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その他

USGBC、エネルギー効率化にとどまらないビルの炭素削減策を提唱

米国グリーンビルディング協会(U.S. Green Building Council: USGBC)は4月に発表した論文の中で、ビルの所有者や運営者がエネルギー効率の改善にとどまらない他の排出削減策を講じれば、より迅速な削減が可能になると指摘した。具体的には(1)ビルを電化し、敷地内での化石燃料の燃焼をやめること、そして(2)ピーク時の冷暖房負荷を削減して送電網の規模縮小につなげること、の2点が大きなステップであるとしている。これらの対策はUSGBCが4月3日にパブリックコメントの募集を開始したクリーンビルディング認証プログラムLEEDのバージョン5(LEEDv5)にも反映されている。LEEDv5は、ビルの運用に使用されるエネルギー、建築や改修に使用される材料の内包二酸化炭素、ビルの運用や改修中に発生する廃棄物、ビルへの往復の輸送に関連する排出量などを減らすよう促す内容となっている。それを実施するための戦略には、冷暖房システムを全て電化することから古い空調システムの冷媒を安全に廃棄することまで、自明の方法とそうではない方法があるとUSGBCは述べている。 Utility Dive “Building decarbonization goes beyond energy efficiency, US Green Building Council says” (4/8/24)

スタンフォード大学のHAIが年次報告書を発表

スタンフォード大学(Stanford University)の人間中心のAI研究所(Human-Centered AI: HAI)が2024年版の報告書を発表した。それによると、2014年までは大学を中心に進められてきた機械学習モデルの開発が大学よりも資金力のある民間企業で盛んに行われるようになり、2023年に大学で作られたモデルが15、産学提携によるモデルが21、政府所有モデルが2であったのに対し、民間企業が開発した顕著なモデルは51にのぼった。世界における2023年のAI全般への投資は前年度比7%減り、2年連続して前年比減となったが、生成AI分野に限定すると2023年は前年の9倍、2019年の30倍へと急増した。2023年のAIへの投資の約4分の1を生成AIが占めている。同報告書はまた、AIが科学研究のブレークスルー加速化に役立つツールであることが証明されていること、そしてAI分野の博士号取得者が卒業後の就職先に大学よりも民間企業を選ぶ割合が大幅に高まっており、学界から産業に頭脳が流出する傾向が見られることなどを指摘している。さらに、責任あるAI評価のための基準を求める声が高まっており、業界は責任あるAIのベンチマークを取り決めて迅速に標準化を進める必要があるとしている。 HPC wire “Exciting Updates From Stanford HAI’s Seventh Annual AI Index Report” (4/15/24)

エネルギー省、コスト低下と信頼性向上のためのグリッドソリューションを発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月16日に発表した革新的グリッド展開に関する報告書(Pathways to Commercial Liftoff: Innovative Grid Deployment)の中で、先進導体やエネルギー貯蔵など既に市場に存在するがあまり活用されていないソリューションを組み合わせることにより既存グリッドの容量をコスト効率よく短期間で増やすことができることを示した。報告書は、5年以下で導入でき、安全で信頼性の高い電力をより安価で消費者に提供できるようにする既存ツールとして、先進送電(先進導体など)、グリッド強化技術(ダイナミックラインレーティング、先進パワーフロー制御、エネルギー貯蔵など)、システム自動化と状況認識ソリューション(先進配電管理システム、分散型エネルギー資源管理システムなど)を挙げている。エネルギー省は、必要に迫られている新たなグリッド容量の長期的な構築を続ける間の橋渡し的な対策として、これらのソリューションを用いることができるとしている。 Department of Energy “DOE Releases New Report on Accelerating Deployment of Grid Solutions to Lower Costs and Improve Reliability” (4/16/24)

