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レポート

「電気自動車の普及には技術よりも充電インフラの確立の方が困難」とする報告書発表

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology:MIT)の教授らがまとめた電気自動車に関する報告書(1月13日発表)によれば、「電気自動車の普及には、手頃な価格の電池を開発することよりも、全国的なインフラ(数千万件の充電ステーションの設置、プラグイン式自動車の電力需要に対応するためのグリッドの強化、夜間充電を推進するためのユーティリティ規制の改正など)の整備の方がより困難であろう」との結論が示されている。報告書は昨年実施されたMITシンポジウムの成果をまとめたもので、電気自動車用先端電池の可能性については様々な意見が発表された一方、シンポジウムの参加者達は炭素排出を制限する包括的な連邦政策が必要であるとの点で概ね合意した。 SCIENTIFIC AMERICAN “M.I.T Panel Says a Charging Infrastructure may Be a Bigger Roadblock for Electric Vehicles Than Technology” (1/14/11)

米国内の潜在的発明家の存在を示す調査報告発表

1月19日に発表されたレメルソン-MIT発明指数(Lemelson-MIT Invention Index)によれば、16~25歳の米国人男女は発明家に必要とされる多くの特性(創造性、科学や数学への関心、利他的な発明への意欲など)を持ち合わせていながら、自分自身にそうした発明の能力があるとは考えていないことが明らかになった。今回の調査の対象となった16~25歳の女性の71%(男性66%)が自分は独創的であると考えている一方、自分は発明の能力を有していると考えている者の割合は27%(同39%)と低かった。この結果を受けて、大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)のある委員は、「米国は、若者のSTEMへの関心を刺激し、彼らが知性や創造性を使って世界の最も困難な問題の解決に取り組むような革新的なプログラムが必要である」と述べている。一方、同調査によれば、米国の若者のうち、女性の61%、そして男性の54%が、日本は発明分野べにおける世界リーダーであると考えていることが分かった。 EurekAlert “Survey reveals potential innovation gap in the US” (1/19/11)

米国がIPOのリーダーとしての位置を失いつつあるとの調査報告発表

KCSA戦略コミュニケーションズ社(KCSA Strategic Communications)が50人の証券専門弁護士を対象に行った調査結果によれば、70%以上の回答者が、米国は新規株式公開(initial public offerings:IPO)を行う場所としての魅力を失いつつあると考えているという。ある弁護士は、「米国の規制環境がより厳しくなりつつある一方、その他の国の証券取引所がより洗練されかつ流動性を増していることから市場シェアを伸ばしつつある」と述べている。ただし規制環境の厳しさもIPOを狙う中国企業には影響を及ぼしておらず、全回答者が「中国企業は2011年の米国におけるIPO活動の主力となるであろう」と答えている。 REUTERS “U.S. losing IPO pole position: survey” (12/30/10)

バイオマス投資は2015年までに337億ドルに成長

バイオマス業界の成長は、政策に大きな影響を受けてきたが、最近発表されたパイク・リサーチ社(Pike Research)の報告書によれば、世界におけるバイオマスへの資本投資は今後5年間、堅調に増加し続け、投資額は2010年の282億ドルから2016年には337億ドルに達する見通しであるという。また、新世代のセルロース技術が商業規模で実現されるようになるまでは、バイオ燃料分野は、バイオエネルギーやバイオ製品に遅れをとり続けるであろうと予測している。 IndustryWeek.com “Biomass Investment to Reach $33.7 Billion by 2015” (12/31/10)

米国科学アカデミー、北極・南極研究の協力を勧告

米国科学アカデミー(National Academy of Sciences:NAS)の極研究委員会(Polar Research Board)が作成した報告書によれば、北極・南極の研究を行う科学者らは、互いに協力をしておらず、そのことがエコシステムが気候変動にどのような反応をしているかを調査する研究の遅れの一因となっているという。こうしたことから報告書は、北極・南極の各研究コミュニティが「両極的なアプローチ」を採択して、リソースを共有し、両極における変化に共通するパターンを発見する全体的な研究事業を開始するよう勧告している。報告書はまた、両極における研究結果を比較できるよう、実験や測定の方法を標準化することも要請している。極研究委員会が作成した報告書「気候変動および極のエコシステムの理解におけるフロンティア(Frontiers in understanding climate change and polar ecosystems)」は今後数ヶ月以内に公表される予定である。 NATURE “US science academy report calls for ‘bipolar’ research” (1/12/11)

