チュウ・エネルギー長官、2013年度予算について詳細を説明

スティーブン・チュウ・エネルギー長官(Steven Chu)は、2月13日、エネルギー省の2013年度予算案(272億ドル)の詳細を説明した。それによれば、同省の2013年度予算の特徴として、①クリーン・エネルギー技術の研究・開発・導入につながる先端研究への投資、②太陽光発電の費用を75%削減し、10年以内に政府助成なしで価格競争的とすることで米国民が手頃な価格で利用できるようにする努力の推進、③2025年までに石油への依存度を3分の1削減するためのオバマ政権の取り組みの継続、などが挙げられた。チュウ長官はまた、予算案の注目点として、①エネルギー貯蔵システムの研究及び新たな電池貯蔵手法の考案に6,000万ドル、②原子力エネルギーに7億7,000万ドル、③先端化石燃料システム及び炭素捕獲の研究開発に2億7,600万ドル、④エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy:ARPA-E)に3億5,000万ドルなどを指摘している。 Energy.Gov “Chu: President’s 2013 Energy Budget Makes Critical Investments in Innovation, Clean Energy, and National Security” (2/13/12)

オバマ大統領、予算教書で連邦研究費の1%増を要請

オバマ大統領は2月13日、2013年度の予算教書を発表した。それによれば、エネルギー省の科学局(Office of Science)の予算は2,4%増の50億ドルとなる一方、国立科学財団(National Science Foundation: NSF)は約5%増の73億7,000万ドル、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は13%増の8億6,000万ドルとなった。これらの3機関は、ブッシュ前大統領が2006年に、「10年間で予算を倍増する」と発表し、オバマ大統領と議会もこの考えに支持を表明していたもので、その点では、エネルギー省科学局の予算増加率はNSFやNISTに遅れを取ることになる見込みである。またオバマ大統領は、全体的な連邦研究支出を1%増の1,400億ドルとすることを要求している。 ScienceInsider “Obama Budget Asks for 1% Boost in Research” (2/13/12)

エネルギー省、マテリアル・ゲノム・イニシアチブの一環として1,200万ドルのプログラムを発表

エネルギー省(Department of Energy)の基礎エネルギー科学プログラム(Basic Energy Sciences program)は、「マテリアル・ゲノム・イニシアチブ(Materials Genome Initiative: MGI)」の一環として、先端研究プロジェクトに1,200万ドルを充当する新プログラムを発表した。この新プログラムは、先端マテリアル向けのイノベーション・インフラを強化するためには、新規かつユーザーフレンドリーなソフトウェアツールやデータ標準、そして実験的に効果が証明されているモデリング・パラダイムが必要とされていることを背景とするものである。エネルギー省は、資金をソフトウェア・イノベーション・センターや小規模なグループによる研究プロジェクト、既存の研究活動を接合して学際的プロジェクトへとつなげるための資金として充当する計画である。 White House “DOE Announces $12 Million in Support of the Materials Genome Initiative” (2/10/12)

チュウ長官、「米国の次のエネルギー・イノベーター・チャレンジ」の勝者を発表

エネルギー省のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は2月10日、「米国の次のエネルギー・イノベーター・チャレンジ(America’s Next Top Energy Innovator challenge)」の勝者として、アイオワ州のIPAT社、オレゴン州のアンプクア・エネルギー社(Umpqua Energy)、メリーランド州のボルベック・マテリアル社(Vorbeck Materials)を選出したと発表した。同チャレンジは、国立研究所で開発された特許技術を元に新規事業を行うベンチャー企業の有望性を競うもので、選考に残った14社に対して、一般オンライン投票と専門家による評価が行われ、最終的な勝者として上述の3社が選出された。またエネルギー省は先週、第2回目となる「米国の次のエネルギー・イノベーター・チャレンジ」の開始を発表した。 Energy.Gov “Secretary Chu Announces Winning Startup Companies for “America’s Next Top Energy Innovator” Challenge” (2/10/12)

NOAA、過去の気候の追跡記録作業を中止へ

国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)は、19世紀まで遡って大気の変化を1時間ごとに追跡し再構築するという取り組みを中止することを決定した。「20世紀の回顧分析(20th Century Reanalysis:当初は、「20th Century retrospective analysis」と呼ばれていた)」と呼ばれるこの取り組みは、1930年代のダスト・ボウル(Dust Bowl:米国中南部の大草原地帯が砂塵嵐の被害を受けた)や1920年代及び30年代の北極圏における異例の暖かさなど、歴史的な天候事象の原因をより良く理解するために広く活用されていた。回顧分析は2013年まで行われる計画であったが、NOAAの気候プログラム局(Climate Program Office)の大幅な予算減少を受け、中止が決定された。 Scientific American “NOAA Halts Reconstruction of Past Climate” (2/10/12)

