ARPA-H、オンデマンドによる臓器バイオプリント・プログラムを開始

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は3月27日、「パーソナライズされた再生可能で免疫力の高いナノテクノロジー組織(Personalized Regenerative Immunocompetent Nanotechnology Tissue: PRINT)」プログラムの開始を発表した。同プログラムは、最先端のバイオプリント技術と再生可能医薬の手法を使い、パーソナライズされ、免疫抑制薬を使用しないオンデマンド臓器を3Dプリントすることを意図したものである。現在多くの人が、複数年にわたって適合臓器を待っており、中にはそれが一生見つからない人もいる。移植された臓器は通常、15~23年機能し、全ての場合において免疫抑制薬が必要となる。PRINTプログラムは、革新的ソリューション公募(Innovative Solutions Opening: ISO)を通じて、3つの技術的分野(TA)に焦点を当てたプロポーザルを募集する。それらは、①最良の細胞ソースから全ての必要な臓器細胞型を生成する(TA1)、②臓器細胞型の大規模製造(TA2)、③臓器バイオ製造及び新薬臨床試験が可能な生体内試験(TA3)。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H launches program to bioprint organs on demand” (3/27/24)

ARPA-H、ミッション・オフィス特定型資金提供機会を発表

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は3月15日、ミッション・オフィス特定型の革新的ソリューション公募(Mission Office-specific Innovative Solutions Openings (ISO))を通じて新たな資金提供機会を発表した。ミッション・オフィスISOは、医療関連の課題に革新的なバイオメディカル及び医療研究を通じて対抗する画期的な方法に資金を提供するもの。今回発表されたミッション・オフィスISOのフォーカス分野は、①医療科学の未来(Health Science Futures)、②積極的な健康(Proactive Health)、③対応力のあるシステム(Resilient Systems)、④拡張可能なソリューション(Scalable Solutions)の4件で、それぞれのミッション・オフィスで、革命的な研究及び技術的進展を概説したプロポーザルを募集している。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H announces Mission Office-specific funding opportunity” (3/15/24)

ARPA-H、FDAと医療画像データのパートナーシップを発表

医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は3月12日、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の機器及び医療機器・放射線保健センター(Center for Devices and Radiological Health: CDRH)とのパートナーシップを発表した。手頃な費用で高品質の医療画像データへのアクセスの合理化に取り組む。MRIやCT、PETなどの医療スキャンやデジタル・パソロジー(病理学のデジタル化)から抽出した画像データは、人工知能(AI)や機械学習(ML)を訓練するのに必要な重要資源であり、ARPA-HとCDRHは、医療画像データ・マーケットプレイス(medical imaging data marketplace: MIDM)を開発して、良質かつ適切なデータ取得の際の障害を排除し、AIとMLのイノベーションを加速させることを目指す。このイニシアチブの第一段階として、ARPANET-H医療イノベーション・ネットワーク(ARPANET-H Health Innovation Network)を通じて、持続可能で手頃な費用で多様性があり、セキュアな医療画像データのプラットフォームの設計と開発について、関係者からの意見を要請するアンケート調査を実施する。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H announces medical imaging data partnership with FDA” (3/12/24)

ARPA-H、癌のケアを変革するプログラムを発表

バイデン大統領の団結議題(Unity Agenda)及びバイデン癌ムーンショット(Biden Cancer Moonshot)の一環として、医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は3月7日、「正確な癌治療のための先端分析(Advanced Analysis for Precision cancer Therapy: ADAPT)」プログラムを発表した。科学者、臨床者、患者による先見的な共同作業で、腫瘍生物学のより良い理解と治療対応を提供することを目的として先端技術を育成し、癌ケアの新たな時代を切り開くことを目指す。ARPA-Hは、ADAPTプログラムを通じて多方面の手法に投資をする。それらは、①ほぼリアルタイムの高度なバイオマーカーの構築と試験などを通じて、腫瘍生物学における変化を監視する最先端技術の開発、②革命的な臨床試験設計を導入し、患者の詳細な癌データを取り入れて進行癌に直面している人々のアウトカムを向上させる、③データ主導型システムを開発し、臨床者が、進化する癌を積極的に測定、治療対応できるようにする、の3点。ARPA-Hの手法は、癌患者のケアを向上する新技術を迅速に解釈することを目的として、ほぼリアルタイムの高度なバイオマーカーの構築と試験に取り組むという点で、他の取り組みとは一線を画している。ARPA-Hは、本件で複数のアワードを授与する予定である。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H launches program to transform cancer care” (3/7/24)

