米国製造業のオフショアリングが鈍化傾向に

TD銀行(TD Bank)の子会社、TDエコノミクス(TD Economics)が10月16日に発表した報告書によれば、オフショアリングが鈍化しており、これによる米国製造業部門の復活が、米国経済回復の主な牽引役となっているという。報告書は、オフショアリングの鈍化により、従来は急速に海外に流れていた雇用(コンピューター及びエレクトロニクスや機械、組立金属など)の一部が米国内にとどまっているとしており、この背景には、世界的状況の変化(海外での賃金の急上昇や人民元の上昇、変動的な輸送費など)と米国内の変化(知的財産保護、サプライチェーンの柔軟性、天然ガスエネルギーへのアクセスなど)があると指摘している。 Manufacturing.net “Report: U.S. Manufacturing Offshoring On Decline” (10/16/12)

電池メーカーのA123システムズ社が破産法の適用申請

米国政府から2億4,900万ドルのグラントを受けるリチウムイオン電池メーカーのA123システムズ社(A123 Systems)が10月16日、破産法の適用を申請した。A123システムズ社はこれまでに政府グラントの半分を使っている。同社によれば、ミシガン州にある2つの工場を含む自動車関連事業を電池サプライヤー大手であるジョンソン・コントローズ社(Johnson Controls Inc.)に売却することで合意したという。A123システムズ社は、ハイブリッド車への需要が予測以下であったことや大規模な電池リコールなどを受けて不振に陥り、過去約8ヵ月に亘って売却先或いは戦略的投資家を探していた。今年8月には中国の万向集団(Wanxiang)から救済投資を受けていたが、その後の追加投資の条件を満たすことができなかったようである。これを受けて、共和党大統領候補のミット・ロムニー氏(Mitt Romney)は、「オバマ政権は数十億ドルの税金をギャンブルで使い果たしている」と批判した。 Reuters “Battery maker A123 Systems files for bankruptcy” (10/16/12)

医学研究所、新たに70名の会員と10名の外国人準会員を発表

米国アカデミー(National Academies)の医学研究所(Institute of Medicine: IOM)は10月15日に行われた第42回年次会合で、新たに70名の会員と10名の外国人準会員を発表した(日本人はゼロ)。IOMに選出されることは、医療と医薬の分野で最高の名誉の一つと考えられており、専門家としての優れた達成とサービスへのコミットメントを実証した者が選出される。今回の新規会員選択により、IOMの現行会員は1,732名、外国人準会員は112名となた。この他に、名誉会員として84名がいる。 National Academies “IOM Elects 70 New Members, 10 Foreign Associates” (10/15/12)

NSF、持続可能性に関する研究教育への投資を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は10月15日、「持続可能性のための科学・工学・教育(Science, Engineering and Education for Sustainability: SEES)」プログラムの新フェローとして、20名の研究者へのグラント給付を発表した。SEESによるグラントは、有望な若手研究者が持続可能性に関する独立した研究キャリアを確立することを支援するもので、学際研究であることなどが条件となっている。今回の受益者らは、ソーラー・エネルギーの実用性やバイオ燃料税制の有効性、健全な海浜のエコシステムの推進など様々な研究問題に取り組む。 National Science Foundation “NSF Investments Develop a Workforce for Sustainability Research and Education” (10/15/12)

NIH、「2ストライク・アウト」制を見直し

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は現在、科学者の間で不評となっている「2ストライク・アウト(2 strokes and you’re out)」制を見直している。これは、グラント申請者が最初の申請書が却下された場合に、もう一度だけ挑戦することを認めたもので、2009年1月に行われたピアレビューの包括的な改革の一部として実施されたものである。それより以前は、最初の申請書が却下された場合、3度まで挑戦することが可能であった。2ストライク・アウトに変更された理由には、「ピアレビュー実施者が、2度目或いは3度目の挑戦者の申請書に親身的になる可能性があるため」であったが、これに対して科学者らは強い反発を示してきた。2ストライク・アウト制の変更が実施されるか否かは、今後数週間以内に決定される見通しである。 Nature News Blog “NIH re-evaluating ‘two strikes’ rule – Updated” (10/15/12)

