エネルギー効率とクリーンエネルギーは、需要増加に対応する選択肢

エネルギー・イノベーション社(Energy Innovation)は3月27日、「天然ガス以外で電力需要増に対応する(Meeting Growing Electricity Demand Without Gas)」と題する論文を発表した。それによれば、州規制当局は、電力需要増に対応するための措置として、天然ガス火力発電所を建設するというユーティリティ企業の計画に懐疑的になるべきである。論文は、「クリーン電力への移行が加速する中、こうした発電所は負の資産となる可能性があり、その費用は最終的に電力を利用する顧客に転換される可能性がある。ユーティリティ企業やその規制当局は、リスクが最も低く、ユーティリティ及び州の気候目標、利用者の好みにより良く適合するソリューションで構成される広範なポートフォリオを検討すべきである」と述べる。エネルギー・イノベーション社は、規制当局に、①需要増を鈍化させるエネルギー効率を優先付けること、②十分な資源を確保できるよう、早急に実施できる市場ソリューションと資源を強化すること、という2つの主要な手法を検討するよう要請している。 Utility Dive “Efficiency, clean energy are options for meeting demand growth before gas generation: Energy Innovation” (3/28/24)

ニューヨーク州の2030年のエネルギー貯蔵目標達成には最大3億ドルが追加で必要

ニューヨーク州公共サービス省(Department of Public Service: DPS)とニューヨーク州エネルギー研究開発オーソリティ(New York State Energy Research and Development Authority: NYSERDA)が3月15日に発表した「ニューヨーク州の6ギガワット・エネルギー貯蔵ロードマップ:エネルギー貯蔵の継続的成長のための政策選択肢(New York’s 6 GW Energy Storage Roadmap: Policy Options for Continued Growth in Energy Storage)」によると、2030年までに6ギガワット(GW)のエネルギー貯蔵を追加するには、最大で20億ドルの費用を要するという。報告書は、従前のロードマップの想定費用を見直したもので、「インフレや卸売能力の価格予測などにより、費用の大幅な増加が見つかった」としている。総費用はおよそ3億ドル増加する可能性がある。ニューヨーク州は、電力グリッドの信頼性を維持しつつ、2040年までに100%炭素フリーの電力を達成することを目標としており、そのための主要なマイルストーンとして2030年までの貯蔵目標を現行の3GWから2倍の6GWに設定した。 Utility Dive “Up to $300M more required for 2030 energy storage goal: New York road map” (3/28/24)

メイン州はエネルギー貯蔵目標を達成する軌道上に

メイン州の公共ユーティリティ委員会(Public Utilities Commission)が3月13日に発表した報告によれば、既存のエネルギー貯蔵資源に加え、独立系統運用機関ニューイングランド社(ISO New England)の相互接続キューにおける独立型エネルギー貯蔵プロジェクト(4件)及び発電プロジェクトとペアになっている貯蔵の組み合わせにより、メイン州は短期的なエネルギー貯蔵目標を達成できる見込みである。メイン州の法律は、2025年までに300メガワット(MW)の、2030年までに400MWのエネルギー貯蔵能力を有するよう義務付けている。報告書は、プロジェクトがグリッドに接続される時期については言及していないが、4件全ての独立型プロジェクトが年内に接続された場合、メイン州は、2025年までに300MWの電池貯蔵を実現するという目標に到達できるとの見方を示している。 Utility Dive “Maine on track to meet energy storage goals, report finds” (3/26/24)