バイデン政権、アスベスト禁止の歴史的措置、バイデン癌ムーンショットを進展

バイデン大統領の癌ムーンショット(Cancer Moonshot)は、癌の予防、検知、治療の進展を加速させつつ、癌に直面している家族への支援を強化する。これには、「発がん性物質」として知られる有害化学物質から家族や労働者を保護するための積極的な取り組みも含まれる。環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は3月18日、強力な発がん性物質の一つであるアスベストの継続的な使用を禁止する歴史的措置を発表した。これは、公衆衛生を保護し、環境正義を進展させ、我々が知る所の癌を終結させるためのバイデン政権の取り組みにおいて画期的出来事となる。バイデン政権は、発がん性物質からコミュニティを守るその他の保護措置として、①EPAは、塩化メチレンや四塩化炭素など、商用・工業用に使用される危険な化学剤による癌やその他の健康リスクに対処する提案を進展させた、②EPAは、大気清浄法(Clean Air Act)の下、商用滅菌施設から大気に放出される酸化エチレンの基準を大幅に更新、強化する最終規則を発表した、などが発表された。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Takes Historic Action to Ban Asbestos, Advancing Biden Cancer Moonshot” (3/18/24)

バイデン大統領、交通インフラが分断されたコミュニティの再構築に30億ドル以上を発表

バイデン大統領は3月13日、ウィスコンシン州ミルウォーキーを訪れ、40以上の州でコミュニティを再び結びつけ、再構築するため、33億ドル以上を提供すると発表した。こうしたコミュニティの対象には、数十年前の交通インフラによって分断され、長きにわたって軽視されてきたコミュニティが含まれる。医療ケアや学校、雇用、礼拝所、その他の重要なサービスや機会へのアクセスを高め、公共の空間で高速道路を覆い、新たな交通ルートを作り、歩道や橋、自転車用レーンなどを加えることでコミュニティを強化する。優れた交通インフラは人々と機会を結びつけ、経済成長を促進するが、歴史的には米国のインフラ投資や判断がその反対へと作用することもあった。運輸省(Department of Transportation)は、数十年に及ぶ有害な都市再生プロジェクトや連邦高速道路システムの構築における旧式の政策判断などによって、少なくとも100万人の人々やビジネスが流出したと試算している。今回、ウィスコンシン州ミルウォーキーで、6番街コリドー(2.5マイル)沿いのコミュニティを結びつけ、より広い歩道や安全な自転車用レーンを設置することなどが盛り込まれた「6番街完成ストリート・プロジェクト(6th Street Complete Streets Project)」(3,600万ドル)や、ジョージア州アトランタでミッドタウン(住宅地区と商業地区の中間)とダウンタウン(中心部、ビジネス街)を再び結びつける「スティッチ(The Stich)」プロジェクト(1億5,800万ドル)などが発表された。 White House “FACT SHEET: President Biden Announces Over $3 Billion to Reconnect Communities That Have Been Left Behind and Divided by Transportation Infrastructure” (3/13/24)

フェルミ研究所、イリノイ州とサウスダコタ州の経済成長を牽引

エネルギー省(Department of Energy)傘下のフェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)(フェルミ研究所)が発表した2022年度の経済効果(Economic Impact)報告によれば、同研究所の活動はイリノイ州とサウスダコタ州に前向きの経済効果を増大的にもたらしており、2022年度には経済生産に16億ドル寄与し、7,242名の雇用を支えた。フェルミ研究所の本拠地であるイリノイ州では、研究所の支出が州の繁栄の主要な貢献者であることを示しており、科学研究投資と事業支出により、州の経済生産は約13億ドル増え、州内の世帯所得は5億2,900万ドル増加した。サウスダコタ州もまた、2022年度に同州リードにあるサンフォード地下研究施設(Sanford underground Research Facility)の洞窟拡張を目的とした掘削と工学活動が行われる中、フェルミ研究所による投資から大幅な経済的恩恵を受けた。2022年度における研究所支出の経済的波及効果により、サウスダコタ州の経済生産に2億7,500万ドルがもたらされ、1,500名の雇用を創出または維持し、州内の世帯所得は9,800万ドル増加した。 Fermilab “Fermilab drives economic growth in Illinois and South Dakota” (3/28/24)

