大学基金の投資リターンは19%増、しかし今後も懸念は続く模様

米国大学実務者協会(National Association of College and University Business Officers)とコモンファンド研究所(Commonfund Institute)が行った大学基金投資リターンに関する年間調査結果によれば、景気低迷が続いているにもかかわらず、大学基金は2011年度も成長し、19%増の投資リターンを上げたという。これは朗報であるが、悪いニュースは、大学基金がまだ不況以前の水準から伸びていないこと、そして2012年度は環境の悪化が予想されていることである。特に、今回の調査では2011年度データとして2010年7月からは2011年6月までのものが利用されたが、欧州の債務危機が悪化し、米国の経済不振が市場の不安定な変動性をもたらしたのはその後であり、これが2012年度の運用状況に影響を及ぼす可能性が指摘されている。 The Chronicle “Endowment Returns Rise to 19%, but Trouble May Lie Ahead” (1/31/12)

ビルサック農務長官、先端バイオ燃料生産施設建設への支援を発表

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)のトム・ビルサック長官(Tom Vilsack)は1月20日、USDAのバイオ精製所支援プログラム(Biorefinery Assistance Program)を通じて、ファイバーライト社(Fiberright, LLC)のバイオ精製所建設計画に2,500万ドルの条件付き融資保証の約束を承認したと発表した。バイオ精製所はアイオワ州ブレアスタウンに建設され、自治体固形廃棄物やその他の産業パルプを先端バイオ燃料に転換したり、種とうもろこし廃棄物由来の再生可能バイオ燃料を使うなどしてセルロース形エタノールを生産する。稼動後は、年間約360万ガロンのセルロース系エタノールが生産される見込みである。ファイバーライト社では本計画により、38名の雇用が創出される他、16名の雇用が維持されると試算している。 USDA “Agriculture Secretary Vilsack Announces Support for a New Advanced Biofuel Production Facility” (1/20/12)

オバマ大統領、米国エネルギー資源の最大限活用に向けたブループリント発表

オバマ大統領は1月24日の一般教書演説で、「永続する米国経済の構築のためのブループリント(Blueprint for an America Built to Last)」を示し、安全かつ責任ある石油・天然ガス生産も含め、あらゆる有用な米国エネルギー源を活用するための手法を模索する大統領のコミットメントを強調した。1月26日になって大統領はさらにその詳細な内容を明らかにし、特に、雇用創出やエネルギー安全保障の強化、汚染の軽減につながる安全な石油・天然ガス資源の発展のため、①メキシコ湾岸における新規鉱区借用権の売り出しを行う、②安全かつ責任ある天然ガス開発を推進し、60万人以上の雇用支援を行いつつ、公共の安全・健康を確実にする、③輸送部門における天然ガスの利用拡大を奨励し、石油への依存を削減する、などの計画を挙げた他、クリーンエネルギーへのコミットメントとして、①クリーンエネルギー源による電力のシェアを2035年までに2倍にする、②的を絞った税優遇措置によりクリーンエネルギーを支援する、などを目標として示している。 White House “President Obama’s Blueprint to Make The Most of America’s Energy Resources” (1/26/12)

米国科学アカデミー、執行幹部にカリフォルニア大学の研究所管理担当副学長を選出

米国科学アカデミー(National Academy of Sciences: NAS)は、NASおよびその運営部門である米国研究評議会(National Research Council: NRC)の日常業務を管理する執行幹部として、カリフォルニア大学(University of California: UC)で研究所管理を担当するブルース・ダーリング副学長(Bruce Darling)を選出したと発表した。ダーリング副学長は1980年からUCシステムに勤め、一時国家安全保障漏洩問題や管理ミスを巡って不安定になっていたエネルギー省との関係修復で主要な役割を果たした。 ScienceInsider “National Academy Picks UC Administrator for Top Staff Job” (1/27/12)

連邦委員会、核燃料廃棄物の恒久貯蔵に関する戦略の早期確立を要請

オバマ大統領が創設した「米国原子力の未来に関するブルーリボン委員会(Blue Ribbon Commission on America’s Nuclear Future)は1月26日、2年に及ぶ審議を経て報告書を発表し、「米国は、国内の核燃料廃棄物の恒久処理施設を少なくとも1つ確立するために、早急に戦略を立てるべきである」と要請した。現在、約65万トンの使用済み核燃料が全国75カ所の原子炉に貯蔵されている。従来、核廃棄物処理施設の候補としてネバダ州ユッカマウンテンが挙げられ、長年議論が続いていたが、オバマ大統領はこの建設計画を断念することを決定している。ブルーリボン委員会は、この大統領の決定については言及していない。報告書は、核廃棄物管理の責を負う独立機関の新設も勧告している。 The Hill “Federal commission urges permanent nuclear waste storage strategy” (1/26/12)