マサチューセッツ州、天然ガスからの移行に向けエネルギー変革局を立ち上げ

マサチューセッツ州は3月15日、化石燃料からクリーンエネルギーへと移行する取り組みを調整することを目的として、「エネルギー変革局(Office of Energy Transformation)」を設立すると発表した。同州によれば、この種の局の設立は米国内で初となる。エネルギー変換局は、需要の増加に伴い適切な電力インフラが整備されるよう確実にすること、移行全般において天然ガス及び電力のユーティリティ機関と調整しながら、信頼性や安全性、手頃な費用を維持すること、労働者や企業が移行へ準備するよう促進することに焦点を当てる。エネルギー変革局は、ユーティリティ機関や地方自治体、企業、労働組合、サプライチェーン業界の代表者で構成される作業部会を招集する計画で、作業部会はクリーンエネルギーへの移行における障害に対処するための短期的優先事項の開発と、長期的ロードマップの開発に情報提供を行う。エネルギー変革局のトップには、ユーティリティ企業、ナショナル・グリッド社(National Grid)の元幹部、メリッサ・ラビンソン氏(Melissa Lavinson)が就任する。 Utility Dive “To chart its transition away from gas, Massachusetts launches energy transformation office” (3/25/24)

PMJ社、代替発電能力がない中で2030年までに最大で58GWが閉鎖の可能性

電力グリッド運営会社のPJMインターコネクション社(PJM Interconnection)の市場モニターを行うモニタリング・アナリティクス社(Monitoring Analytics)の報告によれば、PJM社の設置済み発電能力の12%~30%(約24GW~58GW)が2030年までに閉鎖されるリスクに直面しており、それに代わる明確な発電資源は特定されていない。ただし、閉鎖に関する試算は不確実であり、市場価格の上昇などによって発電能力の一部が維持される可能性はある。モニタリング・アナリティクス社は、PJMに対して、確実な天然ガス供給の有用性があるかどうかを特定し、透明性のあるパイプライン情報を確実にし、デュアル燃料能力の必要性を特定することなどを早急に行うよう要請している。 Utility Dive ” Up to 58 GW faces retirement in PJM by 2030 without replacement capacity in sight: market monitor” (3/18/24)

グーグル社、3,500万ドルの炭素排除クレジット購入を誓約、エネルギー省にマッチング

グーグル社(Google)は3月14日、エネルギー省(Department of Energy)による炭素排除購入プログラムにマッチングする形で、3,500万ドルの炭素排除購入クレジットを購入するコミットメントを表明した。エネルギー省は同日、「任意の二酸化炭素排除購入チャレンジ(Voluntary Carbon Dioxide Removal Purchasing Challenge)」プログラムを発表し、炭素排出削減に取り組む組織に向けて、任意の炭素市場でより大きくかつ大胆な購入コミットメントを行い、同部門の拡大を支援するよう呼び掛けた。グーグル社は、エネルギー省が昨年開始した「二酸化炭素排除購入パイロット・プライズ(Carbon Dioxide Removal Purchase Pilot Prize)」を通じてマッチング購入を行う最初に企業であると述べた。同社は今後12か月間にわたり、自然ベース及び技術ベースのソリューションの双方を使ってこれらのくジレットを契約発注していく計画である。エネルギー省は、「任意の二酸化炭素排除購入チャレンジは、公のリーダーボード(スコア表)を使って企業による任意の炭素排除購入を追跡すると共に、購入者がより良い炭素排除クレジット購入を行い、より多くのサプライヤーが顧客を見つけられるよう支援するマテリアルを提供する」と発表している。 Utility Dive “Google pledges to buy $35M in carbon removal credits, matches DOE” (3/19/24)

世界の小型モジュール炉のパイプラインは22GWに到達、米国が市場を先導

昨年12月に25か国が「2050年までに世界の原子力エネルギー生産を3倍にする」と誓約したことは、小型モジュール炉(small module reactor: SMR)業界にとり、大きな後押しとなった。ウッド・マッキンジー社(Wood Mackenzie)が3月7日に発表した報告によれば、現在世界で進められているSMRプロジェクトは22ギガワット(GW)に達成する見通しである。これは、1,760億ドルの潜在的な投資を意味する他、2021年以来65%の増加になるという。米国では4GWのSMRプロジェクトが発表されている他、既に約3GWが開発初期または開発前段階にある。次いで、2GW前後のポーランドとカナダが続く。世界のSMRプロジェクトの大半はまだ建設段階にも入っていないが、業界は昨年、重要な節目に到達した。中国の山東省で、世界初となる商用SMR(200メガワットの高温ガス冷却炉)が稼働開始となったのである。また、世界初の水冷式SMRは中国の海南省で2026年に稼働開始予定となっている。 Utility Dive “Global small modular reactor pipeline hits 22 GW, with US leading the market: WoodMac” (3/12/24)

