内務省、オフショア掘削監督部門の予算が増加

2013年度予算教書で、内務省(Department of Interior)全体の予算はわずか1%増となったものの、石油や天然ガス資源のオフショア掘削監督及び開発を行う部門は大幅な増加となった。海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management)と安全・環境取締り局(Bureau of Safety and Environmental Enforcement)の2013年度予算は合計で3億8,600万ドルとなり、現行予算に比べて約2,800万ドルの増加となる。2010年におけるBP社の原油流出事故を受け、内務省は石油ガス資源のオフショア開発に対する監督体制を再編し、旧鉱物資源管理部(Minerals Management Service)をリース及び環境評価を行う部署と掘削事業の許認可・検査・安全問題を担当する部署に分けられた。オバマ政権はまた、予算教書の中で石油・ガス会社に対する税優遇措置を終了するよう再度要請しているが、この措置の廃止は議会の反対もあり長年に亘って未解決となっている。 Government Executive “Interior budget boosts oversight of offshore drilling” (2/13/12)

オバマ政権、連邦IT予算を削減

オバマ政権は2013年度予算教書の中で、IT支出を1.2%減の78億9,000万ドルとした。その中心は国防総省(Department of Defense)における削減である。オバマ政権は、クラウドコンピューティングやモバイル機器の利用を通じて政府の効率性を強化すると同時に、IT関連支出の抑制に取り組んでいる。予算教書によれば、IT関連支出は、2001年から2009年まで平均して毎年7.1%増加していたが、2009年から2013年までは実質的に横ばいとなっているという。国防総省のIT関連予算は3.6%減となる一方、非軍事主要機関における同支出は1.1%増となる。シスコ・システムズ社(Cisco Systems Inc.)のインターネット・ビジネス・ソリューション・グループ(Internet Business Solutions Group)のディレクターは、「予算教書は、現在進行中のイニシアチブに対するコミットメントを示すもので、IT会社にとっては朗報である」とした上で、注目分野として、クラウドコンピューティング、データセンターの統合、サイバーセキュリティ、モバイル技術を挙げた。 BusinessWeek “Obama Budget Calls for Cuts in Spending for U.S. Technology” (2/13/12)

国防総省、2013年度予算では全体予算が縮小の中、研究費は増加

国防総省(Department of Defense)全体の2013年度予算案は約50億ドルの削減となる中、鍵となる研究プログラムは例外となっている。大学研究を支援する基礎研究は2012年度の21億1,200万ドルから21億1,700万ドルへと僅かながら増加する。国防高等研究事業局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)の予算も28億1,600万ドルから28億1,700万ドルに増加する見込みである。また政権は、紛争に関する革新的な社会科学プログラム、ミネルバ(Minerva)の予算を750万ドルから1,600万ドル以上と倍増するよう要請している。 ScienceInsider “Basic Research Gets A Pass at Pentagon” (2/13/12)

エネルギー省2013年度予算案、融合・核物理学・素粒子物理学に打撃

エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)の予算は、2.4%増の49億9,200万ドルとなり、これは朗報となった。しかし、クリーンエネルギーやエネルギー向け先端マテリアル、先端バイオ燃料、高性能科学コンピューティングといった研究分野は予算増となった一方で、科学局にある6つの主要研究プログラムのうち、融合、核物理学、素粒子物理学は破壊的な予算減の可能性に直面している。一番大きな変化は、国内融合プログラムの資金の一部を国際融合プロジェクトITER(国際熱核融合プロジェクト)への拠出金増加に充当することである。このため、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)にある「Alcator C-Mod」核融合実験装置の停止などが実施される。また核物理学プログラムの予算は3.6%減の5億2,700万ドルとなる。今後も横ばい予算が続くと予測されていることから、核物理学プログラムが抱えている3つの主要プログラムのうち一つを近いうちに犠牲にすることを余儀なくされるかもしれない。高エネルギー物理学の予算は更に厳しい。主に粒子衝突を通じて基本素粒子の研究を行うための予算は1.8%減の7億7,700万ドルとなる。僅かな減少のように見えるが、米国における最後の素粒子物理学研究所、フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)に重大な影響を及ぼす可能性がある。 ScienseInsider “At DOE, Body Blows to Fusion, Nuclear Physics, and Particle Physics” (2/13/12)

CDCの2013年度予算案は前年度比微増にとどまる

厚生省所轄の疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の2013年度予算は、3,900万ドル微増の112億ドルとなった。全体予算の半分以上は裁量予算以外によるもので、裁量予算は57億ドル(過去2年間の水準)から50億ドルに減少する。全体予算のほぼ43億ドルが子供への予防接種を行う義務的プログラムに充当される。一方、CDCはオバマ大統領の医療ケア法案を通じて設立される「予防基金(Prevention Fund)」から9億300万ドルを得ることになっている。 ScienceInsider “Mixed Numbers at CDC” (2/13/12)