NIHに新たな科学的進展に対応することを要請する報告書発表

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology:MIT)の学際的パネルが作成した報告書によれば、医療ケアやエネルギー生産、食品に至るあらゆるものを変革する科学的進展が進行中であるという。報告書の作成者らが「コンバージェンス(convergence)」と名づけたこの進展は、実質的に物理科学および工学と生物学の統合である。このコンバージェンスが実現しつつある場所の一例として、生物学者と工学者が共同で研究を行うMITのコッホ癌総合研究所(Koch Institute for Integrative Cancer Research)が挙げられている。報告書はまた、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)がこの新たな科学的進展をより効果的に支援するためには、NIHへの連邦予算をインフレ並みまたはそれ以上への引き上げ、ピアレビューの改革、小規模な学際研究を支援するコンバージェンス・センターの設立などが望ましいと勧告している。 The Great Beyond “Report urges NIH to adapt to a new scientific revolution” (1/4/11)

胚性幹細胞研究の多くは州政府の助成により実施

ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)のアーロン・レバイン准教授(Aaron Levine)が執筆した論文によれば、米国における胚性幹細胞研究の多くは、州政府からの助成金によって実施されているという。ただし幹細胞研究全体で見た場合は、連邦政府による助成金の方が多い。同准教授によれば、カリフォルニア、コネチカット、イリノイ、メリーランド、ニュージャージー、ニューヨークの6州による胚性幹細胞研究への助成金は、連邦政府による助成金を上回っていたという。また、州政府によって助成された胚性幹細胞研究の多くは、連邦政府による助成の対象にもなり得る内容であるという。この論文は12月7日ネイチャー・バイオテクノロジー誌(Nature Biotechnology)のオンライン版に掲載されている。 Bloomberg Businessweek “States Now Fund Most Embryonic Stem Cell Research in U.S.” (12/14/10)

PCAST、政府ネットワークの進展を加速させるよう提言

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)は12月16日に発表した報告書の中で、政府のネットワーキング及び情報技術研究開発プログラム(Networking and Information Technology Research and Development:NITRD)について、「ネットワーキング及びITにおける発展は、社会的および経済的原動力であり、多くの分野での発見のペースを加速するとともに、開かれた政府という目標の達成において重要な役割を果たし、経済的競争力において鍵となるものである」と述べている。その上で、NITRDに関する提言をいくつか行っている。例えば、ネットワーキングやITによる変革が十分に進んでいない業界(エネルギー、教育、運輸、医療ケア)を改善するよう提言している他、スパコンはIT研究の重要な側面ではあるが、コストが高く国にとり最大の優先事項ではないかもしれないとして、現在の性能指標(1秒間あたりの浮動小数点数演算回数)重視傾向を見直すよう提言している。 Federal Computer Week “President’s Council seeks to accelerate government network advances ” (12/17/10)

バイオ倫理委員会、合成生物学にゴーサイン

大統領バイオ倫理問題研究委員会(Presidential Commission for the Study of Bioethical Issues)は12月16日に発表した報告書の中で、現在の合成生物学はまだ初期の段階であることからその技術はリスクをほとんど呈しておらず、現時点で研究を一時的に停止したり、新たな規制を実施する必要はないとの結論を示した。その代わり、合成生物学者による自己規制や、大統領府が連邦省庁を調整して同研究の様々な側面を監督することなどを勧告した。これを受けて、合成生物学の反対派や環境団体は、「報告書は空虚で臆病」「無責任な勧告」と厳しく非難する一方、バイオ産業協会(Biotechnology Industry Organization: BIO)や合成生物学研究者は「報告書は合理的、賢明である」と評価している。 The New York Times “U.S. Bioethics Commission Gives Green Light to Synthetic Biology” (12/16/10)

2009年、米国のソーラーパワー製品輸出が輸入を7億2,300万ドル上回る

GTMリサーチ社(GTM Research)が作成した報告書「米国ソーラーエネルギー貿易評価2010(US Solar Energy Trade Assessment 2010)」によると、米国において、2009年にソーラーパワー製品の輸出が輸入を7億2,300万ドル上回り、同製品の純輸出国となったことが分かった。米国はPVモジュールでは純輸入国(輸入が輸出を約2億3,200万ドル上回った)であるが、ポリシリコンでは純輸出国(輸出が輸入を11億ドル上回った)である。また、2009年にソーラーパワーの設置が米国にもたらした直接的経済価値は26億ドルに上ると試算されている。 treehugger “US Exported $723M More Solar Power Products Than It Imported in 2009: New Trade Balance Report” (12/14/10)