GE、製造研究所、アルコア社等、退役軍人向けの先端製造分野での職業訓練を提供へ

ゼネラル・エレクトリック社(General Electric: GE)は10月15日、製造研究所(Manufacturing Institute)、アルコア社(Alcoa Inc.)、ボーイング社(Boeing)、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)と共に、退役軍人向けに先端製造分野での就職を支援するための訓練を行うことを目的として新たな同盟を結成した。これによって、先端製造における人材を増強し、米国の競争力を強化することが狙いである。新たな同盟「仕事のためのスキル獲得(Get Skills to Work)」は、①米国退役軍人のためのスキル訓練の強化、②退役軍人と雇用主が軍事技能を先端製造職へと転換することの支援、③雇用主の支援(採用ツールや退役軍人へのメンター制度など)、の3点を重点的に取り組む。初期目標として1万5,000人の退役軍人の訓練及び就職、最終目標として2015年までに10万人の退役軍人の訓練及び就職を挙げている。 Business Wire “GE, Manufacturing Institute, Alcoa Inc., Boeing and Lockheed Martin Launch Coalition to Train U.S. Veterans for Jobs in Advanced Manufacturing” (10/15/12)

NCARワイオミングスパコンセンターがオープン

地球科学に特化した世界で最も強力なスパコンの一つを擁する「NCARワイオミングスパコンセンター(NCAR-Wyoming Supercomputing Center: NWSC)」が10月15日、オープンした。国立大気研究センター(National Center for Atmospheric Research: NCAR)と全米の大学研究者らが、NWSCの1.5ペタフロップIBMスパコン「イエローストン(Yellowstone)」を使い、地球科学に関する様々な科学プロジェクト第一弾に取り掛かっている。NCARは、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の支援を受け、米国大気研究協会(National Corporation for Atmospheric Research: UCAR)が管理している。NWSCは、NCARやNSF、ワイオミング大学(University of Wyoming)、ワイオミング州、民間非営利開発支援団体のシャイアンLEADS(Cheyenne LEADS)、ワイオミング・ビジネス評議会(Wyoming Business Council)などの官民パートナーシップによって生まれた。 Science Daily “NCAR-Wyoming Supercomputing Center Opens” (10/15/12)

バイオメディカル研究コミュニティの支援者アーレン・スペクター氏が死去

バイオメディカル研究コミュニティは、元上院議員で30年間の議員生活を通じて国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の強力な支援者であったアーレン・スペクター氏(Arlen Specter、ペンシルバニア州選出)の死を悲しんでいる。同氏は10月14日、癌の合併症のため亡くなった。キャリアのほとんどを共和党穏健派として過ごしたスペクター氏は、上院労働・厚生・教育・関連局予算小委員会(Senate Appropriations Subcommittee on Labor, Health and Human Services, Education, and Related Agencies)で委員長を交互に務めたトム・ハーキン上院議員(Tom Harkin、アイオワ州選出民主党)と共に、NIHの予算を1998年から2003年の間に2倍にする努力を先導するなどした。スペクター氏は、ヒト胚性幹細胞研究の支持者でもあった。 Science Insider “Biomedical Research Loses Long-Time Ally With Death of Arlen Specter” (10/15/12)

NSF、データ集約型科学支援として大学におけるネットワーク強化に助成

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、データ集約型科学研究に求められる大規模データセットに対応する米国の大学コンピューターネットワークの強化を狙いとして、23州における34件の大学レベルのネットワーキング・プロジェクトに約2,160万ドルを提供した。これらは、NSFのキャンパス・サイバーインフラ及びネットワークインフラ・工学(Campus Cyberinfrastructure-Network Infrastructure and Engineering: CC-NIE)を通じて助成される。受益する大学研究ネットワークはアプリケーションの運用や大規模で複雑なデータの共有が可能になり、拡大しつつあるビッグ・データを活用することができる。34件のCC-NIEプロジェクトは、①ネットワーク統合及び応用イノベーション(Network Integration and Applied Innovation)と②データ主導型ネットワーキング・インフラストラクチャー(Data Driven Networking Infrastructure)の2つに分類される。 National Science Foundation “NSF Makes Awards to Improve Campus Networking in Support of Data-Intensive Science” (10/12/12)

NIH、単一細胞分析に助成

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、様々な分野で単一細胞分析の開発及び応用を加速させることを目的に、今後5年間で9,000万ドル以上を投資する計画である(利用可能な資金があることを条件とした上で)。その目標は、各細胞を固有のものにしているものは何かを理解することと、細胞レベルの疾病メカニズムに基づく治療方法の開発へとつなげることである。NIHでは、共通資金(Common Fund)を通じて、単一細胞分析プログラム(Single Cell Analysis Program: SCAP)で行われている3つのイニシアチブの一環として、26件のグラントを提供する計画である。 National Institutes of Health “NIH Common Fund announces awards for Single Cell Analysis” (10/15/12)