バンダ―ビルト大学、コンピューティング、AI、データ科学に特化した学部を創設へ

バンダ―ビルト大学(Vanderbilt University)の上層部は3月25日、コンピュータ科学、人工知能(AI)、データ科学、及び関連分野に特化した変革的な学部(カレッジ)を創立するための取り組みを開始した。新たに設立される学際的な学部は、技術分野での学位の需要増に対応し、急速に進化するコンピュータ関連分野の研究を進展させることに加え、他学部と協力し、ブレイクスルーの発見を進め、「あらゆる人にコンピューティングを」の手法を通じてコンピューティング教育を強化する。新たな「コネクテッド・コンピューティング学部(College of Connected Computing)」は、新たな学部長(dean)によって先導され、学長(Provost)兼副学長(学術担当)(Vice Chancellor for Academic Affairs)のC・シベール・レイバー氏(C. Cybele Raver)と、工学部長(School of Engineering Dean)のクリシュネンドゥ・ロイ氏(Krishnendu “Krish” Roy)に報告する。新たな学部長(dean)探しは8月後半から開始予定。 Vanderbilt University “Vanderbilt to establish a college dedicated to computing, AI and data science” (3/25/24)

エネルギー省監査官室、特別レポートを発表

エネルギー省(Department of Energy)の監査官室(Office of Inspector General: OIG)は今般、「特別レポート:エネルギー省によるデータ分析の検討と使用(Special Report: The Department of Energy’s Considerations and Use of Data Analytics)」を発表した。エネルギー省を含め、連邦機関によって生成される膨大な量のデータは、効果的なデータ管理が必要であると同時に、データ科学を応用してデータから洞察を引き出す「データ分析」に役立つ。優れたデータ管理と分析戦略により、担当官は当局の事業活動について、情報に基づくより良い判断ができるようになる。本報告書は、エネルギー省がデータ分析を使って、完全性や優れた管理、エネルギー省のプログラムの管理を進展させるための将来的な検討事項を提示している。 Department of Energy “Special Report: DOE-OIG-24-14” (3/14/24)

米・加・英の原子力規制担当官、先端原子炉及び小型モジュール炉のレビューで協力を拡大

米原子力規制委員会(U.S. Nuclear Regulatory Commission)、カナダ原子力安全委員会(Canadian Nuclear Safety Commission)、英国原子力規制局(U.K. Office for Nuclear Regulation)は、先端原子炉及び小型モジュール炉(small modular reactor: SMR)技術の技術的レビューに関する共同作業について協力覚書(memorandum of cooperation)に署名した。NRCの3月13日の発表によれば、3か国は、各当局の安全性と安全保障に関するミッションに沿う形で、次世代技術の効率的かつ効果的な検討における相互利益を進展させる。覚書は、新技術が、国際的な導入を促進する標準化へと進む中、ベスト・プラクティスと規制上の経験を共有することへの各当局のコミットメントを強調するものである。 Nuclear Newswire “Regulators expand cooperation on reviews of advanced reactors and SMRs” (3/15/24)

アラスカ州における揚水式発電(PSH)に大きな可能性

アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の科学者は、アラスカ州で揚水式発電(pumped storage hydropower: PSH)が、クリーンな再生可能エネルギーをより多く電力グリッドに追加できる可能性について調査する研究を主導した。研究チームには、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)の専門家も含まれ、アラスカ州内でより持続可能なPSH(「クローズド・ループPSH(closed-loop PSH)」と呼称される)に適する可能性のある拠点として約1,800か所を、またその他の形式のPSHの可能性のある拠点としてその他の多くの拠点を特定した。アラスカ州内の遠隔コミュニティに住む多くの住民は、ディーゼル燃料による発電を主として利用しており、燃料と輸送の高費用により、エネルギー費用が高くなる場合がある。PSH発電所はエネルギーを最大10時間(またはそれ以上)貯蔵することができ、アラスカ州がクリーンエネルギーへ移行し、高いエネルギー費用を低減し、対応力と信頼性のある電力システムを維持する一助となり得る。 Department of Energy “Study Finds Huge Potential for Pumped Storage Hydropower in Alaska” (3/14/24)

米国アカデミー、海洋掘削に関する報告書を発表

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は今般、「海洋掘削の進展と優先事項:地球の過去と未来を探して(Progress and Priorities in Ocean Drilling: In Search of Earth’s Past and Future)」と題する報告書を発表した。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が、老朽化しつつある掘削車両のJOIDESレゾル―ション(JOIDES Resolution)への支援を、運用コスト高を理由として今年後半に打ち切る計画である中、本報告書は海洋掘削について研究分野の優先事項を示したものである。「米政府による掘削車両への先進的な支援がなければ、米国及び現行の国際パートナーの将来の科学的海洋掘削能力は、約10%削減される見込みである」と報告書は警告する。報告書が示す将来の研究の優先分野には、気候変動の真実解明、気候及び海洋の変動への過去の海洋生態系の反応の評価などが含まれる。 National Academies “Progress and Priorities in Ocean Drilling: In Search of Earth’s Past and Future” (2024)

年間米諜報報告で新規技術の脅威が指摘される

国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence)は去る2月、「米国諜報コミュニティの年間脅威評価(Annual Threat Assessment of the U.S. Intelligence Community)」と題する報告書を発表した。それによれば、様々な科学技術の発展は、米国にとり、増大的かつ予測不可能な国家安全保障脅威を呈している。「人工知能(AI)及びバイオテクノロジーを中心とした新技術が開発、拡散されており、その勢いは、企業や政府が市民リバティやプライバシー、倫理について規範を形成することが困難なペースである」と報告書は述べている。報告書は、これらの技術が大量破壊兵器へのアクセス拡大につながり、即座に非対称の脅威をもたらす可能性への懸念を表明している他、中国が米国に技術的リードを有し、それが経済、ひいては軍事的優位性につながる可能性を警告している。 Director of National Intelligence “Annual Threat Assessment of the U.S. Intelligence Community” (2/5/24)

