Category:その他
NSF、バイオ経済成長に向けて無細胞系の導入に4,000万ドルを投入
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、無細胞系の導入を加速させ、本技術の新たな応用を可能にし、米バイオ経済の成長に寄与することを意図した4,000万ドルの資金提供公募を発表した。NSFは、「使用にヒントを得た応用の拡大に向けた無細胞系の進展(Advancing Cell-Free Systems Toward Increased Toward Increased Range of Use-Inspired Applications: CFIRE)」イニシアチブを通じて、今後3年間で無細胞系の費用削減と利用の拡大、そしてそれらの使用の開発と実証に取り組む。CFIREは、アイデア・ラボ(Ideas Lab)のプロセスを用いる。最初に多様な見解で構成される集中的な会合を招集する。このアイデア・ラボ作業部会は、具体的な問題や大きな課題に対する潜在的なソリューションや手法の開発に協調的に取り組むことに関心を持つ約40名の専門家及び関係者による双方的な会合となる。この会合に参加するには、予備的なプロポーザルを承認されることが必要。 National Science Foundation “New $40M funding opportunity seeks to accelerate the adoption of cell-free systems for biochemical applications” (3/4/24)
大統領府、科学機関におけるセクハラポリシーのインベントリを発表
大統領府は2月、所外研究アワードの受益者に関するセクシャル・ハラスメントについて、連邦機関のポリシー、手順、資源のインベントリ(一覧)を発表した。インベントリには、対外的及び対内的な文書が含まれており、「安全で包含的なSTEM環境に関する省庁間作業部会(Interagency Working Group on Safe and Inclusive STEM Environments)」が作成した。この作業部会は、研究におけるハラスメント対策について連邦機関の取り組みを調整するよう求めた2022年CHIPS・科学法(CHIPS and science Act of 2022)への対応として、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)が設立した。同法は、OSTPが90日以内にインベントリを出版するよう指示していたが、その完成が遅れ、下院科学委員会(House Science Committee)や科学組織から懸念を示す書簡が発表されていた。発表されたインベントリは、ハラスメントの特定/報告/削減に関する異なるポリシーや手法は、様々な機関でパッチワーク状態となっていた。全ての機関が内部スタッフを対象としたポリシーを有しているが、全ての機関が所外のグラント受益者を明確に対象としたポリシーを持っているわけではないことをインベントリは示している。 White House “White House Publishes Inventory of Sexual Harassment Policies at Science Agencies” (February 2024)
PCAST、サイバー・フィジカル対応力の戦略に関する報告書を発表
大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)は今般、「サイバー・フィジカル対応力に関する戦略:デジタル世界の我々の重要インフラを強化する(Strategy for Cyber-Physical Resilience: Fortifying Our Critical Infrastructure for a Digital World)」と題する報告書を発表した。これらのシステムは、統合されたデジタル及びインフラの資源であり、電力グリッド、公共の水システム、インターネット及び通信、銀行システム、航空管制など、米国民の日常生活に重要な存在となっている。バイデン大統領は、米国のサイバーセキュリティを強化し、より平等で安全で対応力のある環境を作り出すため、国家サイバーセキュリティ戦略と共に大胆な行動を進展させている。しかし課題はまだ残っており、サイバー・フィジカル対応力に関する更なる行動が急務となっている。今回発表された報告書にはいくつかの勧告が提示されており、それには、国土安全保障省(Department of Homeland Security)のサイバーセキュリティ及びインフラストラクチャー・セキュリティ局(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)の活用や、その他の連邦機関及び民間の関係機関との調整が含まれている。 White House “PCAST Releases Report on Strategy for Cyber-Physical Resilience” (2/27/24)
エネルギー省、トーマス・ジェファーソン国立加速器施設の管理運営事業者を公募
