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March 2026

NSF、米・アイルランドで研究成果の国際商業化支援へ新枠組み

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は3月20日、研究成果を国際市場へ展開するための新たな三者連携「米アイルランド研究成果移転・商業化イニシアチブ(U.S.-Ireland Research Translation and Commercialization Initiative)」を開始すると発表した。NSF技術・イノベーション・パートナーシップ局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)、アイルランド研究機構(Research Ireland)、北アイルランド経済省(Northern Ireland Department for the Economy)が協同し、新興技術の商業化を加速する取り組みで、2006年に設立された米アイルランド研究開発パートナーシップ(U.S.-Ireland Research and Development Partnership)の20周年記念に合わせ、共同研究支援をさらに発展させる。選抜チームには事業化支援やメンターによる指導提供に加え、追加資金投入も検討している。これに伴い、NSFは情報提供依頼(RFI)を公表し、活動を統括する専門事業者の選定に向け、回答期限を4月13日午後3時(東部夏時間)までと設定した。 NSF “NSF TIP launches an international partnership to move discoveries from lab to marketplace on an international scale” (03/20/26) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-tip-launches-international-partnership-move-discoveries

空軍特殊作戦部隊、小型一方向攻撃ドローン調達を要請

ディフェンスニュース(DefenseNews)は3月19日、空軍特殊作戦コマンド(Air Force Special Operations Command: AFSOC)が特殊作戦部隊用の小型一方向攻撃ドローンの調達を求めていると報じた。情報提供依頼書(RFI)によると、AFSOCと特殊戦術(Special Tactics: ST)部隊は現在、一人称視点(First-Person View: FPV)による無人機能力が欠如し、任務展開や標準的な戦術・技術・手順の開発が制限されているという。要求仕様は1分未満もしくは3分以内の離陸準備が条件で、射程10キロメートル以上(理想は20キロメートル超)、1.5~3キロの破片弾頭を搭載し、飛行時間を15~30分と想定する。GPSが利用できない環境でも機能するよう求めており、初期段階では2機のドローンと地上管制システムを含めて約13.6kg以下とし、最終的には1人の作戦要員が運搬できる約4.5kgのシステムを想定している。戦闘統制官や戦術航空統制専門家などで構成される特殊戦術チームの専門要員に配備されるとし、約20キロ離れた目標の奪取や防衛任務を支援する。 DefenseNews ” US Air Force special operations seeks kamikaze drones” (03/19/26) https://www.defensenews.com/unmanned/2026/03/18/us-air-force-special-operations-seeks-kamikaze-drones/

テスラ社とLG社、ミシガン州で43億ドル規模の電池工場建設へ

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は3月19日、テスラ社(Tesla)とLGエナジー・ソリューション社(LG Energy Solution)がミシガン州ランシングに43億ドル規模のリン酸鉄リチウムイオン電池セル(Lithium-iron-phosphate cells: LFP)製造工場を建設すると報じた。2027年に稼働開始予定で、テスラ社の大型蓄電システム「メガパック3(Megapack 3)」向けセルを供給し、ヒューストン近郊の大型蓄電池工場(メガファクトリー)で組み立てられる計画である。テスラ社は2025年のエネルギー事業売上が約128億ドルに達し、前年比26.6%増を記録したとし、2026年もメガパック3とメガブロックなどによる強い需要を見込んでいる。一方、LG社も送電網規模の蓄電システムなどで90GWhを受注し、北米での生産能力を60ギガワット時(GWh)以上に拡大させる見込みであるという。この合意は、インド太平洋諸国とのエネルギー安全保障会合を受けた民間投資560億ドルの一環で、国内の重要エネルギー供給網確保に向けた取り組みとなっている。 Utility Dive “Tesla, LG to build $4.3B battery plant as part of supply agreement” (03/19/26) https://www.utilitydive.com/news/tesla-lg-to-build-43b-battery-plant-as-part-of-supply-agreement/815200/

