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レポート

連邦通信委員会、「ブロードバンドの普及は依然として遅い」と指摘

連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)は8月21日、ブロードバンドに関する年次報告を発表し、「米国内で1,900万人が依然としてブロードバンドを利用していない。状況は改善されつつあるものの、普及のペースは依然として非常に遅い」と述べた。この報告書は8回目となる年次報告で、FCCは3年連続で「ブロードバンド・サービスは合理的かつタイムリーな形で進んでいない」としている。昨年の報告書で、ブロードバンドを利用していない米国民は2,600万人であったことから、多少の改善は見られる。報告書によればまた、数百万人の米国民がブロードバンド・サービスへのアクセスを持ってはいるものの、これを利用していない。その理由は、費用が高額すぎるか、その必要性を感じていないためであるという。 Cnet “FCC report finds broadband deployments still too slow” (8/21/12)

2012年上半期に新規追加された発電能力の多くを天然ガスと再生可能エネルギーが占める

エネルギー省のエネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の発表によれば、2012年上半期に33州で165件の新規発電機(合計8,098メガワット)が追加されたという。そして、発電能力が最も追加された上位10州において、その多くは天然ガスあるいは再生可能エネルギー源を利用しているという。効率的な複合発電式(combined-cycle)の天然ガス発電機は、石炭による発電機に匹敵する競争力をつけてきており、2012年上半期には伝統的に石炭火力を多く利用していた州で複合発電機が導入された。同年上半期に稼動開始となった石炭火力発電機はイリノイ州での1件のみであった。また、2012年上半期に新規追加された165件の発電機のうち、105件は25メガワット以下の小規模発電機であった。そしてこれらの多くは再生可能エネルギー源(太陽光発電と埋立地ガスが中心)を利用している。 Energy Information Administration “Natural gas, renewables dominate electric capacity additions in first half of 2012” (8/20/12)

連邦規制、製造部門に悪影響をもたらす

「生産性及びイノベーションのための製造事業者同盟(Manufacturers Alliance for Productivity and Innovation: MAPI)」からの委託を受けて、NERA経済コンサルティング社(NERA Consulting)は、米国製造部門に関する連邦規制(1億ドル以上)のマクロ経済的影響を分析した。この報告結果によれば、①1998年以来、大型連邦規制の遵守コストの伸びは、製造業部門の伸び及び経済全体の伸びを大幅に上回っている、②米国製造事業者は現在、2,183件(試算)の規制の対象となっている、③大型規制により、製造業の生産活動は今後10年間で最大6.0%削減される可能性がある、といった点がキーファインディングとなっており、規制が製造業者に重くのしかかっていることを強調する内容となった。 Manufacturers Alliance for Productivity and Innovation “MAPI Executive Summary of Regulations Impact Report” (8/21/12)

世界的に化石燃料と再生可能エネルギーへの政府助成が増加傾向

ワールドウォッチ研究所(Worldwatch Institute)が実施、発表した調査結果によれば、世界における再生可能エネルギーへの助成合計額は660億ドル(2010年)に達したが、化石燃料に対する世界助成合計の試算額(7,750億~1兆ドル以上、2012年)に比べれば僅かなものとなっている。再生可能エネルギーへの助成合計額は化石燃料への助成合計額よりも大幅に低いものの、キロワット時あたりの助成額は、再生可能エネルギーへの助成(キロワット時当たり1.7~15セント)の方が化石燃料への助成(同0.1~0.7セント)よりも高いという。ただし、これには化石燃料の外部性(資源や環境、健康への悪影響)が考慮されていない。政府支援の対象を化石燃料から再生可能へとシフトすることは、世界のエネルギー・システムの脱炭素化の要であるが、段階的撤廃へ向けた世界的な取り組みの進展は最小限であると同研究所は分析している。 Worldwatch Institute “Fossil Fuel and Renewable Energy Subsidies on the Rise” (8/21/12)

NSFの小委員会、NSFに機器への投資強化を要請

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の「2022年マテリアル小委員会(Materials 2022 subcommittee)」は8月16日に公表したマテリアル科学に関する勧告書(advisory report)の中で、「NSFは多くの研究者が利用できるよう新規機器への投資を拡大すべきである」と勧告している。2022年マテリアル小委員会は、「NSFのマテリアル研究局(Division of Material Research: DMR)は中規模施設(50万~500万ドルの初期投資が必要とされる施設)への投資を怠っているのではないか」という懸念が指摘されたことを受け、召集された。なお、報告書は、機器へのアクセス拡大が成功している事例として、国家ナノテクノロジー・インフラストラクチャー・ネットワーク(National Nanotechnology Infrastructure Network: NNIN)を紹介している。 Nature News Blog “Panel urges NSF to boost instrument investment” (8/17/12)