エネルギー省(Department of Energy)は2月13日、トーマス・ジェファーソン国立加速器施設(Thomas Jefferson National Accelerator Facility: TJNAF)の管理及び運営契約のコンペを開始した。TJNAFは、エネルギー省が助成する研究所(Federally Funded Research and Development Center: FFRDC)で、原子物理学における科学技術のブレイクスルーを実現することに焦点を当てたミッションを有している。エネルギー省は、コンペの最初のステップとして、「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表し、コンペに関して認識されている障害にエネルギー省が対処できるよう、関心のある者からの情報を募集している。また、コンペのプロセスについてコミュニティが情報を得られるよう公共のウェブサイトが立ち上げられた。 hoDepartment of Energy “DOE Issues Request for Information and Launches New Website for the Thomas Jefferson National Accelerator Facility Management and Operating Contract Competition” (2/13/24)
6G原則を支持する合同声明発表
米国、オーストラリア、カナダ、チェコ共和国、フィンランド、フランス、日本、韓国、スウェーデン、英国は、6G無線通信システムの研究開発に関する共通の原則で意見が一致させ、共に取り組むことで、オープンで自由でグローバルで相互運用性と信頼性と対応力があり、セキュアな接続の支援に努めることになる。共通の原則とは、①信頼できる技術とは国家安全保障を保護するもの、②セキュアで対応力があり、プライバシーを保護、③グローバルな業界主導で包含的な規格標準設定と国際協力、④オープンで相互運用性のあるイノベーションを実現する協力、⑤手頃な費用で持続可能性があり、グローバルな接続性、⑥スペクトルと製造、の6点。 White House “Joint Statement Endorsing Principles for 6G: Secure, Open, and Resilient by Design” (2/26/24)
米国、港湾のサイバーセキュリティを強化するイニシアチブを発表
バイデン政権は2月21日、米国内の港湾の安全保障を強化する大統領令(Executive Order)と、海事サイバーセキュリティの強化、サプライチェーンの強化、米国の産業基盤の強化を目的とする一連の追加措置を発表した。政権はまた、米国の港湾に安全でセキュアなクレーンを提供するため、国内の陸上製造能力を復活させる意向も発表した。これは、「米国への投資(Investing in America)」議題の下で実施される米国港湾インフラへの200億ドル以上の投資のおかげである。政権が発表した措置は次の通り。①バイデン大統領は、国土安全保障省(Department of Homeland Security)が海事サイバー脅威に直接対処する権限を強化する大統領令に署名、②沿岸警備隊(Coast Guard)は、米国の戦略的な商業港湾で、中国製の「船から陸へのクレーン(ship-to-shore cranes)」に関するサイバーリスク管理措置について海事安全保障指令(Maritime Security Directive)を通達、③沿岸警備隊は、海事輸送システムにおけるサイバーセキュリティの規則提案通知(Notice of Proposed Rulemaking on Cybersecurity)を通達、④政権は、信頼できるパートナーと共に港湾クレーンを生産できるよう米国産業能力の再建に取り組む(この結果、三井E&S社(Mitsui E&S Co., Ltd)の米国子会社であるパセコ社(PACECO Corp.)がクレーン生産のための製造能力を米国の陸地に設置することを計画)。 White House “FACT SHEET: Biden-Harris Administration Announces Initiative to Bolster Cybersecurity of U.S. Ports” (2/21/24)
大学における商業化の成功を高める方法