地熱増産システム導入で西武電力需要への対応が可能に CPE提言

公共企業センター(Center for Public Enterprise: CPE)は3月16日、地熱増産システム(Enhanced Geothermal Systems: EGS)の導入により、100~500メガワット(MW)規模の商業運転を3~6年以内に可能にすることができるとの報告書を発表した。掘削装置と人員確保により開発期間は3年未満へも短縮が可能で、西部で急増する電力需要を満たすことができると提言している。EGSは水平掘削と水圧破砕技術を用いて人工的な亀裂(貯留層)を作って地熱を引き出す技術で、燃料購入費が必要なく、年間80%を超える安定した設備稼働率に加え、2035年までの税額控除も享受できると指摘した。7~10年かかっていた従来型に対し、開発期間も70~75%短縮できるとし、許認可取得や送電網への接続が迅速に行われれば、各社の短期統合資源計画にも組み込めると強調した。さらに、EGSは石炭火力の代替として約1.8倍の炭素排出削減効果があり、電力会社にとっても資本効率の高い選択肢であると説明している。 CPE “The Firm Frontier” (03/16/26) The Firm Frontier 参照記事: Utility Dive “Enhanced geothermal deployment could be compressed to under 3 years: report” (03/19/26) https://www.utilitydive.com/news/enhanced-geothermal-deployment-could-be-compressed-under-three-years-repor/815227/

一般調達局とNIST、導入前AI評価で連携

FEDSCOOPは3月19日、一般調達局(General Services Administration: GSA)が米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)傘下の人工知能(AI)標準・イノベーションセンター(Center for AI Standards and Innovation: CAISI、旧AI安全研究所)と連携し、政府機関導入前のAIシステムを評価すると報じた。NISTの評価専門性とGSAの政府全体への影響力を融合してAI導入強化を図るとし、信頼性とセキュリティ向上に向け、GSAの「USAi」基盤を通じた各機関のモデル試験を支援する。CAISIはベンチマークの選定や実環境でのテストに関するツールや指針を提供し、各機関が活用できるガイドラインやチェックリストを策定する。一方、GSAは複数契約制度を通じてAIシステム契約に関する条項案を公表した。知的財産権や政府データの利用、セキュリティ事故に関する報告などの基準策定を進め、評価においてはバイアスや安全性、思想的内容の有無などを確認する方針で、政府意向に沿った技術統合を求めていくという。 FEDSCOOP “GSA, NIST team up to evaluate AI before agency deployments” (03/19/26) GSA, NIST team up to evaluate AI before agency deployments

NSF、AI教育拡充に1,100万ドルを助成 

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は3月19日、コンピューターサイエンス教師協会(Computer Science Teachers Association: CSTA)に1,100万ドルを付与したことを発表した。教員の人工知能(AI)とコンピューター科学教育の指導力を高めることが目的で、大統領令「米国の若者のためのAI教育の推進(Advancing Artificial Intelligence Education for American Youth)」に基づく取り組みである。インディアナ州、サウスカロライナ州、ミネソタ州など複数州における約2,500~3,000名の教員を対象に、データやアルゴリズムなどのコンピューターサイエンスの基礎概念に加え、AIの倫理的側面や授業内での活用など、夏期研修とコミュニティ支援を組み合わせた2年間に亘る専門性開発を実施するもので、AI教育を通じた次世代イノベーター育成に向け、AIリテラシーを拡大する。この取り組みにより、1教員あたり約200名の生徒が恩恵を受けるとし、最大60万人の学生に高品質なAI学習機会が提供されることを見込んでいる。 NSF “NSF invests $11M to expand AI professional development for K-12 teachers nationwide” (03/19/26) https://www.nsf.gov/news/nsf-invests-11m-expand-ai-professional-development-k-12

エネルギー省、エネルギーインフラ強化に向けた5カ年計画を発表

エネルギー省(Department of Energy)傘下のサイバーセキュリティ・エネルギーセキュリティ・緊急対応局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)は3月18日、国内エネルギーインフラ強化に向けた初の5カ年戦略計画を発表したと明らかにした。2026~2030年の5年間に亘り、世界最高水準のセキュリティ技術開発、国内エネルギーインフラ整備に加え、インシデント対応・復旧強化を柱とするもので、同局はエネルギー分野のリスク管理機関として、自然災害やサイバー攻撃などの緊急事態に備えた対応体制を整備する。これに伴い、業界パートナーに対しタイムリーで実践的な情報を提供し、脅威に対し先手を打つ支援を行なっていくとも説明した。特にサイバー攻撃や物理的脅威からの保護を重視し、国家サイバー戦略の一環として重要インフラ保護や技術優位性維持、人材育成にも注力していく。 Department of Energy “CESER Prioritizes American Energy Dominance and Infrastructure Hardening in New Strategic Plan” (03/17/26) https://www.energy.gov/ceser/articles/ceser-prioritizes-american-energy-dominance-and-infrastructure-hardening-new

