Category:レポート
大統領府報告書、「クリーンエネルギー使用基準(CES)」への攻撃に反論
大統領府は2月23日に発表した「大統領経済報告(Economic Report of the President)」の中で、大統領が提案している「クリーンエネルギー使用基準(clean energy standard: CES)」を賞賛し、「大統領のエネルギー政策案は、エネルギー技術の勝者と敗者を決めるものであると同時に高コストである」という共和党の主張に反論した。オバマ大統領は、再生可能エネルギーや原子力、天然ガス、炭素排出捕獲技術を有する石炭発電所(その技術はまだ商業化されていない)など低炭素源からの発電を倍増し、2035年までに米国の総電力の80%をこれらのエネルギー源から調達するという目標を設定している。大統領経済報告は、「CESは、研究開発中の新技術を市場に引き出す一助となるクリーンエネルギー導入の経済的インセンティブとなるであろう。重要な点として、CESは具体的なクリーン技術を選出するわけではなく、目標を達成するために市場や企業がコスト効果が最も高い技術を決定するようになっている」と指摘している。 THE HILL “White House report parries attacks on ‘clean energy standard’” (2/23/11)
FDA長官、後発医薬品の申請審査の迅速化を模索
食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)のマーガレット・ハンバーグ長官(Margaret Hamburg)はフロリダ州で行われた後発医薬品製薬会社協会(Generic Pharmaceutical Association)による年次会合で、未処理となっている多くの審査作業を迅速化するために後発医薬品製薬会社に特別申請手数料を課すという考えに支持を示し、「現行制度の改革は急務である」と述べた。現在、後発医薬品申請の許可には平均して2年以上を要しており、その長期化が業界から問題視されている。FDAは今月末に本件に関して業界代表と協議する予定で、ある後発医薬品製薬会社の社長は、「申請審査プロセスや手続きの変更には12~24ヶ月を要し、おそらく議会の関与が必要となるであろう」と述べている。 THE WALL STREET JOURNAL “FDA Chief Seeks to Speed Generics Approvals” (2/18/11)
第14回年間グローバルCEO調査結果が発表される
プライスウォーターハウス・クーパース社(PricewaterhouseCoopers LLP:PwC)は、第14回年間グローバルCEO調査(14th Annual Global CEO Survey)の結果を発表した。調査は2010年第4四半期に世界69カ国で1,201社の経営者を対象に実施されたもので、これによれば、現在は経済危機からの回復途上ではあるものの、企業のCEOの間では楽観的観測が復活しており、今年の成長について危機以前の経済繁栄時と同じような自信が見られるという。地域により経済回復の速度にばらつきが見られる中、企業は強い経済回復が見られる地域での売上増をターゲットとすると同時に、企業戦略を変更している。戦略変更における重点分野としては、①イノベーション、②人材、③企業の成長に重要と考えられる分野での政府とのシェアアジェンダ、の3点が挙げられている。また、イノベーションへのアプローチとして、イノベーション活動を顧客により近づける(顧客の声をイノベーションに取り入れる、開発プロセスを物理的に顧客に近い場所に移動するなど)、「オープン・イノベーション(開発プロセスにより多くの人材が携わる)」の採用などが指摘されている。 pwc “14th Annual Global CEO Survey Growth reimagined” (February 2011)
競争力評議会(COC)が製造業幹部による勧告をまとめた報告書を発表
競争力評議会(Council on Competitiveness)は昨年6月、米国製造業が直面する課題に取り組み、米国製造業の長期的健全性を確実にするためのダイアログや政策、プログラムを推進するための「第三次ミレニアム製造業イニシアチブ(3rd Millennium Manufacturing Initiative)を開始した。そして2月17日、製造業の最高経営責任者(CEO)や上級幹部とのインタビューから得られた勧告をまとめた「イグナイト1.0(IGNITE 1.0)」の発表に至った。勧告は、①税制、②エネルギー政策、③貿易政策、④規制・法律環境、⑤科学・技術・感動や勇気を与えるような目標の設定、⑥インフラ投資、⑦人材へのアクセス、⑧科学技術教育の8つにわたっている。今後は、大学関係者とのインタビューに基づく「イグナイト2.0」が6月に、労働指導者とのインタビューに基づく「イグナイト3.0」が9月に発表される。 Council on Competitiveness “Ignite 1.0” (Published February 2011)
自動車研究センター(CAR)が米国における2015年までの電気自動車普及パターンを予測
自動車研究センター(Center for Automotive Research: CAR)は、米国内における2015年までの電気自動車の普及パターンや普及を支援するインセンティブ・プログラムに関する予測を発表した。この調査は、50州におけるハイブリッド自動車の売上を基に電気自動車の普及パターンを州別に算出したもので、それによれば2015年までに49万6,000台のプラグイン電気自動車が米国内を走行すると予測されている。最も電気自動車が普及すると予測されているカリフォルニア州では2012~2015年の間に合計11万台以上が販売されると見られている。その他は、テキサス、ニューヨーク、フロリダといった大きな州でも2万6,000台未満と予測されている。CARでは、これらの予測は不測の事態(石油価格の高騰など)や積極的なインセンティブ・プログラムによって変動すると注釈している。 Green Car Congress “Center for Automotive Research releases study on estimated US distribution pattern of electric vehicles through 2015; focus on incentives” (2/13/11)
