今後10年間の太陽・宇宙物理学における研究プログラムに関する報告書発表

米国研究評議会(National Research Council: NRC)は、太陽、太陽と地球の関係、「宇宙の天気」の起源などに関する科学的理解を進展させることについて、2013-2022年における基礎・応用研究の優先プログラムを示した報告書「太陽・宇宙物理学:技術社会のための科学(Solar and Space Physics: A Science for a Technological Society)」を発表した。報告書は、今後10年間の太陽・宇宙物理学における科学的目標として、①太陽活動の起源を確立し、宇宙環境における変動を予測する、②地球の磁気圏、イオン圏、大気圏の動力学や結合性、および太陽や地球からの影響への反応を分析する、など4点掲げている。報告書にはまた、今後10年間の指針となる原則や行動勧告なども盛り込まれている。 National Academies “New Report Presents Research Program for Solar and Space Physics Over the Next Decade” (8/15/12)

水素燃料電池自動車開発は進展傾向

エネルギー省(Department of Energy)は2003年、燃料電池電気自動車が2009年までに達成すべき高度な技術的暫定目標を設定し、実証プロジェクトを開始した。プロジェクトには、ゼネラル・モーターズ社(General Motors)、ダイムラー社(Daimler)、シェル社(Shell)、BP社、エアプロダクツ&ケミカル社(Air Products and Chemicals Inc.)など9社が参加し、250マイルの走行距離や2,000時間の燃料電池耐久性、ガソリン(1ガロン当たり3ドル)に匹敵する水素生産コストなどが目標として掲げられていた。国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy laboratory: NREL)が最近発表した報告書「国家燃料電池電気自動車学習実証 最終報告(National Fuel Cell Electric Vehicle Learning Demonstration Final Report)」によれば、走行距離や耐久性の目標は達成されたものの、水素生産コストは実証が難しいとされている。参加企業は4チームに分かれて実証プロジェクトに参加しているが、どのチームが目標を達成したのかは明らかにされていない。 Environmental Leader “DOE Study: Hydrogen Fuel Cell Vehicles Advancing Rapidly” (8/14/12)

ビルサック農務長官、再生可能エネルギー推進と省エネを目的としたプロジェクトへの助成を発表

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)のトム・ビルサック長官(Tom Vilsack)は8月14日、再生可能エネルギー生産やエネルギー効率の向上を目的として、全国で106件のプロジェクトに助成を行うと発表した。助成は、USDA地方開発(USDA Rural Development)の「米国のための地方エネルギー・プログラム(Rural Energy for America Program: REAP)」を通じて行われる。REAPは、農業生産者や地方の中小企業を対象に、エネルギーの消費やコストの削減、事業における再生可能エネルギー技術の利用、再生可能エネルギープロジェクトの実行可能性調査といった活動にグラントや債務保証を提供するプログラムである。 U.S. Department of Agriculture “Agriculture Secretary Vilsack Announces Funding for Projects to Boost Renewable Energy Production, Reduce Energy Consumption” (8/14/12)

3Dバイオプリンティグで作る食用肉

投資家ピーター・シール(Peter Thiel)によるシール財団(Thiel Foundation)は8月15日、3Dバイオプリンティングで食用肉の開発に取り組むモダン・メドウ社(Modern Meadow)に数十万ドルのグラントを提供すると発表した。同社の共同創立者であるアンドラス・フォーガス氏(Andras Forgacs)は、従来型の畜産業では莫大な費用がかかることを批判しており、3Dバイオプリンティングによる環境に優しい食肉の開発に取り組んでいる。モダン・メドウ社に投資を行うシール財団のブレイクアウト・ラボ(Breakout Labs)の幹部は、「モダン・メドウ社は再生医療と3Dプリンティングを組み合わせ、世界的な問題に経済的かつ思いやりのある解決策を検討している」と述べている。 Cnet “3D printed meat: It’s what’s for dinner” (8/15/12)

2人の上院議員、A123システムズ社の中国企業との取引に疑問を呈す

電池メーカーのA123システムズ社(A123 Systems Inc.)が先週、中国の万向集団(Wanxiang)から4億5,000万ドルの投資を受け、万向集団がA123システムズ社の支配権を獲得する可能性も含めた取引を交わしたことを受け、2名の共和党上院議員が、米国政府がA123システムズ社への資金援助を継続すべきかどうかについて、疑問を呈した。A123システムズ社は2009年に、エネルギー省(Department of Energy)から2億4,900万ドルのグラントを受け、これまでにその半分を受益している。ジョン・スーン上院議員(John Thune、サウスダコタ州選出共和党)とチャック・グラスレー上院議員(Chuck Grassley、アイオワ州選出共和党)は、エネルギー省のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)宛てに書簡を送り、「エネルギー省はA123システムズ社へのグラントの残金をどのように扱うのか? 同社が万向集団からの投資を全面的に受けることになった場合、米国政府からの投資は必要なのか? 米国政府の支援を受けた知的財産が中国企業へ行くことはないのか?」といった疑問点を提示している。 Reuters “Exclusive: Senators question A123’s Chinese deal” (8/14/12)