DIUの「シンクアノン」、商業技術を活用して静止地球軌道外へのアクセス能力向上

米国が月面への復帰を準備する中、これらの領域への応答的なアクセスは絶対必要不可欠(ラテン語で「シンクアノン(sine qua non)」)である。宇宙には、静止地球軌道(geosynchronous Earth orbit: GEO)を始点とし、月の裏側にある地球と月のラグランジュ点まで伸びる広範な宇宙領域があり、この領域は一般的に「xGEO」と呼ばれている。今後数年間で、xGEOのシルスナー空間(地球と月の間の空間)領域を中心に、国、国際、商業事業体による活動が急速に流入すると考えられる。国防総省(Department of Defense)は、これらの領域で安全かつセキュアな商業及び民間の成長を育成する位置づけになくてはならない。国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は、商用の発射及び軌道移動システムを使ってxGEOやシルスナー空間に能力や資産を届けるためのプロトタイプ作成に取り組む「シンクアノン」プロジェクトを開始した。シンクアノンの募集に、94社から112件のソリューション案が提出された。DIUは、シンクアノンの取り組みの下、ファイアフライ・エアロスペース社(Firefly Aerospace)を選出、1回以上の打ち上げで3~6機の宇宙車両(space vehicle)をxGEOやシスルナ―空間の軌道へ届けることに取り組む。 Defense Innovation Unit “DIU’s Sinequone Project Prototypes the Ability To Access Beyond GEO Leveraging Commercial Technology” (3/21/24)

DIUの軌道物流車両プロジェクトに選出された企業、プロトタイプで前進

国防総省(Department of Defense)の宇宙空間内でのモビリティ向上を促進するため、商業技術の活用に取り組む国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は、地球低軌道(low Earth orbit: LEO)、静止軌道(geostationary orbit: GEO)やその他の軌道への低費用で応答的なアクセスを可能にする物流サービスを提供することを目的として、3社を選出した。DIUは具体的に、軽量で実用的な多軌道用物流車両で、機械的に結合されたペイロード(50キロ以下)を収容、移送できる、など、4件の能力を模索している。選出された3社は、ブルー・オリジン(Blue Origin)、スペース・ロジスティクス(Space Logistics)、スカイコープ(Skycorp)(現在は、「スペースビルト(Spacebilt)」)で、これらの企業による補完的な取り組みは現在進行中である。 Defense Innovation Unit “Companies Selected for DIU Orbital Logistics Vehicle Project Moving Forward with Prototypes” (3/20/24)

国防イノベーション・ユニット、レガシー航空機の抗力低減技術を目的として複数の契約を発注

国防総省(Department of Defense)は、世界的な軍事活動を行う上で空輸物流に依存しており、空輸や空対空の燃料補給はミッションの成功を確実にする上で重要な行為である。米空軍(United States Air Force: USAF)は、合同作戦のためのこうした空輸物流の大半を調整、実施するが、それは主として旧式のレガシー航空機を使って行われる。作戦を実施するために必要な燃料を削減することは、事業の能力を高め、費用を低減し、サプライチェーンのリスクを低減するためにも重要である。空軍事業エネルギー局(Air Force Operational Energy Office: SAF/IE)、空軍研究所(Air Force Research Laboratory: AFRL)、空軍特別作戦司令部(Air Force Special Operations Command: AFSOC)、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は、パートナーを組み、数多くのUSAFレガシー航空機について、抗力を低減し、消費燃料の低減につなげるため、開発が十分に進み、商業的に実行可能な技術を模索している。DIU、SAF/IE、AFRL、AFSOCは、レガシー航空機の抗力削減ソリューションについて、研究、開発、プロトタイプ作成に取り組む4社に契約を発注した。これらの全てのソリューションを合わせると、レガシー航空機の消費燃料合計は5~10%の節約につながる可能性がある。 Defense Innovation Unit “Defense Innovation Unit Awards Multiple Contracts To Provide Drag Reduction Technology for Legacy Aircraft” (3/7/24)