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レポート

UNESCO、「科学分野での新興国の著しい成長は日米欧に迫る勢い」と報告

国連教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization:UNESCO)が11月10日に発表した「2010年版UNESCO科学報告書(2010 UNESCO Science Report)」によれば、世界の科学研究分野で米国、欧州、日本は依然としてリーダーであるものの、中国を始めとする新興国がそれに迫る勢いで成長しているという。研究開発投資額は世界的に増加した一方、新興国が占める割合は顕著に上昇しており、中国、インド、韓国を中心にアジア諸国が占める割合は2002年の27%から2007年に32%に上昇した。この間、日米欧の割合は下落している。また、2002年には研究開発活動の約83%が先進国で行われていたが、2007年には76%に低下した。新興国では科学者数も増加しているが、出身国では雇用が見つからず、海外への頭脳流出という問題は続いている。一方で、日米欧が依然として優位を保っているのは特許の分野となっている。 UNESCO “Research and development: USA, Europe and Japan increasingly challenged by emerging countries, says a UNESCO report” (11/09/10)

「科学研究の分野で欧州とアジアが米国に迫りつつある」との報告書が発表される

トムソン・ロイター社(Thomson Reuters)がまとめた報告書によれば、科学研究の分野で米国は依然として世界のリーダーであるものの、欧州とアジアがそれに迫りつつあるという。これによれば、米国が生物科学と医療科学に力を入れている一方で欧州やアジアの国々は工学、物理科学、技術に力を入れ、大型投資を行っているという。1981年に有力誌に占める米国科学者の論文の割合は約40%を占めていたが、2009年には29%に下がり、欧州諸国による同割合は33%から36%に、アジア諸国による同割合は13%から31%にそれぞれ上昇している。また、2008年におけるアジア諸国全体の研究開発費は3,870億ドルで、米国の3,840億ドルと欧州全体の2,800億ドルを上回った。 REDORBIT “Europe And Asia Catching Up To US Scientific Research” (11/12/10)

「一部の代替エネルギーの実現は予想以上に近い」との報告書が発表される

ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group)が11月10日に発表した報告書「代替エネルギーの次は何か?(What’s Next for Alternative Energy?)」によれば、先端バイオ燃料や集光型ソーラーパワー(CSP)、ソーラーPVといった一部の代替エネルギーは今後、導入と発展が進み、これらが世界のエネルギー構造に大きな影響を与える日は、現在考えられているよりも早い可能性があるという。報告書は上記3つの他、電気自動車、陸上風力、海上風力、炭素捕獲・隔離によるクリーン石炭の合計7つの代替エネルギーについて、①2020年までに従来型エネルギーとの価格競争力を持ち、助成金なしで経済的に実行可能なものとなるか、②障害を乗り越えて急速に普及することができるか、③現状を打ち砕くような普及水準を2025年までに達成できるか、という3点について分析を行っている。 Boston Consulting Group “The Future Is Closer Than You Think for Some Forms of Alternative Energy, Says The Boston Consulting Group” (11/10/10)

2009年の民間研究開発費、世界的に減少する中、中国は増加

欧州連合(EU)が、世界中の企業による新製品やサービスの研究開発費を調査し発表している年間スコアボードの2009年版が10月26日に発表された。これによれば、2009年は経済危機を受けて企業の研究開発費が世界的に1.9%減少したのに対し、中国の研究開発費は実に40%も増加したという。EU企業による研究開発費は2009年に2.6%減少し、米国企業による同費は5.1%の減少となった。日本企業は高い投資を堅持しており、アジアのその他の企業も投資を大幅に増加した。EUの報告によれば、日本のトヨタが2年連続で最大の研究開発投資(68億ユーロ、95億ドル)を行っており、ついでスイスの製薬大手ロシュ(Roche)の65億ユーロ(91億ドル)、マイクロソフト(Microsoft)の60億ユーロ(84億ドル)となっている。 boston.com “2009 global research outlays down, but not China” (10/26/10)

地球工学問題が議会初の報告書で注目を集める

下院科学技術委員会(House Science and Technology Committee)のバート・ゴードン委員長(Bart Gordon、民主党、テネシー州)が10月29日、地球工学(Geoengineering)に関する議会初の報告書を発表した。ゴードン委員長は、「報告書は地球工学を承認するものでは全くなく、連邦政府による既存の研究能力がこうした活動にどのように活用でき得るかを考察するための努力である」とした上で、「我々に残された選択肢を理解するために研究を行う必要がある」と述べている。報告書は、本件に関しては国立科学財団(National Science Foundation:NSF)が先導機関としてふさわしいとしている他、支援機関として複数の機関を挙げている。 The Washington Post “Geoengineering sparks international ban, first-ever congressional report” (10/29/10)

