オープン・アクセスの義務付けが強化

オバマ大統領が1月17日に署名した包括的歳出法案の大きな特徴の一つとして、助成した研究の結果が発表されてから12ヵ月後にはその結果を無償公開することを義務付けられた連邦研究機関が増えたことが上げられる。本歳出法では、労働(Labor)、厚生(Health and Human Services)、教育(Education)の各省の助成を受けた研究は、その成果が発表されてから12ヶ月以内にオンラインで無償公開されることが義務付けられた。本件が公式に法制化されたことは、オープン・アクセス支持派にとっては大きな朗報である。 Library Journal “Federal Spending Bill Expands Research Funding With Open Access Mandate, Restores IMLS Funding” (1/23/14)

NSF、米国における博士号取得者に関するトレンドを報告

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、米国での博士号取得者に関する重要なトレンドをまとめた報告書「2012年米国大学における博士号取得者について(Doctorate Recipients from U.S. Universities: 2012)」を発表した。米国の博士教育制度は世界でもトップクラスと考えられており、米国大学での博士号取得を模索して渡米する留学生は毎年増加している。報告書は、①米国大学の博士号を取得している者は誰か? ②どの分野が人気か? ③博士号取得に影響するものは何か? といった鍵となる問題を中心に、博士課程教育の重要なトレンドに注目するよう呼びかけている。 National Science Foundation “National Science Foundation reveals US doctoral degree recipient data” (1/23/14)

エネルギー長官、先端ハイテクかつ燃料効率の高い自動車技術のために約5,000万ドルの助成機会を発表

エネルギー省(Department of Energy)のアーネスト・モニツ長官(Ernest Moniz)は1月22日、ワシントン自動車ショー(Washington Auto Show)で、ドライバーや企業の輸送選択肢を増やすと同時に環境を保護する新たな自動車技術の研究開発を加速させるため、約5,000万ドルを助成すると発表した。本件は、エネルギー省が2012年3月に開始した「電気自動車普及グランド・チャレンジ(EV Everywhere Grand Challenge)」への支援も含まれている。今回の助成の対象となる技術は、燃料費用の更なる削減、効率性や耐久性の向上、コスト効果の高い電池やパワーエレクトロニクス、先進の暖房・換気・空調システムなどとなっている。 Department of Energy “Secretary Moniz Announces Nearly $50 Million to Advance High-Tech, Fuel Efficient American Autos” (1/22/14)

エネルギー専門家、オバマ大統領に「包括的エネルギー」ではなく、「最善のエネルギー」支持を勧告

オバマ大統領は約1年前、エネルギー専門家を集め、クリーンエネルギー推進に効果的な政策を提案するよう要請した。今般、コロラド州立大学新エネルギー経済センター(Center for the New Energy Economy at Colorado State University)がその報告書を発表した。報告書は、行政府による5つの活動分野に重点を置いたもので、200件の勧告が盛り込まれているが、オバマ政権が強調する「包括的(all of the above)エネルギー戦略」を婉曲的に反対する形で、最善の(best of the above)エネルギー資源を支持するよう勧告した。なお、この報告書が発表される直前には、環境保護団体が政権の包括的エネルギー政策に反対する書簡を大統領に提出している。 Climate Progress “Experts Tell President Obama To Support ‘Best Of The Above’ Energy — Not ‘All Of The Above’” (1/22/14)

軍事施設におけるクリーンエネルギー技術の導入は加速

ピュー慈善財団(The Pew Charitable Trusts)が発表した報告書「パワー・サージ(Power Surge)」によれば、国防総省(Department of Defense)は軍事施設におけるクリーンエネルギー技術の導入を加速させているという。同報告書は、軍が先端エネルギー・システムを導入するために、民間部門の能力や革新的な資金調達手段をどのように活用しているかなどを調査したもので、それによれば、軍事施設におけるエネルギー節約及び効率プロジェクトの件数は、2010年度の630件から2012件度は1,339件と2倍以上増加し、再生可能エネルギープロジェクトも同様の増加を示している。同財団の関係者は、「米軍は、予算状況が厳しい中、民間部門が持つ専門性とリソースを活用している」と述べている。 Pew Charitable Trusts “U.S. Military Accelerates Deployment of Clean Energy Technologies” (1/16/14)

