米国西部に膨大な再生可能エネルギーの可能性

センター・フォー・アメリカン・プログレス(Center for American Progress)の分析結果によれば、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、ネバダ、ニューメキシコ、ユタの米国西部6州には国内で最も優れた再生可能発電の可能性があるという。これらの6州における公有地で、今後20年間の間に、34ギガワット以上の太陽光熱・風力・地熱エネルギー発電が可能と考えられている。さらにこうしたプロジェクトがもたらす経済効果として、20万9,000人以上の直接雇用や、再生可能エネルギー部門への1,370億ドルの投資が試算されている。センター・フォー・アメリカン・プログレスでは、これらの可能性を実現するためには連邦政府による政策支援が欠かせないとし、中でも重要な政策として、①全国クリーン・エネルギー基準の制定、②公有地におけるクリーン資源基準の制定、③エネルギー・ゾーンの設定、④老朽化した送電システムの改革、の4点を挙げている。 Center for American Progress “The Vast Potential for Renewable Energy in the American West” (August 2012)

苦境のA123システムズ社、中国の自動車部品メーカーからの投資を獲得

電気自動車向けリチウムイオン電池メーカーのA123システムズ社(A123 Systems)は8月8日、中国の自動車部品メーカー、万向集団(Wanxiang)との間で、同社がA123システムズ社に最高4億5,000万ドルの投資を行うことをまとめた覚書に署名したと発表した。万向集団は、A123システムズ社に対して負債金融と信用保証を供与し、一定の条件が満たされればその後2億ドルの投資を行う計画であるという。投資が完全に実施されれば、万向集団はA123システムズ社の80%を所有することになる。これにより、電気自動車販売の低迷や技術的問題などにより損失が続き、不透明となっていたA123システムズ社の未来に、安定した投資が確保されることになる。 Technology Review “A123 Systems Finds a Financial Lifeline in China”(8/8/12)

起業を目指す大学生向けクラウドファンディング立ち上げ

ミシガン大学(University of Michigan)卒業生でグーグル・エンタープライズ社(Google Enterprise)の元社長であるデイブ・ジルアード氏(DaveGirouard)は、起業を目指す学生向けのクラウドファンディングのプラットフォームとなる新会社、アップスタート社(Upstart)を設立した。同社は、アイデアやプロジェクトではなく、夢を追求する個人を支援することを目的として設立されたものである。資金調達を模索する学生は、自身の目標や達成事項をまとめたプロフィールを作成し、アップスタート社はその学生の学業成績を大学側に確認する。資金支援者は学生に対して1,000ドル単位で投資することができ、投資家と学生は利害を共有することから、メンターシップの促進につながると考えられている。アップスタート社によれば、これまでにミシガン大学とその他4つの大学の学生が10名以上の実業家から支援を獲得しているという。 Physorg.Com “Crowdfunding aims to help students follow their dreams”(8/8/12)

オバマ政権、7件の大型再生可能エネルギーインフラ事業の迅速化を発表

オバマ大統領は8月7日、「もう待てない(We Can’t Wait)」イニシアチブの一環として、全国及び地域レベルで大規模な再生可能エネルギープロジェクト7件を迅速化する計画を発表した。これらのプロジェクトは、アリゾナ、カリフォルニア、ネバダ、ワイオミングの各州における太陽光熱及び風力エネルギープロジェクトで、合計で約5,000メガワットのクリーンエネルギー(約150万世帯分)が生産されることになる。政権によるインフラプロジェクトの迅速化は、今後も追加発表される予定である。 White House ” We Can’t Wait: Obama Administration AnnouncesSeven Major Renewable Energy Infrastructure Projects that Would Power 1.5million Homes to be Expedited” (8/7/12)

下院議員、エネルギー省に天然ガス輸出の承認作業を迅速に行うよう要請

40名以上の下院議員らは8月7日、エネルギー省(Department of Energy)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)宛てに書簡を送り、米国産天然ガスの輸出申請に対する審査を迅速化するよう求めた。これらの議員達は、天然ガスの輸出により、更なる天然ガス生産や雇用が促進されると考えている。エネルギー省は現在、約10件の液化天然ガス輸出申請を審査しているが、「輸出が国内価格や雇用、経済成長、その他に及ぼす影響について分析が終わるまで、これらの事業を承認しない」としている。エネルギー省では、この分析作業は今夏後半に完了すると見ている。日本の企業が米国産天然ガスの契約を積極的に推進しているが、日本の関係者は輸出申請の多くについて決定がなされるのは大統領選挙後と見ている。 Wall Street Journal “Lawmakers Urge Quick Approvals on Gas Exports” (8/7/12)

