Category:レポート
エネルギー省、電力会社に「サイバーセキュリティ・ガバナンス委員会」の設置を要請
エネルギー省(Department of Energy)は、電力会社に対して、内部のサイバーセキュリティ・プログラムを監督する「サイバーセキュリティ・ガバナンス委員会」を設置してサイバーセキュリティ問題を優先案件とし、それらの情報をエネルギー省と共有するよう奨励している。また、エネルギー省は、ネットワークの脆弱性の特定など同省に提出された機密情報を、他の参加企業と匿名で共有する計画でもある。これらのアイデアは、「電力サブセクター・サイバーセキュリティ能力成熟モデル1.0版(Electricity Subsector Cybersecurity Capability Maturity Model, Version 1.0)」で示されたものである。この成熟モデル文書は、政府や米電力業界の代表者によって作成されたもので、また電力会社に対して、社のサイバーセキュリティ・ガバナンス委員会に報告義務を負うサイバーセキュリティ担当上級幹部を任命するよう要請している。 Network World “Dept. of Energy wants electric utilities to create “cybersecurity governance board”” (8/10/12)
エネルギー省、風力エネルギー業界の成長を示す報告書を発表
エネルギー省(Department of Energy)は8月14日、「2011年風力エネルギー技術市場報告(2011 Wind Technologies Market Report)」を発表した。それによれば、米国は引き続き世界有数かつ急成長中の風力市場の一つとなっている。2011年に米国内に追加された新規発電能力のうち、風力発電は実に32%を占め、140億ドルの新規投資を獲得している。更に、昨年、米国風力発電地帯に導入された風力発電機器のうち、米国製が約70%を占め、これは2005年の35%から2倍増となっている。風力部門の雇用も増加している一方で、報告書は「生産税控除(production tax credit: PTC)が2012年末で失効となることから、2013年は劇的な鈍化が予想される」としており、スティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は、PTCの延長措置を議会に要請している。 Department of Energy “Energy Report: U.S. Wind Energy Production and Manufacturing Surges, Supporting Jobs and Diversifying U.S. Energy Economy” (8/14/12)
複数機関による共同研究が増加傾向
国立科学財団(National Science Foundation: NSF)が最近発表した報告によれば、複数機関における共同研究が増加の傾向にあるという。2000-2009会計年度において、大学を通じてその他の機関との共同研究プロジェクトに提供された研究開発費は、全体的な大学研究開発費よりも急速に増加しているという。報告によれば、2000年度に大学がその他の大学に提供した金額は約7億ドル、その他の機関に提供した金額は約4億8,200万ドルであったが、2009年度は他大学への提供は19億ドル、その他機関への提供は14億ドルであったという。NSFはこうした傾向の要因として、共同研究を促進するような連邦政府によるイニシアチブと技術的進展を挙げている。 National Science Foundation “Research Collaboration Among Multiple Institutions Is Growing Trend” (8/3/12)
米国西部に膨大な再生可能エネルギーの可能性
センター・フォー・アメリカン・プログレス(Center for American Progress)の分析結果によれば、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、ネバダ、ニューメキシコ、ユタの米国西部6州には国内で最も優れた再生可能発電の可能性があるという。これらの6州における公有地で、今後20年間の間に、34ギガワット以上の太陽光熱・風力・地熱エネルギー発電が可能と考えられている。さらにこうしたプロジェクトがもたらす経済効果として、20万9,000人以上の直接雇用や、再生可能エネルギー部門への1,370億ドルの投資が試算されている。センター・フォー・アメリカン・プログレスでは、これらの可能性を実現するためには連邦政府による政策支援が欠かせないとし、中でも重要な政策として、①全国クリーン・エネルギー基準の制定、②公有地におけるクリーン資源基準の制定、③エネルギー・ゾーンの設定、④老朽化した送電システムの改革、の4点を挙げている。 Center for American Progress “The Vast Potential for Renewable Energy in the American West” (August 2012)
カウフマン財団報告「大学ベンチャーには学生アントレプレナーの存在が鍵」
ユーイング・マリオン・カウフマン財団(Ewing Marion Kauffman Foundation)が8月6日に発表した報告書「アントレプレナーシップを通じた大学技術移転:スピンオフにおける教員と学生(University Technology Transfer through Entrepreneurship: Faculty and Students in Spinoffs)」によれば、大学における商業化の取り組みにおいて、大学院生やポスドク学生の存在は重要な鍵であるという。報告書は8件の主要大学における技術の商業化ケースについて分析を行っており、それによれば大学スピンオフにつながる4つの主要道筋として、①教員と経験豊富なアントレプレナーの連携(調査対象の23%)、②教員と博士号過程・ポスドク学生の連携(同41%)、③教員、博士号学生・ポスドク学生、MBA学生の連携(13%)、④学生によるベンチャー立ち上げ(23%)が挙げられている。 Ewing Marion Kauffman Foundation “Student Entrepreneurs Critical to Commercializing University Startups, Kauffman Study Shows” (8/6/12)