GAO、「EPA規則は一部の地域で電気代上昇を招く見込み」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が8月16日に発表した報告書「EPA規則と電力:当局のより良い監視で潜在的問題への取り組み努力が強化される可能性(EPA Regulations and Electricity: Better Monitoring by Agencies Could Strengthen Efforts to Address Potential Challenges)」によれば、石炭火力発電所に対する環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の4件の規制を受け、より旧式の発電所が(設備の改良ではなく)閉鎖すると予想される南部や中西部など一部の地域で電気代が上昇する見込みであるという。報告書によれば、多くの企業が大気汚染物質の削減を狙いとしたEPAの2件の規則を遵守するために、旧式の石炭火力発電施設を改良して新設備を備え付けると予想される他、全国で2~12%の火力発電能力が閉鎖される見通しであるという。GAOはEPAによる規則4件について影響を分析しており、今回はそのうち2件が調査完了となっている。GAOはまた、EPAが関連省庁と協力して業界の遵守状況を監視する正式なプロセスを開始するなど、幾つかの勧告を行っている。 Bloomberg BNA “EPA Rules Could Raise Electricity Costs, But Only in Some Regions, GAO Report Says” (8/17/12)

米国研究評議会(NRC)、糖類研究に関する報告書を発表

米国研究評議会(NRC)は、「糖質科学の変革:未来のためのロードマップ(Transforming Glycoscience: A Roadmap for the Future)」を発表し、連邦科学助成機関は糖質を理解するための科学を幅広く向上させ、医薬品やエネルギー、材料の広範な進展につなげるよう勧告した。報告書では、「生体における糖質の役割は正しく評価されていない」と指摘している。グリカンと呼ばれる糖ポリマーは生体に共通し、ほぼ全ての疾病で役割を果たすなど重要な存在であるが、グリカンを合成的な手法で研究及び操作することが難しい点が障害となっている。報告書は、「糖質科学分野は、グリカンのより良い検知や画像化、シークエンス、合成に関する新規ツール開発を助成する国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)やエネルギー省(Department of Energy)などの連邦助成機関の取り組みによって、大きな利益をもたらされる可能性がある」とまとめている。報告書はまた、哺乳類や植物、微生物のグリカンについて一元的データベースを創出するよう提案している。 Science Insider “U.S. National Academy Report Sweet on Sugars” (8/16/12)

米国研究評議会(NRC)、光学及びフォトニクス研究に関する報告書を発表

米国研究評議会(National Research Council: NRC)は、米国における光学及びフォトニクス研究の優先事項や課題、可能性、展望などを示した報告書「光学及びフォトニクス:米国の必須技術(Optics and Photonics: Essential Technologies for Our Nation)」を発表した。報告書は、連邦政府が「国家フォトニクス・イニシアチブ(National Photonics Initiative)」を策定し、産学官が集結して連邦による研究開発助成の元で活動を進めていくよう勧告した。報告書はまた、光学及びフォトニクス技術の進展によって対処可能な課題として、①過去10年間に実現した技術的進歩の継続、②軍事偵察及びミサイル防衛、③太陽光発電コストを化石燃料並みにすること、など5点を挙げている他、光学及びフォトニクスの応用技術分野として、①通信、情報処理、データ・ストレージ、③国家安全保障、③エネルギー、④医療及び医薬品など8分野について議論している。 National Academies “Optics and Photonics Research Priorities, Grand Challenges Presented in New Report; National Initiative Recommended to Lead Collaborative Effort” (8/13/12)

今後10年間の太陽・宇宙物理学における研究プログラムに関する報告書発表

米国研究評議会(National Research Council: NRC)は、太陽、太陽と地球の関係、「宇宙の天気」の起源などに関する科学的理解を進展させることについて、2013-2022年における基礎・応用研究の優先プログラムを示した報告書「太陽・宇宙物理学:技術社会のための科学(Solar and Space Physics: A Science for a Technological Society)」を発表した。報告書は、今後10年間の太陽・宇宙物理学における科学的目標として、①太陽活動の起源を確立し、宇宙環境における変動を予測する、②地球の磁気圏、イオン圏、大気圏の動力学や結合性、および太陽や地球からの影響への反応を分析する、など4点掲げている。報告書にはまた、今後10年間の指針となる原則や行動勧告なども盛り込まれている。 National Academies “New Report Presents Research Program for Solar and Space Physics Over the Next Decade” (8/15/12)

水素燃料電池自動車開発は進展傾向

エネルギー省(Department of Energy)は2003年、燃料電池電気自動車が2009年までに達成すべき高度な技術的暫定目標を設定し、実証プロジェクトを開始した。プロジェクトには、ゼネラル・モーターズ社(General Motors)、ダイムラー社(Daimler)、シェル社(Shell)、BP社、エアプロダクツ&ケミカル社(Air Products and Chemicals Inc.)など9社が参加し、250マイルの走行距離や2,000時間の燃料電池耐久性、ガソリン(1ガロン当たり3ドル)に匹敵する水素生産コストなどが目標として掲げられていた。国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy laboratory: NREL)が最近発表した報告書「国家燃料電池電気自動車学習実証 最終報告(National Fuel Cell Electric Vehicle Learning Demonstration Final Report)」によれば、走行距離や耐久性の目標は達成されたものの、水素生産コストは実証が難しいとされている。参加企業は4チームに分かれて実証プロジェクトに参加しているが、どのチームが目標を達成したのかは明らかにされていない。 Environmental Leader “DOE Study: Hydrogen Fuel Cell Vehicles Advancing Rapidly” (8/14/12)