2013年の米国特許取得数、IBMが1位を維持

IFIクレーム・パテント・サービス社(IFI CLAIMS Patent Services)は、米国特許商標局(U.S. Patent and Trademark Office:USPTO)による2013年のデータを分析し、その結果を発表した。それによれば、①USPTOは2013年に27万7,835件の特許を付与しており、これは前年比約10%増で単年の付与件数としては過去最大、②特許を付与された機関数合計も4,000機関以上増加、③特許取得件数が最も多い上位50社のうち、18社が米国企業で、これは2012及び2011年の17社から1社増加、などが挙げられている。日本企業においては、「注目すべき急落企業」として、日立が順位を13、富士フィルムが同15落としたことが指摘されている。 IFI CLAIMS Patent Services “2013 U.S. Patent Trends & Insights” (1/13/14)

電気自動車は米国の大気汚染物質排出削減にほとんど影響なし

ノースカロライナ州立大学(North Carolina State University)の研究者が発表した報告書「電気走行自動車は米国の将来の大気汚染排出にどの程度影響を及ぼすか?(How Much Do Electric Drive Vehicles Matter to Future U.S. Emissions?)」によれば、電気走行乗用車(electric drive passenger vehicles: EDV:ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、電気自動車を含む)の利用が2050年までに急増したとしても、二酸化炭素や二酸化硫黄、酸化窒素などの大気汚染物質の排出には大きく影響しないという。その理由として、①EDVの恩恵の一部は発電所からのより大規模な汚染物質排出で相殺されてしまうため、②大気汚染物質排出の全体に乗用車が占める割合は比較的小さく、EDVの潜在的影響は限られるため、などが挙げられている。 North Carolina State University “Study: Electric Drive Vehicles Have Little Impact on U.S. Pollutant Emissions” (1/21/14)

携帯機器向け先端電池の年間売上は2023年までに124億ドルを超えるとの予測

ナビガント・リサーチ社(Navigant Research)は、携帯機器向け先端電池(充電式電池のみ)産業について、世界市場の分析及び今後10年間の予測をまとめた報告書「携帯機器向け先端電池(Advanced Batteries for Portable Power Applications)」を発表した。それによれば、電池技術の大幅な進展や全く新しい形の電池の登場を受け、スマートフォンから電動工具に至るまでの様々な携帯機器の充電方法が大きく変わりつつあるという。特にリチウムイオン電池の成長は目覚しい。報告書によれば、携帯機器向け先端電池の年間世界売上は2023年までに124億ドルを超えると予測されている。 Navigant Research “Advanced Batteries for Portable Power Will Surpass $12.4 Billion in Annual Sales by 2023” (1/21/14)

風力タービンによる有効電力制御が電力グリッドの信頼性向上につながる可能性

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は複数の提携機関とともに、有効電力生産制御を風力エネルギー・システムに導入することでどのように電力グリッドの信頼性を強化することができるかについて、包括的調査を行った。その結果をまとめた報告書「風力エネルギーによる有効電力制御:認識格差の是正(Active Power Controls from Wind Power: Bridging the Gaps)」によれば、風力エネルギーは、その電力生産を調整することで、電力システムの信頼性強化を支援することができるという。更に、有効電力制御を装備することはしばしば経済的恩恵をもたらし、それによるタービンへの潜在的な損傷負荷は取るに足らない程度であるという。 National Renewable Energy Laboratory “NREL Study: Active Power Control of Wind Turbines Can Improve Power Grid Reliability” (1/20/14)

ヒトゲノム解析費用が1,000ドル以下に

イルミナ社(Illumina Inc.)によれば、ヒトゲノムの解析を1件当たり1,000ドルで行えるようになるという。同社の最高経営責任者であるジェイ・フラットレー氏(Jay Flatley)は1月14日に行われたJPモーガン・チェース社(JP Morgan Chase & Co.)による医療会議でHiSeq Xシークエンサーを発表した。HiSeq Xシークエンサー(HiSeq X sequencer)は、1件当たり1,000ドルの費用で2万件のゲノム解析を行えるよう設計されているという。現在、ヒトゲノムの解析費用は約1万ドルとなっており、業界では「1,000ドル」という費用はゲノム解析をさらに普及させる上での一つの目標となっている。 Bloomberg “Human Gene Mapping Price to Drop to $1,000, Illumina Says” (1/15/14)