中国における人工知能(AI)関連の軍事能力開発は、米国内で大きな関心を集めつつある。安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology:CSET)は、中国人民解放軍(People’s Liberation Army: PLA)が2023年1月から2024年12月に発表したAI関連の防衛契約2857件の新規データセットの分析を行った。その分析結果によれば、中国の伝統的な国防企業がAI関連の軍事調達を先導している一方、一部の非伝統的な業者や研究機関が台頭し、これらの組織も重要な役割を担っているようである。CSETは、「中国のAI関連の国防産業基盤の多様化は米国にいくつかの課題を呈している」とした上で、①中国の特定の伝統的な防衛企業を対象とした重要技術や資金へのアクセス制限によって中国の軍事現代化を制限する米国の取り組みが複雑になる、②データセット上に見られる非伝統的な業者や研究機関の大半は米国の制裁の対象ではなく、民生・防衛技術の境が曖昧になる中、米国はイノベーションに必要な開放性の維持と国家安全保障リスクの軽減の間で難しい選択を迫られると指摘する。
CSET “Pulling Back the Curtain on China’s Military-Civil Fusion” (September 2025)