EPA、2012年の再生可能燃料基準を最終決定

環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)は、再生可能燃料基準プログラム(Renewable Fuel Standard program: RFS2)の一部となっている4つの燃料分類について、2012年の燃料別基準値を最終決定した。2007年エネルギー自立・安全保障法(Energy Independence and Security Act of 2007: EISA)によってRFS2プログラムが発足し、年間の再生可能燃料使用目標量を2022年までに360億ガロンにまで達成することが定められている。これらの目標量を達成するために、EPAは翌年度の使用比率ベースの基準値を算出しており、これらの基準値に基づいて精製業者や輸入業者は輸送燃料として利用されるべき最低限の再生可能燃料量を決定する。2012年の基準値(目標値と使用比率)は、バイオマスベースのディーゼルが(10億ガロン、0.91%)、先端バイオ燃料が(20億ガロン、1.21%)、セルロース系バイオ燃料が(865万ガロン、0.006%)、総量が(152億ガロン、9.23%)と定められた。 EPA “EPA Finalizes 2012 Renewable Fuel Standards” (12/27/11)

サイエンス誌、慢性疲労症候群とマウス・ウイルスを関連付けた論文を撤回

サイエンス誌(Science)のブルース・アルバーツ編集長(Bruce Alberts)は2011年12月23日号で、2009年10月8日号で発表された論文(101人の慢性疲労症候群患者(chronic fatigue syndrome: CFS)の67%の血液から異種指向性マウス白血病ウイルス関連ウイルス(xenotropic murine leukemia virus-related virus: XMRV)が検出されたとして、XMRVとCFSの関連性を指摘)について、「論文の全著者が撤回に署名する可能性は低い」として著者達の承認を得ずに論文を撤回するという異例の措置を発表した。同論文の発表後、世界各地の研究者から「CFS患者からXMRVは検出されなかった」との報告が相次いだ他、厚生省(Department of Health and Human Services)の主導により、輸血用血液の分析が行われたが、ウイルスは検出されなかった。これを受けてアルバーツ編集長は論文の撤回を著者達に求めた。論文の共同研究所の1つが「汚染により研究が損なわれた」と報告したことから、著者達は部分的な撤回には同意したが、完全撤回の表現で合意に至ることができずにいた。 Science Insider “In a Rare Move, Science Without Authors’ Consent Retracts Paper That Tied Mouse Virus to Chronic Fatigue Syndrome” (12/22/11)

NIH、国立トランスレーショナル科学進展センター(NCATS)を新設

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は科学的発見を新しい医薬品や診断、機器に移行させるプロセスを加速することを目的に、国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences: NCATS)を設立した。2012年度歳出予算案が議会で承認され、大統領の署名によって法制化されたことで、5億7,500万ドルの予算を持つNCATSの設立が実現した。NCATSはトランスレーショナル科学におけるイノベーションを促進する国のハブとして機能していくことになる。NCTAS所長はまだ決まっておらず、現在、所長代理および副所長代理のリーダーシップの元、NIH内の組織再編が進められている。 NIH News “NIH establishes National Center for Advancing Translational Sciences” (12/23/11)

原子炉の新設計許可により、新原発建設への道が開かれる

原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)は12月22日、ウェスチングハウス社(Westinghouse)による「AP1000」と呼ばれる原子炉の革新的な設計を承認した。これにより、サウスカロライナ州とジョージア州で進められている合計4つの原子炉計画の建設開始に向け、道が開かれたことになる。AP1000は1,154メガワットの原子炉で、先端的受動設計を備えている。従来のモデルに比べ、重力や自然対流熱をより活用し、パンプやバルブ、技師による操作の負担が少ないのが特徴で、理論上では事故の可能性が縮小される。NRCは異例のステップとして、本許可が正式なものとなるまでに通常設けられている30日間の待機期間を適用しなかったため、約1週間で本許可は効力を発する。従来、原子炉事業には、建設許可や操業許可を得るのに長い時間と膨大なコストを要し、計画途中で断念されることが多かった。今回の新たなライセンス手続きはこうしたコストの削減を狙いとしたものである。 New York Times “Approval of Reactor Design Clears Path for New Plants” (12/22/11)

エネルギー省の研究者が遺伝子研究で画期的成果を達成

エネルギー省(Department of Energy)の合同バイオエネルギー研究所(Joint BioEnergy Institute: JBEI)は12月22日、コンピューター支援設計(computer-assisted design: CAD)を使いRNA分子の工学システムで飛躍的成果を達成したと発表した。これにより、より安価な先端バイオ燃料の開発など様々な業界で重要な発展につながる可能性がある。科学者らはこれらの新しい「RNAマシン(RNA machines)」を使い、微生物の細胞における遺伝子発現を調整することができ、例えばスイッチグラスを消化してそれらの糖を燃料へと生成する能力に優れた大腸菌の新株を作り出すことが可能となる。スティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は、「本件は、基礎科学イノベーションに対する我々の投資が未来の業界や米国の重要課題の解決策へとつながる可能性があることを示す良い例である。JBEIでの達成は、先端バイオ燃料やその他の価値ある製品の持続的生産に関する膨大な可能性を秘めている」と述べた。 Energy.Gov “DOE Researchers Achieve Important Genetic Breakthroughs to Help Develop Cheaper Biofuels ” (12/22/11)