NERC、エネルギー源の多様化と需要増加の減速を予測

北米電力信頼度協議会(North American Electric Reliability Corporation:NERC)は10月20日、今後10年間の電力グリッドの状況を予測した報告書、「2010年長期信頼度評価(2010 Long-Term Reliability Assessment)」を発表した。これによれば、米国の電力グリッドは、風力および太陽光発電の大幅な増加を含め、エネルギー源の大幅な変化を経験することになり、2019年までに風力および太陽光で18万メガワットの電力が北米に追加されるという。ただし需要ピーク時の電力の90%以上は化石燃料、原子力、水力発電によって供給される見込みとしている。一方で不況により、長期的なエネルギー使用量は大幅に減速することが予測されており、さらに今後10年間で省エネ努力が進むことから電力需要の成長は鈍化するとしている。 EERE News “NERC: U.S. Power Grid to Feature Diverse Energy Sources, Slow Demand Growth” (10/27/10)

GAO、地球工学研究における連邦政府の役割やガバナンスに関する報告書を発表

政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は、①地球工学科学(ジオエンジニアリング)の現状、②地球工学における連邦政府の関わり、③地球工学に適用される連邦法や国際合意に関する専門家や連邦政府職員の見解およびガバナンス上の課題、について調査するよう依頼を受け、「気候変動:協調的な戦略により、連邦政府による地球工学研究のフォーカスとガバナンス努力への情報提供が可能になる(Climate Change: A Coordinated Strategy Could Focus Federal Geoengineering Research and Inform Governance Efforts)」と題する報告書を発表した。GAOは、地球工学に関連する実験やモデリング研究はほとんど行われておらず、地球工学によるアプローチの有効性や潜在的影響には大きな不透明性が残っていること、地球工学研究に関する連邦政府の取り組みには協調的戦略が求められていること、そして地球工学に適用される連邦法や国際合意については不透明であることなどを指摘している。そうした上でGAOは、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)などの大統領府内の適切な局が関係省庁と協議した上で地球工学研究に関する明確な協調的戦略を策定するよう勧告している。 GAO “Climate Change: A Coordinated Strategy Could Focus Federal Geoengineering Research and Inform Governance Efforts” (10/10)

米国鉄道業界の競争力に関する報告書発表

ワールドウォッチ研究所(Worldwatch Institute)とアポロ・アライアンス(Apollo Alliance)は、世界有数の鉄道大国(ドイツ、スペイン、日本、中国)のケーススタディを元に、米国鉄道業界が再び世界のリーダーとなるべく策を模索した報告書「鉄道運送業界の世界的競争(Global Competitiveness in the Rail and Transit Industry)」を作成した。報告書は、各国のケーススタディから鉄道大国に共通する原則を明らかにした上で、「鉄道業界の発展には、大規模かつ継続的な資本投資と国家的ビジョンが必要である」としている。 Worldwatch Institute “How To Make America’s Rail Industry Competitive Again” (10/21/10)

GAO、「NISTは他省庁から依頼された研究業務の開始まで時間をかけ過ぎ」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は10月20日に発表した報告書「政府内の回転資金 ~NISTの省庁間合意と業務には管理が必要(Intragovernmental revolving funds: NIST’s Interagency Agreements and Workload Require Management Attention)」の中で、「米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は省庁間合意に基づく研究業務を開始するまでに平均で125日も要している。長い場合には開始まで2年間もかかることもあり、時間がかかり過ぎである」と批判した。こうした研究業務が開始されるべき期日について政府間の基準はないが、合理的な考えでは90日であるとGAOはしている。GAOはまた、長期の遅延は資金が翌年に繰り延べされることなどから予算管理の問題につながる可能性があるとして、是正に向けた勧告を行っている。 Federal Computer Week “NIST late to start work after getting paid, GAO says” (10/22/10)

報告書「バイオ燃料利用増加が2022年の米経済にもたらす影響」が発表

「2007年エネルギー自律・安全保障法(Energy Independence and Security Act of 2007:EISA)」では米国におけるバイオ燃料の生産量を2008年の90億ガロンから2022年までに360億ガロンに増加することを義務付ける再生可能燃料基準(RFS-2)が設定されたが、農務省の経済研究サービス(Economic Research Service)は、RFS-2が米経済の様々な要素にどのような影響を及ぼすかを調査した報告書を発表した。これによると、バイオ生産の発展とコスト削減技術が実現し、石油価格が予想通り上昇し続けた場合、RFS-2は経済全体に好影響を及ぼす可能性があるが、石油価格が安定するか下落し、減税が維持された場合、経済的効果は減少するという。 Department of Agriculture “Effects of Increased Biofules on the U.S. Economy in 2022” (10/21/10)