全国電気自動車インフラ公式プログラム(NEVI)の主要な側面に関するユーティリティ規制担当者向け短信

全国ユーティリティ規制委員協会(National Association of Regulatory Utility Commissioners)は2024年2月、「全国電気自動車インフラ公式プログラム(NEVI)に関する州公共ユーティリティ委員会向け短信(National Electric Vehicle Infrastructure Formula Program (NEVI) Brief for State Public Utility Commissions)」と題する文書を発表した。NEVIに関連する州政府の実践やユーティリティ機関の責任、公共ユーティリティ委員会の潜在的な役割について重要な情報をまとめたものである。NEVIに基づく資金提供機会は、新たな全国充電ネットワークへのユーティリティ投資を監督する立場にある公共ユーティリティ委員会にとり、関連性のあるものである。公共ユーティリティ委員は、本短信に含まれている情報を使って、ユーティリティ機関が、効率的かつ安全で信頼できるインフラと技術を導入することを確実にし、消費者に恩恵をもたらすために必要な規模とスケジュールを支援できる。また、利用者は、NEVI短信を読むことで、NEVIプログラムの簡潔な概要やNEVIのプロセスにおける公共ユーティリティ委員会の枠割の事例、公共ユーティリティ委員会がNEVI充電インフラを実現する上での主要な検討事項などについて確認できる。        National Association of Regulatory Utility Commissioners “New Brief Highlights Key Aspects of the National Electric Vehicle Infrastructure Formula Program for Utility Regulators” (3/26/24)

米国電気通信情報局(NTIA)、信頼できるAIシステムにおける監査と投資を要請

商務省(Department of Commerce)傘下の米国電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration: NTIA)は3月27日、「AIの説明責任に関する方針文書(AI Accountability Policy Report)」を発表し、高リスクのAIシステムについて独立監査を実施する必要性を提案した。「AIの説明責任に関する方針文書」は、AIが呈する機会を捉えつつ、そのリスクを管理するというバイデン大統領のコミットメントに対応するためのNTIAの取り組みの一つ。文書は、同技術の可能性を解放する上で重要な役割を担うもので、AIシステムの開発者及び導入者が、自分達のシステムが意図した通りに作動し、有害ではなく、信頼できるものであることを示す助けとなる。報告書は、AIシステムの透明性を強化することや、システムに関して主張されている点を検証するための独立評価、容認できないリスクが課されたり、根拠のない主張が行われた場合の結末について求めた上で、ガイダンス(3件)、サポート(2件)、規則(3件)の分野で勧告を計8件提示している。 National Telecommunications and Information Administration “NTIA calls for audits and investments in trustworthy AI systems” (3/27/24)

NSF、コンピュータ・情報科学工学総局のトップにグレッグ・ヘイガー氏を選出

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、コンピュータ・情報科学工学総局(Directorate for Computer and Information Science and Engineering: CISE)の局長としてグレゴリー・D・ヘイガー氏を(Gregory D. Hager)を選出した。ヘイガー氏は、ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の教授(コンピュータ科学)で、同大学のマロン医療ケア工学センター(Malone Center for Engineering in Healthcare)の創設ディレクターである。同氏の研究は、人工知能(AI)及び機械学習の様々な分野に及び、これには映像データからの活動認識及び検知、協調的な視覚ベースのロボティクス、機械学習の医療応用、画像分析、ロボティクスが含まれる。ヘイガー氏は、コンピューティング・コミュニティで複数のリーダーシップ及び諮問的役割も担っている。同氏は、ルター大学(Luther College)で学士号(コンピュータ科学及び数学)を、ペンシルバニア大学(University of Pennsylvania)で修士及び博士号(コンピュータ及び情報科学)を取得した。ヘイガー氏のNSFでの任期は6月3日から始まる。 National Science Foundation “NSF selects Greg Hager to head Computer and Information Science and Engineering Directorate” (3/14/24)