ARPA-E、未来の電気化空港に関するビジョンを概説

エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は4月3日、サンアントニオ市の航空省(Aviation Department)及び市公共サービス委員会(City Public Service Board: CPS Energy)、テキサス大学サンアントニオ校(University of Texas at San Antonio)と共に、持続可能な航空、電池技術、革新的な電池貯蔵ソリューション、電気自動車の充電強化、電力需要管理技術などに関する技術の開発及び推進を目的とした集合的取り組みを概説した覚書(Memorandum of Understanding: MOU)に署名した。この合意は、航空部門の脱炭素化を目的とした新しいエネルギー技術の開発と導入を加速させるため、国際空港が初めてARPA-Eと協力する機会となる。テキサス州サンアントニオ市のスティンソン自治体空港(Stinson Municipal Airport)で行われた署名式では、この歴史的なマイルストーンを記念して、ARPA-Eの資金提供を受け、未来の電気化空港に統合される可能性があるイノベーションに取り組むいくつかのプロジェクト・チームが紹介された。 Advanced Research Projects Agency-Energy “ARPA-E Announces Innovation Agreement Outlining Vision for the Future of Electrified Airports at Technology Expo Hosted in San Antonio” (4/3/24)

「2023年宇宙産業基盤の現状」報告、宇宙における持続的優位性構築のための行動を要請

先般、「2023年宇宙産業基盤の現状(State of the Space Industrial Base: SSIB)」報告が発表された。宇宙軍(U.S. Space Force)、空軍研究所(Air Force Research Laboratory)、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit)によって作成されたもので、「経済的安全保障と集合的安全保障を目的として、宇宙における持続的な優位性を構築することは重要である」という点が本報告の中心的テーマである。今年で5年目の報告で、複数回の作業部会で収集された商業宇宙部門からのフィードバックを収集し、それらに基づいて政府の検討事項及び行動について勧告を提示している。作業部会からの主要なファインディングとして、①国内及び同盟国の双方において、信頼性と対応力のあるサプライチェーンを構築すること、②許認可の遅延につながっている官僚的プロセスを合理化すること、③宇宙を経済への寄与者として一般化するために必要な金融ツールへのアクセスを改善すること、といったニーズが挙げられている。 Defense Innovation Unit “SSIB’23 Report Calls For Action To Build Enduring Advantages in Space for Economic Prosperity and Collective Security” (4/8/24)

DARPA、生物療法の投与方法を合理化し、患者アウトカムを向上

新規の生物療法を開発する取り組みは、兵士の準備態勢と、既存及び新興の生物脅威に対抗することを可能にする重要な資源となりつつあるが、現行の投与方法は生物製剤の有効性と早急な導入を制限している。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の新しいプログラム「エルメス(Hermes)」のゴールは、全身に分散され、否定的な副作用を限定的とする新たな投与方法を開発することで、生物製剤を多様な細胞や組織へ届ける広範な細胞間投与に伴う課題を克服することである。従来型の小分子製剤と異なり、生物製剤は大型で複雑な分子で極めて効果的になり得るが、体内の必要な細胞や組織に十分な量を投与することは困難である。エルメス・プログラムを通じて開発される次世代の柔軟な投与プラットフォームは、これまでにない有効性と最小限の有害性及び免疫原性をもたらすものとなるだろう。 Defense Advanced Research Project Agency “Streamlining Delivery Modalities for Biologic Therapeutics to Improve Patient Outcomes” (4/5/24)

フェルミ国立研究所、米国内の半導体生産の進展に向けて民間と協力

エネルギー省(Department of Energy)傘下のフェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)(フェルミ研究所)は、xライト社(xLight, Inc.)との間で、米国内の半導体製造において鍵となる重要なコンポーネントを共同開発する共同研究開発契約(cooperative research and development agreement: CRADA)を締結したと発表した。このCRADAの最初のプロジェクトの下、超電導高周波空洞と、クライオモジュールの開発及び試験に焦点を当てた活動が実施される。これらは、フェルミ研究所の研究者が長年にわたり経験と専門性を有している分野である。同研究所は、超電導高周波技術において世界的なリーダーであり、同技術は、現在フェルミ研究所で建設中のプロトン工場計画II(Proton Improvement Plan II)プロジェクトのような先端粒子加速器の中核となるものである。フェルミ研究所のリア・メルミンガ所長(Lia Merminga)と、シリコンバレーのスタートアップ企業、xライト社の最高経営責任者であるニコラス・ケレズ氏(Nicholas Kelez)は、4月4日に会合し、待望の長期的共同作業を正式に開始した。双方は、米国内の半導体製造を目的として、極端紫外光源の開発に共同で取り組む。 Fermi National Accelerator Laboratory “New collaboration sheds bright light on advancing semiconductor production in the U.S.” (4/4/24)

ARPA-H、免疫細胞を維持し、困難な疾病と戦うプログラムを開始

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は4月2日、「体内の免疫細胞工学(Engineering of Immune Cells Inside the Body: EMBODY)」プログラムを開始した。命にかかわる慢性的な症状の治療に革命をもたらすことを目指す。EMBODYのゴールは、健康な免疫細胞を維持し、免疫療法が開発及び実施される方法を早急に変更し、時間や費用、アクセスといった障害を排除することである。「ARPA-Hは、免疫療法を進展させ、ラボで高額に製造される形から、シンプルで手頃な費用な治療法で、重大な診断がなされてからすぐに市販が可能な治療法にできることを願っている」とARPA-Hのレニー・ウェグリジン長官(Renee Wegrzyn)は述べる。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H launches program to retrain immune cells to combat diseases” (4/2/24)