全米経済研究所(National Bureau of Economic Research: NBER)は2024年1月、「思案する学者:大学の商業化における異種性に関する理解(The Wandering Scholars: Understanding the Heterogeneity of University Commercialization)」と題する報告書を発表した。大学における商業化活動の変動性に影響を及ぼす要素について分析したもので、報告書の執筆者は、米国の1,100大学における3万1,000名の学術研究者のキャリアの動きをたどり、研究者を受け入れる大学のそれぞれに異なる状況がどのように研究者の特許出願や起業に影響するかを分析した。報告書は次の3つのファインディングを提示している。①より強力な商業化インフラ(例として技術移転局を有しているなど)のある大学へ移動することで、特許や起業につながる確率は15~25%高まる、②技術クラスター内に存在する大学は、資源や人材、潜在的パートナーなどの恩恵を受ける、③大学内の成功率が様々であることは、特定の学部や研究センターには独自のクラスターや資源があり、商業化の成功に影響を及ぼしている可能性を示している。そうした上で、報告書は、州や大学レベルの政策による介入措置は大学における商業化の成功率を高める可能性があると示唆している。 SSTi “Improving university commercialization success” (2/29/24)
ニューヨーク市、グリーン経済行動計画を始動
暴風雨や洪水、そして気候変動の否定的な影響への経済対策など、気候変動に対する脆弱性を既に感じているニューヨーク市のエリック・アダムス市長(Eric Adams)は2月28日、「グリーン経済行動計画(Green Economy Action Plan)」を発表した。同計画は、イノベーションに満ち溢れ、技術ベースの経済開発を中心としたイニシアチブとなっており、アダムス市長は、5つの主要な目標で63件の具体的な行動の取り組むことにコミットしている。経済開発という観点から見ると、本計画の実践により、2040年までに約40万人の「グリーン・カラー」雇用がニューヨーク市内で創出される(現在同市内で「グリーン雇用」として考えられている雇用は13万3,000件)。行動計画の一部は既に開始されているが、多くは新規かつ大規模なものである。例えば、1億ドルの「気候イノベーション・ハブ(Climate Innovation Hub)」がブルックリン・アーミー・ターミナル(Brooklyn Army Terminal)で創設される。この施設は、気候技術のスタートアップやその他のグリーン経済ビジネスの商業化経路を加速させることを目的としている。 SSTi “NYC Launches Green Energy Action Plan” (2/29/24)
メリーランド州TEDCO、2023年に27億ドルの州経済活動を創出
メリーランド州の技術開発公社(Technology Development Corporation: TEDCO)は、研究大学や連邦研究所で生まれた技術の移転及び商業化を促進し、技術ベースのビジネスを創出、成長させる一助となることを目的として、1998年にメリーランド州議会によって創設された。最近発表された報告書「TEDCOの7つの中核プログラムの経済・財政的影響(2023年度)(The Economic and Fiscal Impacts of TEDCO’s Seven Core Programs-FY2023)」によれば、TEDCOは、2023年に州内で約27億ドルの経済活動を創出した。報告書は、ボルチモア大学(University of Baltimore)のジェイコブ・フランス研究所(Jacob France Institute)が作成した。報告書のファインディングとして、次のような点が挙げられている。①2021年に、TEDCOの6つの中核的な研究及び投資手段の支援を受けた442のポートフォリオ企業の直接的な雇用創出は1万433件であった(2013年の4.25倍)、②これらの企業の経済活動の効果は、2021年の23億ドルから2023年は27億ドルに増加した(2013年の約4.8倍)。 SSTi “Study finds TEDCO has created $2.7 billion in statewide economic activity” (2/22/24)
米国、中国等の懸念国からの自動車リスクに対応
バイデン大統領は、米国の自動車メーカー及び自動車工が世界で最良であることを確実にすることにコミットしている。中国の自動車メーカーは、米国及び世界の自動車市場に大きく参入することを模索しており、米国の国家安全保障に新たな脅威を呈しているが、バイデン大統領はそれを生じさせない覚悟である。大統領は2月29日、中国を含む懸念国からのコネクテッド自動車が呈する国家安全保障のリスクから米国民を守るため、これまでにない措置を講じることを発表した。大統領の指示の下、商務省(Department of Commerce)は、懸念国からの技術を取り入れたコネクテッド自動車による国家安全保障のリスクについて調査を行うため、「提案規則に関する事前通知(Advanced Notice of Proposed Rulemaking: ANPRM)」を発表した。商務省は、調査の一環として、業界や一般市民から、こうしたリスクの状況や、それらを軽減するために講じることができる策の可能性について情報を収集する。 White House “FACT SHEET: Biden-Harris Administration Takes Action to Address Risks of Autos from China and Other Countries of Concern” (2/29/24)