消費者の電気自動車への関心は低下

パイク研究所(Pike Research)が、プラグイン式電気自動車(plug-in electric vehicles: PEV)や電気自動車充電機器(electric vehicle charging equipment: EVCE)に対する米国消費者の需要、好み、価格意識に関して行った調査結果によれば、プラグイン式ハイブリッド電気自動車(plug-in hybrid electricity vehicle: PHEV)や充電式電気自動車(battery electric vehicle: BEV)の購入に「非常に関心がある」「とても関心がある」と回答した者の割合が、2011年の40%から2012年は35%に減少したという。PEVに関心を持てない理由として、可能走行距離が不十分であることや、技術の更なる進展を待っていることなどが挙げられている。 Green Car Congress “Pike Research US consumer survey finds decreasing fundamental interest in plug-in electric vehicles” (10/29/12)

研究開発費でトヨタが世界トップに

コンサルタント会社のブーズ社(Booz & Company)が発表した報告書「グローバルイノベーション1,000(Global Innovation 1,000)」によれば、2011年に世界で最も研究開発費を投じたのは、トヨタであった。同社の研究開発費は前年比16.5%増で、自動車業界全体でも前年比132億ドル増加した。これは主に、燃費基準への適合努力や電子部品の改良によるものである。2010年に首位だったロシュ社(Roche)とファイザー社(Pfizer)は今年は3、4位に転落している。上位5社のうち3社はヘルスケア関連企業であるものの、最も研究開発費を支出した業界はコンピュータ及びエレクトロニクス業界で、研究開発費全体の28%を占める。 The Economist “R&D spending” (10/30/12)

オークリッジ国立研究所で最新スパコン「タイタン」がデビュー

エネルギー省(Department of Energy)管轄のオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は10月29日、新型スパコン「タイタン(Titan)の運用を開始した。タイタンは、20ペタフロップス以上の計算能力を有するシステムで、ORNLが従来運用していたシステム「ジャガー(Jaguar)」の10倍の処理能力を有する一方、消費電力はジャガーよりわずかに多いに過ぎない。タイタンの優れた性能は、コンピューター・ゲーム用に開発されたグラフィックス処理装置(graphics processing unit: GPU)と、高性能コンピュータの基盤となっている中央演算処理装置(central processing unit: CPU)を組み合わせた構造に基づくものである。タイタンは今後、エネルギーや気候変動、高効率エンジンなどの研究分野で活用されることになる。 Oak Ridge National Laboratory “ORNL Debuts Titan Supercomputer” (10/29/12)

海外直接投資先国として中国が米国を抜いてトップに

国連貿易開発会議(United Nations Conference on Trade and Development: UNCTAD)が10月23日に発表したところによれば、世界における海外直接投資額は2012年上半期に前年比8%減少の6,680億ドルであったという。そしてその投資先として、2012年上半期に591億ドル(前年同期609億ドル)を受け入れた中国が、米国(574億ドル:前年同期944億ドル)を抜いて首位となった。ただし、最近発表された日本のソフトバンク(Softbank)によるスプリント・ネクステル社(Sprint Nextel)の買収(200億ドル)などにより、2012年通年では米国が海外直接投資先として首位になると考えられている。中国の首位が短期間であったとしても、こうした傾向は海外直接投資のフローのシフトを示している。2008年に先進国を襲った金融危機以来、企業にとっては急成長を続ける開発途上国が投資先としてより魅力となりつつあるといえる。 Wall Street Journal “China Edges Out U.S. as Top Foreign-Investment Draw Amid World Decline” (10/23/12)

ビッグデータによる2012年のIT支出は280億ドルとの予測

ガートナー社(Gartner, Inc.)がまとめた報告書「ビッグデータはインフラに急速な変化をもたらし、2016年までに2,320億ドルのIT支出をもたらす(Big Data Drives Rapid Changes in Infrastructure and $232 Billion in IT Spending Through 2016)」によれば、ビッグデータによる世界のIT支出は2012年に280億ドル、2013年に340億ドルに達すると予測されている。ビッグデータは現在のところ明確かつ単独の市場ではなく、業界全体において製品やプラクティス、ソリューションの形で対応されているが、2020年までにはビッグデータの特性や機能は特別なものではなくなり、従来型のベンダーから一般的に提供されるものとなると考えられている。 Gartner “Gartner Says Big Data Will Drive $28 Billion of IT Spending in 2012” (10/17/12)

