sandia pumps $140B into the economy through technology development” (4/2/24)

エネルギー省、クリーンエネルギースタートアップ支援として、インキュベータとアクセラレータに300万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)は4月2日、「イノベーション・クラスターのためのエネルギー・プログラム(Energy Program for Innovation Clusters: EPIC)」のラウンド3のフェーズ1の受賞者を発表した。国内で23のインキュベータ及びアクセラレータが、それぞれのコミュニティでエネルギーのスタートアップとアントレプレナーを支援することを意図したプログラムに各15万ドルを受益した。応募者は、伝統的なビジネス・アクセラレータ及びインキュベータから革新的なアントレプレナー・コミュニティやスタートアップ提唱組織まで様々であった。EPICプログラムは、エネルギー・イノベーションのエコシステムを奨励し、地元企業の生産性を高め、エネルギー・スタートアップの商業的成功を向上させることを意図したもので、今年で3年目。複数のフェーズで1年間にわたって実施され、最終的にOTTとの共同契約(1件につき最高100万ドル)を交渉する受賞者が決定される。 Department of Energy “DOE Awards $3M to Incubators and Accelerators in Support of Clean Energy Tech Startups” (4/2/24)

連邦R&D予算は2022年度に0.4%増加、2023年度は減少の見込み

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)による「研究開発への連邦資金に関する調査(Survey of Federal Funds for Research and Development)」のデータによれば、連邦機関による研究及び実験的開発(R&D)予算(obligations)は、2021年度の1,896億ドルから2022年度の1,940億ドルに増加した(0.4%)。しかし、2023年度の予備的試算は、R&D予算が2.1%減少して1,864億ドルになると予測されている。この減少は、新型コロナ関連の資金拠出の削減によるものである。研究(基礎及び応用)への連邦資金は、2021年度の859億ドルから2022年度の938億ドルへ9.2%増加し、2023年度は更に6.0%増加して995億ドルとなる見込みである。一方、実験的開発への連邦資金は、2021年度の1,037億ドルから2022年度の966億ドルへ6.8%減少した。そして2023年度は10.0%減少して870億ドルと試算されている。記事ではこの他に、R&D予算における各連邦機関の割合、研究への連邦資金、実験的開発への研究資金などについて記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Federal R&D Obligations Increased 0.4% in FY 2022; Estimated to Decline in FY 2023” (4/3/24)

国防総省、インテル社への25億ドルのグラント計画を中止との報道

一部の報道によれば、国防総省は、インテル社(Intel)へ25億ドルのグラントを提供する計画を中止したという。この決定により、CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)の資金を配分する商務省(Department of Commerce)は、不足分を補うことになる。商務省は当初、インテル社が先端国防及び諜報関連の半導体を目的として受益する予定であった35億ドルのうち、10億ドルを負担する計画であった。国防総省が本計画から撤退すると報じられる中、インテル社及びその他の企業がCHIPS及び科学法から受益する金額に変更が生じる可能性が指摘されている。 Seeking Alpha “Pentagon said to end plan for $2.5B Intel grant: report” (3/12/24)

プリンストン・プラズマ物理学研究所、量子情報科学の進展を目的として、新たなラボ・スペースを発表

核融合エネルギー研究で70年以上の歴史を持つエネルギー省(Department of Energy)傘下のプリンストン・プラズマ物理学研究所(Princeton Plasma Physics Laboratory: PPPL)は、その研究ポートフォリオに量子情報科学という新たな分野を追加した。PPPLは3月11日、量子ダイヤモンド・ラボ(Quantum Diamond Labo: QDL)を開設した。QDLは、量子情報科学分野での用途を目的とした高品質のダイアモンド・マテリアルを創出する際のプラズマの使用にかかわるプロセスの研究及び高度化に特化したスペースである。世界中の科学者が、原子や粒子の特性を様々なタスクに活用する方法の一つとして、量子ダイヤモンドを模索している。 Princeton Plasma Physics Laboratory “PPPL unveils new laboratory space to advance quantum information science” (3/12/24)

「重要マテリアル評価」報告書、サプライチェーンの潜在的な問題点を示す

アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)を含む国立研究所のサプライチェーンやレアアース・マテリアルの専門家が主導して作成された報告書「2023年重要マテリアル評価(2023 Critical Materials Assessment)」は、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)の下、クリーンエネルギー税クレジットの適格性について情報を提供する資料として利用されることを期待している。報告書は、2035年までを通じて、クリーンエネルギー及び脱炭素技術にとって重要、もしくはほぼ重要とみなされるマテリアルの一覧と、なぜ一部のマテリアルはさほどセキュアでないのか、または極めて欠乏するのかといった点に関する洞察が盛り込まれている。報告書のファインディングには、世界的な電力使用の増加や再生可能及びグリーン技術に関する強調が高まることで生じるサプライチェーンのリスクが含まれる。こうした情報は、エネルギー省の研究開発努力をガイドする一助となり得る他、インフレ低減法を通じて利用可能なクリーンエネルギー税クレジットに関するプロジェクトの適格性を判断することに使用できる。 Argonne National Laboratory “Critical materials assessment tags potential supply chain bottlenecks” (3/27/24)

GAO、中小企業研究プログラムについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は3月29日、「中小企業研究プログラム:パフォーマンス基準の強化は、複数アワードを受益する企業にほとんど影響しない見込み(Small Business Research Programs: Increased Performance Standards Likely Affect Few Businesses Receiving Multiple Awards)」と題する報告書を発表した。中小企業は経済成長の重要な牽引役であるが、研究開発(R&D)の資金へのアクセスにおいて試練に直面する場合がある。連邦省庁は、こうした中小企業を支援するため、アワードとして資金を提供する。これらのアワードは競争率が高いが、一部の企業は複数のアワードを受益しており、このことは、「新規ビジネスが締め出されるのではないか」との懸念を招いている。議会は2022年に、数多くのアワードの受益する中小企業を対象に、パフォーマンス規準を引き上げた。しかし、GAOの調査によれば、多くの企業が新たな基準に合致しており、大きな影響を受ける企業はほとんどないという。 Government Accountability Office “Small Business Research Programs: Increased Performance Standards Likely Affect Few Businesses Receiving Multiple Awards” (3/29/24)