オバマ大統領、68名のノーベル賞受賞者の支持表明を受ける

10月18日、2009年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者であるオバマ大統領の再選を支持する文書に、68名のノーベル賞受賞者が署名した。署名者の中には、1960年に物理学賞を受賞したドナルド・グレーザー氏(Donald Glaser)や、2012年に化学賞を受賞したブライアン・コビルカ氏(Brian Kobilka)とロバート・レフコウィッツ氏(Robert Lefkowitz)などが含まれる。支持文書には、「オバマ大統領は、米国の繁栄を構築する上で科学が鍵となる役割を果たしていることを理解している」などと述べている。同文書は、対立候補であるミット・ロムニー氏(Mitt Romney)に言及はしていないが、同氏が支持する予算案などに批判を示している。 Science Insider “Obama Picks Up Nobel Endorsements” (10/18/12)

NSF、米国大学で科学・工学・医療の分野で博士号を取得した学生の国際的可動性に関する調査結果を発表

過去4年間に米国の大学で科学・工学・医療の分野で研究博士号を取得した学生の約40%は外国籍である。こうした中、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics)が発表した報告書によれば、博士号を取得した外国人学生の中で2008年時点で出身国で労働或いは生活している学生は20%となっている。一方、米国人学生の卒業生の97%が米国内で労働或いは生活している。出身国に戻らなかった外国人学生の居住地としては米国が圧倒的で、次いで欧州連合(European Union)、アジア、カナダとなっている。博士号取得者のほとんどが、国籍や居住地にかかわらず、学術機関に就職しているが、唯一の例外は米国に住む外国人学生で、彼らの就職先は学術機関と民間企業の割合が同等に高い。 National Science Foundation “Report Details International Mobility Patterns Among Recent Recipients of U.S. Doctorates in Science, Engineering or Health Fields” (10/18/12)

「ワシントンDC地域は電気自動車支援に向けた取り組みを強化すべき」との報告

メトロポリタン・ワシントン政府評議会(Metropolitan Washington Council of Governments)が発表した報告書によれば、ワシントンDC地域は電気自動車の利用を奨励する取り組みを十分に行っていないという。再充電が可能な電池によって走行する電気自動車は、経済、環境、エネルギー安全保障といった面で効果をもたらす可能性がある。電力研究所(Electric Power Research Institute:EPRI)によれば、2015年までに米国内で約100万台の電気自動車が走行し、ワシントンDC地域では1万5,000~3万台の電気自動車が走行すると予測されている。報告書では、ワシントンDC地域が行うべき取り組みとして、充電施設を含むインフラの開発やインセンティブ(相乗り専用車線(High-Occupancy Vehicle: HOV)へのアクセスや登録料の割引きなど)を検討することなどを挙げている。 Washington Post “Report: D.C. area should do more to support electric vehicles” (10/17/12)

コバーン上院議員、2012年における政府の最も無駄な支出に関する報告書を発表

トム・コバーン上院議員(Tom Coburn、オクラホマ州選出共和党)は10月15日、「2012年無駄遣い帳簿(Wastebook 2012)」を発表した。これは2012年における政府による税金の無駄遣いの代表例をまとめたもので、不必要で重複し、優先性が低いながらも政府資金の供与を受けたプロジェクトが100件紹介されており、その額は180億ドル以上に上る。その一例として、①全米フットボール・リーグ(National Football League: NFL)や全米ホッケー・リーグ(National Hockey League: NHL)などプロスポーツ業界団体を対象とした税の抜け道(9,100万ドルの税)、②モロッコ風陶器教室(米国国際開発庁(U.S. Agency for International Development: USAID)による2,700万ドルのグラントの一部)、③キャビア消費・生産の推進努力(30万ドル)などがある。 Tom Coburn “Coburn Releases Annual Report Highlighting Some of the Most Wasteful Government Spending in 2012” (10/15/12)

世界的な科学アカデミー・ネットワークが研究の完全性推進に向けた報告書を発表

インター・アカデミー評議会(InterAcademy Council: IAC)と世界的な科学アカデミーのネットワークであるIAPは、世界中の研究者が共通の科学的価値や倫理的行動を守るよう奨励することを目的とした報告書を発表した。この報告書「世界の研究事業における責任ある行動:政策報告書(Responsible Conduct in the Global Research Enterprise: A Policy Report)」は、IACとIAPによる科学的完全性に関するプロジェクトの初の報告書である。報告書は、知識の発展を効率的に加速させるためには、責任ある行動に基づく自己修正は容認されるとした上で、無責任な研究を調査し、罰するための手順や制度は必要であるが、無責任な行動の防止を目的としたメンター制度や教育の取り組みが最終的にはより重要であると強調している。報告書はまた、世界的な研究事業において問題となりつつあるいくつかの傾向について、勧告や提案を行っている。 InterAcademy Council “World Science Academies Release Report to Promote Research Integrity” (10/17/12)