エネルギー省、業務用一体型エアコンとヒートポンプなどのエネルギー効率基準を最終決定

エネルギー省(Department of Energy)は4月16日、業務用一体型エアコンとヒートポンプ(commercial unitary air conditioners and heat pumps)、サーキュラーポンプ(circular pumps)、食器洗い機(dishwashers)、様々な冷蔵製品(miscellaneous refrigeration products、ワイン用冷蔵庫など)の4品目に関するエネルギー効率の最終基準を発表した。同省はこれらの基準がエネルギーの無駄と有害な炭素汚染を大幅に削減しながら米国の家庭と企業の光熱費を年間約19億ドル節約する、広範なステークホルダーの提言を反映した決定であるとしている。同省は連邦議会によって、幅広い電化製品のエネルギー効率基準の発行を義務付けられている。新基準の遵守が義務付けられるのは、業務用一体型エアコンとヒートポンプが2029年1月1日、サーキュラーポンプが2028年、食洗器が2027年、様々な冷蔵製品が2029年1月31日からとなっている。 Department of Energy “DOE Finalizes Four Consensus-based Efficiency Standards to Save Americans Billions on Utility Bills” (4/16/24)

NSFがコンバージェンスアクセラレータを全米10地域に拡大へ

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、研究とイノベーションを促進する目的で同財団が2019年に設立したNSFコンバージェンスアクセラレータ(NSF Convergence Accelerator)を今後3年間かけて全米10地域に拡大すると発表した。これまでの全国的な単一プログラムから一連の地域プログラムへと拡大することで、州レベル、地域レベル、全国レベルの研究協力を全国的なイノベーションネットワークへと拡げ、地域の成果を共有して全国的な長期的インパクトへとつなげることをねらっている。拡大は3段階にわたって行われる計画で、ステージ1では中西部、南東部、北東部、南西部の4地域、ステージ2では中部大西洋地域、南部中央地域、北西部の3地域、そしてステージ3では中部地域、山岳地域、西部の3地域が対象となる。拡大に先立ち、NSFは各地域で説明会を兼ねたイベントの開催を予定しており、ステージ1の地域は2024年5月から2025年1月にかけて、ステージ2の地域は2025年夏から2026年冬にかけて、そしてステージ3の地域では2026年夏から2027年冬にかけて開催する計画である。 National Science Foundation “NSF expands the NSF Convergence Accelerator to 10 regions nationwide” (4/17/24)

VPPの導入で電力システムのコスト大幅減

コンサルティング会社のブラトルグループ(Brattle Group)は4月11日、カリフォルニア州で2035年までに容量が現在の5倍に相当する7.7GWのバーチャルパワープラント(Virtual Power Plant: VPP)が導入されれば、従来型電力システムのコストが7億5,500万ドル減り、電力消費者は年間5億5,000万ドルを節約できるようになるとする報告書を発表した。同報告書は、スマートサーモスタット、ビハインドザメーターバッテリー、管理された電気自動車充電、商業・産業ユーザー向けの自動デマンドレスポンス、インタラクティブ給湯を含む5つのVPP技術の累積的な可能性を分析した。EVの双方向充電など、普及には依然として技術的、商業的な障壁があるテクノロジーは考慮しなかった。分散型エネルギー資源の普及率が高く、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(Pacific Gas &Electric)がサンラン(Sunrun)と行った30MWのロードシェーピング・パイロットのような革新的なプログラムがあるのにもかかわらず、同州のVPP展開は「期待されるような規模ではまだ起こっていない」と、ブラトルグループのプリンシパルで報告書の共同執筆者であるライアン・ヘレディック氏(Ryan Hledik)は述べている。 Utility Dive “Virtual power plant adoption could save California ratepayers $550M annually: Brattle report” (4/15/24)

エネルギー省、2025年度のINCITEプログラムの募集を開始

エネルギー省(Department of Energy)の理論と実験に関する革新的で新しい計算インパクト(Innovative and Novel Computational Impact on Theory and Experiment: INCITE)プログラムは、科学、工学、コンピューター サイエンスなどの幅広い分野における、インパクトが大きい計算集約型の研究プロジェクトの企画募集を開始した。6月14日まで受け付ける。INCITEプログラムはアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory: ANL)のアルゴンヌリーダーシップコンピューティングファシリティ(Argonne Leadership Computing Facility: ALCF)とオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)のオークリッジリーダーシップコンピューティングファシリティ(Oak Ridge Leadership Computing Facility: OLCF)でスーパーコンピュータを一定時間使用し、支援リソースを受け取る特典を研究者に与えることによって科学的発見や技術イノベーションを促進することを目的としている。世界中の産官学機関で科学技術研究に従事する人に応募資格がある。 Argonne National Laboratory “U.S. Department of Energy’s INCITE program seeks proposals for 2025 to advance science and engineering at U.S. leadership computing facilities” (4/10/24)