NHGRI、ゲノミクスのビジョン発表
国立ヒトゲノム研究所(National Human Genome Research Institute:NHGRI)は、ゲノミクスに関する新たなビジョンを示した報告書「ゲノム医療への道:塩基対から診療ベッドへ(Charting a Course for Genomic Medicine from Base Pairs to Bedside)」を発表した。これは約2年間の年月を経て作成された報告書で、世界中の科学者達が多くの有望な機会を最大限に生かし、今後10年間におけるゲノミクス研究で直面する重要な課題に挑戦する上で、フォーカスや投資が必要とされる分野について概説している。執筆者達は、進展が必要とされるコアエリアとして、①ゲノム構造の理解、②基本的なゲノム生物学の理解、③疾病生物学の理解、など5点を挙げている。また、今後数十年間でゲノミクスの発見は医療科学の分野で劇的な進展を遂げるであろうが、それらの進展を臨床へと発展させるには膨大な研究が必要とされるであろうと述べている。 GenomeWeb Daily News “NHGRI Offers ‘New Vision’ for Genomics Future” (2/10/11)
オバマ政権のイノベーション戦略改訂版発表
大統領府は2月の第1週目に、「米国イノベーション戦略(Strategy for American Innovation)」の改訂版を発表し、この中で新たに5つのイニシアチブを加えた。それらは、①ワイヤレス・イニシアチブ(5年以内に米国民の98%が高速ワイヤレスへのアクセスを得る)、②特許制度改革(米国特許商標局(U.S. Patent and Trademark Office:USPTO)による作業の迅速化と特許の品質向上)、③クリーン・エネルギー・リーダーシップへのコミットメント、④K-12教育の強化に対する新たなコミットメント、⑤スタートアップ・アメリカ・イニシアチブ(アントレプレナーシップの振興と有望なベンチャー企業の強化)である。 The Intangible Economy “Obama Innovation Strategy – and doing more” (2/9/11)
エネルギー省、分析書「2015年までに100万台の電気自動車計画」を発表
エネルギー省(Department of Energy: DOE)は2月8日、2015年までに100万台の電気自動車を国内に走行させるというオバマ大統領の目標に関して、「2015年までに100万台の電気自動車計画(One Million Electric Vehicles by 2015)」と題する分析書を発表した。分析書は、大統領の目標は野心的ではあるが、既に実施されている政策を基に実現可能であるとしている。また、電気自動車のインフラや研究開発、実証プロジェクトに対するDOE投資は目標達成のための土台作りとなっており、製造能力が目標達成の阻害要素となる可能性は低いが、イノベーションの加速やコスト削減、需要促進には追加政策が必要であるとしている。オバマ政権は、①従来、電気自動車購入に適用されていた7,500ドルの減税をリベートに変更する、②電気駆動、電池、燃料貯蔵技術の研究開発投資を拡大する、③競争的グラントにより地方自治体における電気自動車インフラ構築を支援する、という3つを提案している。 EERE “DOE Releases New Analysis Showing Significant Advances in Electric Vehicle Deployment” (2/8/11)
2050年までに再生可能エネルギーで世界のエネルギー需要を満たす可能性が指摘される
環境保全団体のWWFとエネルギーコンサルタント会社のエコフィーズ社(Ecofys)が2月3日に発表した報告書によれば、2050年までに世界のエネルギー需要の95%を再生可能エネルギー源で満たせる可能性があるという。ただし報告書は、「2050年までに野心的な省エネ措置を行えば、世界のエネルギー需要を2005年比で15%減少させることが可能である」「建造物の暖房は、エネルギー効率措置や太陽光発電、地熱の利用により、少なくとも60%削減される必要がある」などの条件を呈している。一方、「再生可能エネルギー発電能力の導入や電力グリッドの近代化、エネルギー効率の改良のために、まず資本投資を増大させる必要がある」とした上で、今後25年間で年間投資額を約1兆ユーロから約3兆5,000億ユーロへ増大させる必要があるとしている。 REUTERS “Renewables can meet world energy needs by 2050-WWF” (2/3/11)
米クリーン技術企業への投資、2010年は40億ドルに
会計事務所のアーンスト&ヤング社(Ernst & Young)が2月2日に発表した報告書によれば、米国クリーン技術企業が2010年に受けた投資額は前年比8%増の39億8,000万ドルに達したことがわかった。昨年の投資の特徴として、第2ラウンドへの投資資金の割合が2009年の18%から2010年は26%に増加し、より後期段階への投資は23億7,000万ドル(全投資額の62%)に上った点が指摘されている。約40億ドルの投資のうち、15億8,000万ドルがソーラー事業への投資で、これは前年比77%増加した。報告書は、「2010年におけるクリーン技術事業への投資の変化は、信用および資本市場の改善、景気刺激支出の実施、企業によるクリーン技術導入の増加によるもので、業界の転機を示している」としている。 CNET “U.S. clean-tech investing hit $4 billion in 2010” (2/3/11)