戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)は9月17日、「米国が断固たる措置を講じなければ、研究及び技術開発における米国のリーダーシップは低下し、長期的な経済的及び戦略的代償をもたらすだろう」と警告する報告書を発表した。米国は、研究開発(R&D)支出額では引き続き世界的リーダーであるが、中国は米国との差を急速に縮めつつある。CSISによれば、中国の技術的姿勢の変化を最も明確に示す指標の一つは、政府内のR&Dが急増している点である。政府主導のR&Dという中央一元的モデルは、中国に戦略的優位性をもたらしており、業界や高等教育機関等においても、R&D支出は米中間で極めて異なる推移を示しているという。CSISは、米国が世界的なリーダーシップを維持するには、まず、政策策定者が中国におけるR&D投資の規模と対象について理解することが必要であるとしている。その上で、競争力を高める手法として、将来の民間投資の基盤としてR&D資金を回復・改革・拡大しつつ、戦略的分野で税額控除を拡大・現代化することが必要であると主張する。また、複数年に亘る連邦研究助成を提供することで、企業・大学の長期的な研究計画を安定させ、国内のSTEMフェローシップの拡大や技能ベースのビザ政策改革、米国の教育を受けた国際的人材の積極的な維持を通じて、人材基盤を再活性化させる取り組みが重要であるという。
Center for Strategic & International Studies “Competing with China’s Public R&D Model: Lessons and Risks for U.S. Innovation Strategy” (09/17/25)
https://www.csis.org/analysis/competing-chinas-public-rd-model-lessons-and-risks-us-innovation-strategy