ミシガン州とアルゴンヌ国立研究所がクリーンエネルギー移行の促進で協力

ミシガン州は、エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の研究に基づく洞察を活用し、脱炭素化された輸送及び産業プロセスのための持続可能で革新的なソリューションを開発しながら経済成長を促進することを目指す。ミシガン州とアルゴンヌ国立研究所は、最先端の科学的研究を用いて、よりクリーンで対応力のあるミシガン州経済を実現することを目的として、新たなパートナーシップを結ぶ覚書(MOU)を交わした。パートナーシップは、①産業の脱炭素化、②電池製造及びリサイクル、③労働力開発、④将来のモビリティ・システム計画、という4つの分野で技術の研究、開発、実証、導入に焦点を当てる。 Argonne National Laboratory “Michigan and Argonne join forces to drive clean energy transition” (4/3/24)

エネルギー省、重要鉱物サプライチェーン強化に7,500万ドルを投資

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management)は4月2日、「重要マテリアル・サプライチェーン研究施設(Critical Materials Supply Chain Research Facility)」の開発に取り組むプロジェクトに7,500万ドルを提供すると発表した。国内のサプライチェーンを強化し、重要鉱物及びマテリアルの需要増大に対応する一助とし、信頼性の低い海外からの調達への依存を低減する。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出される。エネルギー省は、この重要マテリアル・サプライチェーン施設が、「重要マテリアル・コラボレーティブ(Critical Materials Collaborative)」など、その他の政府の継続的なイニシアチブの支援につながることも期待している。重要マテリアル・サプライチェーン施設は、重要鉱物及びマテリアルのサプライチェーンに関する課題に対処するための基幹的能力を全国に確立するもので、今回選出されたプロジェクトはその開発を支援する。国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory)が「鉱物からマテリアルのサプライチェーン施設(Minerals to Materials Supply Chain Facility: METALLIC)」プロジェクトを先導し、同プロジェクトには、他の8つのエネルギー省国立研究所が参加する。 Department of Energy “DOE Invests $75 Million to Strengthen Nation’s Critical Minerals Supply Chain” (4/2/24)

NIST、コミュニティベースのサイバーセキュリティ労働力開発に360万ドルを提供

商務省(Department of Commerce: DOC)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、サイバーセキュリティ・リスクから事業活動を保護するために必要な労働力を構築することを狙いとして、合計で約360万ドルを提供する共同契約を発注した。有技能のサイバーセキュリティ従事者不足対策に取り組む合計18件(15州)の教育及びコミュニティ組織が選出され、各約20万ドルのグラントが提供される。共同契約は、NICE(NISTが主導する産官学のパートナーシップでサイバーセキュリティの教育、訓練、労働力開発に焦点を当てている)が監督する。サイバーセキュリティ雇用市場のデータ分析ツール「サイバーシーク・ツール(CyberSeek tool)」によれば、2023年1月から2024年1月の間に約45万件のサイバーセキュリティ求人があり、この間、100件の求人に対してその職に就くことができる労働者はわずか82名であったという。今回、受益する組織は、「刺激のための地域的同盟と複数の関係機関によるパートナーシップ(Regional Alliance and Multistakeholder Partnerships to Stimulate: RAMPS)」によるサイバーセキュリティの教育及び労働力開発プロジェクトの構築に取り組む。 National Institute of Standards and Technology “NIST Awards $3.6 Million for Community-Based Cybersecurity Workforce Development” (4/3/24)

OSTP、天文標準時に関する政策を発表

遠隔の宇宙における運営体制において、時間に関する知識は、科学的発見や経済開発、国際的協力にとって根本的なものであり、宇宙における米国のリーダーシップの基盤を形成するものである。大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は4月2日、地球以外の天体やその周辺における標準時に関する米政府の政策メモを初めて通達した。これは、バイデン政権の「国家シルスナー科学技術戦略(National Cislunar Science and Technology Strategy)」を基盤とするものである。OSTPの国家安全保障担当副ディレクター(Deputy Director for National Security)は、「米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)や民間企業、世界中の宇宙当局が月や火星などへのミッションを開始する中、天文標準時を確立することは、安全と正確さのために重要である」と述べる。統一された標準時となる「協定月面時(Coordinated Lunar Time: LTC)」は、シスルナ―事業を実現するため、確立された標準時として機能し、協定世界時(Coordinated Universal Time)と連動させることができる。政策メモはまた、NASAに対して、商務(Commerce)、防衛(Defense)、国務(State)、運輸(Transportation)の各省と協力して、LTCを実践するための戦略を2026年12月31日までに策定するよう指示している。 White House “White House Office of Science and Technology Policy Releases Celestial Time Standardization Policy” (4/2/24)

エネルギー省、コミュニティ支援に向け2,700万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月4日、「エネルギー未来グラント(Energy Future Grants: EFG)」プログラムを通じて、州政府や地方自治体、部族など、40のパートナー・チームに2,700万ドルの経済的及び技術的援助を提供すると発表した。ジョージア工科大学(Georgian Institute of Technology)を視察したエネルギー省のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)が発表した。31の地方自治体、7つの州、2つの部族が資金を受益し、253の二次受益者にはその他の政府パートナー、コミュニティ利益団体、非営利組織、大学、部族事業体、中小企業などが含まれる。受益チームは、コミュニティの対応力強化や輸送及び建造物の電気化、クリーン・エネルギー・マイクログリッドの普及、社会的に恵まれないコミュニティでのソーラー開発、公平なエネルギー移行のための頑強な地域関与などの活動計画に資金を充当する。 Department of Energy “DOE Announces $27 Million to Help 40 State, Local and Tribal Communities Lead America’s Equitable and Resilient Clean Energy Future” (4/4/24)