NSF諮問委員会メンバーを多く擁する大学がNSFから多額のグラントを受益

サンライト財団(Sunlight Foundation)は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が研究大学へ提供するグラントについて、NSF連邦諮問委員会のメンバーとなる大学研究者の数と大学が受益するグラントの関係について調査分析を行った。それによれば、NSFの諮問委員会に務めている研究者を多く抱える大学がより多くのグラントを受益しており、両者には明らかな相関関係があるという。同財団の発表によれば、「大学はNSF諮問委員会のメンバーとなる研究者一人につき、12万5,000~13万8,000ドルの追加グラントを見込むことができる」という。 Sunlight Foundation “How the NSF allocates billions of federal dollars to top universities” (9/13/12)

製薬大手10社が研究活動で協力

アボット社(Abbott)やアストラゼネカ社(AstraZeneca)など世界の製薬大手10社は9月19日、医薬品開発の加速を狙いとした研究活動で協力することを発表した。そしてこの取り組みを実施するための非営利団体として、「トランスセレレイト・バイオファーマ(TransCelerate BioPharma)」が設立された。これまでにも製薬企業が協力することはあったが、それらは競争に直接つながる分野ではなく、今回のような取り組みは初めてであるという。トランスセレレイトはまず、臨床試験をより効率的にすることを目的とした5件のプロジェクト(データ記録方法の標準化や共通のインターネット・ポータルの開発など)に着手する計画である。 New York Times “Drug Makers Join Efforts in Research” (9/19/12)

エネルギー企業はサイバーセキュリティ問題を単なるIT問題と考えるべきではないとの報告

ライス大学(Rice University)のベーカー公共政策研究所(Baker Institute for Public Policy)が発表した報告書「米国エネルギー業界にとってのサイバーセキュリティ問題と政策選択肢(Cybersecurity Issues and Policy Options for the U.S. Energy Industry)」によれば、エネルギー企業は、サイバー上の侵入や攻撃に対する受け身的姿勢を改め、サイバーセキュリティ問題を情報技術(IT)問題と分類するだけの形を超えて、より戦略的で総合的な見方を持つべきであると提案している。同報告書は、発電・送電に関わるエネルギー企業が悪質なソフトウェアによってもたらされる新たなリスクにいかに対応しているかを調査したものである。報告書の首席執筆者は、「エネルギー業界にとって、サイバーセキュリティ問題は単なる技術的問題ではなく、情報管理や企業経営に大きな影響をもたらす」と述べている。 Phys.org “Energy firms must acknowledge cybersecurity as more than an IT problem, paper claims” (9/21/12)

ジョンソン・エンド・ジョンソン社、世界4拠点でイノベーションセンターを設立へ

ジョンソン・エンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson)は9月18日、世界でも有数のライフサイエンスクラスターが存在する4地点(カリフォルニア、ボストン、ロンドン、中国)でイノベーションセンターを設立する計画を発表した。これらのイノベーションセンターは、初期段階のイノベーションの発見や共同投資機会の確立、これらのイノベーションの開発のスピードアップに重点を置いた地域ハブとして機能する計画である。各センターに科学技術専門家が配置され、地域に基づいた交渉能力、初期段階の機会に対応する柔軟な交渉体制が備えられる。4つのイノベーションセンターは今後数ヶ月のうちに稼動予定となっている。 Johnson & Johnson “Johnson & Johnson Announces Plans to Establish Innovation Centers” (9/18/12)

ベンチャーキャピタル支援を受けたスタートアップ企業の4分の3が失敗

ハーバード・ビジネス・スクール(Harvard Business School)の上級講師であるシカー・ゴシュ氏(Shikhar Ghosh)の調査結果によれば、ベンチャーキャピタル(VC)の支援を受けた米国スタートアップ企業の約4分の3が投資家の資本を回収できないという。ベンチャーキャピタリストの一般的な見解は、「10件のスタートアップ企業のうち、失敗するのはわずか3~4件、原本回収に至るのは3~4件、大幅な利益をもたらすのは1~2件」とされており、米国VC協会(National Venture Capital Association)は「VCの支援を受けた企業が失敗する確率は25~30%」としている。こうした数値とゴシュ氏の数値の違いについて、同氏は、「失敗に関する徹底的な調査の不足が一因」としている。同氏は、「ベンチャーキャピタリストは失敗については語らない」と述べている。また、「失敗」の定義によっても結果は異なる。 Wall Street Journal “Venture Capital Secret: 3 of 4 Start-Ups Fail” (9/20/12)

