エネルギー・イノベーションのための高性能コンピューティング

3月11日、エネルギー省(Department of Energy)は、「エネルギー・イノベーションのための高性能コンピューティング(High Performance Computing for Energy Innovation: HPC4EI)」プログラムを通じて13件のプロジェクトに520万ドルを提供すると発表した。米国の製造部門の業績、効率性、実行可能性を進展させ、経済全般の脱炭素化を促進することが目的である。今回のラウンドは、HPC4EIの中の「製造業向け高性能コンピューティング(High Performance Computing for Manufacturing: HPC4Mfg)」と、「マテリアルのための高性能コンピューティング(High Performance Computing for Materials: HPC4Mtls)」の両プログラムに関連するトピック分野に焦点を当てている。HPC4EIは、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)が管理している。 Department of Energy “High Performance Computing for Energy Innovation: Summer 2023 Selected Projects” (March 2024)

エネルギー省、大規模再生可能エネルギー及びエネルギー貯蔵の立地と許認可を向上

エネルギー省(Department of Energy)は3月25日、大規模な再生可能エネルギー施設の計画、立地、許認可プロセスを向上させるため、最高2,200万ドルを提供すると発表した。州をベースとした6件のプロジェクトが、「技術的関与と計画を通じた再生可能エネルギーの立地(Renewable Energy Siting through Technical Engagement and Planning: R-STEP)」プログラムを通じて1,000万ドルを受益し、大規模な再生可能エネルギー及びエネルギー貯蔵プロジェクトを計画・評価する地域の政府やコミュニティに、専門性や訓練、技術的資源を提供する州全体のイニシアチブの開発と拡大に取り組む。受益するのは、インディアナ、アイオワ、ミシガン、ミシシッピー、ノースカロライナ及びサウスカロライナ、ウィスコンシンの州におけるプロジェクト。DOEはまた、本プログラムの第2ラウンドを実施し、最高1,200万ドルを提供する意向を表明した。米国で2035年までに100%のクリーン電力を達成するには、ソーラーと風力発電が電力全体の最大80%を提供する必要があることから、迅速な普及の妨げになる障害を排除することは重要である。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Invests $22 Million to Improve Siting and Permitting for Large-Scale Renewable Energy and Energy Storage” (3/25/24)

エネルギー省、不利な立場にあるコミュニティのクリーンエネルギー及び経済開発へ1,800万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月22日、「コミュニティ:地元のエネルギー行動プログラム(Communities Local Energy Action Program: コミュニティLEAP(Communities LEAP))」の一環として選出された、第2次コホートのコミュニティ30地域を発表した。コミュニティLEAPは、社会的に不利なコミュニティと化石燃料業界と歴史的な結びつきがあるコミュニティが自分達のクリーンエネルギー未来を直接管理できるよう支援することを意図した独自の技術援助イニシアチブである。選出された30のコミュニティは、合計で1,800万ドル相当の技術援助を受益し、コミュニティ全体で調整されたクリーンエネルギー行動計画を創出することに取り組む。コミュニティLEAPの第2次コホートが取り組む関心分野には、クリーンエネルギーの計画と開発、エネルギー効率に優れた建造物や有益な電気化計画及び投資、クリーン輸送計画及び投資、炭素捕獲と貯蔵、などが含まれる。 Department of Energy “DOE Announces $18 Million Towards Clean Energy and Economic Development in 30 Historically Disadvantaged Communities” (3/22/24)

エネルギー省、学校のエネルギーインフラに1億8,000万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は、「2024年米国の学校更新プライズ(2024 Renew America’s School Prize)」への応募受付を開始した。米国内で、小中高校の能力を強化し、エネルギー改良を実践するための戦略的パートナーシップに参加し、エネルギーの使用と費用を低減し、室内の大気質を改善し、健康な学習環境の育成に取り組む学校区に1億8,000万ドルを提供する。2024年米国の学校更新プライズは、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出を受けて実施され、社会的に恵まれない小中高校でのエネルギー効率が高い再生可能エネルギー・インフラに対する画期的な投資であり、政権による「学校インフラのより良い構築のための行動計画(Action Plan for Building Better School Infrastructure)」に寄与する。フェーズ1の受賞者は各30万ドルの賞金を獲得してフェーズ2及び3へ進み、DOEとの間で共同契約(Cooperative Agreement)を締結する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $180 Million Investment in School Energy Infrastructure as Part of Investing in America Agenda” (3/20//24)

エネルギー省、米国水素業界支援に7億5,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月13日、クリーン水素の費用を大幅に削減し、成長中のクリーン水素業界における米国の世界的なリーダーシップを強化するため、52件のプロジェクト(24州に及ぶ)に合計7億5,000万ドルを提供すると発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出を受けて行われるこれらのプロジェクトは、クリーン水素技術の進展を目的として、①低コストで生産性の高い電解槽製造(8件のプロジェクト、3億1,600万ドル)、②電解槽の部品とサプライチェーン開発(10件、8,100万ドル)、③先端技術と部品開発(18件、7,200万ドル)、④先端燃料電池製造のアセンブリとスタック(5件、1億5,000万ドル)、⑤燃料電池サプライチェーン開発(10件、8,200万ドル)、⑥回収とリサイクルのコンソーシアム(Recovery and Recycling Consortium)(1件、5,000万ドル)に分類される。これらの投資は受益者によるコスト分担金を含めて合計16億ドルとなり、1,500名以上の直接新規雇用を創出すると共に、関連の経済活動を通じて数千名の間接雇用の創出が見込まれている。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $750 Million to Support America’s Growing Hydrogen Industry as Part of Investing in America Agenda” (3/13/24)