エタノール生産用の農地増加は見られず

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)の報告書「2007年米国における主な土地利用(Major Uses of Land in the United States 2007)」によれば、米国の農地面積は2002年から2007年の間に減少しており、従来指摘されていたような「エタノール生産の増加は専用農地の増加につながる」との見方が裏付けられていないことが示された。報告書によれば農地面積は2007年までに3,400万エーカー減少し、1945年以来の最低水準となったという。全ての用地に農地が占める割合は18%で、規模としては森林(30%)、草原(27%)に次いで3番目となっている。 DomesticFuel.com “USDA Report Shows No Cropland Growth for Ethanol” (12/22/11)

MIT研究者、エネルギー・イノベーションに関する報告書発表

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)を拠点とする研究者チームがエネルギーイノベーションをもたらす手法について3年間に及ぶ研究を行い、その結果が新著「エネルギーイノベーションの解放(Unlocking Energy Innovation)」として発表された。本書は、廉価で信頼性の高いエネルギーへの需要が増大する中、これへの対応の一助となり、炭素排出を減少させ、エネルギー供給に関する不安を緩和するエネルギー・イノベーションを加速させる一連の政策及び投資戦略について詳述している。「イノベーションは何もない所から生まれない。生産的なエコシステム(官民研究所、様々な規模の企業、金融仲介業者、様々な金融機関、学校など)を作ることによって生まれる」と著書の一人は述べる。イノベーション技術がエネルギーインフラで位置づけを確立するには4つの段階があり、最初の「新技術の選択肢の発見」と最終段階の「既に商業化された技術の微調整」は比較的管理されているものの、中間の「プロトタイプから市場での実行可能性への開発」「初期導入」については、管理が十分でないと指摘している。 MIT News “How to kick-start new energy technologies” (12/22/11)

BP社、ソーラー事業から撤退へ

BP社(BP PLC)は、40年間続けてきたソーラー事業から撤退することを決定した。BPソーラー社(BP Solar)の最高経営責任者が「世界的に不透明な経済が続く中、BPグループにとり、ソーラー事業の長期的リターンを維持することが困難になってきた」との内部メールを送ったことがニュースとなり、BP社の広報担当者がこれを事実と認めた。BP社は中国からの競争を受け、近年はソーラー事業を徐々に縮小し、事業の中心を消費者向けパネルの大量製造から、少数の大規模事業へと変更してきた。現在は、残るソーラー事業の売却先を模索しているという。ただし、BP社はソーラー事業からは撤退するものの、風力やバイオ燃料などその他の再生可能エネルギーへの関心がなくなったわけではないとしている。 Wall Street Journal “BP to Exit Solar Business After 40 Years” (12/21/11)

エネルギー省、「2011年重要原料戦略」報告書を発表

エネルギー省は12月22日、「2011年重要原料戦略(2011 Critical Materials Strategy)」を発表した。これは、レアアース金属やその他の鍵となる原料が風力タービンや電気自動車、太陽電池、エネルギー効率照明などのクリーンエネルギー技術に及ぼす影響について考察したものである。同戦略は昨年初めて発表され、今回はその更新版となる。報告書では、「クリーンエネルギー技術の一部では、短期的には供給停止のリスクを抱える原料を利用しており、そのリスクは中長期的には概ね減少している」「ジスプロシウム、ネオジムなど5種類のレアアース金属は今後クリーンエネルギー技術に影響を及ぼす可能性がある」といった分析が示されている。 Energy.Gov “Department of Energy Releases its 2011 Critical Materials Strategy” (12/22/11)

エネルギー省、電気自動車用充電器のコスト削減に取り組む研究に約700万ドルを交付へ

エネルギー省(Department of Energy)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は12月21日、電気自動車用充電器のコストを今後3年間で50%削減することを目的とした研究開発活動に合計約700万ドルを交付すると発表した。受益するのは、カリフォルニア州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ペンシルバニア州に拠点を置く製造事業者で、充電機器の開発および設計の改良に取り組む。4社のうち、2社が家庭で利用される充電器のコスト削減に、2社が商業および公共施設で利用される充電器のコスト削減に取り組む。 Energy.Gov “Energy Department Awards Nearly $7 Million for Research to Reduce Costs of Electric Vehicle Chargers” (12/21/11)