NSFの小委員会、NSFに機器への投資強化を要請

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の「2022年マテリアル小委員会(Materials 2022 subcommittee)」は8月16日に公表したマテリアル科学に関する勧告書(advisory report)の中で、「NSFは多くの研究者が利用できるよう新規機器への投資を拡大すべきである」と勧告している。2022年マテリアル小委員会は、「NSFのマテリアル研究局(Division of Material Research: DMR)は中規模施設(50万~500万ドルの初期投資が必要とされる施設)への投資を怠っているのではないか」という懸念が指摘されたことを受け、召集された。なお、報告書は、機器へのアクセス拡大が成功している事例として、国家ナノテクノロジー・インフラストラクチャー・ネットワーク(National Nanotechnology Infrastructure Network: NNIN)を紹介している。 Nature News Blog “Panel urges NSF to boost instrument investment” (8/17/12)

GAO、「EPA規則は一部の地域で電気代上昇を招く見込み」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が8月16日に発表した報告書「EPA規則と電力:当局のより良い監視で潜在的問題への取り組み努力が強化される可能性(EPA Regulations and Electricity: Better Monitoring by Agencies Could Strengthen Efforts to Address Potential Challenges)」によれば、石炭火力発電所に対する環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の4件の規制を受け、より旧式の発電所が(設備の改良ではなく)閉鎖すると予想される南部や中西部など一部の地域で電気代が上昇する見込みであるという。報告書によれば、多くの企業が大気汚染物質の削減を狙いとしたEPAの2件の規則を遵守するために、旧式の石炭火力発電施設を改良して新設備を備え付けると予想される他、全国で2~12%の火力発電能力が閉鎖される見通しであるという。GAOはEPAによる規則4件について影響を分析しており、今回はそのうち2件が調査完了となっている。GAOはまた、EPAが関連省庁と協力して業界の遵守状況を監視する正式なプロセスを開始するなど、幾つかの勧告を行っている。 Bloomberg BNA “EPA Rules Could Raise Electricity Costs, But Only in Some Regions, GAO Report Says” (8/17/12)

カリフォルニア州で地熱エネルギー協会サミットが開催される

カリフォルニア州で8月上旬に、地熱エネルギー協会(Geothermal Energy Association)のサミットが開催され、地熱発電の売電契約(power purchase agreements: PPA)の復活及び、カリフォルニア州内における新たな配電線の必要性が議論の中心となった。カリフォルニア州では地熱発電事業者との売電契約が約1年にわたって低迷しており、地熱エネルギー協会はその再活性化に向けて州エネルギー当局と協力しているという。同州内で地熱発電の売電契約が停滞している要因として、多くのユーティリティ企業は電力の33%を再生可能エネルギーとするという州のポートフォリオ基準を達成できる見込みであることから、再生可能エネルギー(特に地熱発電)との契約を縮小していること、ユーティリティ企業は風力発電や太陽光発電などキロワット時当たりのコストが低い再生可能エネルギーとの売電契約を重視している点が挙げられている。 Renewable Energy World.Com “Why Geothermal Energy Is Stalled in California” (8/20/12)

中国政府、米国におけるクリーンエネルギー事業はWTO規則違反と指摘

中国の商務部(China’s Commerce Ministry)は8月20日、米国5州における6件の再生可能エネルギー事業は世界貿易機関(World Trade Organization: WTO)の規則に違反していると指摘した。商務部は、「マサチューセッツ州における太陽光発電ベンチャー、オハイオ州の風力発電ベンチャーは、WTO規則に違反する助成を受けており、中国輸出業者にとって米国輸出の貿易障壁となっている」と述べた他、ワシントン、ニュージャージー、カリフォルニアの各州の再生可能エネルギー事業(詳細には触れず)を挙げた。中国商務部の調査は、中国輸出業者や再生可能エネルギー企業を代表する業界団体の要請を受けて、昨年11月に開始されたものである。中国政府は、米国政府に対してWTO規則に則っていない慣行を中止し、中国製の再生可能エネルギー製品に公正な処遇を行うよう要請したが、懲罰の可能性については言及していない。 Wall Street Journal “China Says U.S. Clean-Energy Projects Violate WTO Rules” (8/20/12)

米国研究評議会(NRC)、糖類研究に関する報告書を発表

米国研究評議会(NRC)は、「糖質科学の変革:未来のためのロードマップ(Transforming Glycoscience: A Roadmap for the Future)」を発表し、連邦科学助成機関は糖質を理解するための科学を幅広く向上させ、医薬品やエネルギー、材料の広範な進展につなげるよう勧告した。報告書では、「生体における糖質の役割は正しく評価されていない」と指摘している。グリカンと呼ばれる糖ポリマーは生体に共通し、ほぼ全ての疾病で役割を果たすなど重要な存在であるが、グリカンを合成的な手法で研究及び操作することが難しい点が障害となっている。報告書は、「糖質科学分野は、グリカンのより良い検知や画像化、シークエンス、合成に関する新規ツール開発を助成する国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)やエネルギー省(Department of Energy)などの連邦助成機関の取り組みによって、大きな利益をもたらされる可能性がある」とまとめている。報告書はまた、哺乳類や植物、微生物のグリカンについて一元的データベースを創出するよう提案している。 Science Insider “U.S. National Academy Report Sweet on Sugars” (8/16/12)