エネルギー省、旧石炭コミュニティの脱炭素化とクリーンエネルギー製品製造を支援

エネルギー省(Department of Energy)は3月8日、産業排出の削減と、米国のエネルギー・サプライチェーンに重要なクリーン・エネルギー製造の進展を目的として、4億2,500万ドルを発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law: BIL)からの資金提供を受け、製造及びエネルギー・サプライチェーン局(Office of Manufacturing and Energy Supply Chains: MESC)が管理する「先端製造及びリサイクル・グラント・プログラム(Advanced Manufacturing and Recycling Grant Program)」は、クリーンエネルギー製品の生産とリサイクルならびに施設の脱炭素化への投資に焦点を当てている石炭コミュニティ(現行及び旧)で中小規模の製造業者を支援する。本件は、2023年に第1回目が行われ、7州で行われる7件のプロジェクトに合計2億7,500万ドルの連邦投資が行われた。今回は、その成功を基盤として行われる第2回目の募集となる。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $425 Million to Decarbonize and Manufacture Clean Energy Products in Former Coal Communities as Part of Investing in America Agenda” (3/8/24)

エネルギー省、「任意の二酸化炭素排除購入チャレンジ」を開始する意向を表明

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon management: FECM)は3月14日、「任意の二酸化炭素排除購入チャレンジ(Voluntary Carbon Dioxide Removal Purchasing Challenge)」を開始する意向を表明した。同チャレンジは、質の高い二酸化炭素排除クレジットの購入に取り組むDOEに外部組織の参加を呼び掛けるもので、エネルギー省が最近、「二酸化炭素排除購入パイロット・プライズ(Carbon Dioxide Removal Purchase Pilot Prize)」を通じて3,500万ドルを調達することにコミットしたことに続くもの。チャレンジの革新的な官民パートナーシップ構造は、二酸化炭素排除のクレジット購入と、二酸化炭素排除クレジット供給の透明性向上を狙いとしている。このチャレンジを通じて新たな資金は提供されないが、供給側と購入側を結びつけることで民間の更なる支出を育成し、炭素排除購入のリーダーボード(スコア表)を創出することを目指す。チャレンジの規約はまだ最終決定しておらず、FECMはチャレンジの構造に関するコメントや、実際に年内にチャレンジが開始された際に参加への関心があるか否かについてフィードバックを募集している。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces Intent to Launch Voluntary Carbon Dioxide Removal Purchasing Challenge” (3/14/24)

ARPA-H、神経変性疾病の治療開発に取り組むプロジェクトに資金提供

医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は4月1日、「神経炎症と神経変性のための細胞治療(Cell Therapies for Neuroinflammation and Neurodegeneration: CT-NEURO)」プロジェクトへの資金提供を発表した。CE-NEUROプロジェクトは、細胞を使ったより効果的な治療伝達のための戦略を開発することを目指す。プロジェクトの目標は、脳と神経システムに治療を直接提供する免疫細胞ベースのプラットフォームを開発することで、最初は脳疾患に焦点を当てる。現在、700万人以上の米国民が、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾病、または膠芽腫などの脳の癌を患っている。これらの障害は神経細胞組織を破壊すると同時に、治療が極めて困難である。CT-NEUROは、体内を自由に移動できる免疫細胞を使い、治療を直接かつ正確に細胞へ届けることで、こうした甚大な診断に直面する患者のアウトカムを向上させることを狙いとしている。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H funds project to develop treatments for neurodegenerative diseases” (4/1/24)

オートノマスのロボティック手術の方向性に関する情報の要請

ロボティックスをアシスタントとして利用する手術は一般的になりつつあるが、現行のロボティック・システムは、先端の手術ツールとして使用されており、オートノミーで動作するものはない。外科医がこのシステムを使うためには、ロボットが映し出す映像を理解し、ロボット操作者のポジションと行動を管理しなくてはならない。医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は今回、オートノマス・ロボティック手術に関する様々なトピックについて情報を要請している。具体的なトピックは次の通り。①機械知能における最近の進展や技法の中で、ロボットが全面的な外科手術手順を学習することを支援するものにはどのようなものがあるか? どのような課題が依然として残っているか? ②手術前の3D画像を手術中の2D及び3D画像に登録するための現行及び新興の技法に関する見解(特に従来型の基準がない場合において)。どの程度の正確性が可能か? どのような課題が残っているか? など、9件のトピックが提示されている。 Advanced Research Project Agency for Health ” RFI for possible directions in autonomous robotic surgery” (3/29/24)

ARPA-H、変形性関節症を逆行させる研究を支援

医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は3月26日、「変形性関節症の組織再生のための新規イノベーション(Novel Innovations for Tissue Regeneration in Osteoarthritis: NITRO)」プログラムの下、変形性関節症(OA)の注射・移植可能な再生治療の創出と商業化に取り組む5チームを発表した。NITROプログラムの目標は、OAの根絶である。OAは、骨や軟骨が破壊される不可逆的状況で、しばしば衰弱性の痛みと機能的な運動の喪失、複雑で費用高の再建手術を伴う。しかし手術だけでこの根本的な医療課題を解決することはできない。ARPA-Hは、①注射可能で(または)非侵襲的な骨の再生(TA1)、②注射可能で(または)非侵襲的な軟骨の再生(TA2)、人間の細胞由来の置換関節(TA3)という3種類の技術的分野(TA)を追求する。選出されたのは、デューク大学(Duke University)主導チーム、ワシントン大学セントルイス校(Washington University, in St. Louis)主導チーム、コロラド大学ボールダー校(University of Colorado University)主導のチームなどで、それぞれTA1~TA3のいずれかまたは複数を担当する。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H’s NITRO selects teams to lead breakthroughs in reversing OA” (3/26/24)