NIHへの申請件数急増

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)に提出される研究プロジェクト申請件数が過去10年間で急増しているが、外部研究局(Office of Extramural Research)のサリー・ロッキー副局長(Sally Rockey, Deputy Director for Extramural Research)は、その概要について調査、発表した。それによればまず、研究者主導型の研究プロジェクト・グラント(research project grants: RPG)によって要請される研究費の総額は、1998年度の44億ドルから2011年の130億ドル強に増加した一方、実際の助成額は1998年度の10億ドルから2011年度は20億ドルとなっている。次に、実際の助成額に対する要請額の割合は、1998年度の3.6倍から2011年度は6.5倍となっている。要請額急増の最大の要因としては、申請者数の増加(1998年度の約1万9,000人から2011年度は約3万2,000人に増加)が挙げられる。 National Institutes of Health “More Applications; Many More Applicants” (8/19/12)

NIH、視力研究における大胆な目標を競うコンテストを発表

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の一つである国立眼研究所(National Eye Institute: NEI)は、「視力研究及び失明回復における大胆な目標の特定チャレンジ(Challenge to Identify Audacious Goals in Vision Research and Blindness Rehabilitation)」を発表した。同コンテストの参加者は、視力科学発展につながる非常に説得力のあるアイデアを1枚の用紙にまとめ、NEIに提出する。優れたアイデアを提示した者(最高20名)に賞金3,000ドルが提供される他、勝者は2013年2月に行われる「NEI大胆な目標開発会議(NEI Audacious Goals Development Meeting)」でそのアイデアを発表する機会を得る。アイデアの提出は誰でも行うことができ、その締め切りは11月12日となっている。 National Institutes of Health “NIH launches contest for audacious goals in vision research” (8/13/12)

エネルギー省、電力会社に「サイバーセキュリティ・ガバナンス委員会」の設置を要請

エネルギー省(Department of Energy)は、電力会社に対して、内部のサイバーセキュリティ・プログラムを監督する「サイバーセキュリティ・ガバナンス委員会」を設置してサイバーセキュリティ問題を優先案件とし、それらの情報をエネルギー省と共有するよう奨励している。また、エネルギー省は、ネットワークの脆弱性の特定など同省に提出された機密情報を、他の参加企業と匿名で共有する計画でもある。これらのアイデアは、「電力サブセクター・サイバーセキュリティ能力成熟モデル1.0版(Electricity Subsector Cybersecurity Capability Maturity Model, Version 1.0)」で示されたものである。この成熟モデル文書は、政府や米電力業界の代表者によって作成されたもので、また電力会社に対して、社のサイバーセキュリティ・ガバナンス委員会に報告義務を負うサイバーセキュリティ担当上級幹部を任命するよう要請している。 Network World “Dept. of Energy wants electric utilities to create “cybersecurity governance board”” (8/10/12)

サラザー内務長官、アラスカ国家石油保留地における追加開発及び野生生物保護のための提案計画を概説

アラスカ国家石油保留地(National Petroleum Reserve-Alaska: NPR-A)における新たな石油・ガス開発へのアクセス計画について、3月に発表された「NPR-A総合活動計画及び環境影響報告(NPR-A Integrated Activity Plan and Environmental Impact Statement: IAP/EIS)」に対する40万件以上のパブコメや2日間にわたる会合での議論などを受け、内務省(Department of Interior)のケン・サラザー長官(Ken Salazar)は8月13日、本計画に関する提案を概説した。本計画は今年後半に、「IAP/EIS」の優先的代替案(preferred alternative)として最終案が発表される。この最終案が発表された後、30日間のパブコメ受付期間を経て、サラザー長官が、NPR-A内において野生生物を保護しつつ、石油・ガス開発へのアクセスを拡大する計画について、最終的な決定を下す予定となっている。 Department of Interior “Salazar Outlines Proposed Plan for Additional Development, Wildlife Protection in the National Petroleum Reserve-Alaska” (8/13/12)

エネルギー省、風力エネルギー業界の成長を示す報告書を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月14日、「2011年風力エネルギー技術市場報告(2011 Wind Technologies Market Report)」を発表した。それによれば、米国は引き続き世界有数かつ急成長中の風力市場の一つとなっている。2011年に米国内に追加された新規発電能力のうち、風力発電は実に32%を占め、140億ドルの新規投資を獲得している。更に、昨年、米国風力発電地帯に導入された風力発電機器のうち、米国製が約70%を占め、これは2005年の35%から2倍増となっている。風力部門の雇用も増加している一方で、報告書は「生産税控除(production tax credit: PTC)が2012年末で失効となることから、2013年は劇的な鈍化が予想される」としており、スティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は、PTCの延長措置を議会に要請している。 Department of Energy “Energy Report: U.S. Wind Energy Production and Manufacturing Surges, Supporting Jobs and Diversifying U.S. Energy Economy” (8/14/12)