オバマ政権、製造イノベーションの支援や国内投資奨励を目的とした官民パートナーシップを発表

オバマ政権は8月16日、「もう待てない(We Can’t Wait)」イニシアチブの一環として、オハイオ州ヤングスタウンで製造イノベーションのための官民研究所を新たに始動することを発表した。「米国積層造影イノベーション研究所(National Additive Manufacturing Innovation Institute: NAMII)」と呼ばれる新たな官民研究所は、国防総省(Department of Defense)が中心となって行われた競争的プロセスによって選出され、連邦資金として3,000万ドルを受ける他、マッチングファンドとして受益コンソーシアムが4,000万ドルを提供する。受益コンソーシアムは、オハイオ-ペンシルバニア-ウェストバージニア州の「技術ベルト(Tech Belt)」と呼ばれる地域の企業40社、研究大学9件、コミュニティーカレッジ5件、非営利団体11件で構成されている。オバマ大統領は3月に、最高15件の製造イノベーション研究所に10億ドルを投資する計画を発表しており、議会に対して本計画を支持し、「米国製造イノベーション・ネットワーク(National Network of Manufacturing Innovation: NNMI)」の創設に取り組むよう要請した。本件は、そのパイロット研究所として開始されたものである。 Department of Energy “We Can’t Wait: Obama Administration Announces New Public-Private Partnership to Support Manufacturing Innovation, Encourage Investment in America” (8/16/12)

34州が2012年上半期に商品輸出が過去最高を記録

レベッカ・ブランク商務長官代理(Rebecca Blank, Acting U.S. Commerce Secretary)は8月15日、米国の商品輸出が2012年上半期に過去最高となる7,734億ドルを記録したと発表した。これは前年同期を507億ドル上回る。同長官代理は、「今年上半期の包括的なデータは、輸出が米国にとり明るい兆しとなっていることを示している。2014年までに米国輸出を2倍にするという大統領の目標に向け、我々は歴史的進展をしている」と述べた。2009年以来の輸出増加は、過去29ヶ月間における民間部門の450万人の雇用創出の一助となっている他、輸出によって支えられる雇用は2009年から2011年の間に120万人増加した。 Department of Commerce “New Export Data Shows States Reached Record Highs for Merchandise Exports in the First Half of 2012” (8/15/12)

米陸軍工兵隊(USACE)、軍事施設における再生可能エネルギー開発支援のための取り組みを発表

米陸軍工兵隊(U.S. Army Corps of Engineers: USACE)は、信頼性が高く地域生産された再生可能及び代替エネルギーを調達する売電契約(総額70億ドル)について、複数事業者・役務提供契約(Multiple Award Task Order Contract: MATOC)の提案依頼(Request for Proposal: RFP)を発表した。70億ドルの資金は、契約事業者が民間部門の資金によって建設・操業する再生可能エネルギー発電所からのエネルギー購入契約(最長30年)に充当される。国防総省(Department of Defense)は2025年までに消費燃料の25%を再生可能源とすることを目標としている。 US Army “USACE Announces New Action to Support Deployment of Renewable Energy on U.S. Military Installations” (8/7/12)

米国研究評議会(NRC)、光学及びフォトニクス研究に関する報告書を発表

米国研究評議会(National Research Council: NRC)は、米国における光学及びフォトニクス研究の優先事項や課題、可能性、展望などを示した報告書「光学及びフォトニクス:米国の必須技術(Optics and Photonics: Essential Technologies for Our Nation)」を発表した。報告書は、連邦政府が「国家フォトニクス・イニシアチブ(National Photonics Initiative)」を策定し、産学官が集結して連邦による研究開発助成の元で活動を進めていくよう勧告した。報告書はまた、光学及びフォトニクス技術の進展によって対処可能な課題として、①過去10年間に実現した技術的進歩の継続、②軍事偵察及びミサイル防衛、③太陽光発電コストを化石燃料並みにすること、など5点を挙げている他、光学及びフォトニクスの応用技術分野として、①通信、情報処理、データ・ストレージ、③国家安全保障、③エネルギー、④医療及び医薬品など8分野について議論している。 National Academies “Optics and Photonics Research Priorities, Grand Challenges Presented in New Report; National Initiative Recommended to Lead Collaborative Effort” (8/13/12)

ビル・ゲイツ氏、ソーラーパワー方式のトイレ技術に投資

ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)は8月14日、水を再利用し排泄物を貯蔵可能な燃料に転換する自給式かつソーラーパワー方式のトイレ技術の開発に取り組むカリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)に、10万ドルの賞金を授与した。発展途上国における公衆衛生推進に取り組む同財団では、重要な活動の一つとして、新型トイレの開発に重点を置いており、ビル・ゲイツ氏(Bill Gates)は、「不衛生な排泄は毎年150万人の5歳以下の幼児の死亡につながっているが、欧米式のトイレは複雑な下水システムや大量の水を必要とするため、解決策とはならない」と述べている。同財団はこれと合わせ、様々な機関で行われている新トイレ技術プロジェクトに340万ドルの新規助成を発表した。 Reuters “Bill Gates’ foundation puts money on solar-powered toilet” (8/14/12)