企業幹部は米国競争力に対する自信を欠く

ハーバード・ビジネス・スクール(Harvard Business School)が6,800名以上の卒業生を対象に行った調査の結果、世界中の企業幹部らは、米国で競争的な事業を行う能力と、米国労働者に高賃金を支払う能力にかなり悲観的であることが明らかになった。回答者の58%が、上記2点のいずれか、またはいずれも「低下する」と回答しており、いずれかまたはいずれも「改善する」と回答した者はわずか25%であった。一つの明るい兆しは、企業幹部らが昨年調査の時ほどは悲観的でないという点である。ただしこれは、米国の状況の改善というよりも欧州やアジアの見通しの悪化を反映しているようである。 Wall Street Journal “Executives Lack Confidence in U.S. Competitiveness” (10/17/12)

ライス大学、NASAはナノテク研究への再投資を行う必要があると提言

ライス大学(Rice University)のベイカー公共政策研究所(Baker Institute for Public Policy)が発表した報告書「NASAとナノテクノロジーの関係:過去、現在、未来の課題(NASA’s Relationship with Nanotechnology: Past, Present and Future Challenges)」によれば、米国は特にナノテク分野の研究開発資金及びプロセスを見直して急務の優先事項としなければ、宇宙分野におけるリーダーシップを中国やドイツ、フランス、日本、イスラエルといった他国に奪われる可能性があるという。1996年以降の米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)による先端ナノテク開発の実施及び資金削減の状況を分析した同報告書によれば、同研究分野の資金は2004年から2007年の間に大幅に削減されており、NASAは同分野での投資を縮小した唯一の連邦政府機関であるという。報告書の作成者らは、NASAは研究開発プログラムの再編及び強化を行う必要があると主張している。 Science Daily “NASA Must Reinvest in Nanotechnology Research, According to New Paper” (10/16/12)

ソリンドラ社、中国ソーラー企業3社を提訴

米国政府から5億3,500万ドルの支援を受けながらも2011年に破産したソリンドラ社(Solyndra)は、米国を拠点とする3件の中国ソーラー企業を、「彼らの不法な価格戦略により、ソリンドラ社は2008年に発表した契約を守ることができなくなった」として、提訴した。提訴されたのは、サンテック社(Suntech)、トリナ・ソーラー社(Trina Solar Ltd)、インリー・グリーン・ホールディング(Yingli Green Energy Holding Co)の3社で、ソリンドラ社は合計15億ドルの損害賠償を求めている。ソリンドラ社は、「中国系3社は、価格戦略の調整を行い、ソーラーパネル価格を4年間で75%低下させることに成功した。彼らは米国ソーラー・メーカーを潰すために米国にやって来て、株式市場を使ってその目標を達成するために必要な資金を調達した」と訴えている。 Christian Science Monitor “Solyndra sues Chinese solar companies” (10/17/12)

農務省、全国で6番目となる地域バイオ燃料システムを発表

農務省(U.S. Department of Agriculture)のトム・ビルサック長官(Tom Vilsack)は10月16日、米国北東部における液体輸送及び航空バイオ燃料生産のためのバイオマス・サプライチェーンの開拓を行うペンシルバニア州立大学(Pennsylvania State University)に、5年間で約1,000万ドルとなる研究グラントを提供すると発表した。これは、地域的な再生可能エネルギー市場の支援や、地方雇用の活性化、そして、外国石油への依存低下を目的とした農務省の「農業及び食糧研究イニシアチブ(Agriculture and Food Research Initiative: AFRI)」による、全国で6番目となるグラント提供となる(これまでに、太平洋北西部、北西部、北部、南部、南東部でグラントが提供されている)。ペンシルバニア州立大学は今後、他大学や民間機関、業界などと連携して研究活動を行っていく。 U.S. Department of Agriculture “USDA Announces Nation’s Sixth Regional Biofuels System, Meant to Spur Innovation and Job Creation in the Northeast” (10/16/12)