2013年度予算:EPA、USDA、USGSの研究予算に朗報

大統領の2013年度予算教書において、科学は複数の機関で優遇されている。環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の全体的な予算は94億ドルから89億ドルに減少したものの、EPAの科学技術(Science & Technology)は1.5%増の8億700万ドルとなった。これは、過去2回の予算教書で大統領が予算減を要請したことを考えるとかなり良い展開である。EPAは、優先分野として、天然ガスのためのシェール岩の水圧破砕に関する研究、環境により優しい化学の設計に関する研究、気候変動科学を挙げている。農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)は全体で3%増となり、政権は今年も競争的農業研究への意欲を示している。競争的研究は昨年同様、23%増となり、これによって農業・食品研究イニシアチブ(Agriculture and Food Research Initiative: AFRI)の予算は3億2,500万ドルとなる。対照的に、ランドグラント大学(land grant universities)へ助成を行うプログラムが1.2%削減された他、内部研究部門である農業研究サービス(Agricultural Research Service)は微増となった。米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)も同様で、全体の予算は3%増となったが、研究開発部門は8%増加した。天然ガスの水圧破砕の環境及び健康への影響に関する研究や、自然災害の軽減に関する研究予算が増加した。 ScienceInsider “Good News for Research Funding at EPA, USDA, USGS” (2/13/12)

NOAAの2013年度予算は3%増

2月13日に発表された大統領の2013年度予算教書で、国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)の予算は3%増の50億6,000万ドルとなった。NOAAの主要衛星プログラムの予算は8%増の20億400万ドルとなり、同プログラムは概ね順調といえる。またNOAAの主要研究部門である海洋大気研究(Oceanic and Atmospheric Research: OAR)局も全体で7%増の4億1,380万ドルとなり、競争的気候研究及び観測プログラムの予算は21%も増加した。一方、海洋保護ネットワークや河口研究準備金を含む国立海洋サービス(National Ocean Service: NOS)の予算は4%減の4億5,850万ドルとなるなど、多くの海洋研究及び保護プログラムの予算が削減された。 ScienceInsider “Turbulence for Oceanic and Atmospheric Research” (2/13/12)

ハリケーンが海上風力発電にとり脅威となる可能性

エネルギー省(Department of Energy)は、2030年までに電力需要の20%を風力発電とする目標を立てており、その6分の1は浅水域のオフショアに建設される風力発電所のタービンから供給される見通しとなっている。カーネギー・メロン大学(Carnegie Mellon University)の科学者らが、現在建設が予定されている4件の海上風力発電所を対象に、ハリケーンが風力タービンにもたらすリスクについてモデル調査を行ったところ、予定されているタービンのほぼ半分が20年間の耐用年数の間に破壊される可能性があるという。特に、テキサス州ガルベストン近郊に建設が予定されている海上風力発電所は最もリスクが高いという。 UPI “Hurricanes seen as threat to wind farms” (2/13/12)

NIHの2013年度予算は横ばい

2013年度予算教書で国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の予算は現行(308億6,000万ドル)と変わらずとなった。NIHを構成する27機関の多くの予算は横ばいであるが、NIH高官の説明によれば、「優先付け」のために資金の移行が行われるという。具体的には、国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences: NCATS)の予算を6,400万ドル増加(11%増)するために、内部開発アワード(Institutional Development Awards: IDeA)予算を5,100万ドル、全米子供調査(National Children’s Study)予算を2,800万ドル、それぞれ削減する計画である。予算が横ばいの中でより多くのグラントを実施するため(新規グラントは8%増とすることを目標)に、新たなグラント管理方針(継続グラントは2012年度水準から1%削減される他、新たなレビュー体制が取られるなど)が導入される。それでもグラント採択率は過去最低水準だった今年から僅かに上昇する見込みに過ぎない。また、新規グラントは増えるものの、グラントの全体的な受益件数は実際には減少するとみられる。 ScienceInsider “A Flat Budget for NIH in 2013” (2/13/12)

NISTの2013年度予算は13%増

オバマ大統領の2013年度予算教書で勝者の一つは、米国標準技術局(NIST)で、NISTの予算は14%(1億620万ドル)増の8億5,700万ドルとなった。予算増の半分以上が製造技術の改良を意図したプログラムに充当される。具体的には、予算増の大半(8,100万ドル)がNISTの科学技術研究サービス(Scientific and Technical Research and Services: STRS)に拠出され、その半分以上が5つの計測学イニシアチブ(生物学的製品やナノ製造、マテリアル・ゲノム・イニシアチブへの支援を狙いとしたプロジェクトを含む)へ充当される。また、新たに4つのセンター・オブ・エクセレンスが競争的に選出される計画で、これに2,000万ドルが割り当てられている。これ以外にも、法医科学プログラムや通信ネットワーク・プログラムの予算がほぼ2倍増となる他、自然災害リスク削減に関する研究の予算が500万ドル増の600万ドル、サイバーセキュリティ・イニシアチブ予算が800万ドル増の2,450万ドルなどとなっている。 ScienceInsider “At NIST, 14% Budget Increase Would Measure Up Nicely” (2/13/12)