合成生物学のガバナンス向上に向けたスコアカード発表

ウッドロー・ウィルソン・センター(Woodrow Wilson Center)の合成生物学プロジェクト(Synthetic Biology Project)は2月8日、合成生物学の研究開発におけるガバナンス向上に向けて行われている連邦政府及びそれ以外の取り組みを追跡することを目的として、ウェブベースの「合成生物学スコアカード(Synthetic Biology Scorecard)」を発表した。これは、「バイオ倫理問題に関する大統領研究委員会(Presidential Commission for the Study of Bioethical Issues)」が2010年12月に発表した報告書「新たな方向性:合成生物学及び新興技術の倫理(New Directions: The Ethics of Synthetic Biology and Emerging Technologies)」で示した勧告の実践に向け、その進展状況をモニタリングするものである。スコアカードではまた、大統領委員会が示した目標達成に向け、幅広い関係者の参加を奨励するほか、勧告や取り組みに関するパブリックコメントを求めていくという。 Synthetic Biology Project “The Governance of Synthetic Biology” (2/8/12)

エネルギー省、先端電池・エネルギー貯蔵に特化したイノベーション・ハブを立ち上げへ

エネルギー省(Department of Energy)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は2月7日、電池及びエネルギー貯蔵の先端研究を行う新たなエネルギー・イノベーション・ハブ(Energy Innovation Hub)を立ち上げる計画を発表した。5年間で最高1億2,000万ドルの投資が予定されている。同ハブでは、輸送及び電力グリッド向けの電気化学的エネルギー貯蔵に関する学際的研究開発の加速に重点が置かれる。大学や国立研究所、非営利組織、民間企業が応募することができ、第1次応募期限は3月1日、最終的な申請の期限は5月31日となっている。エネルギー省によるイノベーション・ハブ公募は本件で4件目となる。 Energy.Gov “Energy Department to Launch New Energy Innovation Hub Focused on Advanced Batteries and Energy Storage” (2/7/12)

NIST、サイバースペースにおける信頼できるIDの強化のためのパイロット・プロジェクトに資金提供へ

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は2月1日、相互運用が可能で信頼性の高いオンライン認証情報システムの向上につながるパイロット・プログラムに、合計約1,000万ドルを提供するコンペを発表した。このコンペは、民間セクターやアドボカシー団体、公的機関、その他と協力してオンライン取引におけるプライバシーやセキュリティー、利便性の強化を目指す大統領府のイニシアチブ「サイバースペースにおける信頼性のあるアイデンティティのための国家戦略(National Strategy for Trusted Identities in Cyberspace: NSTIC)」の全国プログラム局(NISTが主催)によって行われる。告知によれば、NISTは5~8件のプロジェクトに対して年間125万~200万ドルの資金を最高2年間交付する計画である。また、申請提案に含まれる技術や手法の可能性として、①認証情報の迅速な正当化を行うためのアイデンティティハブの構築、②消費者に対して、ユーザーIDやパスワードの代わりに信頼できる認証手法を利用するようインセンティブを提供する、などが挙げられている。 NIST ” NIST to Fund Pilot Projects that Advance Trusted Identities in Cyberspace” (2/1/12)

インドの再生可能エネルギー投資、2011年に記録的増加

ブルームバーグ新エネルギー金融(Bloomberg New Energy Finance: BNEF)が2月2日に発表した分析によれば、インドのクリーン技術は2011年に103億ドルを調達し、前年比52%増という記録的増加を見たという。その中心は、太陽光発電への投資で2010年の6億ドルから2011年は42億ドルと7倍になった。一方の風力エネルギーへの投資は46億ドル(2011年)であった。2011年には2,827メガワットの風力発電能力が導入され、新設備導入規模においては中国、米国に次いでインドが3位となっている。BNEFでは、2012年に更に2,500~3,200メガワットの風力発電能力が導入される可能性があると見ている。一方、グリッド接続された太陽光発電も、2010年の18メガワットから2011年末までに277メガワットに増加した。 Guardian Environment Network “India records world-beating green energy growth” (2/3/12)

カリフォルニア州、2011年には電力の約5%を風力エネルギーから供給する見込み

カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)の統計によれば、2010年における同州の電力の大半(42%)は天然ガスによるもので、次いで原子力と水力発電となっており、風力は4.7%となっている。一方、カリフォルニア風力エネルギー協会(California Wind Energy Association: CalWEA)が2月7日に発表したところによれば、2011年には921メガワットの風力発電能力が州内に導入されたことから、この割合が5%に達する見込みであるという。この5%というのは長年目標とされてきた数値であり、カリフォルニア州にとって節目となるとみられる。カリフォルニア州は、2020年までに電力の33%を再生可能源から調達するという野心的な目標を設定している。 PHYSORG.COM “California hits wind energy milestone: About 5 percent of power from wind” (2/7/12)