連邦航空局、サイバー・量子脅威対策で民間情報収集開始

FEDSCOOPは3月17日、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)がサイバー攻撃や量子脅威に対する防衛力強化のため、民間企業からの情報収集を開始したと報じた。2028年末までの航空管制システム(Air Traffic Control: ATC)導入期限を控え、昨年の首都ワシントン国際空港での墜落事故でFAAの技術的失敗が指摘されたことが背景にあり、数十億ドル規模のシステム整備計画の中核となる国家航空システム(National Airspace System: NAS)とATCに関する情報セキュリティとインフラ改善について業界からの提案を求めている。サイバーセキュリティ分野では侵入テスト、脆弱性評価、インシデント対応調整などの運用改善に関する提案を募集し、量子分野では将来の量子コンピューター攻撃に備えたポスト量子暗号(Post-Quantum Cryptography: PQC)への移行計画も進める。同局は量子耐性と暗号機動性を備えたセキュリティ整備が急務とし、締め切りはサイバーセキュリティ市場調査が3月18日で、PQCを4月10日とした。 FEDSCOOP “FAA aims to build better defenses against cyber, quantum threats” (03/17/26) FAA aims to build better defenses against cyber, quantum threats

宇宙軍ミサイル防衛計画「ゴールデン・ドーム」の予想コスト、1,850億ドルに

NEXTGOV/FCWは3月17日、宇宙軍(United States Space Force: USSF)の大規模ミサイル防衛プロジェクト「ゴールデン・ドーム(Golden Dome)」のコスト予測が1,850億ドルとなったと報じた。従来計画の1,750億ドルから100億ドル増加した。宇宙配備型迎撃ミサイルシステム開発が開発費を押し上げているとみられ、特に拡張性とコスト効率が関係しているという。専門家らは長期運用・補充費用は含まれておらず、実際のコストはさらに膨らむと見ており、議会予算局(Congressional Budget Office: CBO)は20年間で5,420億ドルから8,310億ドルに膨らむと予測し、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(American Enterprise Institute: AEI)は最高水準の構成では最大3兆6,000億ドルに達する可能性があるとの報告書を発表した。同軍は2028年夏までに作戦能力を実証する必要があるとし、同計画にはロッキード・マーチン社(Lockheed Martin)やアール・ティー・エックス社(RTX)、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)が参画するという。 NEXTGOV/FCW “Golden Dome’s projected cost just jumped $10 billion. Experts fear that’s just for starters.” (03/17/26) https://www.nextgov.com/defense/2026/03/golden-domes-projected-cost-just-jumped-10-billion-experts-fear-s-just-starters/412185/?oref=ng-homepage-river

連邦政府、ハンドルなし車両の規制整備へ

アクシオス(Axios)は3月18日、連邦政府がハンドルやペダルのない完全自動運転車の普及の後押しに向け、規制や車両基準を整備すると報じた。国内で運行中のロボットタクシーは自動運転技術を搭載した従来型車両をベースにしており、連邦政府による統一的な法律もなく州ごとに規定されている。これらを背景に、暫定措置として米国道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration: NHTSA)がアマゾン社(Amazon)傘下のズークス社(Zoox)によるロボタクシーの特例配備に向けた審査を進めている。また、ワイパーなど手動を前提とした車両基準の撤廃や、新たな安全ガイドラインを年内にも公表する予定で、これに併せ、連邦議会でも自動運転法案(Self-Drive Act)や自動車近代化法案(Motor Vehicle Modernization Act)の議論が活発化している。ショーン・ダフィー運輸長官(Sean Duffy)は中国製の自動運転車が世界を席巻しつつある現状から、技術進化に合わせた法整備によって、技術競争における覇権維持を強く訴えている。 Axios “U.S. paves road for vehicles with no steering wheel” (03/18/26) https://www.axios.com/2026/03/18/robotaxi-autonomous-av-steering-wheel