Category:

レポート

NIH報告書、大学院生の研修内容を重視するよう勧告

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の国立総合医科学研究所(National Institute of General Medical Sciences:NIGMS)は大学院生およびポスドク研究者の研修について、「これらの研修プログラムを通じて、学生がアドバイザーの後を追って学界の道に進むためのスキルだけでなく、科学分野における様々なキャリアを追求できるスキルを提供すべきである」と勧告する報告書を発表した。報告書は、「教員には、より多様な労働力の構築を支援する義務がある」とも指摘している。ただし、こうした目標をどのように達成するかについて具体的な提案は行われていない。大学院生やポスドク研究者の研修内容を見直すべきだとの声はこれまでにも上がっていたが、NIHによる報告書という点で注目されている。報告書を受け、関係者の間では、この新たなアプローチによりNIHの最も一般的なR01グラントなどで審査基準が変更するのではないかという懸念が示されている。 AAAS “NIH Report Urges Greater Emphasis on Training for All Graduate Students” (2/4/11)

医療ITベンチャー投資額が2010年に増加

ダウジョーンズ・ベンチャーソース(Dow Jones VentureSource)の発表によれば、医療情報技術(IT)企業が2010年に調達したベンチャー投資額は4億6,000万ドルで、これは2009年より19%増加したという。医療電子記録やその他の医療IT市場の成長がその要因とされている。医療業界全体のベンチャー投資調達額は2010年に前年比7%減の74億ドル(702件)であった。同業界の最小部門である医療サービスは12億ドルを調達し、業界内で最も強い成長を見せた。一方、業界最大のベンチャー投資額を調達したのは引き続きバイオ製薬企業で、調達額は34億ドル(317件)であった。 WTN NEWS “Health IT venture investments up in 2010” (2/2/11)

TIPコンペの今後の方向性を示す計画書発表

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、技術イノベーション・プログラム(Technology Innovation Program:TIP)を通じた研究開発支援について、今後可能性のあるコンペ分野を概説した「3年計画(Three-Year Plan)」を発表した。具体的には、2014年までのコンペの可能性のある分野として、①公共インフラ(先端感知技術および先端修復素材)、②製造(先端材料、バイオ製造、製造加工、ロボット工学および知的オートメーション)、③エネルギー(スマートグリッドを可能にする技術)、など7分野が挙げられている。 NIST “New TIP Three-Year Plan Outlines Future R&D Grant Directions for NIST” (2/2/11)

EU、イノベーションパフォーマンスにおいて米国と日本に遅れ

欧州委員会(European Commission: EC)が発表した「イノベーション連合スコアボード(Innovation Union Scoreboard)」によれば、欧州連合(European Union: EU)は依然として米国および日本とのイノベーション・パフォーマンス格差を埋められずにいる。インドやロシアといった新興経済国と比べれば明らかな優位にあるものの、ブラジルは確実に成長しており、中国は急速に追いつきつつあるという。米国および日本との格差が最も大きい点は、官民共同論文や企業の研究開発支出、そして日本と比較した場合は特許協力条約(Patent Cooperation Treaty:PCT)における特許数となっており、こうしたことから報告書は、「民間投資を奨励し、企業による研究成果を活用するために、規制およびその他の枠組みを整備することを優先すべきである」とまとめている。 Euroalert.net “EU still lagging behind US and Japan on innovation performance” (2/1/11)

カリフォルニア州のバイオ医療産業は今後も成長上向き予測

カリフォルニア・ヘルスケア研究所(California Healthcare Institute)、ベイバイオ(Bay Bio)、プライスウォーターハウス・クーパース社(Pricewaterhouse Coopers LLP: PwC)が2月1日に発表した報告書「2011年版カリフォルニア州バイオ医療産業報告書(2011 California Biomedical Industry Report)」によれば、カリフォルニア州内におけるバイオ医療企業のCEOの81%が、「過去1年間に他国や、他州の政府または地域経済開発機関による誘致を受けた」と回答しているが、多くのCEOが州内におけるバイオ医療産業に自信を抱いており、州内の雇用や製造、研究開発を拡大する計画であることが分かった。同州の魅力として、「高度技能者や起業的環境に優れている点、イノベーションを重視する州の文化、優秀な研究大学の存在」などが挙げられている。一方、州内におけるバイオ医療産業の研究、イノベーション、投資を維持するために重要な要素としては、重複規制の排除、労働力開発、研究開発減税などが挙げられている。 pwc “California’s biomedical industry is poised for growth despite increasing global competition, according to the 2011 California Biomedical Industry Report” (2/1/11)