カリフォルニア州大気資源委員会、グーグル・アース・マップを使い、州内の主要温室効果ガス排出源を示すインタラクティブ・マップを開始

カリフォルニア州大気資源委員会(California Air Resources Board: ARB)は、州内の主要な温室効果ガス排出源を見つけ、各施設を容易に調査・比較できるマッピング・ツールを公表した。このツールは、ARBのデータベースをグーグル社(Google)のマッピング技術であるグーグル・アース(Google Earth)とリンクさせたもので、利用者は温室効果ガス排出源を、セクターや郡、区域ごとに閲覧することができる。カリフォルニア州内の温室効果ガス排出施設は排出量の報告を義務付けられており、この排出量は第三機関によって検証されている。この報告制度が、カリフォルニア州内で2013年から実施されるキャップ・アンド・トレード制度の基盤となっている。 California Air Resources Board “Air Resources Board adds Google Earth maps to show major sources of greenhouse gases” (8/7/12)

内務省と国防総省、連邦用地における再生可能エネルギー推進で協力

レオン・パネッタ国防長官(Leon Panetta, Secretary of Defense)とケン・サラザー内務長官(Ken Salazar, Secretary of the Interior)は、国防関連用に確保されている連邦用地や軍事基地周辺の陸上・海岸沖地域における適切な再生可能エネルギー事業の開発を奨励することを目的として、覚書(Memorandum of Understanding: MOU)に署名した。MOUにより、両省の役割や責務、協力体制をまとめた「再生可能エネルギー・パートナーシップ計画(Renewable Energy Partnership Plan)」の指標概要が打ち出された。本パートナーシップの主たる目標は、軍事基地内及び周辺で、立証済みの重要な太陽光熱、風力、地熱、バイオマスのエネルギー資源を活用することである。 Department of Interior “Interior and Defense Departments Join Forces to Promote Renewable Energy on Federal Lands” (8/6/12)

カウフマン財団報告「大学ベンチャーには学生アントレプレナーの存在が鍵」

ユーイング・マリオン・カウフマン財団(Ewing Marion Kauffman Foundation)が8月6日に発表した報告書「アントレプレナーシップを通じた大学技術移転:スピンオフにおける教員と学生(University Technology Transfer through Entrepreneurship: Faculty and Students in Spinoffs)」によれば、大学における商業化の取り組みにおいて、大学院生やポスドク学生の存在は重要な鍵であるという。報告書は8件の主要大学における技術の商業化ケースについて分析を行っており、それによれば大学スピンオフにつながる4つの主要道筋として、①教員と経験豊富なアントレプレナーの連携(調査対象の23%)、②教員と博士号過程・ポスドク学生の連携(同41%)、③教員、博士号学生・ポスドク学生、MBA学生の連携(13%)、④学生によるベンチャー立ち上げ(23%)が挙げられている。 Ewing Marion Kauffman Foundation “Student Entrepreneurs Critical to Commercializing University Startups, Kauffman Study Shows” (8/6/12)

バイオ燃料推進団体が、バイオ燃料への連邦支援継続を訴える同盟を形成

バイオ産業機構(Biotechnology Industry Organization: BIO)、先端バイオ燃料協会(Advanced Biofuels Association)など、8つのバイオ燃料推進団体が、「干ばつのため、再生可能燃料に関する連邦義務付けを制限すべきである」との主張への対抗メッセージを調整するため、同盟を形成する。新しい同盟の名称は、「バイオ燃料生産事業者調整評議会(Biofuels Producers Coordinating Council)」で、再生可能燃料基準の擁護を狙いとして活動する。連邦政府の再生可能燃料基準により、2022年までに従来型輸送燃料に360億ガロンの再生可能燃料を混合することが義務付けられているが、様々なロビー団体が、「干ばつにより、食用及び飼料用トウモロコシの価格が急騰していることから、再生可能燃料の義務付けは放棄されるべきである」と主張しており、今回の同盟結成はこれに対抗するものとなる。 The Hill “Ethanol groups form coalition to save federal support for biofuels” (8/5/12)

ARPA-E、電気自動車及びグリッド技術進展を目的とした革新的な貯蔵プロジェクトに4,300万ドルを助成

エネルギー省(Department of Energy)は8月2日、画期的エネルギー貯蔵技術の開発や有望な中小事業の支援を目的として、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy:ARPA-E)の2つのプログラムを通じて、19件のプロジェクトに合計4,300万ドルを助成すると発表した。一つは、「エネルギー貯蔵機器の先端管理及び保護(Advanced Management and Protection of Energy Storage Devices: AMPED)」プログラムを通じて、12件の研究プロジェクトに3,000万ドルを助成する。AMPEDプログラムは、先端検知及び制御技術の開発を狙いとしたプログラムで、グリッドスケール及び自動車電池の劇的な改良が期待されている。もう一つは、中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research:SBIR)/中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer:STTR)の一環として、先端エネルギー貯蔵の開発に取り組む7件のプロジェクトにARPA-Eから1,300万ドルが助成される。 Advanced Research Projects Agency-Energy “$43 Million for Transformational Storage Projects to Advance Electric Vehicle and Grid Technologies” (8/2/12)