カリフォルニア州、無公害車の販売数増加を義務付け

カリフォルニア州大気資源委員会(California Air Resources Board)は1月27日、自動車メーカーに対して2025年に合計約140万台の無公害車(電気自動車、プラグイン・ハイブリッド、水素自動車など)を製造するよう義務付ける規制(基準)を採択した。州の分析によれば、これは1996年から2010年までに販売された車の40倍以上となる。ニューヨーク州やニュージャージー州などその他10州も同様の基準を採択する計画であることから、新基準が自動車市場にもたらす影響は大きい。規制の対象となるのは当初は日米の自動車メーカー6社であるが、2018年からは上位12社に拡大され、ドイツや韓国のメーカーも含まれる。新たな規制では石油メーカーに対して、既存のガソリンスタンドに水素供給施設を導入することも義務付けている。 BusinessWeek “California Orders Automakers to Sell More Nonpolluting Cars” (1/27/12)

ハーバード大学と民間VCが学生スタートアップを対象とするベンチャーファンドを設立

ハーバード大学(Harvard University)は、グルーポン社(Groupon)に投資したことで知られるベンチャーキャピタル(VC)企業、ニュー・エンタープライズ・アソシエイツ社(New Enterprise Associates)と共同で、学生によるスタートアップ企業への投資(シード段階)を目的としたベンチャーファンド「エクスペリメント・ファンド(Experiment Fund)」を立ち上げると発表した。エクスペリメント・ファンドは、マサチューセッツ州ケンブリッジで学ぶ学生あるいは同地で開発された技術を対象に、情報や医療ケア、エネルギー技術の分野で最大25万ドルの投資を行う計画である。 BusinessWeek “Harvard Joins Groupon Investor to Finance Student Startups” (1/27/12)

連邦CTOが辞任、バージニア州副知事に立候補の見込み

大統領府初の最高技術責任者(chief technology officer:CTO)であるアニーシュ・チョプラ氏(Aneesh Chopra)が2月8日付けで辞任することが明らかになった。辞任後はバージニア州リッチモンドに戻り、来年の選挙でバージニア州副知事に立候補する見込みである。チョプラ氏は長年にわたりバージニア州議会選への立候補に関心を示しており、民主党活動家の支援を集めてきた。また、辞任後は、ティモシー・ケイン元バージニア州知事(Timothy M. Kaine)の上院選出馬とオバマ大統領の再選活動という、2人の元上司の選挙を支援することが可能となる。 Washington Post “Aneesh Chopra, White House technology chief, expected to run for Va. lieutenant governor” (1/27/12)

エネルギー省、「米国の次のトップ・エネルギー・イノベーター」への一般オンライン投票受付を開始

エネルギー省は1月26日、「米国の次のトップ・エネルギー・イノベーター・チャレンジ(America’s Next Top Energy Innovator Challenge)」への一般オンライン投票を開始した。これは、スタートアップ企業が国立研究所で開発された技術や発見を元に立ち上げる新事業を競うもので、国民によるオンライン投票と専門家による評価を受け、新製品や新産業、新雇用を創出する可能性が高く有望とみなされた企業は、2月下旬に行われるARPA-Eエネルギー・イノベーションサミット(ARPA-E Energy Innovation Summit)で紹介される。オンライン投票の対象となるのは14社で、投票は2月6日で終了する。 Energy.Gov “Online Voting Begins for “America’s Next Top Energy Innovator”” (1/26/12)

エネルギー省、2013年ソーラー・デカスロンの参加チーム及び新会場を発表

エネルギー省のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は、2013年のソーラー・デカスロン(Solar Decathlon)に参加する米国内外20の大学チームを発表した。ソーラー・デカスロンは、2年間にわたって行われるコンペで、参加チームは価格や消費者アピール、設計といった面に優れた、太陽光発電式エネルギー高効率の住宅建設に取り組む。参加チームは、設計やエネルギー生産のための工学、暮らしやすさなど10の部門で評価され、勝者が選出される。また、ソーラー・デカスロンはこれまで、ワシントンDCのナショナル・モール(National Mall)で行われてきたが、2013年はオレンジ郡グレートパークにおいて開催されることも同時に発表された。 Energy.Gov “Energy Department Announces Student Teams, New Location for Solar Decathlon 2013” (1/26/12)