「エネルギー省の融資保証プログラムは監督の強化が必要」との報告

エネルギー省による代替エネルギープロジェクトへの融資保証プログラムに関して、2月10日に発表された監査報告書によれば、今後のリスクを縮小するため、同プログラムはより厳しい金融監督と受益者に対するより厳しい成果基準の設定が必要であるという。この報告書は昨年、エネルギー省から融資保証を受けたソリンドラ社(Solyndora)がその後破綻し、オバマ大統領が10月に同プログラムを見直すよう命令したことを受けて実施されたもので、元金融会社幹部で財務省高官を務めたハーバート・アリソン氏(Herbert M. Allison Jr.)が作成した。報告書では、これまでにエネルギー省の2つのプログラムの下で実施された30社に対する合計243億ドルの融資保証のうち、最高30億ドルが回収できない可能性があるという。議会はこれらのプログラムを設置するにあたり、損失の可能性として100億ドルを用意していた。大統領府報道官はこの報告書を受けて、「損失予測は議会の予想を下回っており、全体としては十分な成果を示す融資ポートフォリオであることを正当化するものである」と述べている。 New York Times “Energy Loan Oversight Is Needed, Audit Finds” (2/10/12)

GE社、研究開発・イノベーション努力を強化

ゼネラル・エレクトリック社(General Electric: GE)は、イノベーションへのアプローチを強化しており、特にモバイル・アプリケーションやソーシャルメディアの技術開拓に力を入れるようになっている。GE社の首席マーケティング責任者であるベス・コムストック氏(Beth Comstock)によれば、同社はここ4年間で社内研究費を31%増加させ、製品技術に2000年以来500億ドルを支出しているという。GE社による研究開発取り組みの強化は、第三機関と協力して製品開発に取り組む「オープン・イノベーション」や、中国やブラジル、ドイツ、インド、米国における研究開発センター間の協力を深める取り組みなどに見られる。また、イノベーションの新たな方向性として、スマートフォンやタブレットのアプリ開発に見られるような、デジタル・コネクティビティへ向けた取り組みが挙げられる。更に、ソーシャルメディアも、GE社の戦略目的を達成する上で重要な役割を担いつつある。 WARC “GE modifies R&D tactics” (2/10/12)

国防総省とEPAが持続可能性への取り組みでパートナーシップ

国防総省(Department of Defense)のドロシー・ロビン軍事基地・環境担当副次官(Dorothy Robyn, deputy under secretary of defense for installations and environment)と環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のポール・アナスタス長官補佐(Paul Anastas, assistant administrator)は2月8日、持続可能性のある米国軍事基地を米国内外に作ることを支援すべく、共同で技術の開発及び導入に取り組むパートナーシップの提携で合意し、覚書に署名した。この覚書により、国防総省とEPA研究開発局(Office of Research and Development)の科学者や工学者は、国防総省の持続可能性に関するビジョンの達成を目指してツールや技術の開発及び実証を行うことになる。 U.S. Department of Defense “Installation Sustainability Agreement Signed” (2/8/12)

カリフォルニア州エネルギー委員会、研究プロジェクトに約200万ドルを交付へ

カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)は2月8日、公共利益エネルギー研究(Public Interest Energy Research: PIER)プログラムを通じて、2つの研究プロジェクトに合計198万3,355ドルを交付した。一つは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California at Los Angeles)によるカリフォルニア持続可能コミュニティ・センター(California Center for Sustainable Communities)に190万ドルが交付される。同センターは、より良いコミュニティ設計や総合的な土地利用、輸送慣行から得られる省エネの可能性について研究を行う。もう一つの受益機関は、カリフォルニア州立大学サクラメント校(California State University, Sacramento)で、州内のスマートグリッド雇用のための労働力研修に重点を置いた研究活動に8万3,355ドルが提供される。 California Energy Commission “Energy Commission Awards Almost $2 Million For Research Projects” (2/8/12)

原子力規制委員会(NRC)、1978年以来初となる原子力新設を承認

原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)は2月9日、ジョージア州アトランタを拠点とするサザン・カンパニー社(Southern Co.)が申請していた同州オーガスタ近郊のヴォーグル原子力発電所(Plant Vogtle)に原子炉を2基新設する計画を承認した。NRCが原子炉新設を承認したのは30年ぶりとなる。委員の採決結果は4対1で、反対票を投じたグレゴリー・ヤツコ委員長(Gregory Jaczko)は、「2011年3月の福島における原発事故を受けて指摘された安全面での改正を実施するというサザン・カンパニー社の約束を得ずに、承認することはできない」と述べた。新たな原子炉は2016年と2017年に操業開始の予定である。一方、9つの環境保護団体が、「本件の判断は性急に行われ、福島での原発事故の教訓が取り入れられていない」として連邦裁判所に提訴する計画である。 USA Today “Nuclear agency approves first nuclear reactors since 1978” (2/10/12)