STEM分野で高度な学位を取得した外国人学生に永住ビザを提供する法案が頓挫

米国大学で科学技術分野の高度な学位を取得した外国人学生に、雇用に基づく永住ビザ(通称グリーンカード)を提供することを定めた法案を巡り、下院で9月20日、本会議での早期採決に持ち込むための投票が行われた。しかし規定の3分の2を獲得できず、法案は頓挫した。この法案(H.R. 6429)は、ラマー・スミス下院議員(Lamar Smith、テキサス州選出共和党)によるもので、抽選によって年間5万人に永住ビザを提供する既存のプログラムを廃止し、新たなビザ分類を創設して、STEM分野で高度な学位を取得した外国人学生を対象に、年間最高5万5,000人に永住ビザを提供するというものである。高度な学位取得者が米国経済を押し上げるという点は総意となっているものの、多くの民主党議員は多様性に基づく既存プログラムを廃止することに反対している。 Science Insider “STEM Visa Bill Falls Short in U.S. House” (9/20/12)

Congress.govが始動

議会図書館(Library of Congress)、上下両院の代表、政府印刷局(Government Printing Office)は9月19日、議会図書館の法案データベースであるTHOMASの後継サイトとしてCongress.govを立ち上げたと発表した(現在はベータ版で、いずれはTHOMASの情報が全て組み込まれる)。新たなサイトでは、議会会期やソース、上下両院、法案タイプ、題目といった多様な項目から検索が可能な他、モバイル機器でも閲覧できるようになっている。また、各ページにフィードバック機能とソーシャル・メディアとの共有機能が付けられ、一般からのコメントを積極的に受け付けることができる。 Washington Post “Congress.gov launches; THOMAS legislative database gets a face lift” (9/19/12)

米国の多国籍企業は税制の抜け穴を利用

上院国土安全保障・政府問題委員会(Senate Committee on Homeland Security and Governmental Affairs)の常設調査小委員会(Permanent Subcommittee on Investigations)は9月20日に行われた公聴会で、「多くの米国多国籍企業は、税制の抜け穴を利用して海外利益に課されるべき数十億ドルの税を回避している」とする報告書を発表した。同報告書によれば、マイクロソフト(Microsoft)社は2009年から2011年の間に、一部の知的財産権をプエルトリコにある子会社に移行することで最高45億ドルの税を回避し、ヒューレット・パッカード社(Hewlett-Packard: HP)は内部融資プログラムを使って海外利益への課税を回避しているという。小委員会のカール・レビン委員長(Carl Levin。ミシガン州選出民主党)は、「これらの行為は違法ではないが、『謀略』であり、税制上認められるべきではない」と述べた。マイクロソフト社やHP社の幹部は、自社の行為は米国及び海外の税制上問題ないと主張した上で、米国の税制は企業が海外で競争するために簡素化される必要があると述べた。 Washington Post “Report: U.S. multinationals exploit tax code” (9/20/12)

商務省、「i6チャレンジ」全国コンペの勝者を発表

商務省(Department of Commerce)のレベッカ・ブランク長官代理(Rebecca Blank)は9月19日、オバマ政権による第3回「i6チャレンジ(i6 Challenge)」の勝者として、バージニア、カリフォルニア、フロリダ、インディアナ、ミズーリ、ニューメキシコ、ウィスコンシンの各州におけるプロジェクトを選出したと発表した。i6チャレンジは、2010年に開始された「スタートアップ・アメリカ・イニシアチブ(Startup America Initiative)」の一部で、革新的な製品開発やアイデアの商業化、雇用創出などの促進を目的とした全国コンペである。選出されたプロジェクトは最高100万ドルの助成金を受益する。今回の勝者プロジェクトの一つである「バージニア・イノベーション・パートナーシップ(Virginia Innovation Partnership: VIP)」は、州内の大学や非営利研究機関、多様なチームによる合同取り組みで、州内で商業応用の可能性があるアイデアやイノベーションを見つけ、そのビジネスモデルの開発、市場選択、市場化へとつなぐ支援をするものである。 Economic Development Administration “U.S. Commerce Department Announces $1 Million Investment to Spur Technology Commercialization and Small Business Development in Charlottesville, Virginia” (9/19/12)

CAFE基準達成に向けた電気自動車の貢献は小さいとの見方

ピュー・クリーンエネルギー・プログラム(Pew Clean Energy Program)のパネル討論会で、自動車業界のトップらは、「自動車業界が、2025年に引き上げられる企業平均燃費(Corporate Average Fuel Economy: CAFE)基準を遵守するためには、膨大な漸進的技術改良リストを実施していかなくてはならない」と述べた。しかし同じ席で専門家らは、「CAFE新基準をクリアする上で、電気自動車は大きな役割を果たさず、今後の自動車は軽量化やエンジンの効率化などその他の多くの分野の進展が基盤となるであろう」との見解を示した。また、ある専門家は、「プラグイン式ハイブリッド電気自動車は、2025年のCAFE新基準をクリアするのに十分なほどの進展はしないであろう」と述べた。 Mercury News.com “Fuel-economy advances won’t come from electric cars, experts say” (9/20/12)