下院エネルギー・商務委員会、ソリンドラ問題に関する報告書を発表
下院エネルギー・商務委員会(House Energy & Commerce Committee)は8月2日、エネルギー省(Department of Energy)から債務保証を受け、後に破綻したソリンドラ社(Solyndra)の問題について調査した結果を詳細な報告書として発表した。報告書では、「調査で集められた証拠により、政権が当初からソリンドラ社がうまくいっていないことを承知しつつも、同社を景気刺激策の成功事例として仕立て上げようとしていたことが分かった」としている。報告書はまた、①エネルギー省は法で義務付けられている財務省(Department of Treasury)との事前協議を怠った、②行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は再編計画の監督や審査を怠った、などと指摘している。 Republicans House Energy & Commerce Committee “Committee Releases Extensive Report Detailing Findings of Solyndra Saga” (8/2/12)
全米石油審議会(NPC)、「自動車の1マイルあたりの温室効果ガス排出は2050年までに少なくとも40%削減可能」と報告
全米石油審議会(National Petroleum Council: NPC)がエネルギー長官(Secretary of Energy)に提出した報告書「米国輸送の未来のための技術進展(Advancing Technology for America’s Transportation Future)」によれば、技術的問題やインフラ面での課題が克服されれば、経済的に競争力のある低炭素燃料や燃費の向上により、温室効果ガスの排出は大幅に削減される可能性があるという。そしてあらゆるタイプの自動車において、1ガロン当たりの温室効果ガス排出が2050年までに少なくとも40%削減される(2005年と比べ)可能性があるとしている。ただし、「こうした進展が継続及び加速するには、業界や政府による持続的かつ集中的な努力が重要である」と、報告書は指摘している。 Green Car Congress “NPC report to Energy Secretary finds light-, medium- and heavy-duty vehicles could reduce per-mile GHG at least 40% by 2050; additional strategies required for further reductions” (8/2/12)
米政権、「国家バイオ監視戦略」を発表
オバマ政権は7月31日、「国家として、国民の健康と安全性を、自然発生あるいは意図的に発生された脅威から守る必要がある。全国的な緊急医療問題が発生した場合の人命救助や解決策を向上させる上で、脅威の早期発見や持続的な状況認識は重要である」として、国家バイオ監視戦略(National Strategy for Biosurveillance)を発表した。戦略は、効果的なバイオ監視事業の重要な要素として、①状況の注視と見極め、②重要な情報の統合と特定、③意思決定者への警告及び情報提供、④影響の予測とその忠告、の4つを提示している。 White House “Fact Sheet on the National Strategy for Biosurveillance” (7/31/12)
国立再生可能エネルギー研究所、「全ての州に再生可能エネルギーの可能性がある」と指摘
国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)が行っている研究、「米国における再生可能エネルギーの技術的可能性(U.S. RE Technical Potential)」によれば、全米における全ての州に、再生可能エネルギーの技術的可能性があるという。研究は、6つの再生可能エネルギー技術について試算を比較し、仮定や手法を一元化していることから、意思決定者やユーティリティ企業にとり、有益な内容となっている。また、再生可能エネルギーに関する州レベルの地図や表も盛り込まれている。 National Renewable Energy Laboratory “NREL Study Shows Renewable Energy Potential in Every State” (7/26/12)
残留油ゾーンに膨大なエネルギー資源がある可能性
エネルギー省(Department of Energy)化石燃料局(Office of Fossil Energy)の支援を受けてテキサス大学パーミアン・ベイシン校(University of Texas-Permian Basin: UTPB)が行った研究の初期ファインディングによれば、残留油ゾーン(residual oil zones: ROZ)から数十億バレルの石油を回収できる可能性があるという。ROZとは、貯留層の石油と水の接点の下に見られる不動の原油がある部分のことを指す。ROZから残留油を生産するには、二酸化炭素の圧入などの石油増進回収法(enhanced oil recovery: EOR)技術などが必要とされる。本研究の最終報告書は90日以内に発表される予定である。UTPBはこの他にも、化石燃料局の支援を受けて、ROZに関する理解を深め、原油の追加回収の可能性を模索する研究を2件行っている。 National Energy Technology Laboratory “Vast Energy Resource in Residual Oil Zones, FE Study Says” (7/20/12)