ITIF、大型トラックに走行距離に基づく道路使用料金を課すよう提言

インフォメーションテクノロジー&イノベーション財団(Information Technology and Innovation Foundation: ITIF)が新しい報告書を発表し、その中で大型トラックに対して走行距離に基づく道路使用料金を課すことを連邦議会に提案した。同報告書は、電気自動車への移行が徐々に進む中、道路の維持費用の財源であるガソリン税に代わる、走行距離ベースの料金制度(Mileage-Based User Fee: MBUF)の導入が必要になるのは時間の問題であるとし、まず大型トラックからその新制度を適用するのが妥当であるとの見方を示した。報告書を作成したITIFのロバート・D・アトキンソン理事(Robert D. Atkinson)はMBUFに必要な技術は既にあり、ドライバーのプライバシーが完全に守られる形で実施可能であると指摘した。大型トラックには既にGPSシステムが付いており、MBUFの導入にあたって必要となる技術の更新にかかる費用が少ないため、まず大型トラックを対象とするのが理に適っているとし、また、重量と距離に基づく道路使用税を設けることによって、大型トラックが引き起こす道路の損傷の修理費用を大型トラックから徴収できるようになるとしている。 Information Technology &Innovation Foundation “Congress Should Mandate Mileage-Based User Fees for Heavy Trucks, New Report Concludes” (4/8/24)

ITIF、中国の化学品業界がイノベーションでも世界最先端になると予測

インフォメーションテクノロジー&イノベーション財団(Information Technology and Innovation Foundation: ITIF)は最近発表した報告書の中で、中国の化学品業界が量だけでなく質においても近く世界トップレベル入りするとの見方を示した。中国の化学品業界はこれまで長期間にわたり、基本的な化学品の生産量で世界のトップを占めていたが、ITIFの調査結果によると中国は特許、研究開発支出、頻繁に引用される学術論文などの指標においても化学品のイノベーションで急速な進歩を遂げている。中国の化学品企業が西側諸国の先進イノベーターに追いつき、電池、半導体、ソーラーパネルなどの先端産業向けにより複雑で高品質の化学品を供給するようになる日も遠くないという。報告書を作成したITIFのロバート・D・アトキンソン理事(Robert D. Atkinson)は、「中国は過去10年以上にわたって基礎化学品の製造を支配してきた。今後、中国政府はファインケミカルを総生産量の半分に増やすという目標を掲げ、新しい用途のための新たな化学物質にさらに注力する戦略を立てた。米国が化学分野のイノベーションリーダーであり続けるには、政策立案者がさらに研究を奨励する必要がある」と述べている。 Information Technology &Innovation Foundation ” China Is Pushing to Dominate the Global Chemical Industry Through Innovation, Not Just Production, New Study Finds” (4/15/24)

NSF-NCSESがAI研究に関する統計を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)が新型コロナウイルス感染症とAIの研究に関する国際協力について統計を発表した。この2分野は米国の優先事項とみなされ、国内外の研究機関が課題の克服に取り組んでいる。2003年から2022年の間に発表されたAIに関する論文の数は、コンピュータサイエンス全般の論文数の増加率に比べて急速に増え、世界全体での同期間の増加率は1,100%であった。AIに関して2022年に最も多数の論文を発表したのは中国(35%)で、インド(18%)と米国(10%)がそれに続いた。また、2017年から2022年までの間に米国で発表されたAIに関する論文のうち37%が国際共同研究の成果をまとめたものであった。英国(61%)とドイツ(40%)の論文に占める国際共同研究の成果は米国のそれを上回った。日本(25%)や中国(17%)、インド(10%)では米国の割合を下回った。また、AIの研究に関しては他の科学技術分野の研究よりも国際共同研究の割合がやや低い傾向が米国、英国、ドイツ、日本、中国、インドともに見られ、中でも中国は国内での共同研究の割合(41)が6カ国中最も高かった。 National Center for Science and Engineering Statistics “International Collaboration in Selected Critical and Emerging Fields: COVID-19 and Artificial Intelligence” (4/11/24)