エネルギー長官、産業部門全般での排出削減を目的とした連邦諮問委員会の新委員を任命

エネルギー省(Department of Energy)は2月27日、米国産業部門の脱炭素化を助けることを目的とした「産業技術イノベーション諮問委員会(Industrial Technology Innovation Advisory Committee: ITIAC)」の新委員として、科学、企業、大学、業界のリーダー18名を任命した。ITIACは、連邦諮問委員会で、米国の産業部門における排出を削減し、2050年までに米経済を正味ゼロ排出経済へ近づけるための技術とプロセスの開発を加速させる包括的戦略について、エネルギー長官に直接報告する。ITIACの新委員は、米国の産業部門(官民の事業体、非営利組織、連邦研究所、労働グループ、様々な規模の業界、学術機関、その他の連邦当局)の分野横断型リーダーを代表する。ITIACの委員長は、イーストマン社(Eastman)のプログラム・マネジャー及びフェローであるシャロン・ノレン氏(Sharon Nolen)が就任する。 Department of Energy “Secretary of Energy Appoints New Members to Federal Advisory Committee to Reduce Emissions Across the Industrial Sector” (2/27/24)

マサチューセッツ州知事、生命科学、気候技術、AIにおける主要イニシアチブに20億ドル以上を提案

マサチューセッツ州のモーラ・ヒーリー知事(Maura Healey)は3月1日、政権による経済開発策として「マサチューセッツ州の経済リーダーシップ強化関連法案(An Act Relative to Strengthening Massachusetts’ Economic Leadership: Mass Leads Act)」を提出した。同法案は、今後10年間に州内の生命科学投資(10億ドル)を再承認すること、別個に10年間の気候技術イニシアチブ(10億ドル)を開始すること、先端製造とロボティクスで的を絞った投資を提案してCHIPS及び科学法(CHIPS & Science)の資金を受益した勢いを強化することを模索する。更に、マサチューセッツ州内に「応用AIハブ(Applied AI Hub)」を創設するための1億ドルも含まれている。応用AIハブは、ヒーリー知事による企業競争力計画の一部で、同知事が2月に創設したAI作業部会による勧告を実践するために調整と補助の一端を担う。作業部会は、6カ月以内にファインディングを報告することを義務付けられている。Mass Leads Act法案には更に、知事が12月に発表した経済開発計画「チーム・マサチューセッツー未来の世代を先導する(Team Massachusetts – Leading Future Generations,)」で概説した戦略の進展、政策の実践、イニシアチブへの資金拠出も模索している。 SSTi “Massachusetts Governor proposes over $2 billion for major initiatives in life sciences, climatetech, and AI” (3/7/24)

米国科学審議会(NSB)が隔年で発表する科学工学指標報告を発表

米国科学審議会(National Science Board: NSB)は3月13日、隔年で発表している「科学工学指標(Science and Engineering Indicators)」を発表した。対象は2021年までに収集されたデータとなっている。2024年の科学工学指標によれば、米国は引き続き研究開発(R&D)の圧倒的な実践者であり、8,060億ドルの国内総支出を記録した(2021年)。次の最大のR&D実践者は中国で、6,680億ドルであった。米国はGDPの3.5%をR&Dに支出し、この割合は過去最大となった。R&D支出増の大半は、民間企業によるもので、特に、情報技術産業、製薬産業で増加した一方、連邦支出はほぼ横ばいであった。2024年科学工学指標はまた、世界における米国の位置付けが中国の挑戦に直面していることを示している。NSBは3月8日、「科学工学指標は、STEMの人材育成、研究論文出版、特許、知識及び技術集約型製造で、中国が米国を上回っていることを示している」と発表した。 SSTi “The National Science Board releases the biennial Science and Engineering Indicators report” (3/14/24)

オープン水素イニシアチブ、施設固有の水素の炭素強度を測定するツールキットを発表

オープン水素イニシアチブ(Open Hydrogen Initiative)は、施設レベルで水素の炭素強度を試算するためのオープン・ソース・ツールキットを発表した。このツールキットは、GTIエネルギー(GTI Energy)とS&Pグローバル・コモディティ・インサイト(S&P Global Commodity Insights)が、世界の業界関係者の助けを得て共同開発した。ツールキットは、エネルギーまたは水素を作るために使用される原料の種類などの要因に基づく代表的データから始まるが、利用者は、自分達の施設もしくはサプライヤーのデータを使って結果の精度を上げていくことができる。S&Pグローバル・コモディティ・インサイトの幹部は、「特定の施設における水素関連の炭素排出の定量化を目的として、検証可能で潜在的にユニバーサルな標準を創出する際、このツールキットは世界的に大規模な水素のグレードの基盤を構築する助けとなるであろう」と述べる。グリーン水素やブルー水素といった色分けを用いて特定のソースもしくは生産技術から発生する水素の炭素強度を示すことは、それが気候意識の高い市場にもたらす潜在的な価値を正確には反映しない。水素の購入者と販売者が契約に取り入れることができる具体的な数値の必要性が認識され、約2年前のオープン水素イニシアチブの発足につながった。 Utility Dive “Open Hydrogen Initiative releases toolkit to measure facility-specific hydrogen carbon intensity” (3/28/24)