中国が医療技術のイノベーターとして台頭しつつあるとの報告発表

プライス・ウォーターハウス・クーパース(Price WaterhouseCoopers)が発表した新たな報告書によれば、中国、インド、ブラジルが医療技術の分野で米国に追いつきつつあり、イノベーションのリソースや活動が欧米からシフトしつつあるという。報告書は国別に医療技術を採点評価(1~9)しており、米国は7.1と世界的リーダーを維持しているものの2005年の7.4から下落している。一方、中国は2005年の2.9から3.4に上昇した。報告書は米国から医療イノベーションのオフショアをもたらしている要因として、より高コストで予測可能性が低い食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の規制承認制度や医療ケアにおける価値やコスト効果の高いソリューションへのフォーカスの集中などを挙げている。 EETimes “Report: China rising as medtech innovator” (1/18/11)

GE、「イノベーション・バロメーター」報告書を発表

ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Co.:GE)はスイスで開催されている世界経済フォーラム(World Economic Forum)で、「GEグローバル・イノベーション・バロメーター(GE Global Innovation Barometer)」を発表した。同報告書は13カ国で1,000人の企業幹部を対象に行った調査を元にしたもので、これによれば、77%の回答者が「医療品質の向上や教育へのアクセス、環境品質、エネルギー安全保障の強化など、人道的ニーズに対応するものが、21世紀における最大のイノベーションとなるであろう」と考えているという。また、95%がイノベーションはより競争的な国家経済にとって重要な要素であると考え、88%がイノベーションは雇用創出の最善策であると考えていることも判明した。 NewsTimes “GE’s ‘innovation barometer’ shows corporate focus on human need” (1/28/11)

ミルケン研究所による2010年版州別技術科学指数発表

ミルケン研究所(Milken Institute)による2010年版州別技術科学指数(2010 State Technology and Science Index)が発表された。同指数は79の独自の指標を「研究開発インプット」「リスク資本およびアントレプレナー・インフラ」「人的資本投資」など5つの要素に分類して算出しており、トップ5州は、1位マサチューセッツ州(昨年1位)、2位メリーランド(2位)、3位コロラド州(3位)、4位カリフォルニア州(4位)、5位ユタ州(8位)となっている。報告書は、「上位州は、21世紀の経済成長の原動力である技術科学資産に十分な投資を行い、またこれをうまく活用している」としている。 The Milken Institute “2010 State Technology and Science Index: Enduring Lessons for the Intangible Economy” (1/25/11)

米企業の大半はオフショアは失業率の悪化をもたらしていないと考える

コンフェレンス・ボード(Conference Board)とデューク大学フュークア経営大学院(Duke University’s Fuqua School of Business)が1月19日に発表した調査結果によれば、米企業の半数以上が、オフショアリングは失業率の悪化につなっがていないと考えていることが分かった。これら企業は、雇用のオフショアは国内における有能労働者の不足に対応したものであり、コスト削減が大きな要因ではないとの見解を示している。また、製造業者やハイテク・通信企業は、自社専属ではなく、外部のオフショア労働力提供事業者を利用するところが増えつつあることもわかった。さらに、多くの企業において、雇用のオフショアによる経費削減額の平均が低下していることも明らかになっている。

炭素市場に関する省庁横断型報告書発表

商品先物取引委員会(Commodity Futures Trading Commission)を議長とする連邦省庁横断型のグループは1月18日、「既存および今後の炭素市場の監督に関する報告(Report on the Oversight of Existing and Prospective Carbon Markets)」を発表した。自由な金融派生商品取引が金融危機の拡大につながったことから、一部の議員や専門家から炭素市場も不正利用される危険があるのではとの声が上がっているが、報告書は、「少なくとも炭素市場は、排出枠のエンドユーザーや炭素相殺の提供事業者が自由に取引できるようにすべきであるが、このように取引者が制限されている場合、売り手と買い手の動きによって価格が決まるプロセスを促進するのに十分な参加者や流動性がないかもしれない」とし、幅広い参加者がいる炭素市場を勧告している。ただし、市場操作を防ぐためには厳しい監督と透明性が必要であると繰り返し警告している。 THE HILL “Don’t freeze Wall Street out of carbon markets, federal report says” (1/19/11)