エネルギー省、請負業者を中心とした海外渡航に3億6,000万ドルを支出

エネルギー省(Department of Energy)のグレゴリー・フリードマン監察長官(Gregory H. Friedman)の発表によれば、エネルギー省は請負業者による渡航費用を抑制するために必要な策を十分に講じていないという。請負業者による渡航費用は、過去6年間で3億6,000万ドルとなったエネルギー省の渡航費用の85%を占めている。オバマ大統領が昨年、連邦省庁に対して渡航費の大幅な削減を命じた中、今回の監査報告によれば、同省の請負業者は過去6年間で9万件以上の海外旅行を行っている。エネルギー省における渡航費用や件数は2007年以来上昇し続け、今年になって10%減少している。この報告に対しエネルギー省の幹部らは、請負業者による渡航を制限する努力をしなかったこと、概ね彼らの判断に任せていたことを認めている。 Washington Post “Energy Department spent $360 million on foreign travel, vast majority by contractors” (10/22/12)

シーメンス社、ソーラーエネルギー事業から撤退へ

シーメンス社(Siemens AG)は、ソーラー事業から撤退する計画であると発表した。同社は3年前に、4億1,800万ドルを投じて、イスラエルの太陽熱企業ソレル・ソーラー・システムズ社(Solel Solar Systems Ltd.)の買収や、イタリアのアルキメデ・ソーラー・エネルギー社(Archimede Solar Energy)の株式購入を行い、大きな賭けに出たが、現在はこうした不採算部門の潜在的売却先と協議を行っているという。シーメンス社のピーター・レッシャー最高経営責任者(Peter Loscher)は当時、「買収により、シーメンス社は太陽熱電力で世界の技術的リーダーとなるだろう」と発言していたが、今回の撤退は同氏にとり痛手となる。その背景には、従来の成長市場であった欧州諸国における緊縮財政や、その他の地域における太陽熱プロジェクトの縮小などがある。同社はソーラー事業からの撤退後は、風力及び水力発電に力を入れていく計画である。またシーメンス社は日本の福島原発事故後、原子力発電事業からの撤退を表明している。 Wall Street Journal “Siemens to Exit Solar Energy” (10/22/12)

ニューヨーク市、1,200万ドルを投じてベンチャー企業240社に無料の高速ファイバー・ネットワークを提供へ

ニューヨーク市は、市内の中小企業を対象に、オフィスに高速ファイバー・ネットワークの構築を無償提供する「コネクトNYCファイバー・チャレンジ(ConnectNYC Fiber Challenge)」を開始した。希望企業は、超高速インターネット接続の必要性を正当化する申請書の提出が必要で、この点においては技術系のベンチャー企業が有利となっている。受益するのは240社で合計1,200万ドルの投資資金を2年間にわたって受ける。平均的なネットワーク構築費用は約5万ドルとなっている。申請資格があるのは、ニューヨーク市内に拠点があり、従業員が合計100名未満の企業で、3つの判定基準に基づいて勝者が選出される。 Tech Crunch “NYC Invests $12M To Provide Free Fiber Build-Out To 240 Startups” (10/19/12)

DARPA、野心的な戦闘車の製造が可能な者に400万ドルを提供へ

国防高等事業研究局(Defense Advanced Projects Research Agency:DARPA)は、早急に海軍用の新規歩兵戦闘車の製造に取り組んでおり、従来のように長期的なスケジュールで取り組むのではなく、広く一般(米国人或いは合法的居住者)からアイデアを募集するという方法を取っている。「FANG設計チャレンジ(FANG Design Challenges)」の名称が付けられた同チャレンジは、こうした「次世代地上車(Next-Generation Ground Vehicle: FANG)」を創出する能力があると考える者全てに機会が与えられている。チャレンジは3段階式(①駆動系の設計、②車体、③全体)となっており、第1及び第2段階の勝者には100万ドル、最終段階には200万ドルの賞金が用意されている。 Business Insider “DARPA Will Give $4 Million To Whoever Builds An Amphibious Fighting Vehicle” (10/19/12)

NSF、北極研究船「シークーリアック」の進水式を実施

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は10月13日、マリネット海洋会社(Marinette Marine Corporation: MMC)及びアラスカ大学フェアバンクス校(University of Alaska, Fairbanks)と共同で、海洋研究船「シークーリアック(Sikuliaq)」号の進水式を行った。シークーリアック(イヌピアト(Inupiat)地方の言葉で「若い海氷」の意)号は、海氷への対応性を備えた世界クラスの次世代研究船で、米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act of 2009: ARRA)を通じてNSFから資金提供を受けてMMC(造船所)が建設した。NSFはシークーリアックに約2,000万ドルを投資している。全長261フィートのシークーリアックの船体は、北極海氷やアラスカ周辺の海洋での研究活動を目的として建設されたが、世界中の海洋で運行が可能である。年間約500名の研究者や学生を収容でき、年間最高270日を海洋上で過ごす。これにより、研究者達は氷で覆われた海洋上で研究を行うことが可能になる。 National Science Foundation “National Science Foundation Launches Arctic Research Vessel” (10/13/12)