PCAST、STEM分野の大学卒業生100万人増加に向けた報告書を発表

米国が現在の科学・技術・工学・数学(STEM)分野での卓越性を維持するためには、今後10年間でSTEM専門職を現行予測よりも約100万人増やす必要があるというのが経済学者の間のコンセンサスであるが、これを達成するためには、STEM分野の学士卒業生を現行水準よりも約34%増やす必要がある。一見すると大変な作業のように見えるが、これは現在のSTEM専攻学生が専攻を続けるよう維持率を高めることで実現可能である(具体的には、現在、STEM分野を専攻する意向で大学に入学した学生が実際にSTEM分野の学位を取得して卒業する割合は40%であるが、これを50%に高めることで目標の75%を達成できる試算)。大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)が作成した報告書「卓越への取り組み:STEM分野の学位を取得する大学卒業生を100万人増加する(Engage to Excel: Producing One Million Additional College Graduates with Degrees in Science, Technology, Engineering, and Mathematics)」は、STEM専攻学生を維持することは、STEM専門職を増加する上で、低コストかつ最速の政策選択肢であると結論づけている。そしてこれを実現するための方策として、①大学における最初の2年間のSTEM教育を向上させる、②全ての学生に卓越のために必要なツールを提供する、③STEM学位取得のための道を多様化する、といった点を勧告している。報告書はまた、STEM教育に関する大統領評議会(Presidential Council on STEM Education)を発足させるよう要請している。 White House “ENGAGE TO EXCEL: PRODUCING ONE MILLION ADDITIONAL COLLEGE GRADUATES WITH DEGREES IN SCIENCE, TECHNOLOGY, ENGINEERING, AND MATHEMATICS” (2/7/12)

オバマ政権、アルツハイマー病研究支援を拡大

オバマ政権は2月7日、アルツハイマー病対策の新たな取り組みとして、最先端の同疾病研究に5,000万ドルを即時用意すると発表した他、2013年度予算でアルツハイマー病研究への資金を8,000万ドル増額することを発表した。更に、介護者支援やサービス提供者教育、社会的認識の向上、データインフラの改良を目的として、新たに2,600万ドルを充当するともしている。オバマ大統領は2011年1月に、全国的なアルツハイマー病対策計画の策定を求めた「米国アルツハイマー病プロジェクト法(National Alzheimer’s Project Act)」に署名しており、現在、「全国アルツハイマー病計画(National Alzheimer’s Disease Plan)」の枠組み作りが行われている。同計画では現在、2025年までに同疾病の予防法や治療法を確立することなどが鍵となる目標として挙げられている。 National Institute on Aging “We can’t wait: Administration announces new steps to fight Alzheimer’s disease” (2/7/12)

スタンフォード大学、寄付金獲得キャンペーンで過去最高の62億ドルを調達

スタンフォード大学(Stanford University)の発表によれば、5年間に亘って実施した寄付金獲得キャンペーン「スタンフォード・チャレンジ(Stanford Challenge)」が12月31日で終了し、62億ドルを調達したという。これは、当初の目標(43億ドル)を大きく上回り、大学による単一の寄付金獲得キャンペーンとしては過去最高額となる。これらの寄付金は、構内建造物の新改築や大学生向けの奨学金制度など、様々な事業に充当される。これまでに終了している大学の寄付金獲得キャンペーンで最高額を集めたのは、エール大学(Yale University)の38億8,600万ドルとなっている。 The Chronicle “Stanford Campaign Brings In $6.2-Billion, a Record for Higher Education” (2/8/12)

科学特使がベトナム訪問へ

リタ・コルウェル米国科学特使(Rita Colwell、U.S. Science Envoy)が2月4日から11日までベトナムを訪問する。今回の訪問で、コルウェル特使は、政府高官、科学や教育、非営利団体、財界の代表者と会談し、世界の公衆衛生や気候変動、科学における女性や若者について議論する。科学特使プログラムはオバマ大統領が2009年6月4日にカイロで発表したもので、以来、6名の米国科学者が科学特使として17カ国を訪問している。コルウェル特使は、元国立科学財団(National Science Foundation: NSF)所長で、現在はコスモスID社(CosmosID)の社長兼最高経営責任者、メリーランド大学(University of Maryland)とジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院(Johns Hopkins University School of Public Health)の栄誉教授を務めている。また、日本から旭日重光賞を授与されるなど、多くの賞を受賞している。 U.S. Department of State “Science Envoy Travels to Vietnam” (2/6/12)

FAA再承認法案可決、NextGen移行に弾み

上院は2月6日、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)の承認法案(4年間で630億ドル)を通過させた。これによりFAAは2015年まで連邦航空プログラムを更新・延長することが可能になる。下院は3日に同法案を可決しており、オバマ大統領も法案に署名する見込みである。FAAは、承認法が2007年に失効して以来、23回にわたる暫定予算措置によりその活動を継続してきた。今回可決された再承認法案により、空港建設や拡大、無人飛行の利用拡大などが行われる他、「NextGen」と呼ばれるGPS衛星ナビゲーション技術への移行がスピードアップされる。一方で、同法案には新労組結成のための条件が厳格化され、乗客保護条項が盛り込まれていないことなどから、労働関係者や一部の民主党議員から批判が寄せられている。 New York Times “Bill Financing F.A.A. Passes, Ending Years of Stopgap Steps” (2/6/12)